「ムチュール戦闘不能!ケロマツの勝ち!!」
「やった!!いいよケロマツ!!」
マジで凄いなあのケロマツ。殆どダメージを食らっていない。流石に認識を改めたのか、一旦音楽を止めたミィポワは真剣な面持ちで次のポケモンを繰り出す。
「ムンナ!オンステージ!!」
そして音楽が始まる。今度はゆったりとした歌だ。
ポケモンに合わせて曲変えんのか。何処までもパフォーマンス重視なこって。
「試合、再開!!」
【でんこうせっか】
【さいみんじゅつ】
いきなりえげつないな。初手から眠らせに来るとは。ケロマツは【でんこうせっか】の速度のままに射程外まで退避しているが・・・・・・近接は中々キツいか?
【サイケこうせん】
【えんまく】
続いてムンナの光線がケロマツを襲う。再び【えんまく】を張り巡らせるも先程とは違い一瞬にして払われる。
だが、煙が晴れたその時、中から現れたのは十数体のケロマツ。
【かげぶんしん】
【サイケこうせん】
横薙に撃たれた【サイケこうせん】で全ての【かげぶんしん】が打ち消される。しかしその中に本体は居ない。
【とびはねる】
【えんまく】が払われるまでのあの一瞬の隙に【かげぶんしん】と【とびはねる】を発動したのか。
だが腐ってもジムリーダーのポケモン。ムンナも全くの無抵抗では無い。
【しねんのずつき】
多少不完全ではあったものの、ある程度は【とびはねる】を相殺する。そして近距離に入れば再びあの技が牙を剥く。
【さいみんじゅつ】
【みがわり】
効いていない?いや、【さいみんじゅつ】が届くまでの一瞬の隙に【みがわり】を貼ったのか。
この世界での【みがわり】は結構自由度が高い。脱皮のようにその場に残したり先程のように【かげぶんしん】と組み合わせて動かしたり、体に膜のように貼ったりなど、様々な使い道がある。オマケに鍛錬次第では入れる体力の調整も可能だ。
今回はおそらく膜のように貼ったのだろう。
そして【さいみんじゅつ】をスカされた事で出来た一瞬の隙をケロマツは見逃さなかった。
【みずのはどう】
【ひかりのかべ】
間一髪、今度はムンナの差し込みが間に合った。特殊に強い壁を貼ってダメージを軽減する。
【サイケこうせん】
【みずのはどう】
【みがわり】を捨ててダメージを与えに来たか。ムンナの一撃はケロマツに直撃するも【みがわり】を破壊するのみ。本体へダメージはいっていない。
お返しの【みずのはどう】は直撃するも、こちらも【ひかりのかべ】に阻まれている。ダメージは微妙だ。
反撃を警戒してケロマツが距離をとる。
【シャドーボール】
【でんこうせっか】
距離を取ったケロマツに対し、三発の【シャドーボール】が放たれる。だがケロマツに避ける様子は無い。寧ろ突っ込んで突っ切るつもりか?・・・・・・まさか!!
そして【シャドーボール】が着弾する瞬間、俺の疑惑が確証に変わる。【シャドーボール】がケロマツをすり抜けたのだ。【シャドーボール】はゴーストタイプの技。ノーマルタイプのポケモンであればすり抜けて突っ切れるが、ケロマツはみずタイプ。ではあれの正体は何か。決まっている。前世にて猛威を奮ったトンデモ特性。
“へんげんじざい”
マジかよあのケロマツ。頭いいだけじゃなく夢特性かよ。どんだけ強いんだアイツ。
流石のジムリーダーも驚きで歌が止まる。ムンナも反応できていないその隙にケロマツが渾身の【でんこうせっか】を叩き込む。
吹っ飛ばされたムンナだったがまだ体力は余っているようだ。それに比べて、二連戦の上、消費を抑えているとはいえ【みがわり】を連発しているケロマツの方が体力に余裕は無い。
【なげつける】
【サイケこうせん】
首元のケロムースを掴み、投げつけるもすぐ様【サイケこうせん】で薙払われる。
ムンナは遠距離攻撃に切替える為か浮上する。だがそれをケロマツが黙って見ているはずもない。
【うちおとす】
【マジカルシャイン】
手元に野球ボール程の岩を出現させ、ムンナに向けて飛ばす。二、三発と放つが【マジカルシャイン】で全て撃ち落とされる。確実に落とす為にケロマツが再び技を溜めた瞬間、
【つきのひかり】
【うちおとす】
ムンナに攻撃は直撃するも、時すでに遅し。ムンナが打ち上げた【つきのひかり】は上空で停止。十分なエネルギーを貯めてからムンナの身体を癒すだろう。となればケロマツがやらなくてはならないことはただ一つ。
