新海底軍艦〜艦息のドラゴンフォース〜   作:あーくこさいん

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第七話 快進撃

日米共同のハワイ諸島奪還作戦が始まり、日本連合艦隊は深海棲艦と激しい戦いを繰り広げていた。

各鎮守府艦隊はこれまで培ってきた経験を活かし、多数の敵艦隊相手に善戦している。

特にトラック艦隊とラバウル艦隊の動きは凄かった。

 

トラック泊地とラバウル泊地は南方方面の最前線である為、必然的に深海棲艦の姫級鬼級と戦う事が多い。

なので南方方面所属の鎮守府は過酷であり、それが原因で『捨て艦戦法』などの問題が蔓延っているのだ。

特に『捨て艦戦法』は戦果を稼ぐ事しか脳にない輩が好んで使う為、問題をより深刻化している。

さらに南方方面所属の提督の腐敗が深刻化しているのも問題だ。

物資等を横領して私服を肥やしたり、艦娘達にパワハラはもちろんの事性行為の強要、自身の犯罪行為を艦娘に擦りつけるなど待遇も酷かった。

これらの行為は厳罰に処罰すべきなのだが、彼らも一定の戦果を上げてくる為、強く言えないのが現状だった。

だが、トラック・ラバウル泊地の提督2人は犠牲を最小限に留め尚且つ最大限の戦果を上げる上に艦娘の待遇も良い為、大本営に対する信頼は厚かった。

立花旭と八神有栖は小笠原鎮守府の有坂仁美と同期であり、あの過酷と言われた鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)を攻略した凄腕提督であり、だからこそ今回のハワイ諸島奪還作戦に参加しているのだ。

 

その2人はこれまでの経験を活かし損害を最小限に留めつつ、多数のイロハ級に姫級鬼級を倒していった。

 

また、本土所属の鎮守府も負けてはいなかった。

舞鶴、呉、佐世保の艦隊も海軍の要所である為、深海棲艦相手に善戦し作戦通り進出していた。

そして原子力空母“アドミラル56(イソロク)”にて指揮を取っている日向真鉄元帥の横須賀鎮守府艦隊も怒涛の勢いで敵艦隊を駆逐していた。

原子力空母から艦載機…“AV-8BJ ハリアーⅡ”がカタパルトから発艦する。

このハリアーはマクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が主体となって開発した“AV-8B ハリアーⅡ”を日本の八神工業株式会社がライセンス生産した機体である。

深海棲艦の登場によって最新機のF22が哨戒機として使われる中、ハリアーが現役なのはVTOL機特有の機動性が戦いにおいて使えるからだ。

哨戒はもちろんの事、新型ミサイルによって艦娘の援護も出来る様になった。

ちなみにVTOL機であるので垂直離着陸が出来るが、燃料節約の為カタパルトで発艦する。

 

そんな中、緊急の報が届く。

 

オペレーター

「元帥閣下、哨戒機より敵攻撃隊を発見。あと10分程で横須賀艦隊に到達する模様!」

 

日向元帥はモニターを確認する。

現に敵攻撃隊がすぐこちらまで迫って来ている為、直掩機を戻そうにも間に合わない。

そこで元帥は“切り札”を使う。

 

元帥

「横須賀艦隊に伝達。現代化改修兵装使用制限解除!」

 

現代化改修兵装…深海大戦前に主力を担っていたイージス艦等の兵装(スタンダードミサイル、ハープーン、アスロックなど)を艦娘に搭載する試みである。

この試みは世界中で行われたが、艦娘の装備を製造・整備する妖精さんが現代兵装の基礎理論に対する知識を持っていなかった為、開発することが出来なかった。

無論、イージス艦の動力であるガスタービンも同様でこちらも同様の理由で開発出来なかった為、この試みは見送りとなった。

 

だが、8年前に“レムリア解放軍”との協力を受け計画がスタートし、それによって製造された兵装・機関を横須賀艦隊の艦娘に搭載される事が決定した。

そして秘密裏にその兵装の試運転を行い、今作戦にて初めて実戦投入されるのだ。

 

一方、現代化改修兵装の使用制限解除を受けて横須賀艦隊は一斉に動き出す。

 

大和(横須賀)

「現代化改修兵装使用制限解除!SM-2及びESSM、シースパロー発射用意!」

 

