ー小笠原鎮守府艦娘寮ー
鎮守府案内を再開した二人は弓道室が置かれたエリアを訪れた。
そう、空母艦娘が生活するエリアに来た。
瑞鳳
「ここが正規空母や軽空母が生活するエリアです!」
羅號
「あれ?何か音が聞こえますね…」
彼の言う通り『弓道室』と書かれている部屋から音が聞こえる。
瑞鳳
「あっ、今赤城さん達が弓の稽古をしているね。見にいこっか!」
そう言うと二人は弓道室から覗いた。
そこには四人の艦娘がいた。
赤、青、緑、橙色の弓道着を着ており、それぞれ弓の稽古に励んでいた。
ちょうどその中の一人が弓を引き、狙いを定めるとーーー
ヒュン!!
矢を放ち、的に命中させた。
羅號
「すごい…」
彼が感激していると、緑色の弓道着を着た少女が二人に声を掛ける。
???
「あれっ、瑞鳳ちゃんと…その子は?」
瑞鳳
「蒼龍さん。今新しく入ってきた羅號くんに鎮守府案内をしている所なの。」
蒼龍
「そうだったのね!私は航空母艦蒼龍、よろしくね!」
飛龍
「同じく飛龍。蒼龍とは同じ二航戦の所属なのよ。」
加賀
「貴方が羅號?私は一航戦所属加賀よ。」
赤城
「同じく赤城です。よろしくお願いします。」
羅號
「初めまして、大和型四番艦羅號です。よろしくお願いします!」
羅號が自己紹介を終えると、四人の空母は驚いた表情を見せる。
飛龍
「えっ!大和型って…貴方戦艦なの!?」
飛龍の問いに彼は頷く。
驚くのも無理はない。
彼の身長は駆逐艦並で身なりも子供っぽい所があった為、大凡駆逐艦だろうと四人は思っていた。
羅號
「う〜ん…自分でもなんでこの容姿なのかが分かりません…どうせなら大和お姉ちゃんの様にはいかなくても、もう少し身長があれば良いのですが…」
赤城
「…まっ、まぁ、こればっかりはどうしようもないですし、気にしない方がいいですよ。」
彼の悩みに赤城がフォローする。
その後、他の空母と談笑したりして最後に向かったのは…
瑞鳳
「…さて、最後は戦艦達が生活するエリアに着きました!」
大和達戦艦が生活するエリアである。
羅號
「あの〜僕ってこのエリアに住む事になりますか?」
瑞鳳
「う〜ん、多分そうなるんじゃない?」
瑞鳳がそう答えたその時ーーー
???
「Hey、瑞鳳!そこのNew Face誰デスか?」
声がしたので振り向くと、金色のカチューシャに巫女服にフリル付きのミニスカートを履いている四人の艦娘がいた。
羅號
「初めまして、本日付で配属された大和型四番艦羅號です。」
金剛
「私は金剛型戦艦のネームシップの金剛デース!…Hum、Ra-goh?聞かない名前デスね?霧島はドウ?」
金剛はメガネを掛けている艦娘『霧島』に聞くが…
霧島
「えっ、大和型四番艦…?確かその戦艦は建造中止になった筈じゃ…」
霧島は首を傾げた。
さらにーーー
???
「それに戦艦の艦名は旧国名から取られるけど…『羅號』って国名あったっけ…?」
???
「うう…榛名も聞いた覚えがありません…」
比叡、榛名が各々自分の言いたいことを言い終えると、羅號に視線を向ける。
羅號
「え〜と、何と言いますか…自分は今までの戦艦とは一線を画す新基軸戦艦として工事の遅れていた『第111号艦』を改造した為、建造がかなり時間が掛かってしまって…大戦末期に完成しそのまま戦没したので、知らないのも無理はありません。」
金剛
「Oh、それなら記憶に無くてもしょうがないデース。…Hum、こうしてみるとやはり大和達の血を引いているのだと分かりマース!」
羅號
「ん?それってどういう……あ」
彼が首を傾げていると、後ろから大和がやって来た。
大和
「羅號、そろそろ夕食の時間よ。食堂に行かない?」
彼は時間を確認する。
時計の針は18:30を指していたのと、彼自身お腹が空いていたので、彼女の誘いに乗った。
彼らは食堂に着くと既に大人数の艦娘がいた。
食堂はまず食券販売機で食券を購入し、それをカウンターに渡した後しばらく待ち、料理が出来てお盆に乗っけてから席に座る。
彼も何を食べるか決め、武蔵、信濃が座っている席に座った。
大和
「羅號は…カレー?」
羅號
「うん、何を食べようか迷ったけど海軍と言ったらカレーかなって…」
信濃
「まぁ、とりあえず食べましょう。」
武蔵
「そうだな、では…」
「「「「いただきます。」」」」
そう言って彼らは各々が頼んだ料理を食べた。
特に羅號は美味しそうに食べていた。
艦息となってから今に至るまでアイスしか食べてない為、初めて食べた料理に感激しているのだ。
夕食を食べ終え食堂を後にすると、大和が羅號に
羅號
「演習?」
大和
「ええ、貴方の性能を確かめる為明日演習を行う事になったわ。」
羅號
「ふーん。それで、どんな内容?」
武蔵
「羅號一隻に対し私達水上打撃部隊や航空機動部隊、水雷戦隊など合計四個艦隊と戦ってもらうぞ。」
羅號
「…えっと、そんなに艦隊動かして資材とかは大丈夫なの?」
信濃
「大丈夫よ。演習では妖精さんが造ったペイント弾と演習用の燃料を用いて行うから、今現在集めている資材に影響は無いわ。」
羅號
「なるほど…」
その後羅號の部屋に案内し、大和が起床時間等を伝えると彼は部屋に入りベッドで横になった。
彼はふと考える。
深海棲艦の事…そしてレムリア帝国の事…
特に後者は高度な科学力を持つ軍事国家である為、現状深海棲艦の対応で精一杯の状況では苦戦するは必至であった。
彼はそれらの脅威に打ち勝てる様に強くなる事を決心した。
そう意気込む中、気にかかる事がある。
羅號
「アネットさん…みんな…生きているかな…」
艦長達に真実を伝え、羅號が帝国の手に堕ちる事を阻止してくれたアネット…
来るべき帝国の侵攻に備え、秘密裏に組織された『レムリア解放軍』の面々…
彼にとって2010年の襲撃によって離れ離れになった人々の行方が気掛かりだった………
次回は艦隊演習回です。
乞うご期待ください。