【かげぶんしん】
【みずのはどう】
【サイコショック】
攻めあるのみだ。おびただしい数に増えたケロマツが一斉に水球を構える。ムンナはフィールドの石ころをサイコパワーで浮かべ、それぞれに放つ。
幾ら数が多かろうとそれの殆どは分身。一撃入れれば崩れる脆い虚像だ。石ころの一撃で簡単に崩れてしまう。
【なげつける】
【サイコショック】→【プラネタリング】
消えた分身を補充しながらも首のケロムースをなげつけるケロマツ。それに対して再び石ころを浮かせるも今度は自身を中心に高速で回転させるムンナ。まるで土星の環の様に高速で回転する砂塵がケロムースを弾き飛ばす。
そしてここがムンナの、いや、ミィポワの本領発揮だった。
【シャドーボール】
【サイケこうせん】
【ねんりき】→【ねじまげる】
上空に【シャドーボール】を打ち上げ、地面を【サイケこうせん】で薙ぎ払い視界を奪う。四、五発撃たれた【シャドーボール】はやがてその煙の中に吸い込まれていく。だがそれが地面に着弾することは無い。【ねんりき】によって軌道がねじ曲げられたそれは地面スレスレに停滞する。しかも【シャドーボール】はどんどん追加される。煙が無くなってきたら二、三発地面に当てて土煙を上げるので、ケロマツは今目隠しでダメージ壁の迷路に挑戦しているような状態だ。
そんなことをしている間にとうとうタイムリミットが訪れる。
【つきのひかり】
ムンナの傷が癒え、振り出しに戻る。ケロマツの消耗を考えると寧ろ悪いとも言えるが。
そしてムンナが【ねんりき】を解除して維持していた【シャドーボール】を全て地面に打ち付け、大きな土煙を上げる。直撃はしていないものの衝撃にケロマツが吹っ飛ばされる。そして、
【サイコキネシス】
時間はたっぷりとあった。溜めに溜めた一撃がフィールドを蹂躙する。吹き荒れる念波に滅茶苦茶にされたケロマツが地面に落ちた時には、
「ケロマツ、戦闘不能!!ムンナの勝ち!!」
観客がワッ!!と沸き立つ。流石はジムリーダー。そう簡単には勝たせてはくれなさそうだった。
◓◓◓▫▫▫
「お疲れ様、ケロマツ」
ケロマツをボールに戻したアキネ。さて次のポケモン・・・と行きたいところだが実の所アキネはまだポケモンを二体しか持っていないので次が最後のポケモンだった。
だがその表情に陰りはなく、寧ろ期待と自身、正にリザードを出す時のカイトと似たような顔だった。
「出番だよ!ガバイト!!」
現れたのは暴力の化身・・・の進化前。だが凶悪なフォルムはさほど変わらず、何よりその雄叫びがどれ程の強者かを物語る。
「試合、再開!!」
【すなあらし】
【プラネタリング】
試合開始と同時にガバイトが再び雄叫びを上げ、嵐を呼ぶ。対するムンナはガバイトが呼んだ砂塵よりは大きい石ころを操り、近接に備える。
刹那、一瞬の空白の後にガバイトが先手を取る。地を這う様に高速でムンナに飛びかかりその爪を振るう!!
【ドラゴンクロー】
ムンナは反応できない。近接に関してムンナは得意とは言えない。だが出来ないならできないなりに対策を取ることは出来る。事前に展開した【プラネタリング】が龍の爪を弾く。
【りゅうのいぶき】
【サイケこうせん】
距離を取ったガバイトが口から息吹を撃つ。【サイケこうせん】での迎撃はしかし威力が足らず、押し込まれる。
【ねじまげる】
【りゅうのいぶき】に干渉して軌道を逸らす。だがそれは目眩しだ。既にガバイトは次に動いている。
【ドラゴンクロー】
【まもる】
【プラネタリング】を避けて襲い掛かる爪を絶対無敵の壁で防ぐ。だが近接技を【まもる】で防ぐのは基本的に悪手だ。
【シャドークロー】
ムンナの腹に今度は霊の爪が食い込む。打ち上げられたムンナを追ってガバイトも跳躍。追撃にもう一発の【シャドークロー】を叩き込む。
「ムンナ戦闘不能!!ガバイトの勝ち!!」
ケロマツとのバトルスタイルの違いもあり、存外あっさり勝利をもぎ取る。最後の一体、このバトルが全てを決める。
へんげんじざいが弱体化くらいましたけど基本的にこの小説では修正前のへんげんじざいで進めます。
ただこのケロマツその内自分の好きなタイミングで使ったりしそうですけど。