彼は勇者ではない   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


未来への希望はあり?なし?

造反神から土地を多少ではあるが取り返した頃、勇者部部室にはひなたの召集によって全員が集まっていた。

 

「全員揃ったわよ。それでひなた、話って?」

「実は、神樹様の力が少し戻ったことで新たな勇者を召喚できるようになったのです」

 

さっそく本題を切り出したひなた。その報告を受けた一同は表情を喜色に染めていく。

 

「おぉっ、別の時代の勇者がついに来るんだね!」

「タイミングとしてはちょうど良かったわ。新しく見るバーテックスも増えてきたところだったし」

「そうね。その新型?のバーテックスも多少手強かったし」

「あれらも星座が元になってるのかな~?」

「なってるに決まっておろう。これは造反神だけでなく、大元の天の神も同じじゃ」

 

園子の質問にあっさりと他の事実と共にヤタガラスは肯定する。当然、その事実に他の面々も食い付いていく。

 

「天の神もあれらのバーテックスを生み出せるの?十二星座以外は見たことないんだけど?」

「それは単にそやつら以外は不要だったからじゃ。十二星座型の完成形バーテックスの創造にはそれなりに時間が掛かるが、神世紀時代は時間を掛けても問題なくなったからの」

 

ヤタガラスのその言葉に確かに、と一同は頷く。

神世紀時代は四国以外は火の海と、圧倒的に天の神側が有利な状況となっている。その状況ならあれこれ新しいのを生み出すより、強力な個体を作り出す方が遥かに効率的だ。

 

「それに新たに造り出すのにも、相応の時間と力が要る。力が実質無限の上で、周知の奴ら相手に手こずる手合いなら、数を増やす方が簡単というわけじゃ」

「本当に色々と事情が違うってわけね」

 

得心がいったように呟く夏凜に、ヤタガラスは肯定するように頷く。

 

「まっ、その話は別にいいわよね?それよりも新しく召喚される勇者を迎えましょ」

「ええ。ではさっそく、準備に入りますね」

 

風はその話はまた今度として打ち切り、本題の方へと話を戻す。ひなたも頷いて、両手を祈るように胸の前で組み、瞑想を始める。

 

「別の時代の勇者かぁ……どんな人達が来るんだろ?」

「少なくとも初代勇者ではないことは確かだな」

「ですね。もしそうなら、ひなたさんはテンション高めになっているでしょうから」

 

友奈は新しく来る勇者が誰なのかを楽しみにし、千晶はひなたの反応から初代勇者以外だと当たりを付ける。樹も千晶の言葉に同意するように頷いている。

 

「おお~。胸が高鳴ってドキドキしとるんよ~」

「私も……不思議と胸が高鳴ってるわ」

「アタシもだ。本当に誰が来るんだろうな」

 

園子、美森、銀の三人は胸の高鳴りを感じて緊張した面持ちで召喚の為に祈りを捧げているひなたを見守る。

そして、召喚の時がやってくる。

 

「それでは、いきますよ!!」

 

ひなたが目を見開いてそう叫んだ瞬間、何故か突き破るような衝撃と共に三人の少女が部室へと召喚された。

 

「うう……今のは一体……?」

「お目目がぐるぐるするんよ~……」

「うえ~……頭がぐわんぐわんして気持ち悪い……」

 

召喚された三人の少女―――小学生時代の美森、園子、銀の三人はグロッキー状態でその場にへたりこんでしまっている。なぜいきなりこうなったのかと、千晶達はひなたとヤタガラスに視線を送った。

 

「えーと、その……少し気合いを入れて祈ったというか……」

「上里ひなたの執念のような祈りが、造反神の妨害を突き破って勇者を呼び寄せたからじゃ。その結果が乱暴な着地とも取れる召喚じゃ」

 

ひなたは目を泳がせながらシドロモドロに答え、ヤタガラスは呆れ気味で答える。

つまり、ひなたの気合いが入りすぎた結果だったということだ。小学生組は本当に御愁傷様である。

 