横須賀艦隊旗艦大和の号令により、各艦娘は兵装を起動する。

ある艦はシースパローミサイル発射基が動き出し、ある艦はVLSハッチが開き、パラボラアンテナ状の誘導装置…“イルミネーター”が敵攻撃隊がいる方向を向く。

敵機のロックオンが完了し、そしてーーー

 

大和(横須賀)

「全艦隊、対空ミサイル発射!!」

 

次の瞬間ミサイル発射基、VLSからミサイルが発射され次々と敵攻撃隊に向かっていく。

発射されたミサイルは各艦に搭載されたイルミネーターの誘導に従い、それぞれ指定された標的に向けて飛んでいく。

いくつかのミサイルは不具合により標的に辿り着くこと無く墜落したが、多くが敵攻撃隊に辿り着く。

敵機は避けようとするが、物凄い速度で突き進むミサイルに回避する事が出来ずに命中する。

発見からたった数分で敵攻撃隊は壊滅した。

運良く生き残った機体も駆けつけた直掩機によって撃墜された。

 

敵攻撃隊を殲滅した横須賀艦隊は偵察機からの情報により敵機動艦隊を捕捉する。

特に反応が大きい姫級を捕捉すると、大和はある兵装を起動する。

 

大和(横須賀)

「17式艦対艦誘導弾発射!」

 

大和と武蔵に搭載されている四連装の発射基から8発ずつ、計16発の対艦誘導弾(ミサイル)が発射され敵機動艦隊に向かっていく。

 

敵機動艦隊は攻撃隊が壊滅した事を受け、直様第二次攻撃隊の発艦を急いでいた。

すると16発の対艦ミサイルが旗艦である空母棲姫と空母級に狙いを定め突き進んでいく。

彼女らも気付き迎撃を試みるが、それより早くミサイルが旗艦に到達した。

対艦ミサイルが命中した空母棲姫は対艦ミサイルの形成炸薬によって跡形も無く爆散し、轟沈した。

他の空母も同様であり敵機動艦隊も攻撃隊の跡を追うように壊滅した。

現代化改修兵装の効果は絶大だった。

欠点を挙げるとすれば、製造に多大な量の資材を必要とする為量産が難しい事だ。

 

そして小笠原鎮守府艦隊も怒涛の勢いで敵艦隊を駆逐していた。

特に大和を始め武蔵に信濃、長門に陸奥そして大鳳といった戦艦と装甲空母によって構成された小笠原鎮守府第一艦隊は艦娘の性能が高い上に練度も高く、それを活かして姫級鬼級イロハ級を殲滅していく。

 

これでも十分すごいが、その第一艦隊には異色の戦艦がいた。

 

 

 

 

 

その頃、深海棲艦の本隊は混乱していた。

無理もない。突如として戦艦が敵陣のど真ん中に()()してきたのだ。

混乱の最中、その戦艦は主砲を敵艦隊に向けーーー

 

羅號

「主砲一斉射、撃て!」

 

その戦艦の主砲…“50口径51cm四連装砲”3基が一斉に火を噴き、戦艦水鬼を撃沈する。

あの戦艦水鬼が沈められた事を受け、あの戦艦を脅威と定め多数の深海棲艦が襲い掛かる。

その戦艦は慌てる様子も無く煙突部からパラボラアンテナ状の装置を展開する。

 

羅號

原子熱線砲(マーカライト・ファープ)照射、薙ぎ払え!」

 

その装置からオレンジ色の光線が放たれ、姫級鬼級イロハ級関係なく直撃した者は瞬時に溶け、掠ったとしても艤装が融解しやがて誘爆、轟沈した。

だがその光線兵器も無制限に照射出来る訳もなく、やがて兵器の冷却の為パラボラアンテナが折り畳められる。

今がチャンスとばかりに深海棲艦が群がるが、彼は副砲とパルスレーザーを撃ちまくり、特にパルスレーザーの直撃を受けた深海棲艦はどんな硬い装甲を持とうが被弾した箇所が融解、貫通し弾薬庫等に引火して爆沈した。

それでも襲い掛かってくる深海棲艦の群れに埒が開かないと判断した彼は右手に持っていた艦首ドリルを両手で持ち、ドリルを回転させる。

 

キュィィィィィ!!

