ー小笠原鎮守府ー
小笠原鎮守府工廠に羅號の艤装が鎮座していた。
レムリア解放軍の協力もあって、装填速度の向上や重力炉のエネルギー効率の最適化など様々な改修が行われた。
そして羅號本人も工廠内にいる。
羅號
「開発任務ですか?」
提督
「ええ、レムリア帝国との戦いに備えて戦力を増強しようと思って。」
工廠内には『開発装置』と呼ばれる装置がある。
スパコンの様な外見にシャッターとベルトコンベア、レバーが接続されている。
使い方は資材と投入した後、レバーを下ろすだけ。
羅號
「……それだけ?」
明石
「うん、それだけ!」
開発装置と言うんだから複雑な手順を踏むのかと思った羅號は拍子抜けした。
明石
「ただ、投入した資材の配分からある程度出したい装置を狙えるけど、殆ど運任せだわ。」
羅號
(大丈夫かなぁ…)
羅號は先行きが不安ながらも、やってみる事にした。
彼がレバーを下ろすと、機械音が鳴り響きシャッターが開いてベルトコンベアから…
ペンギン?と羊?のぬいぐるみが入った木箱が出て来た。
羅號
「…えっと、これは?」
提督
「あ〜これはスカ…まぁクジでいうハズレね。」
いきなりスカが出て先行きが不安になるが、気を取り直してレバーを下ろす。
次に出て来たのは対空用の『三式弾』の様な形の砲弾だが、色は水色だった。
提督
「これは…?」
提督達が不思議がる中、妖精さんが一枚の紙を持ってくる。
その紙にはこんな事が書かれてあった。
『冷凍弾』
羅號の冷線砲を砲弾化した兵器。
近接信管にて液体窒素を散布し、周囲一帯を絶対零度まで凍結させる砲弾である。
砲弾型である為、冷線砲と比べて射程距離が長い。
口径は41〜51cm砲弾対応。
羅號
「僕の冷線砲を砲弾化…?」
これには羅號も驚く。
自分の兵器の改良版が出て来たのだ。
3回目は銀一色の先端が鋭いロケットとその発射機だった。
紙にはこう書いてある。
『零式徹甲誘導弾(別名:フルメタルミサイル)』
噴進弾の一種。
先端の装甲によって敵艦を貫き着弾と同時に内部の液体炸薬に点火、敵艦を内部から破壊する。
貫徹力・破壊力は51cm徹甲弾に匹敵する上、小型であるが為駆逐艦にも搭載可能。
コストが高い事と誘導性能がそこまで高くない為、命中には近距離で発射しなければならないのが欠点。
明石
「これって、駆逐艦が戦艦並の攻撃力を得る画期的な兵器じゃないですか⁉︎」
夕張
「ただ費用が高いから量産には向かないですね…」
明石と夕張がそれぞれ感想を述べる。
4回目はスカ、5回目は三式弾と同じ形状の砲弾(色は灰色と赤)が出て来た。
『炉号弾』
気化弾の一種。
空中にてエアゾールを散布し、適切なタイミングで点火する事で周囲一帯を焼き尽くす。
対地・対空用として使われる。
※尚、炸裂時に潜望鏡を使うと失明する怖れあり。
提督
「気化弾…燃料気化爆弾って訳か…」
提督達が感想を述べる中、開発は続けられる。
結果…
20回の内、スカが7回。
開発された兵器は…
『冷凍弾』
『零式徹甲誘導弾』×2
『炉号弾』
『Z弾』×2
クラスター式の砲弾。
砲弾内に無数の子爆弾を格納し、時限信管にてばら撒く。
対地・対艦用として使われる。
『対潜攻撃弾』×2
先端がドリル状になっている特殊砲弾。
回転しながら水中を進み、至近弾でも敵潜を破壊出来る。
巡洋艦以上の艦艇に搭載可能。
『マ式豆爆雷砲』×2
対魚雷防御用爆雷投射砲。
『四連装30mmレーザー砲』×2
光線兵器の一種。
主に対空用として使われる。
