ようやく、半分
【トリックルーム】
展開されたそれは非常に強力であり当然チヨも見たことのあるもの。その効果は
素早さが遅い順に行動できるようになる。
フィールド限定で世界の摂理そのものを反転させるそれは度重なる【いとをはく】等の素早さダウンによりニャスパーに尋常ではない俊敏さを授けている。
「最早【ねんりき】で体を動かす必要すらない!駆け回れ!特殊技の使い方は遠距離だけではない!」
【ねんりき】→【サイコパンチ】
念動力のエネルギーを纏わせた拳が高速でバチュルに迫る。下手に素早さを下げる技を使えなくなったバチュルは対応が遅れ
直撃
「ほら、視点は同じだぞ?もっと積極的になったらどうだ?」
「生意気を・・・!」
「そらもう一発」
「!」
【ねんりき】+【ひっかく】
=【サイコクロー】
「ふむ。ぶっつけ本番っつーか今初めてちゃんとできてるの見たけどやっぱ威力あるな」
本番ゆえの成功か?まぁDPS稼げるならなんでもいい。アドレナリン出していこうかぁ!
「そらまだまだ!借りは利子付けてきっちり返させてもらう!」
「左から来ます!【つうでんし】を固めて!上に!」
む?【つうでんし】の糸玉みたいなやつを上に投げて自身諸共当てる気か。それはいい手だがアレを忘れてないか?
【テレポート】
バチュル諸共【つうでんし】の塊の上に転移。その後自身のみに【ねんりき】の浮遊をかけてバチュルを落とす。
【いとをはく】
ターザンみたいにして飛んだか。まぁたしかに今のニャスパーに地上戦を仕掛けるのは無謀だろう。ならまだ素早さのアドバンテージをなしにできる技による空中移動の方がいいというのは間違いじゃない。
だが空中戦でも分はこちらにある。なにかしかけてくる可能性は頭に入れておくべき、か。
「展開しなさい!」
「!?」
【クモのす】+【いとをはく】
=【おおぐものすみか】
「まだ隠し持ってやがったか!」
「使い時は誤りませんわ!」
バチュルが糸を放出出来る口と尻。そこから同時に、大量に、多方向に放出された糸はフィールド中を埋めつくす蜘蛛の巣となる。
ここに来ての大技にニャスパーの動きが制限される。
だが!
「落ち着け!これだけの大技だ。反動か、或いは消耗している筈だ!あちらからの攻撃はない!貯めに貯めろ、ぶちかませ!」
ヒトカゲに続き、ニャスパーもまた習得したそれは通常のバトルではまず使い所のないもの。しかし特定の状況下、例えば相手からの攻撃がなく、相手の位置も分かっている等の状況下であれば使うことが出来る、浪漫の域!
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
【サイコキネシス(未完)】
ニャスパーの小さな体から溢れ出した、【ねんりき】とは比べ物にならない程の強い念動力の奔流は展開された【おおぐものすみか】すらも飲み込み、バチュルに直撃する。タイプ相性で威力が半減されようとバチュルの吹っ飛ばされようを見ればその威力は一目瞭然。
「バチュル戦闘不能!ニャスパーの勝ち!」
審判の声が響く。まず、白星。
◓◓▫▫▫▫
「見事ですわね。いつから【トリックルーム】を仕掛けることを?」
「割りと初めから。虫技って結構素早さ下げる技あるしね。下げられたら使え程度のものだったけど」
「なるほど」
タイプ相性の不利なニャスパーすら倒せなかったことを詫びるようにボールの中から見つめるバチュルに労いの言葉をかけ、次のボールを手に取る。
「ではこちらの二番手です。交代なさいますか?」
公式ルールでは相手ポケモンを倒してから相手が二匹目を出すまでの間の交代は邪魔してはならないルールだ。それを遵守した発言に
「いや、いいよ。どーせ二匹目で負けるなら疲労困憊のニャスパーでも無理だ。ちょっとでも削っておいてやる」
「ニャ!」
「そうですか・・・では!」
投げられたボールから飛び出たポケモンは・・・
「げ」
「仇討ちですわよ。ビビヨン」
ビビヨンか・・・!広い技範囲を持つビビヨンはどんなタイプかが分かりにくい上にどんな状況にも対応出来る厄介なポケモンだ。だが【トリックルーム】の中であれば多少はマシ、なのか?
「さぁ、蟲姫とも言われるジムリーダーチヨの実力、ご覧に入れましょう!」
「あの、遠慮とかは・・・」
「いきますわよ!」
「無理ですよねぇ!」
「はじめ!」
再び試合が始まる。
◓◓▫▫▫▫
【どくのこな】+【しびれごな】+【ねむりごな】
=【こどくのこな】
【ねんりき】
「初っ端から大盤振る舞いかよ!」
「小手調べですが?」
「まじかよ」
いきなり殺意高すぎでは!?蠱毒ってアレだろ。神の毒だろ。くらったら終わりじゃん。まぁでも【ねんりき】でそられるならまだ・・・
【かぜおこし】
【テレポート】
地面を抉るように【かぜおこし】!砂と【こどくのこな】が混ざって分かりにくいな!咄嗟に相手の頭上に【テレポート】したがそこはビビヨンの射程圏内だったようだ。
【むしのさざめき】
直撃
「上手っ!」
翅から湧き出た小さな虫のようなものがニャスパーを捉える。まるで【テレポート】先がわかっていたかのような鮮やかな手口に思わず声が出る。
「さて、一矢すら報いられませんでしたが如何しますか?」
「当然、続行だよ!ヒトカゲ!」
互いにエース同士の対決。勝負の行方はまだ分からない。
なんでバチュルの奥の手とか作っちゃってるんだろ・・・
今話中にビビヨンとヒトカゲの戦い進める予定だったのに・・・