嗚呼、ここはポケモンの世界   作:後門の熊

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ルダン視点から


それぞれの道

 

(まさかここまでやるとは。あん時は全然本気じゃなかったのか)

 

ゼニガメに指示を出しながらルダンは思考を加速させる。

 

「一旦引け!【からにこもる】!体勢を立て直せ!」

 

「まだまだ!【あまいかおり】!」

 

(くそっ!ここでまだ手札残してんのかよ。アレ(・・)使うか?いやまだ・・・)

 

「【かぜおこし】!」

 

「チッ!その場でいい!【こうそくスピン】!」

 

ここまで劣勢ともなればここから立て直しは不可能。なら・・・!

 

「・・・ならもう立て直しはいい!ぶち壊すぞ!アレ(・・)をやれ!!」

 

戦況を立て直せないならいっそ相手も引きずり込めばいい!

 

 

◓◓▫▫▫▫

 

 

ルダンの指示を受け僅かな躊躇いの後ゼニガメが手元にエネルギーを集中させる。そこに集められたのは今まで使用してきたどの技とも違う、白い冷気(・・)

 

「あれは・・・」

 

「【れいとうビーム】?」

 

そう、ゼニガメが今まさに解き放とうとしているのはこおりタイプの代表的な技、【れいとうビーム】だ。

あいつさてはわざマシンでも使ったか?

 

「しかしなんで今まで使ってなかったんだ?」

 

「隠したかったんじゃないの?」

 

「いや、カメックスになる頃には割と使いまくれる技だ。ここで隠す意味もあんまり・・・」

 

とか言いつつ俺も【かえんほうしゃ(未完)】隠してるけど

だがその答えは直ぐに俺たちの前に現れた。

 

【れいとうビーム】を放ったゼニガメ。しかしそれは明後日の方向へ向かい・・・

 

「うおっ!」

 

「ちょっ!」

 

バトルフィールドと観覧席の間のバリアに直撃した。だがそこでそのまま終わらない。

【れいとうビーム】の勢いは軽く小さいゼニガメには身の丈に合わず、そのままゼニガメ自身も振り回される。だがこれは・・・

 

「なるほど制御しきれてないのね。でも今の状況ならむしろグッドなのかしら?」

 

ソティアの言う通り、ミツハニーは確かにひこうタイプを持ち、空を飛ぶことが出来るがその羽は体に比べて小さく、速く飛ぼうとすると制御が効きにくくなる。

やたらめったらに繰り出される【れいとうビーム】は、ミツハニーからすれば絶対にくらえない技。【れいとうビーム】の反動によりむしろ高速で振り回されれば、ミツハニーとて回避は難しくなる。

 

「落ち着いて!相手は制御しきれてないわ、後ろを取れば回避は容易よ!」

 

マイの指示を受け何とか後ろを取ろうとするもゼニガメとて適当に振り回している訳では無い。微々たるものとはいえ反動のエネルギーの方向に多少向きを加えることは出来る。必死に【れいとうビーム】を振り回し何とかミツハニーに当てようとする。

 

「後ろは取れない・・・!なら!一発でいいわ!攻撃に気をつけて【スピードスター】!」

 

本来なら三、四発の連弾となるそれを一発だけ、攻撃の波涛を潜り抜け放つ。

必中の星はゼニガメを狙うが振り回された【れいとうビーム】にかき消されてしまう。

 

そしてついに

 

【れいとうビーム】がミツハニーの羽をカスる。

 

「ッ!今だ!【みずのはどう】!」

 

反動で体勢は不十分。しかし放たれるのはこれまた必中の水球。どんな体勢から打っても当たるその技はバランスの崩れたミツハニーに迫り・・・

 

 

直撃

 

 

「ッミツハニー!」

 

ミツハニー戦闘不能

 

ゼニガメの勝ち

 

よって勝者

 

 

 

ルダン

 

 

 

◓◓▫▫▫▫

 

 

 

「で?なんで断ったの?」

 

「あ?あー・・・」

 

あの後見事ジムリーダーへの挑戦権を勝ち取ったルダンは、しかしその権利を一時保留とした。最長で一週間は保留にできるが、それ以降だと一からやり直しになってしまう。

 

「まージムトレーナー相手にあそこまで食い下がられちゃぁな。さすがにまだ実力不足だ。ポケモンの数ももうちょっと増やしたいし」

 

「ふーん」

 

「そういやソティアは?」

 

「今朝出てったよ。なんでも『ルダンであれなら相性の悪い私はもっと無理っぽいわね。もうちょっとパーティ整ったらまた来るわ』って」

 

「そっか。まぁ俺も今日・・・は無理か。でも明日にはここをたつよ。鍛え直し兼仲間探しだ」

 

「そ、どっち側に行くの?」

 

ハニートータウンから伸びる道は三つ。一つは俺たちが入ってきたイローテルに続く道。そしてソティアが向かったホーヘルクタウンに向かう二番道路。あとはチャンピオンロードを挟んで別の街に向かう道もあるが・・・

 

「まぁホーヘルクタウンかな。確かゴーストタイプだったよな?」

 

「そのはず」

 

「なら多分大丈夫じゃねえかな。今度こそバッジ取ってくるぜ」

 

「そっか。しかし完全にばらばらになったな。ソティアもそっち向かったからもしかしたらお前は会えるかもな」

 

「ソティアはそっち行ったのな」

 

「うん」

 

「まー気ままに行くよ。チャンピオンリーグまでまだ時間あるし」

 

「そっか。じゃ、俺行くね」

 

「ジム?」

 

「いや依頼。でもこれ以上見学してもあんま実りがなさそうなんだよなぁ。予定早めるかも」

 

「そ。俺は旅の支度してるけど、時間あったらなんか食いいこうぜ」

 

「奢りなら」

 

「ひっでぇ」

 

「じょーだんだよ。了解。目処が立ったら連絡するわ」

 

いよいよここからは各自別の道を行くことになる。俺は残ってジム戦。他二人は次のジムへ。次いつ会えるかはわからんが、まぁそんときはまたバトルでもすればいいだろう。

 

 

 

そしてそれから二日後。

 

 

俺のジム戦が始まる。





なんか調べたらヨネと会う前だけでヤツボシまで行けるっぽいですね。なら行ける所まで行ってみようじゃない・・・!
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