航空機を焼き切る程の威力だが、エネルギーが大量に必要なのと使い続けると回路が焼き切れる為時々冷却する必要がある。
『610mm超音速魚雷』
ロケット推進とスーパーキャピテーションの複合推進魚雷。
ロケット推進に加えスーパーキャピテーションによる水中の摩擦を極力減らす工夫によって驚異的な高速性を発揮。
酸素魚雷の2.25倍の速度で敵艦に接近、破壊する。
『C弾(別名
対空迎撃用の誘導弾。
特殊高分子の雲を作る誘導弾であり、作られた雲は時間とともに粘着力を増し、敵機に付着して機能を止めていく。
提督
「凄いわね…」
明石
「見たことない兵器がいっぱい…!」
羅號が開発した兵器に皆興味津々だ。
提督
「それじゃあ性能テストといくわよ。」
鎮守府周辺海域にて新兵器の運用試験が行われた。
まずは零式徹甲誘導弾。
その誘導弾を駆逐艦『暁』に搭載する。
暁
「じゃあ行くわよ!新兵器の力、試させて貰うわ!」
彼女はそう意気込み、標的ブイ(戦艦)に向かって突貫する。
射程圏内に入りフルメタルミサイルの照準を標的ブイに構えると…
暁
「フルメタルミサイル、発射っ‼︎」
フルメタルミサイルが2発発射され、標的ブイに向かって飛んでいく。
2発のフルメタルミサイルは標的ブイに命中、そして爆発した。
夕張
「凄い、なんて威力…」
明石
「貫徹力・破壊力は51cm砲弾と同等…!」
性能評価をした後、次はC弾。
C弾が入った八連装ミサイル発射機を重巡『摩耶』に搭載する。
空母艦娘が演習機を上げて、性能テストがスタートする。
演習機が摩耶目掛けて爆撃を敢行しようとしたその時…
摩耶
「C弾、撃てぇ‼︎」
摩耶からC弾が2発発射される。
放たれたミサイルは演習機の所へと向かって飛んでいくが、直前で爆発した。
演習機は爆発によって形成された雲の中に突っ込んでいく。
摩耶
「何っ⁉︎不具合か⁉︎」
すると演習機のエンジンが爆発し、そのまま墜落した。
何事かと演習機を引き上げてみると、なんと機体に白い何かが付着しエンジンがそれを吸い込み爆発、方向舵も機能しなくなっていた。
霧島
「なるほど…粘着力の高い特殊高分子で形成された雲が航空機に付着し機能を奪ったのですね。」
データ収集が得意な艦娘『霧島』が冷静に分析する。
続いて四連装30mmレーザー砲。
レーザー砲と特殊大型バッテリーを戦艦『比叡』に取り付け、演習機に対し迎撃を行う。
比叡
「気合い!入れて!撃ちます!」
レーザー砲から黄色の光線が放たれた。
そのまま演習機に向かい、光線が機体を切り裂き爆発した。
榛名
「凄い…!」
明石
「ただバッテリーを充電するのに従来艦じゃ時間が掛かるのが難点ね…」
武蔵
「だが光の速さで飛ぶから回避する間も与えない…航空機が無効になるという事か。」
赤城
「えっ、その性能なら私達空母の出番は………」
提督
「えっ、いやいや大丈夫だから安心してっ‼︎お願いだから泣きそうにならないで‼︎」
提督は自分達の存在価値が無くなりそうになって泣きそうになった空母達を慌てて慰めた。
その後も新兵器の性能テストが行われた。
〜610mm超音速魚雷〜
重雷装巡洋艦『北上』が超音速魚雷の試射を開始。
結果、魚雷は発射から3秒も掛からず標的ブイに命中、轟沈判定。
川内
「何アレ⁉︎」
北上
「すっご…」
〜マ式豆爆雷砲〜
重巡『羽黒』に搭載。
発射された豆爆雷は爆圧による壁を形成し雷撃を防いだ。
〜対潜攻撃弾〜
重巡『妙高』に搭載。
放たれた対潜攻撃弾は着水から数秒後、標的艦(潜水艦)に命中、轟沈判定。
羽黒
「凄いです!」
妙高
「これほどとは…!」
