別のことやろうとすると筆が進む不思議
俺たちを狙うように打たれたネット、カイリキーと同じように目を赤く染めたヘルガー、ここまで来ると流石に小学生でも、いや小学生の方が分かるかもしれないが人為的な事件だと分かる。ベタベタすぎるしな色々。だが黒幕を追い詰める時間はない。まず目の前のヘルガーをどうにかせねば。
【かえんほうしゃ】
「避けろ!」
こういう積極的に指示を出すバトルも久々だな。命の危険のある場でのこういうバトルはそれこそデカグース以来かもしれない。
「液化で接近!裏とって攻撃!!」
【えきかいどう】
【どくづき】
直撃
というかこれカイリキーと同じかと思ってたけどなんか様子が変というか・・・・・うーんスペックは高いけどカイリキー以上に目に見えて弱ってる?
【ほのおのキバ】
おっと呆けてる場合じゃない。
「液化で下から接近、直前でジャンプ!攻撃!」
【えきかいどう】
【ヘドロこうげき】
相殺、だがこっちが有利だ。ヘルガーはこっちの指示を理解していないらしい。指示を読まれる心配がない。
「首絞めろ!そのまま仰向けにしてやれ!!」
「ベッタァ!」
液体状の腕をのばし、首に回すと上を向いていたヘルガーの顎を背中側に引っ張る。見事に背中から倒れこませることに成功。
「畳み掛けろ!」
【ヘドロウェーブ】
【かえんほうしゃ】
体勢不十分の【かえんほうしゃ】は【ヘドロウェーブ】に飲み込まれヘルガーに直撃する。よしよし、いい感じだ!
【かみなりのキバ】+【ほのおのキバ】
=【えんらいのキバ】
ヘルガーのキバに炎と雷が溜まる。中々の大技っぽいが既に満身創痍。顔色を見る限り度重なる毒攻撃で多分どく状態になってるな。ちょうどいい。今のベトベターなら出来そうだし、いっちょ試してみるか。
「ベトベター、【ヘドロこうげき】を溜める感じで体内に留めろ」
「ベタ?」
「いいから。あの分だとヘルガーが技打つまでまだ時間はある」
「ベタァ」
よしよしいい感じ。ヘルガーもまだ技を溜めてるな。
「体の毒を溜めてるソレに流し込め。毒の密度をあげるんだ」
「ベタァァ・・・・・」
要するに未完状態の新技を覚えさせてみようってだけだ。まぁ【ヘドロばくだん】が出来れば上出来だ。
「ヘルガーが動いても打つなよ?俺が合図する」
「・・・・・」
もはや返事も無い。それほどの集中。体内のエネルギーがどんどん上がっていき・・・・・
ダッ
ヘルガーが動いた。口に溜めたエネルギーをベトベターにぶち込むべく、ダッシュしてくる。
「まだ・・・・・まだ・・・・・まだ・・・・・今!」
【ダストシュート(未完)】
「え?」
ベトベターから投げ飛ばされた【ダストシュート】が口を開けたヘルガーの口に直撃する。一瞬の拮抗の後、ヘルガーがぶっ飛ばされ・・・・・
「ヘルガー戦闘不能ってか。いきなり【ダストシュート】なんて使うなよ驚いたろうが」
二つの戦いのうち片方が終わり、もう片方も間のなく決着だ。当初の予定通り観戦と洒落こ「いや助けてくれ」あ、そうだった。
◓◓◓▫▫▫
突然のヘルガーの乱入、しかしどうやら他の者が既に対処に回っている。なら自分は予定通りこちらに集中すべきか、とルカリオは乱入者ヘルガーを意識から完全に外す。
【ばかぢから】
【インファイト】+【はどうだん】
=【はどうパンチ】
【ばかぢから】はカイリキーが元々愛用していた技だ。以前の勝負ではその強力な強化とそこそこ長い持続に押し切られ、カイリキーに連勝を許していた。そんなカイリキーに勝つべくルカリオが編み出した
一見手数の多さと威力を兼ね備えた格闘戦の申し子のように見えるカイリキーにも弱点はある。スピードの遅さやなんだかんだで腕一本ごとの攻撃頻度の少なさはよく見れば分かること。以前はそれを技量で補っていたが今それは無い。そしてルカリオは当然、カイリキーの強さに技量が必要不可欠であることを熟知していた。
右側の二つの腕による上下から挟むようなパンチ
身長の関係上、下のパンチは上より弱いと見抜いたルカリオは左の拳で弾き回避、懐に潜り込みそのまま背中に回って右ストレート。
反撃に左腕で裏拳を当てるべく左回りに回転するもペタリと体を地面に着けたルカリオには当たらず
膝裏目掛けての【ローキック】で片足のみだが膝カックン
後ろ向きに倒れ込むカイリキーの首の裏と地面で挟むように【ボーンラッシュ】を差し込み
脳へのダメージで一瞬気を失ったカイリキーの背中から飛び出し、顔面目掛けて【サイコフィスト】
今のカイリキーは云わばレベルだけ上がったアバターを使う初心者プレイヤーのようなものだ。そのスペックが高すぎたがための苦戦したがスペックが下がればただのサンドバッグにしかならない。
「リッキィィィィイイィィィイィィイ!!!!」
【ばかぢから】+【じごくづき】+【メガトンパンチ】
=【うらみこぶし】
最後の大技。エネルギーの全てを右上腕に詰め込み詰め込み詰め込んだ一撃は当たれば命すら脅かす凶悪な一撃だ。だが今のルカリオは極度の集中状態。波動を感じる力を最大限に引き出し、相手の動きの先読みだけでなくカイリキーの体の中のエネルギーの流れすらも把握している。これが前のカイリキーであればブラフやフェイントを仕掛けできていたかもしれない。だが今の理性を飛ばしたカイリキーにはそれは無い。
【はどうパンチ】
両手を流れるように動かし、命すら刈り取る一撃をそっといなし、腹に一撃を加える。虚空に拳を繰り出し、腹に拳が突き刺さった状態でカイリキーの動きが止まり・・・・・
ズズン
膝から崩れ落ちたカイリキーをルカリオが支える。カイリキーの目は回っており、戦闘不能である事は明らかだった。
思ったより長くかかっちゃった・・・・・・