嗚呼、ここはポケモンの世界   作:後門の熊

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シャンフロに出てきた人魚のキャラデザが好きすぎる。
ああいう相手を騙すための進化好きです。



犯人はコイツだ!

 

「は?休館!?」

 

「ええ・・・誠に申し訳ないのですが当館は急遽休館ということになりまして・・・・・・」

 

「なんかあったんすか?」

 

「まぁ・・・はい」

 

最初は誤魔化そうとしていた係員だったが外に到着したパトカーの音を聞き誤魔化すことは無理と悟ったようだ。

 

「他言無用でお願いしたいのですが・・・実は昨日、当館内で事件が起きまして・・・」

 

「死傷者が?」

 

「怪我人が一人です。幸い、命に別状はないとの事ですが」

 

「ふーん・・・」

 

事件か・・・・・完全に勘だが昨日感じた視線がなにか関係している気がする。何せこの館内に入った時からずっと見られてる感じがするからな。

 

「申し訳ありませんが、今日の所はお引き取りを・・・」

 

「なぁ、俺が調べて見ちゃダメ?ちょっと心当たりがあるんだよ」

 

「は?いや流石にそれは・・・」

 

「ジムバッジは三つ、実力の保証にはなると思うけど?」

 

「いやしかし・・・」

 

「昨日はちゃんと開いてた。って事は夜の間に誰か被害にあったんだろ?となると被害者は館内の夜間警備員か泊まり込みの職員だ。前者なら警備員っていうちゃんと鍛えてる人を倒す程の実力者、もしくはポケモンが犯人だろう。ジムバッジ持ちのトレーナーがいて損は無いはずだ」

 

「いや・・・ほ、ほら!警察の方も来ましたし!!」

 

「警察本部から来ました、警部のモクリです。あなたはこの館の職員ですね?こちらの方は?」

 

「被害にあったのって警備員の人?」

 

「む?」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

「彼に話したのですか?」

 

「あ、いえ・・・その・・・」

 

「事件があったってのは聞いた。それ以外はただの推察だ。ジム巡りの途中でさ、出来ればここを見ておきたかったんだけどこんなことになってるから早く見たいんだよ。協力させてくれないか?」

 

「ジムバッジは?」

 

「三つ持ってる。そこそこの実力はあると思うよ」

 

「ふむ・・・まあいいだろう。外に事件のことを漏らされるのもいかんしな。私に側を離れない事を誓うならいいだろう」

 

「ありがと、モクリさんだっけ?」

 

「うむ。君は?」

 

「カイトだ。よろしく」

 

よし!さっきから感じる視線の正体も掴めるし合法的に展示物を見ることもできる。上手く行けば普段見せてないものを見せてくれるかもな。

 

「言っとくが少しでも邪魔をしたらすぐに追い出すからな」

 

「了解っす」

 

操作開始だ。

 

 

 

 

 

◓◓◓▫▫▫

 

 

 

 

「ニャオニクス」

 

「にゃぁ」

 

「む、何をする気だ」

 

「ポケモンのエネルギーの痕跡を探す。コイツは器用なんで、そういうの得意なんだ」

 

「そうか」

 

犯行現場に着いた。当然ながら被害者は病院に運ばれているが、ここで間違いないそうだ。

 

「・・・血痕がないな」

 

「って事は気絶させただけ?盗まれた物もないんだよね」

 

「ああ無い。すり替えられていることもないそうだ。本人に聞いてみないと分からないが殺す気ではなかったのなら怨恨の線も薄いな」

 

「となると別の目的・・・・・警備員はどこを怪我してたの?」

 

「外傷は無いが恐らく頭に強い衝撃を加えた事で気絶させられたと聞いている」

 

「ふーん・・・」

 

視線はいまだ感じる。しかも強くなっている。この辺はこの城が最後に使われていた頃の資料が多く展示されているエリアだ。当時の城主の肖像画や騎士の鎧、飾られていた絵画などがある。どれも持ち去られた様子は無い。

殺し、盗みでないなら動機はなんだ?それにどうやって入った?この辺はダンスホールだった場所だ。窓はあるが締め切っていたそうだし人が入れるスペースは無い。となると・・・・・・

 

「ポケモンか」

「ポケモンかな」

 

同じ結論か。だがポケモンが暴れたにしては付近は特に散らかっていない。何かしらの意志を持って行った事だろう。

 

「侵入経路は換気扇かな」

 

「恐らくな。体の小さいポケモンなら十分入れる。君のニャオニクスは何か感じたか?」

 

「薄ーくね。この感じは多分ゴーストタイプだって」

 

「ゴーストタイプか・・・」

 

「あくまでその気配を感じるだけで、ゴーストタイプ技を使った別タイプのポケモンかもしれないけどね」

 

その時、近くにいた職員がおずおずと手を挙げる。

 

「あの・・・一ついいですか?」

 

「ん?なんだね?なにか思い出したことでも?」

 