〜Z弾〜
戦艦『大和』に搭載し複数の標的ブイに向けて撃つ。
砲弾は複数の標的ブイの上空にて炸裂し、大量の子爆弾が広範囲にばら撒かれる。
結果、複数の標的ブイが大破ないし撃沈となった。
〜冷凍弾〜
戦艦『武蔵』に搭載し演習機に向けて撃った。
砲弾が炸裂すると周囲一帯が凍りつき、航空機のエンジンも凍りつきそのまま墜落、海面に叩きつけられた衝撃で演習機は跡形もなく粉砕した。
そして最後は炉号弾。
これを羅號に搭載した。
空母艦娘達が演習機を発艦し、炉号弾の性能テストがスタートする。
羅號は炉号弾を装填し、照準を敵編隊に向ける。
羅號
「第一主砲、炉号弾撃て‼︎」
彼の掛け声と共に第一主砲から炉号弾が発射される。
放たれた砲弾は敵編隊に向かって飛んでいき、次の瞬間ーーー
ドゴォォォォォォォ‼︎
閃光と共に爆発音が鳴り響く。
あまりの眩しさに皆目を瞑り手で目元を隠す中、やがて閃光が収まる。
皆目を開けるとそこには
結果、炉号弾の膨大な熱と爆風によって演習機の編隊は跡形もなく蒸発した。
桁違いすぎる威力に皆唖然とする。
これにて新兵器の運用試験が終了した。
夕張
「改めて見ると凄いね、羅號くんが出した新兵器…」
明石
「これと『現代化改修兵装』も加われば、大幅な戦力増強が見込めますね!」
新兵器開発計画はレムリア解放軍の協力もあって順調に進んでいる。
深海棲艦を影で操った国家…『レムリア帝国』に対抗する為に………
一方、南極大陸では…
ゼノン
「諸君、これより南方方面攻略作戦の概要を発表する。今作戦の目的は南方方面の日本海軍勢力を殲滅し東南アジアを支配下に収める事である。」
総統官邸の戦略作戦司令室にて軍の参謀と指揮官を集めて作戦会議を開く。
まずは作戦の内容を参謀達に伝える。
ゼノン
「参謀総長、作戦の概要を。」
???
「はっ。」
帝国軍の参謀総長『ハルマト=サラマドラ』が作戦の概要を説明する。
ハルマト
「今作戦は三段階に分けて行われます。第一段階は深海棲艦を使いショートランド・ブイン泊地の艦隊を誘き出し、鎮守府方面が手薄になった所で本隊による鎮守府施設の攻撃・殲滅、そして救援に駆けつけるレムリア解放軍の迎撃及び時間稼ぎ、第二段階では南シナ海にて先に万能戦艦と艤装装着兵を送り込み敵戦力を出来るだけ削り、後に合流する攻略艦隊と合流し本格的に殲滅する。第三段階ではシンガポール等の要所を揚陸に占領、そして救援に駆けつける日英豪連合軍を要撃する事です。」
ゼノン
「まず第一段階の要である先鋒艦隊の指揮はエルドラード、君に任せる。万能戦艦はソビエツキー・ソユーズを投入する。思う存分やれ!」
エルドラード
「はっ!」
ゼノン
「次に第二段階の要である先行輸送部隊はルバロンが、攻略艦隊の指揮をカルバルトに任せる。」
ルバロン&カルバルト
「「はっ!」」
ゼノン
「そして第三段階の要である揚陸部隊の指揮をグラードに任せる。」
グラード
「はっ!」
ゼノン
「最後に今作戦の総司令官にロデム元帥を当てる。やってくれるか?」
ロデム
「お任せください、総統閣下。」
帝国海軍元帥『ロデム=アーマゲドン』がそう返答する。
ゼノン
「尚、今作戦の総旗艦に“超兵器第一号”超戦艦『グロース・ドイッチュラント』を始め計7隻の艦隊を賜る。期待してるぞ。」
ロデム
「はっ!」
ゼノン
「これより作戦を開始する。総員死力を尽くせ‼︎」
ゼノンの掛け声と共に作戦は始動する。
帝国の次なる侵攻が始まる………
レムリア帝国による地上侵攻の次なる作戦が始まる。
乞うご期待ください。