新海底軍艦〜艦息のドラゴンフォース〜   作:あーくこさいん

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とうとう目覚めた万能戦艦達。
古の帝国“レムリア”が動き出す………


第六話 動き出した帝国

南極某所

 

南極某所にある黒塗りの要塞。

そこにレムリア帝国総統『ゼノン=ガーゴイル』と要塞司令官、護衛の兵士達が廊下を歩いていた。

ここに来た目的は最終調整した万能戦艦6隻をこの目で見るのと、その万能戦艦達に指令を与える事だ。

長い廊下を進むと扉が見えた。

 

要塞司令官

「総統閣下、こちらです。」

 

要塞司令官がそう言うと、護衛の兵士が扉を開ける。

部屋の中には6人の男女がいた。

 

黒色のコートと長ズボン、白いリボン製のシャツとベストを着ている…白い手袋を付け、トップハットを被りモノクルを掛け蝶ネクタイを付けた英国紳士風の茶髪の男性…万能戦艦『インヴィンシブル』

 

左右非対称のアンテナが付いたフランス海軍の水兵帽『Bachi』を被り、白と青のセーラー服にやや短めのスカートを着ている金髪のショートボブの女性…万能戦艦『ガスコーニュ』

 

ウシャンカを被り寒冷地仕様の厚いコートを羽織り黒色の軍用ブーツを履いている目つきの鋭い屈強な男性…万能戦艦『ソビエツキー・ソユーズ』

 

ヴィットリオ・ヴェネト級の艦娘と同じ服装で、艦橋を模したカチューシャにオレンジ色の髪に短めのツインテールの女性…万能戦艦『インペロ』

 

腰まで届くロングストレートに深紅色の瞳、ナチス武装親衛隊士官服に身を包んだアルビノの女性…万能戦艦『フリードリヒ・デア・グロッセ』

 

白のトレンチコートを羽織り緑色のシャツに黒色の長ズボンを履き、アメリカ海軍の海軍帽を被り金髪碧眼の整った顔立ちをしているが、何処か表情が暗い男性…万能戦艦『モンタナ』

 

その6人はゼノンに対し敬礼する。

 

ゼノン

「お目覚めかね、万能戦艦の諸君。目覚めたばかりで悪いが帝国の為君達の力を貸して貰いたい。」

 

インヴィンシブル

「構いませんよ。大英帝国出身とはいえ、私の帰属すべき国家はレムリアですから…」

 

ガスコーニュ

「ええ、私の力を見せてあげるわ!」

 

ソビエツキー・ソユーズ

「…了解した。」

 

インペロ

「りょーかい♪」

 

各々がそう答える中、フリードリヒ・デア・グロッセがある事に気付く。

 

フリードリヒ・デア・グロッセ

「そういえば、羅號の姿が見当たらないけど…」

 

インペロ

「あっ、本当だ。」

 

フリードリヒ・デア・グロッセの指摘にインペロも気づく。

 

ゼノン

「ああ、羅號は一週間前にここを脱走し小笠原鎮守府に逃げ込んだ事が確認された。よって羅號は地上勢力についた為、敵として破壊する。」

 

ゼノンがそう説明すると、モンタナが笑い声を上げる。

 

モンタナ

「ふふ、フハハハハ!そうかそうか、アイツが敵となったか!敵となってくれたお陰でアイツを合法的に殺せるぜ!!」

 

ソビエツキー・ソユーズ

「戦争に合法も非合法(クソ)も無いだろ。」

 

モンタナが歓喜する中、ソビエツキー・ソユーズは皮肉めいた事を言う。

ゼノンは続けて話をする。

 

ゼノン

「…さてそんな彼の動向だが、一週間後に行われる大規模作戦に導入されると情報が入った。」

 

インペロ

「大規模作戦?」

 

ゼノン

「そうだ。日米共同で行われる作戦で、小笠原、横須賀、舞鶴、呉、佐世保鎮守府、トラック、ラバウル泊地の主力艦隊、そして原子力空母『アドミラル56(イソロク)』を旗艦とする第一艦隊が投入される。無論アメリカ側も原子力空母『アポロノーム』を旗艦とする太平洋艦隊と太平洋方面軍の主力艦隊を投入するとの事だ。」

 

ソビエツキー・ソユーズ

「…凄い規模だな。」

 

ゼノン

「まぁ、ハワイ諸島の奪還だから、これぐらいの戦力を投入しないと勝ち目は無いだろう。」

 

インヴィンシブル

「しかし、日本はともかく自国第一主義(アメリカ・ファースト)が蔓延っているアメリカが大規模な戦力を投入するとは……」

 

ゼノン

「国内は蔓延っているが、現政権は海域解放に積極的であるから今回の作戦を主導したのだ。…まぁ、我々としては蔓延ってくれた方が好都合だがな。」

 

ゼノンはそう語るが、レムリア帝国は地上の制圧を目指している為大国同士が団結する事態は好ましく無いのである。

その為にも、その作戦に介入し反撃の一手を挫く必要があった。

 

