【マッドショット】
ゼロ距離で単発型の【マッドショット】。かなり痛いダメージだが呆けている場合じゃない!
「下!【テレポート】!」
指示は短く、的確に!もうミスはしてられない。こちらの意図をきちんと汲み取ったニャスパーが【テレポート】でホルビーのすぐ後ろへ移動する。【テレポート】等の瞬間移動する技は場所は移動するが体勢やその物体が保有しているエネルギーなどはそのままだ。だから技を溜めているポケモンを移動させれば溜めたまま移動させられるし落下中ならどこに移動しても落下速度は止まらない。
故に上にかち上げられた時に移動すれば当然移動地点の上にある物に激突する。
ゼロ距離の【マッドショット】を食らったニャスパーはかなりの速度で上昇、ホルビーはそこを追撃するはずだったがニャスパーの隙は突如ホルビーへの攻撃に変わる。
【しっぺがえし】
だがホルビーもタダではやられない。たかが体勢を崩す程度であろうと攻撃は攻撃。食らった直後なら威力が二倍、更に効果抜群の攻撃をニャスパーに向ける。
幸いお互いが意図しない攻撃だったせいか狙いは付けられなかったためカスった程度だがそれでもかなりのダメージを食らってしまう。
だが追撃は無い。お互い体勢を整えるべく一旦離れ・・・・・・
「そこ狙え!!」
【マッド・・・・・・
!?コウの指示を受けたホルビーが耳にエネルギーを溜め、放つ。ここで!?しかも範囲の広い散弾型じゃない。威力重視の単発型だ。めちゃくちゃな体勢から打っても・・・・・・
いやここで指示したのなら当てられる自信があるのか!ならば・・・
「【まもる】!」
【まもる】
【つるぎのまい】
やられた・・・!ブラフだったのか!【マッドショット】をホルビーなら当てられると読んだ俺の【まもる】を誘発。その隙に隙の大きい積み技を使って攻撃力の向上が狙いだったのか・・・!
これは不味い。非常に不味い!何としても物理技を当てられる訳には行かない!!
【マッドショット】
【テレポート】
「とにかく上へ!」
「それも待ってたんだよ!!」
【がんせきふうじ】
「くっ・・・!」
しまった。やばいやばいやばいやばいやばい!!!
【テレポート】
【テレポート】
【テレポート】
さっきは上に逃げることで下から来るホルビーの攻撃を避けていた。【がんせきふうじ】が降ってくる地点は一度決めたら変えられないため、こちらの硬度が低ければその分降らせる地点も低くしなければ対応されてしまう為、【がんせきふうじ】からのコンボを避けきることが出来たのだ。しかし今は違う。既に天井ギリギリまで上昇していたニャスパーはこれ以上上に逃げることが出来ない。そしてホルビーは腐っても地面を掘るという種族的な特性を持っていても兎なのだ。
【とびはねる】
十分な跳躍力は持っている。
ガシッ
「つかまえたァ」
「【テレポート】ォォ!!!」
「遅せェんだよ!!!」
【いかりのまえば】
技を発動しようとしたニャスパーの動きをとどめを刺すことの無い技で妨害。そして・・・
【じならし】
地面に叩き付け、そのまま地面を揺らす。タイプは不一致。相性も等倍。されど攻撃力二段階上昇中の攻撃は元々少なくなっていたニャスパーの体力を削り切るには十分で。
「ニャスパー戦闘不能!ホルビーの勝ち!」
ニャスパー、敗北。
◓◓◓▫▫▫
数分後。そこそこ盛り上がっていたギャラリーは既に静まり返っている。フィールドにはただの一ダメージ足りとも食らっていないコジョンドとフルボッコオブフルボッコにされた見るも無残なホルビーだけ。
ある意味予想通りだったのだろうコウの頬はそれでも引きつっている。では時間を数分前に戻し、そのバトルの様子を見てみよう。
◓◓◓▫▫▫
「カイト選手、次のポケモンを」
「・・・・・・・・・」
「?カイト選手?」
「・・・わかってます」
ニャスパーを引っ込め、次のコジョンドが入ったボールを手に持ち、中を見る。中には弟子の不甲斐なさのせいか、若干呆れ気味のコジョンド。これはニャスパーは次のトレーニング地獄だな・・・・・・
それはさておき俺がコジョンドを出し渋っている理由だが。
多分こいつは直ぐに二匹をしとめ俺に勝利をもたらすだろう。それはまぁいい事なのだ。問題はこいつは果たして俺のポケモンと言えるのか?という点だ。
正直こいつの強さはこいつ自身が鍛え上げたものだ。紆余曲折を経て、試行錯誤を繰り返し、コジョンドというポケモンを鍛えたのは俺ではない。オマケに恐らくこいつに俺の指示は必要ない。
勝手に蹂躙して戻ってくるだろう。それは果たして勝利と言えるのか?というのが俺の胸中を占める感情だ。
「カイト」
「ん?」
「別にお前がそいつをどう思ってるか知らんけどな。俺はそいつと戦いたくてお前に勝負を挑んだし、なんならニャスパーはそんな苦戦しないだろうって思ってた。でもニャスパーはホルビーを追い詰め、俺を今苦しめている。お前は自信を持ってそいつを出せばいいんだよ」
「そう・・・だな・・・。分かった」
覚悟は決まった。もうなるようになれだ。
「初陣だ。・・・・・・コジョンド!!」
初陣という響きをすこしおかしく感じつつ、コジョンドをだす。
全く着地音を鳴らさず美しく着地したコジョンドはこちらを見向きもしない。トレーニングとかでは話してるし嫌われているわけじゃないだろう。単純に必要ないのだ。
「それでは、試合、再開!!」
【マッハパンチ】
1ヒット
一瞬でホルビーの懐に入りボディーブロー。ホルビーは為す術なく吹っ飛ばされ・・・
【あなをほる】
反動を利用し地面へ避難。ニャスパー戦でも見せた技術だ。地面から奇襲を狙う作戦か。だが初見ならまだしも一回見たコジョンドにそんな小細工は通じない。
次の瞬間、
【はっけい】by足
2ヒット
構えを取り、踏み込んだ左脚で地面を砕く。まぁ【はっけい】でも使ったんだろう。擬似的な【じしん】により潜っていたホルビーは叩き出される。
【マッハパンチ】
【メガトンパンチ】
3、4ヒット
俺たちと戦った時に最後の最後までやらなかった
【グロウパンチ】
【グロウパンチ】
【グロウパンチ】
【グロウパンチ】
5、6、7、8ヒット
メガガルーラよりも凶悪なことするのやめーや。僅か一秒で四段階攻撃が上昇。そこに叩き込まれるのは
【インファイト】
【メガトンパンチ】
【インファイト】
【メガトンパンチ】
計測不能、ヒット
慈悲のない、地獄の責め苦。体の動きは【インファイト】、一瞬後には【メガトンパンチ】。吹っ飛ばし、吹っ飛ばし、吹っ飛ばし、遂に地面に叩きつけてもまだ続く。
約三十秒後、
「ホ、ホルビー戦闘不能!コッココ、コジョンドの勝ち!」
鶏みたいになった審判に少し同情した。
いい所で区切れませんでした。
コジョンドがやってた
まぁそれぐらいコジョンドが凄いって事だね!決して私の運動センスがない訳では無い!!