「そのっち、銀。無事?」

「私は大丈夫だよ~。ミノさんは?」

「アタシも頭がクラクラした以外は大丈夫だ。本当にいきなり何が……」

 

そうしてグロッキー状態から復活した三人は改めて周りに視線を向ける。当然、その視線は未来の自分たちへと止まった。

 

「なあ、須美。園子。お前たち二人にお姉さんがいたのか?」

「それを言ったら銀だって。後、私に姉はいないわ」

「私もだよ~。それに、こーりんそっくりな人もいる……こーりんのお兄さん、なのかな?」

 

銀(小)は困惑した表情で美森(小)と園子(小)に問い掛けるも、二人は当然否定。園子(小)は千晶に気付いて兄なのかと首を傾げている。

 

「まさかの同一人物……神樹様の世界だとこんな芸当もできるのね」

「あっちが園ちゃんで、こっちがミノちゃんだから……ゆ、ユア ネーム イズ東郷さん……?」

「?はじめまして。今は東郷ではなく鷲尾です。あと私は英語はあまり好きではありません」

 

小学生時代の園子達の登場に、風は改めてこの世界の規格外振りを認識する。友奈は半信半疑といった感じで美森(小)に話しかけると、美森(小)は首を傾げながらも挨拶を返し英語嫌いを然り気無くアピールした。

 

「素晴らしい意見だわ。護国思想を感じる……」

「いやいや。昔のお前なんだから当然だろ」

 

美森が目を輝かせてそう呟くと、銀が呆れ気味にツッコミを入れた。当然の反応である。

 

「本当にどうなってんの?瞬間移動でクラクラした上に、アタシそっくりのヤツがいるとか……不幸体質ってレベルじゃないぞ」

「自分で認める程の不幸体質なんですね……」

 

この状況にまだ困惑している銀(小)の呟きに、樹が苦笑い気味で同情するように言葉を洩らす。

ちなみに銀は現在も犬の脱走に鉢合わせたりと、不幸体質は健在である。

 

「こーりんのお兄さんらしき人もイケメン……こーりんが大きくなったら、こんなイケメンさんになるのかな~?」

「それがなるんだよ~。なんたって、これが未来のこーりんなのだから~!」

「未来のこーりん!?つまりあなたは未来の私!?なんというミラクル!!」

「そう!これぞミラクルなのだよ!!」

 

園子ズはさっそく千晶を介して意気投合した。何だかんだで状況を理解する辺り、さすが園子(小)である。

そんな和気藹々の空気を破るように、樹海化警報のアラームが鳴り響いた。

 

「詳しい自己紹介は後ね。敵が来たわ。退けるのがアタシ達のお役目、手伝ってくれる?」

「……もう少し話したかったけど、行かないと。同じ勇者同士、私達で国防しましょう」

「……!お役目。国防……!了解です!!」

 

美森の残念そうながらも仕方ないと言わんばかりの要請に、美森(小)は力強く頷く。

そうして、小学生組を加えた勇者一行は樹海へと飛ばされるのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

「おっ!みんな無事に帰ったか!」

「いきなりだったから少し心配だったが、杞憂だったみたいだな」

「うんうん。それでリトルわっしー。連携しての戦いはどうだったかな~?」

 

大した怪我もなく全員無事に帰ってきたことに、居残り組である銀、千晶、園子の三人は暖かく迎え入れる。

 

「そつなくこなせました。そ……園子さん。皆さんも、とても強いので」

「そんなに堅い言葉遣いじゃなても、いいんだよ?大変なお役目だけど、リラックスしていこうよ」

「すみません。でも、小学生と中学生の違いがありますし。あまりくだけようとしても……難しく」

 

友奈が畏まっている美森(小)にもっと楽にしても良いと言うも、美森(小)は謝りながらも年上と年下という理由から難しいと申し訳なさそうに告げる。

 