ゼノン

「無論、我々も手をこまねいている訳にもいかない。我が軍も出撃する。もちろんお前達も出てもらう。」

 

ガスコーニュ

「…それで、誰が行くのよ?」

 

ゼノン

「アメリカ艦隊には太平洋第一、第二艦隊、そしてモンタナを除く5隻で襲撃を掛ける。モンタナは第三艦隊と共に日本艦隊を襲撃してもらう。」

 

ソビエツキー・ソユーズ

「戦力が偏りずぎてないか?」

 

ゼノン

「目的はあくまでアメリカ太平洋艦隊の殲滅だ。この大規模作戦が失敗し太平洋方面の戦力が壊滅状態に陥れば現政権は失墜する。そうすれば自国第一主義(アメリカ・ファースト)がまた蔓延り、今後の展開を有利に進められるぞ。」

 

今の世界は深海棲艦という人類共通の敵がいる事で辛うじて纏まっている。

だが、そこに亀裂を生じさせればレムリア帝国として有利に事を運べる為、今回の大規模作戦の成功を阻止する必要があった。

それに太平洋戦線での1番の脅威はアメリカ太平洋方面艦隊であり、それを壊滅させる事によって太平洋戦線での敵は日本のみになるという狙いもある。

 

ゼノン

「アメリカ艦隊は『アポロノーム』を含めすべて破壊せよ。日本艦隊は第三艦隊で空母を含む海上艦艇を、モンタナには羅號を相手にしてもらう。」

 

モンタナ

「了解。」

 

ゼノンの指令を聞いてモンタナは興奮気味に笑みを浮かべる。

 

ゼノン

「では、総員出撃!」

 

ゼノンの一声によって万能戦艦達は動き出す。

 

 

 

 

 

それから一週間後ーーー

 

太平洋上を航海する艦隊がいた。

この艦隊は今回の大規模作戦に投入された横須賀、佐世保、舞鶴、呉、小笠原鎮守府、トラック、ラバウル泊地の主力艦隊と原子力空母“アドミラル56(イソロク)”を中核とする連合艦隊であった。

原子力空母を旗艦とし、周りにはイージス艦や駆逐艦に補給艦、各鎮守府艦隊の指揮用に“もがみ型フリゲート”と“改インディペンデンス級多用途戦闘艦”が数隻、そしてその周りに各鎮守府艦隊の艦娘達が展開していた。

改インディペンデンス級戦闘艦“みかさ”に乗艦している小笠原鎮守府提督の有坂仁美少将、同じくインディペンデンス級の“しきしま”に乗艦しているトラック泊地提督の立花旭大将、また同じくインディペンデンス級の“はつせ”に乗艦しているラバウル泊地提督の八神有栖大将、もがみ型フリゲート“あがの”に乗艦している舞鶴鎮守府提督の群青誠少将、同じくもがみ型の“ながら”に乗艦している呉鎮守府提督の花島大介大将、また同じくもがみ型の“くまの”に乗艦している佐世保鎮守府提督の鮫島幸樹中将、そして旗艦であるアドミラル56に乗艦している横須賀鎮守府提督であり唯一の元帥である日向真鉄がいた。

その日向元帥がマイクを取ると、演説を始めた。

 

提督(横須賀)

『さて、いよいよ日米共同のハワイ諸島奪還作戦が始まる。この作戦が成功すれば太平洋の大半を奪還する事が出来る。厳しい戦いが待っているだろうが、作戦の成功を目指して総員奮起せよ!!』

 

元帥の演説を聞き、艦娘達に歓声が沸いた。

士気が高まった艦娘達は目標海域まで進み始めて、空母をはじめとする艦艇もそれに随伴した。

まもなく作戦が始まる中、元帥には懸念があった。

 

提督(横須賀)

(…さて、問題は彼の事だが……)

 

元帥が気にかかる事、それは小笠原鎮守府に編入された海底軍艦“羅號”についてだ。

ここに来て元帥はある確信に至る。

 

提督(横須賀)

(報告で聞いた時は驚いたが、内容から察するにあれは正真正銘海底軍艦“羅號”だ……ということは、とうとう()()が動き出すと言うことか……)

 

奴ら……レムリア帝国の脅威を彼女から聞き、()()()()()()()として…そして羅號が強奪された後も横須賀鎮守府提督として深海棲艦の影に潜む帝国に対抗する為に、()()()と共同で進めていた計画……その成果を横須賀艦隊の艦娘に搭載していた。

 

提督(横須賀)

(現代化改修兵装…何とか開発に成功したが、量産が難しく現状配備が間に合うのは横須賀をはじめ佐世保、呉、舞鶴などの本土に限られる……それに極秘裏に進めていたとはいえ、奴らもこの計画を察知した可能性がある…)

 

彼は拭えない不安を抱えながらも、この大規模作戦の成功の為自身の務めを果たしていた。

 




次回は羅號が深海棲艦相手に無双します。

そしてそこに忍び寄る“刺客”が………

乞うご期待ください。
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