嗚呼、ここはポケモンの世界   作:後門の熊

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我、毒持ちの蝶を仕留めんとす
初バトルからの群れバトル


「♪〜〜〜」

 

「何だ急に、お前が鼻歌なんて気持ち悪いぞ」

 

「ひでぇ言い草だな。旅にでれてよかったって思ってるだけじゃん」

 

「音痴なのよ」

 

「...マジで?」

 

「「マジで」」

 

なんということだ。12年生きてきて初めての発見。俺は音痴らしい。そういえばスクールでも音楽の授業だけは点数が悪かったような...い、いや気の所為だろう。

 

「しばらくはこのまま進んでいく感じか?」

 

「ああ。俺たちが住んでたイローテルタウンから次のハニートータウンまでは街道を道なりに進むだけでいいからな」

 

「途中一泊すればいいくらいかしら」

 

「そうだな」

 

この1番道路は基本的に弱いやつしか出ない。というかロンフーシャ地方政府が定めた街道は大体弱いやつしか出ない。

森の中や街道じゃない普通の道やチャンピオンロードはかなり強いやつがいるみたいだが。

 

「どうする?ちょっと奥に行ってみる?」

 

「うーん。割と魅力的な提案だが無しで。一旦街に着いた方がいいだろ」

 

「そうね。流石に今のまま奥に入るのは自殺行為よ」

 

そうか。旅に出てまたゲーム感覚になっていたがこの世界では野生のポケモンとの戦闘で敗北することは死を意味することがほとんどだ。前世のゲームのようにさっさと六匹集める訳にも行かないし、高レベルのポケモンとの戦闘は程々でいいだろう。

 

「っと、でたな」

 

「あれは...コラッタかしら?」

 

「俺がやる。周囲の警戒を頼む」

 

「「了解」」

 

やせいの コラッタ が とびだした! とでも言うべきか

コラッタと相手をするためにルダンがゼニガメを出し、俺たちはボールを構えて周囲を警戒する。

こういう時のために襲ってきたポケモンの相手は順番で回していくことが殆どだ。事前に決めておき、突発的な事態に即対応する。バトルでも大事な事だ。

そして野生のポケモンとの戦闘で注意すべき点は...

 

「くっ、やっぱコイツもバッグ狙いか!」

 

「となると仲間がいるかもね。注意しましょ、フシギダネ!」

 

「だな。ニャスパー、周囲を警戒!」

 

彼らの目的だ。一方的なテリトリーへの侵入者に対しての排除が目的か、それともバッグ(えさ)の確保が目的か。

今回は後者のようだがその場合他に仲間がいる可能性が高い。ましてやコラッタのように明確にラッタという上位種がいるならその下に複数いることもよくある。

 

「ッニャ!」

 

「下か!用意しとけ!」

 

「【やどりぎのタネ】!」

 

ニャスパーが微かな揺れを感じ取る。直後、地下に根を伸ばす【やどりぎのタネ】で地中を攻撃すると

 

【あなをほる】

 

地中からコラッタが一匹飛び出す。

それもポケモンではなく俺の真下。当然だ。奴らの狙いは俺が持つバッグなのだから。だが!

 

「こっちも六年遊んでたわけじゃねぇんだよ!」

 

半身で躱すと逆手に持った対ポケモン用護身ナイフで飛び出したコラッタを捉える。

くの字に折れ曲がったままコラッタが吹っ飛ばされた先には準備万端の

 

【ねんりき】

 

【つるのムチ】

 

ニャスパーとフシギダネ。【ねんりき】で固定したコラッタを【つるのムチ】で掴み回転からの投げ飛ばし。1番道路の柵の外側に放り投げる頃には既にルダンの方も終わっている。

 

「一応同じ場所に飛ばしといた。まあ二匹居ればボコボコにした後でも生きてけんだろ」

 

「そ、まあ旅に出て最初のバトルとしては上々だったんじゃない?」

 

「だな。バッグも取られなかったし」

 

ハニートータウンまではまだ距離があるが、このくらいの頻度なら問題ないだろう。問題は

 

「報復行為に来るかもな、注意しておこう」

 

「そうだな」

 

仕返しにさらに大量に来られるとさすがに厄介だ。警戒しておいて損は無いだろう。

 

 

 

◓▫▫▫▫▫

 

 

 

まあね?確かにフラグっぽいこと考えてたしなんならフラグっぽいな〜とかって思ってはいたけどさ、

 

 

「いくらなんでも多すぎだろ!!!」

 

「黙れ!口より手を動かせ!」

 

「やってるっつーの!!」

 

「そっちいったわよ!」

 

「「どわぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

一匹のラッタに引き連れられたおよそ十体ほどのコラッタ。全戦力を投じて何とか凌げているもののやはり数の差が大きすぎる。

現状近接戦に秀でたヒトカゲが二、三体。他が一体から二体を相手しつつ、俺たちトレーナーもサポートしている。

救いなのはラッタが様子見している事だな。余裕の表れかそれとも不測の事態に備えてか。どちらにせよラッタが参戦したら不味い。

 

「音玉はどうする!?」

 

「まだ温存!ラッタ動いたら即使おう!」

 

まぁなんだかんだ言いつつ膠着状態に持ち込む程には何とかなっている。コラッタ達はラッタの指示でローテーションを回しつつ適度に回復を挟み、こっちも旅の前に準備した“きずぐすり”を使いつつ何とか戦線を維持している。

問題は在庫だが大量に用意してあるので多分大丈夫だと思いたい。

ヒトカゲの方は

 

【メタルクロー】

【かみつく】

 

ヒトカゲの鋼爪とコラッタの牙が衝突。すかさずその影から二匹目が

 

【たいあたり】

【えんまく】

 

攻撃を仕掛けるも口をすぼめて顔を狙った【えんまく】は細かい炭の粒を目や鼻に吹き込む攻撃たり得る。

噛み付いたままのコラッタを目を擦っているコラッタとぶつけ合わせ投げ飛ばした所に

 

【ひのこ】

 

飛ばした先にいた個体を含めた計三体に【ひのこ】が直撃。

流石ウチのヒトカゲ。戦闘センスが馬鹿高い。実際親の贔屓目抜きで見ても戦闘、特に近接戦のセンスはは他二匹より秀でたものがある。

逆に距離を取られると厄介なんだが。おっと

 

「まぁコラッタ一匹程度なら捌けるってな!」

 

いなし、受け流し、殴り、

 

人の攻撃は硬い皮膚を持つポケモンにはあまり効かないが吹っ飛ばすことならできる。

 

「ヒトカゲがやった分入れるとこれで五匹は無力化できたか?」

 

「それがまずかったみたいね...」

 

「は?」

 

【ふるいたてる】

【きあいだめ】

【つるぎのまい】

 

ソティアの視線の先には群れの主としての威信を見せつけるべく俺達の排除のために準備を進めるラッタの姿があった。




ナイフって言っても刃を潰してあるので実質ただの棒。
一応小さいポケモンにはそっちを使うことが推奨されています。
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