「相変わらずの生真面目さだな。これがあんなになってるから……本当に分からないもんだよな」

「あくまで表面上では、あるがな。根本のこう考えたら一直線、は良くも悪くも変わってないぞ」

「そうだね。東郷さんもこうと決めたら一直線だからね」

「ゆ、友奈ちゃん……」

 

銀と千晶、友奈からの口撃に美森は何とも言い難い表情となる。

確かにこの二年で多少は軟らかくなったが、根本の生真面目さは良くも悪くも健在なのだ。その結果が精霊バリア検証の為の連続自殺行為や壁の破壊による無理心中、その負い目からの国防仮面による危ない人助けだから、洒落になっていない。

 

ちなみに精霊バリア検証の為の自殺行為についても、それを知った千晶から一時間もの説教を受ける羽目となった。

まあ、幾ら確証を得る為とは言えやり過ぎだったので、誰も庇いようがないのである。

 

「あ、改めまして自己紹介を。神樹館六年、鷲尾須美です。今後とも宜しくお願いします」

「神樹館六年、乃木園子です~、そこの園子さんの小さい頃です。宜しくお願いします」

「同じく神樹館六年、三ノ輪銀……です。宜しくお願いします!元気なら大きいアタシにも負けません」

 

小学生組が改めて挨拶したので千晶達も改めて自己紹介と挨拶をし、今回の事態についても説明していった。

途中、友奈が美森(小)の頭を撫でて美森が嫉妬したが別にいいだろう。

 

「……なるほどー。つまり、ここは二年後の未来の世界なんですね」

 

一通りの説明を受けた銀(小)は納得したように頷くと、改めて自分達の未来の姿である美森、園子、銀の三人を見やる。

その視線はとある一点を見つめており、その一点を交互に見て……その瞳を哀しみの色に染めた。

 

「……未来には、夢も希望もないんすね」

「おいアタシ。今、どこを見て言った?」

 

銀(小)の哀しげな呟きに、銀は目から光を消して問い掛ける。その二人のやり取りに、勇者部一同は気まずそうに視線を逸らした。

 

「ヤタガラス……まさか伝承に存在した神様とこうして出会えるだなんて……!」

「身体は神樹が用意したものじゃがな。誓約がなければ、神々しい姿を見せてやれたんじゃがの」

「ヤタガラス様!この機会にあなた様の伝承についてお聞きしても宜しいでしょうか!?」

「良いぞ。我個人の伝承程度なら、幾らでも答えてやるわい」

 

そんな気まずい雰囲気に構わず、美森(小)改め須美はヤタガラスに目を輝かせて感動の視線を送っている。対するヤタガラスも満更でないのか笑みを浮かべて対応している。

 

「こーりん先輩♪お膝、失礼しますね~」

 

園子(小)はそう言って答えの有無も聞かずに千晶の膝の上に座り、ぼた餅を美味しそうに食べていく。その顔は幸せそうな表情だ。

 

「…………」

「お、お姉ちゃん。園子先輩が先ほどの東郷先輩のように、自分で自分に嫉妬してる……」

「本当に自分の敵は自分自身なのね……」

 

その光景に園子は頬を若干膨らませて嫉妬の視線を送り、樹と風がそれに対して呆れた表情をする。

 

「あっ、そうだ!こーりん先輩がいるなら、こーりんも呼べるかも~!?」

「無理じゃ。お主らの時間軸では郡千晶はまだ力を手に入れておらんからの」

 

園子(小)は気付いたとばかりに小学生時代の千晶も来れるのではないかと告げるも、ヤタガラスがバッサリと否定した。

 

「そっか~。ざんね~ん……」

 

千晶(小)が呼ばれる可能性がバッサリ否定されたことで園子(小)は残念そうに呟く。

 

「しかし、千晶……さんも未来とは言えこの世界に呼ばれたなんて……本当に不思議ですね」

「そうね、銀。一体どのような経緯で千晶くんは私達のように戦えるようになったのかしら?」

 

銀(小)と須美のその当然の疑問に、千晶達は何とも言えない表情となる。

 

