さて、ルォーワカに着いた俺達は例によって他の人のジム戦の見学をしていた。のだが・・・・・・
「ええ・・・・・・?」
『みんな〜!?盛り上がってる〜!?』
『『『ウオオオオオオオオ!!!!!』』』
完っ全にライブだなこりゃ。相手ポケモンを適度に痛めつけながら時間を長引かせて自分のパフォーマンスをしている。まさかジム戦でもこれやってんのか。一人真面目に見学してる俺が逆に浮いてるんだが。
まあチラホラと俺と似たような感じの人もいるし周りの
「あの・・・・・・」
「ん?」
周りに流される必要も無い。もうしばらく見ていこうと思っていると、後ろから声をかけられる。うちわとかタオルとか持ってないしもしかしてこの娘も挑戦者か?
「これって・・・ノッたほうがいいんですか・・・?ちょっと怖いんですけど・・・」
「あー・・・他にもこういう感じの人いるっぽいし、大丈夫じゃないかな。多分だけどこの人達も自分たちの方が異常な事は弁えてると思うし」
「そうですか!よかった・・・私、ジムは生まれた町以外だとここが初めてで、これが普通なのかと・・・」
「ないない。これが異常だよ」
「ありがとうございます!あ、私アキネと言います!!」
「ああ、俺はカイト。よろしく」
「はい!!」
その娘・・・アキネから差し出された手を握ると、嬉しそうにニコニコと笑う。流れでそのまま一緒に観戦することになったのだが、聞けば生まれた町のジムを突破し、ここは二箇所目だという。
「ふーん。どこ生まれなんだ?」
「トチリヌです!何度か挑戦して、最終的には相性が良かったので何とか行けました!!」
「ああ・・・あそこか・・・・・・」
トチリヌ。いまだ記憶に新しいガチムチ達の闊歩する町だ。なるほど中々明るい奴だと思ったらあそこの出身か。確かにあの町はこういう手合いが多かった。
「カイトさんはバッジはいくつなんですか?」
「今三つ。ここで四つだな」
「へぇ〜!凄いですね!!」
なんかこう・・・・・・良い子なんだろうなって言うのが全身から伝わってくる子だな。ホーヘルクのホーシも圧倒的善人だったがこの子はそれとは別にな感じで伝わってくる。
そうこうしているうちにチャレンジャーが負け・・・というかようやく解放されと言った感じだが、次のチャレンジャーの順番になる。
「よし!私もそろそろ行きますね!!」
「ん?もう行くのか?勝算あんのか?」
「ないです!!」
「は?」
「でもぶつかってみたら何か分かるかも知れません!!取り敢えず挑戦して、その後考えます!!」
「お、おう・・・」
死に覚えかよ・・・まぁできる限り負けたくない俺とは違い、普通の挑戦者はこんなもんか。俺やルダン、ソティアなんかもそうだと思うがとにかく負けたくない連中はこうして研究して一発クリアを目指すが普通は挑戦、指導、修正、再挑戦を繰り返すモンだろう。実際にジムバトルを私物化するあのミィポワですら、ちゃんと負けたチャレンジャーには指導と発破をかけている。
「あと何人なの?」
「見てくれるんですか!?」
「ヒマだし」
このままグダグダ見ていても仕方ない。一区切りつけるならそれぐらいが丁度いいだろう。これまでのチャレンジャーの多くはジムバッジ0のトレーナーだ。一つ持ってる奴のが見れるなら見ておきたい。
「ありがとうございます!!」
「いやお礼言われるようなことか?これ」
最後まで元気の塊みたいな奴だったそいつを見送ってフィールドに視線を戻す。
ちょうど次のチャレンジャーがバトルに挑むところだ。はてさてあの子はどの程度の実力なのか。
◓◓◓▫▫▫
『続いてのチャレンジャーは、ジムバッジ一つ、アキネ!!』
アナウンスと共に現れたアキネに、会場がざわめく。まぁアキネもミィポワとは別ベクトルではあるが引けを取らない程の美少女だ。納得の反応ではある。
「両者、ポケモンを!!」
「ムチュール!!オンステージ!!」
「ケロマツ!!」
審判の声にミィポワはムチュール、アキネはケロマツか。タイプ相性は互いに問題なし。トレーナーの腕が試される。のだが・・・・・・
「試合開始!!」
「ミュージック!スタート!!」
試合開始と同時に音楽が鳴り響く。それに合わせてムチュールも踊り出す。
ジム戦でのこのジムリーダーはライブバトルとは違い、自分は歌い、ポケモンにパフォーマンスをさせている。指示が必要な時に出せないのが難点だが現状、奴は指示を一回も出さずに勝っている。
【でんこうせっか】
【こごえるかぜ】
素早く動いて突撃するケロマツに対し、ムチュールは地面を凍らせて対応する。最初からケロマツにスピードで対抗するのではなく場を整える。合理的な判断だ。
【ねんりき】
【えんまく】
あのケロマツも中々頭がいいな。氷の足場に足を滑らせたケロマツにムチュールが【ねんりき】を打つもそれを食らうより早くに【えんまく】を張り巡らせて自分の場所を隠した。
当然、ムチュールは【ねんりき】で煙を払うがその隙をケロマツは狙っていたのだろう。
【ちょうはつ】
ミィポワが歌いながらも驚いた顔をする。何せまだムチュールは補助技を使っていない。にも関わらず指示もなく【ちょうはつ】を打つ判断力。余程アキネはバトルをわかってる感じだ。
「おお!!いいね!ケロマツ!!行けー!!」
・・・・・・いやどうだろう。これならまだこのケロマツのIQが高いと言われた方が信じられるな。
【みずのはどう】
【こごえるかぜ】
ケロマツが跳躍し、放った二発の水球をムチュールは極寒の冷気で迎撃する。両者の間で爆発。
白い煙がフィールドを覆い尽くす。
そして次の瞬間、煙を突き破ってケロマツが突撃。すぐさまムチュールも迎撃する。
【ねんりき】
ピンク色の念でケロマツを縛る。そのまま上へ打ち上げ、地面に叩きつける。
ボウン!!!
【かげぶんしん】+【みがわり】
=【えんかくみがわり】
打ち付けた瞬間、ケロマツが爆散する。【みがわり】を組み込んだ
【なげつける】
ケロマツが投擲したのはアイテムでは無い。ケロマツの身体的特徴、首に着いた“ケロムース”と呼ばれる粘着性の泡だ。
「ッ!ムチュール凍らせて!!」
ミィポワの歌が途切れる。慌てて指示を出すも既にケロマツは次に移っている。
【したでなめる】
カエル特有の非常に長い舌でムチュールを絡めとる。ムチュールは反撃しようとし・・・・・からだがしびれてうごけない!!
【みずのはどう】
跳躍し、先程よりも多い三発の水球を放つ。全て直撃。煙が晴れた時、ムチュールは・・・
「ムチュール戦闘不能!ケロマツの勝ち!!」
これは・・・・・・中々面白いヤツを見つけたかもしれないな。
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