嗚呼、ここはポケモンの世界   作:後門の熊

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(デカグース視点)


VS森の暴君 デカグース④

【でんこうせっか】を当てた瞬間、デカグースは勝利へのプロセスを構築する。

念の為【すなかけ】からの【でんこうせっか】を使ったがやはり奴らは反応できていなかった。あの亀(ゼニガメ)とそれに付き添うニンゲンは勿論、横目で確認した限り他の奴らも【でんこうせっか】に反応できていない。

だが油断はしない。相手はニンゲン。どんな隠し玉を持っているか想像もつかない。【でんこうせっか】の速度に慣れられないよう、ここぞというときで使う。

 

 

◓▫▫▫▫▫

 

 

なんだかんだ逃げ場が無くなって結局広場に戻ってきてしまった。だがこれはある意味望んだ結果だ。

 

一発。何とか一発入れたい。それは別に必要な事じゃない、ただの欲求。なんでか知らないが本気モードのアイツに一発入れたいという俺のワガママ。

だがそれは今一緒に戦っているソティアも同じなようだ。何とか一発デカいの入れてアイツに吠え面かかせたい思いは同じだ。

 

「次の【たいあたり】で仕掛けるわ」

 

「承知。一撃入れんのは任せろ」

 

「頼むわよ」

 

相互の確認が取れたところで見計らったかのように

 

【たいあたり】

 

「足掛け!【つるのムチ】!」

 

ボールに戻していたフシギダネを【たいあたり】を繰り出したデカグースの背後に出し、渾身の足掛けを決行する。

完璧なタイミングで掛けられた【つるのムチ】はしかしデカグースの体勢を僅かに崩すだけの失敗に終わ

 

「【みずでっぽう】!」

 

らない。何時から起きていたのか準備を整えていたルダンのゼニガメが足元をぬかるませる。そして、

 

「食らえオラァ!」

 

ナイフモドキを持った()の得物がデカグースの腹に突き刺さる。まぁ刃も着いていない極論ただの棒で突き立てたところで意味が無いのはわかっている。

だが注意は引ける。バランスの立て直しで手一杯のデカグースはこちらに構う暇がない。ただウザったそうに振り払われるだけだが、それでも俺には大怪我だ。

ああ意識が飛ぶ。まだ耐えてくれ。せめて結末を見届けたい!

俺と足元。どちらもデカグースより下にあるが故に意識が完全にそれた上空に予め投げたボールからヒトカゲが躍り出る。

 

「接射だ!連続で【ひのこ】!」

 

背中への衝撃。先程のモンスターボールでトラウマ級に警戒していたそれにデカグースの体が一瞬硬直したその隙に

 

【ひのこ】

【ひのこ】

【ひのこ】

【ひのこ】

【ひのこ】

【ひのこ】

【ひのこ】

 

悲鳴。デカグースが悲鳴をあげる。これで奴の体力が尽きることは無いだろうが一矢報いた。

 

もはやヒトカゲは【ひのこ】の打ちすぎでエネルギー不足だ。【つるのムチ】ごと引っ張られたフシギダネにはソティアが駆け寄っているが戦闘続行はむりだとおもわれる。

 

だがやり遂げた。

 

達成感とこれしか出来ない虚しさを感じながらデカグースを見ると

 

【あばれる】

 

...まじかよ。

 

予想以上の善戦はどうやら奴にとって許されざることだったらしい。

白目をむいて赤い光を立ち昇らせながらデカグースが暴れ回る。背中にへばりついたヒトカゲを身震いで引き剥がし、空中で身動きの取れないヒトカゲを吹き飛ばす。

必死に距離をとろうとしたフシギダネは狙いをつけられ突進されてソティアと共に宙へ打ち上げられる。

 

...残るは俺だけか。この体でコイツの攻撃なんてモロでくらったらまぁ、死ぬだろうな。

 

突撃してくる奴を睨みながらこの短い人生を振り返る...いやほんとに短すぎて振り返ることもあんま無いんだが。

 

目を瞑る

 

身を強ばらせる

 

1秒後にはこの身を砕くであろう衝撃は...

 

 

 

 

 

 

3秒たっても訪れなかった。

 

目を開けるとそこには見覚えのある白と紫の二足歩行する猫。

その2匹が展開した【まもる】が俺の身を守っていた。

 

「遅くなった。怪我は...かなりありそうだな」

 

「お父さん、鍛え方が足りないんじゃないかしら?」

 

「そうかもな。怪我が治ったらもっと厳しくするか。だがまぁ今は」

 

「「任せなさい」」

 

両脇に立つ両親がここまで頼りになったのは初めてじゃなかろうか、となかなか失礼なことを考える。

そして何時だったか両親がこんなことを言っていたのを思い出す。

 

──────シングルバトルのジム戦じゃ5個が限界だったけど、私たちの専門はマルチだからね。

──────そうそう。マルチなら本気のジムリーダー2人にだって引けは取らないさ。

 

 

 

技術(アーツ):合技

サイコキネシス+サイコキネシス

=【むげんろうごく】

 

 

 

 

 

そこからは圧巻の一言だった。善戦とか圧倒とかそんな次元じゃない。完封。まさに完封。野良のポケモン如きが鍛え上げた我らに叶うとでも?と言わんばかりの完封。順番に説明すると

①デカグースが宙に打ち上げられた

②その後空中で横に弾かれた

③なんか球体上のバリアっぽいのがある上にそれに当たると弾かれるらしい

 

要するに球体の中でデカグースがスーパーボールになっている。モンスターボールの上位互換の方じゃないぞ。あのめっちゃ跳ねるボールだ。しかも見間違いじゃなきゃあのバリアっぽいのちょっとずつ小さくなってない?

耳を開き、本気の2匹のニャオニクスによってデカグースが弾かれ続ける。

ようやくバリアがとかれた時には倒れふすデカグースだけが残されており、

 

「えいっ」

 

うちの母が投げたボールによってあっさりと捕まった。




秋津茜登場!(別にこの作品の話じゃない)
なおこの作品のヒロインはソティアではありません。

技術(アーツ)
人が自身のポケモンをさらに強くするために考え出した技術。要するに2つ以上の技を出す感じ。

技術(アーツ):○○
通常技+通常技
=オリジナル技

って感じで表記します。合技は2匹で出す技。エネルギー的な負担は少ないけどタイミングがシビア。

今回は図鑑の設定上、オスよりもサイコパワーが強いメスの方が大雑把なドームと威力を担当し、オスがその穴を器用に埋める感じで作る技。
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