「……ねぇ、くろゆー。歴史って変えることは出来るのかな?」

「一時の気の迷い程度なら止めておけ。未来を知ることで、必ずしも良い結果になるとは限らぬからの」

 

千晶の件にまだ負い目を感じていた園子のその疑問に、ヤタガラスはどこか諭すような感じで言葉を返した。

確かに未来を知ったからと言って良い結果になるとは限らない。逆に今の出会いがなかったことになる可能性もあるのだ。記憶を失わなかったことで、美森と友奈が出会わなくなるという可能性があるように。

そして、ヤタガラスは周りに言い聞かせるように言葉を続けていく。

 

「そもそも、この世界の出来事は記憶には残らぬと言ったじゃろ。仮に残そうとすれば、神樹のバランスは造反神以上に大きく崩れる。間違いなく、神樹は消えてなくなるぞ」

 

ヤタガラスのその言葉に園子はもちろん、他の面々も何も言えなくなる。記憶を残した結果が神樹の消滅となれば……絶対にそれは選べないからだ。

 

「……やはり、記憶の持ち帰りは不可能なんですね」

「当然よ。神は摂理と法則に縛られた存在じゃ。それを覆すことは自身の否定となって力を大きく喪う。無論、天の神も例外ではない。実際、バーテックスを生み出した際にも力を大きく削れておったしの」

 

またしても衝撃的な事実が判明したが、その辺りの追求をする者はこの場にはいなかった。

 

「よく分かんないんすけど……アタシ達の未来って結構ヤバいことになってるんです?」

「間違いなく苦難の道を歩むぞ。その結果がこやつらじゃから、興味本意程度なら聞くでないぞ?」

「そっか……ま、聞かなくても大丈夫かな。何たって、未来のアタシ達がこうして此処にいるんだし!」

「そうだね~。未来の話は、先のお楽しみということにしよ~!」

「そうね……そのっちと銀がそう言うなら、私も無理には聞かないわ」

 

小学生組はそう言って、自分達のこれからの未来については聞かないことを選んだ。未来の自分達がこうして笑っているのだから、自分達も乗り越えることができると信じて。

そんな三人の姿に、未来の自分達である三人は眩しい物を見るかのような表情で見つめる。

 

「……本当に強いね。過去の私達は」

「そうね……本当に強いと、心から思うわ」

「未来のアタシ達も負けていられないな!とは言っても、アタシと園子は重役待機だけどな」

 

銀のオチの言葉に美森と園子は苦笑しつつも、改めて銀が自分達の精神的な支柱だったと改めて自覚する。

 

「ところで素朴な疑問なんですが……私達はどこで勉強すればいいのですか?」

 

そんな空気の中で発せられた須美の当然の疑問に、一同はそういえばそうだったと内心で納得した。

ここは中学校。小学生とでは受ける授業内容が違う。

 

「勉強?こんな夢のような世界でベン=キョウ?勉強なんてしなくても……」

「いいやアタシ。勉強はやれる時にやった方がいいぞ。後ですごく泣きを見るからな」

「……マジですか」

 

銀(小)は現実に反映されないから苦手な勉強はしなくてもいいのではないかと言いかけるも、銀のマジトーンでの言葉に戦慄を覚えた。

実際、散華生活では暇潰し程度で千晶の問題集に目を通していなかったら、讃州中学に編入してからの勉強に全く着いていけなかったと痛感したのだから。

 

「その辺りは大赦が上手くやってくれるから安心しなさい」

「住む場所も、近くに寄宿舎を用意してありますので大丈夫ですよ」

「家なら大橋に……って、そういえば大橋は占領されて帰れないんだった……」

 

ひなたの寄宿舎は用意しているという発言に銀(小)は実家通いを提案しかけるも、その実家には行けないことを思い出して肩を落とす。

 

「家を出ての生活……ワクワクするよ~。ちなみに~、園子先輩はどこで暮らしてますか~?」

「私は駅近くのマンションだよ~。ミノさんにこーりん、くろゆーの四人暮らしでね~」

「「…………え?」」

 