 

猛々しい機械音が鳴り響き、そのまま島風とは比べ物にならない速度で突撃を仕掛けた。

迫り来る戦艦に砲撃や雷撃で応戦するが、羅號の防御兵装…“磁気シールド”で魚雷や砲弾を防ぎ切り、敵艦隊に突っ込む。

回避が間に合わなかった艦はドリルの餌食となり、原形を留めない程破壊された。

また運良く回避に成功した艦も、突っ込む最中撃ちまくった主砲や副砲、パルスレーザーに原子熱線砲(マーカライト・ファープ)の餌食になった。

そのまま突き進み、彼はある個体を見つける。

それは女性を象っており、周りにクラゲ型の深海棲艦らしきものを数匹連れている個体…“深海海月姫”だ。

姫級の中でも新しく現れた“深海系”と呼ばれる上位種であり戦艦棲姫や空母棲姫などの一般的な姫級とは一線を画す個体で、小笠原鎮守府も主力艦隊のほとんどを動員し、1週間掛けてやっと倒せる強敵なのだ。

その個体は日本連合艦隊を襲撃した大規模艦隊の総旗艦として指揮を取っている。

彼は直様深海海月姫に狙いを定めて突撃を敢行する。

深海海月姫とその取り巻きの艦隊が総攻撃を仕掛けるが、羅號ご自慢の磁気シールドにより阻まれ、逆に彼の兵装の餌食となり護衛艦隊は壊滅。

深海海月姫の周りにいたクラゲ型が主人を守ろうとするが、羅號から発艦した特殊戦闘機“氷龍”の猛攻により周りに展開していたクラゲ型は全滅する。

そしてーーー

 

羅號

貫けぇぇぇぇ!!

 

羅號のドリルが深海海月姫の身体を貫き、風穴を開け轟沈した。

その瞬間、大規模艦隊全体に動揺が走る。

その艦隊を統率していた総旗艦が沈んでしまった為、組織的な統率が取れなくなり、混乱している。

 

元帥はこの機を逃さず、全艦隊に攻撃命令を下す。

全艦隊の総攻撃により深海棲艦の大規模艦隊はそのほとんどが海の藻屑となった。

掃討戦を終えた後、補給の為に艦娘を呼び戻しそのままミッドウェーまで前進する。

 

これほどの大規模艦隊相手に轟沈艦無しで勝つ事が出来たのは各鎮守府艦隊の練度の高さと連携によるものだが、1番の功労者は羅號である。

 

圧倒的な防御力に単艦で深海海月姫率いる大艦隊を殲滅する攻撃力。

3基の四連装砲に艦首のドリルが特徴的な戦艦…海底軍艦『羅號』

彼は小笠原鎮守府所属であり、遊撃艦として第一艦隊に与していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、偵察に来ていた潜水艦からの情報を元にレムリア帝国海軍太平洋第三艦隊が日本連合艦隊の予想進路に待ち伏せていた。

 

太平洋第三艦隊は純粋な攻撃潜水艦である“A型潜水艦”が16隻と原子力空母並の大きさを誇る潜水艦…“C型潜水艦”が3隻展開していた。

そしてC型潜水艦『チャールストン』が第三艦隊の旗艦だ。

 

そして、黒い船体の潜水艦…“D型潜水艦『クラーケン』”が艦隊から離れて航行していた。

この『クラーケン』の艦長を務めるのはレムリア帝国海軍の将校…ルバロン=アスタシア大佐である。

 

ルバロン

「敵艦隊の様子はどうだ?」

 

オペレーター

「敵艦隊は今現在予想進路(ルート)Bを通過中。第三艦隊は既に配置済みです。」

 

ルバロン

「そろそろ頃合いだな…モンタナ、準備はいいな?」

 

モンタナ

『ああ。』

 

ルバロン

「よし、モンタナ発進準備急げ!」

 

オペレーター

「艦底部格納庫、注水始め。」

 

オペレーターがコンソールを操作するとモンタナがいる艦底部格納庫内に海水が入ってくる。

 

オペレーター

「注水完了、ハッチ開きます。」

 

やがて格納庫内を海水で満たすと、艦底部ハッチが開く。

ハッチからはアームで固定されたモンタナが出てきた。

 

ルバロン

「万能戦艦モンタナ、発進せよ!」

 

次の瞬間、アームが離されモンタナが海水の中を突き進む。

狙うは因縁の敵…万能戦艦『羅號』だ………

 

モンタナ

首を洗って待っていろ、羅號!!

 




80年前のリベンジにきたモンタナと日本連合艦隊殲滅を狙う太平洋第三艦隊。

羅號、そして日本連合艦隊の運命は如何に………

それと告知ですが、『ぐらんぶる』の小説を投稿予定です。
投稿日時とタイトルは不明ですが、ご興味あればどうぞよろしくお願いします!
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