「いえ、その・・・実は最近噂になっていることがありまして・・・・・・ゴーストタイプって聞いてもしかしたらと思ったんですが・・・・・・」

 

「何でも構わないっすよ。情報ならなんでもありがたいっす」

 

「君はなんでそんなにこなれてるんだ・・・・・・?」

 

「そ、その、実はそこの鎧が・・・・・・」

 

「鎧ってこれ?この英雄クライムの鎧?」

 

「はい、それが夜になると動くって・・・・・・!!」

 

「夜に動く・・・・・・鎧・・・・・・」

 

「あ、あの?」

 

「ああ、すまない。協力感謝するよ。ありがとう」

 

「はぁ・・・・・・」

 

周りが何か言っているが聞こえない。動く鎧。ポケモンでそんな奴は・・・・・・居ないな。多分だが他のポケモンの見間違いだろう。噂ってことはそこそこの頻度で見られている。鎧・・・鎧か・・・。改めてガラスケースの中の鎧を見てみる。そもそもこれはガラスケースの中にあるのだ。外に出るとしたらコレを壊さないといけない。この鎧、というか、マネキンに鎧兜を着せて盾と剣を装備した・・・・・・盾と剣?

 

「ギルガルドか・・・?」

 

「何?」

 

上を見れば換気扇の穴。網がかかっているがあれは簡単にあけられる。そしてギルガルドくらいならば余裕で通れる大きさだ。

ギルガルドであれば目撃された時に咄嗟に剣と盾を見てあの鎧だと勘違いしてもおかしくない。なんなら、ギルガルドがその気ならそれに見せることだって全然可能だ。

 

「モクリさん」

 

「何だ?」

 

「犯人、ポケモンなら多分ギルガルドだと思う」

 

「ふむ・・・・・・噂の正体はそうかもしれん。だが犯人だと?」

 

「ゴーストタイプのポケモンってのは不思議な生まれ方をする奴が多い。多分だけどこのギルガルドは付喪神的なやつだ。この剣と盾に染み付いて英雄クライム・・・または剣と盾自身のかは分からないが魂みたいな物がギルガルドになったんだ。霊体のままここを抜け出して何処ぞで実態を得たんだろう」

 

「それで、犯人だという根拠は?」

 

「一つ、動機だ。英雄クライムはこの城を守って死んだ。その遺志が残っているなら、城の中の人を襲ってもおかしくは無い。

二つ、手口。ここに英雄クライムについて色々書いてあるんだが・・・・・平時はこの城の警備兵だったらしい。侵入者を決して逃がさず、尚且つ殺さずに捉える一流の警備兵だったらしい。その技術が残っているんだろう。

三つ、これは単体では証拠とは言い難いけど、ここに入った時からずっと視線を感じてる。なんなら、村に入った時からだ。特にこの部屋に入ってからは酷い。そしてこの部屋に来て気づいた。視線が送られてるのは俺じゃない」

 

そこまで言うと腰のボールホルダーからベトベターのボールを取り出し、鎧の入ったガラスケースに向けて放り投げる。

 

「ベトベター!!」

 

「ベタァ」

 

その瞬間、換気扇の網を切り裂き、一本の剣が現れる。そしてベトベター目掛けて一直線に飛来する。

 

【まもる】

 

【せいなるつるぎ】

 

よく見るとそれは剣の柄から帯が伸び、盾が繋がっている。

 

「かつて英雄クライムはどくタイプのポケモンの毒に侵され敗れた。当時としては禁じ手も禁じ手、そもそも人間同士の争いにポケモンを使うこと自体タブーだったんだ。だからこいつ・・・ギルガルドはこのベトベターを警戒した。この町に入った時から見定めていたんだ。自分の敵かどうか」

 

「なるほど・・・・・・それでこの鎧に向かってボールを投げたから襲って来たのか」

 

「恐らく」

 

どうやらギルガルドも誘い出されたことに気付いたようだ。こちらを睨みつけているがそこまでの敵意は感じない。

 

「お前さ、この城を守ろうとしたんだろ?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「その考えは立派だけどさ、長い年月の間にもうここは王が住まう城じゃなくなった。お前が・・・いや、騎士クライムが守る理由もないんだ」

 

だがギルガルドはこちらに剣を向ける。言うことを聞かせたければ戦えと言わんばかりの構えだ。

 

「分かった。やってやるよ。満足するまで相手してやる」

 

ベトベターじゃ相性が悪いな。一旦戻すか。というかウチのパーティギルガルドに弱すぎでは?まあいい。出すのは、

 

「いつも通り、お前からだ。ニャオニクス!!」

 

「にゃぁ!」

 

ボールから飛び出たニャオニクスがサイコパワーを纏い、宙に浮かぶ。

 

探偵ごっこは終わりだ。そしてここからは・・・・・・俺の本業だ。

 





ギルガルドはコジョンドとはまた違う方向の技量型です。

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