園子がさらりと告げた事実に須美と銀(小)は固まった。理解が追い付いていないのか、現実を認識したくなくて思考がフリーズしたかのどちらかだが、園子(小)はその事実に戦いた。

 

「こーりん先輩と一つ屋根の下……!中学生となるとそれが普通なのですか!?」

「そうだよ~。一緒に寝たりもするんよ~」

「それはお前が俺が寝ている間に潜り込んでいるだけだろ」

 

園子の一緒に寝ている発言に対して千晶がツッコミを入れる。そろそろ鍵を扉に付けるべきかと検討し始めている辺り、園子の侵入に対して本気で頭を悩ませているのが窺えるというものだ。

仮に鍵を増設しても、園子なら簡単に突破しそうな気がしなくもないが。

 

「な、なんという大人な関係……小説のネタが厚くなるんよ~!!」

 

園子(小)はそう宣うと、メモ帳を取り出してその場で書き書きし始めた。間違いなくその妄想をメモしているだろう。

 

「マジか……マジなのか……マジでマジなのか……」

「…………」

 

銀(小)はその事実に壊れた人形のように連呼し、須美は顔を真っ赤にしてショートし続けている。二人には色々な意味で刺激が強すぎたようだ。

 

「はっ!?園子先輩と入れ替わったら、私もこーりん先輩と寝れるかも!?」

「あはは。そのっちは面白いことを言うね~?」

「園子先輩が恐い……これが乙女の力……!」

「ハァ……」

 

目から光を消した園子の謎の圧に、園子(小)は軽く恐怖を覚え後退りする。そんな大人げない反応をする園子に、千晶は思わず溜め息を吐く。

そこでふと、夏凜は素朴な疑問を口にした。

 

「ところで烏丸。私達の身体は仮初めのものなのよね?魂の入れ替わりとかってできるの?」

「我がやれば可能じゃな。色々と面倒じゃからやりはせんがの」

「ふーん……」

 

どこか半信半疑な反応をする夏凜に、ヤタガラスは眉を顰める。そして、夏凜と美森を交互に見て指を鳴らした。

 

「あれ?何か急に胸が重く……って、ええ!?」

「あら?私の声が……嘘っ!?」

 

互いに身体の違和感を感じ、そして自身の姿を見たことで美森と夏凜はお約束のような反応をする。

そしてそのまま、互いの肩を鷲掴みにした。

 

「わ、私!?私の身体よね!?何がどうなってるの!?」

「その反応からして夏凜ちゃんね!?何で夏凜ちゃんが私の身体に……!?」

 

二人が互いに見合わせたタイミングで、ヤタガラスは再び指パッチン。夏凜と美森は元の身体へと戻った。

 

「も、戻った……?」

「そうみたいね……烏丸ァ!!」

 

互いに元の身体に戻ったことに安堵し、夏凜はこの入れ替わりを実行したであろうヤタガラスへと怒りを露に詰め寄った。

 

「なんじゃ?ずっと入れ替わっておきたかったのか?」

「やっぱりあんたの仕業ね!どういうつもりで私と東郷の身体を入れ替えたのよ!?」

「それはお主が半信半疑じゃったからじゃが?」

「幼稚すぎるでしょ!?」

 

本当に神なのかと疑うくらいの器の狭さに、夏凜は思わず頭を抱えてしまうのであった。

 

「入れ替わりも可能なのか……ゴクリ」

「これは……とても貴重な情報です。折を見て……」

 

ちなみに、入れ替わりが可能という事実に銀とひなたが反応したのは……また別の話である。

 

 

 




「本当に現実とは違うんだな。リアルで入れ替わりとは……」
「当然じゃ。現に季節も春……実際の時間とも違うからの。これはあくまでこの世界を作った際の都合じゃがの」
「そうなのよね……指摘されるまで違和感を感じなかったし」
「これは本当に入れ替わりができるんよ~。お願いしたら園子先輩と入れ替えてくれるかな~?」
「却下じゃ」
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