Unbeständige Träume 作:gh0sttimes
人里の自警団の装甲車は、西部工業地帯を走る際に、整備されていない道にタイヤの跡を刻みながら、パチパチと音を立てて走っていた。
その一つに乗って移動していた佐藤宏は連勤続きだったため、佐藤の顔には深い疲れが刻まれていた。
この地域は中心市街の再開発の名残ですっかり寂れてしまったが、繁栄していた時代に来たことがある。
その頃は無数の鉄の塔が黒い煙を噴いており、空気はそれによって汚れていた。
今日、佐藤は自分の部隊を連れてこなかった。
これは個人的に話したい人がいるからであった。
やがて、装甲車は黒ずんだ廃工場の前に止まった。
佐藤はゆっくりと装甲車から降りるとゆっくりと深呼吸をした。
泥臭い匂いが佐藤の鼻を突き刺し、彼は吐き出しそうになった。
吐き気の収まった佐藤は自身の半霊を連れ、廃工場の闇に吸い込まれていった。
工場内には壊れた三相誘導電動機が忘れ去られていた。
「功名何ぞ夢の跡・・・ 消えゆくものは人の跡・・・」
佐藤は深い溜息をついた。
数分後、工場内の闇を進んでいた佐藤は自分を見つめ返す一対の目に気づいた。
目が窪み、腹が凹んだ青白い若い人物が、闇の奥から佐藤を観察していたのだ。
若い頃の佐藤であれば、驚いて撃ち殺していたかもしれないが、今となってはそのようなことも起きなかった。
闇は佐藤にあらゆる鉄の塊を見せ、彼を冷静にした。
彼らも同じように感じているのではないかと、佐藤の心に入り込んでくる考えがあった。
しかし、そんなことはあり得ない。彼らにはここから出る理由がなかった。
しかし、彼らは幻想郷のために働いている自警団が要求するものを適正な値段で売ってくれた。
佐藤は闇の奥の一対の目の元に向かった。
「やあ。前の銃器は自警団でもかなり好評だったぞ。ありがとう。そして、これがその代金だ。」
佐藤はその男の机に札束を置いた。
「それは良かった。銃器の開発に役立てるよ。そういえば、昨日面白い銃を拾ったのだが・・・ カラシニコフって知ってるか?」
「ああ。ソ連軍の傑作か。」
「ああ。これなんだが・・・」
男はポケットの中から、古びて錆だらけになったAK-47を取り出した。
佐藤はそれを手に取って眺めた。
「よく見つけたものだな。」
「まあね。でも、どうせなら、もっと良いものを持ってきたらよかったかな?例えば、米軍のM16とか。」
「いや、これで十分さ。」
佐藤は苦笑いした。
「じゃあ、また何かあったら来てくれ。」
佐藤は男の言葉を聞いて、踵を返した。
佐藤は再び工場内を歩き出した。
しばらく歩くと、今度は古びたスパナが置かれていた。
「この辺は機械工場だったのか・・・ もう何も残っていないだろうな・・・」
佐藤はそう呟くと、その場を離れようとした。
その時、佐藤の耳は足音を捉えた。
「誰だ!」
佐藤は声を上げた。
暗闇の奥からゆっくりと男が姿を現した。
「あっ。司令官。そろそろ時間ですぞ。基地に戻りましょう。」
「分かった。今行く。」