Unbeständige Träume 作:gh0sttimes
「はあ・・・ 今日は騒がしいわね・・・」
博麗霊夢は来夢と一緒に人里を歩いていた。
殺人事件を受け、翌日から人里各地に自警団が配備されることとなった。
そのため、危険と判断された道路は封鎖され、主要な道路では騎兵部隊や歩兵部隊が待機している。
それに加え、人里の人間には外出禁止令が出されていた。
しかし、霊夢の感覚ではそれほど危険な状況とは思えない。
だが、念のためということで、霊夢も警戒していたのだ。
そして、人里の中央通りを歩いていた時だった。
「あれ? 誰かいる?」
霊夢は前方に何かを見つけたようだ。
その人物は旧日本陸軍の軍服を身につけており、近くには人魂が浮いていた。
「あら、あなたは・・・」
霊夢はその人物に見覚えがあった。
彼女はゆっくりと近づき、話しかける。
「霊夢か。久しぶりだな。 元気にしてたか?」
その人物とは、幻想郷に迷い込んだ元陸軍少尉『佐藤宏』。
半人半妖である。
現在では人里の自警団に属している。
彼は霊夢の姿を確認すると、親しげに声をかけた。
「えぇ、まぁそれなりにね。」
「そうか。それは良かった。ところでお前はこんな所で何をしてるんだ?」
「私はこれから八百屋へ行こうと思ってたところよ。」
「そうか。」
最近になって幻想郷の治安が悪化してきたように思える。
そのため、最近では自警団の兵員数も増加している。
霊夢のような異変解決の専門家ではなく、普通の人間でも戦闘訓練を積んだ兵士である。
最近では幻想郷浄化軍のテロに備え、核、生物、化学、魔術に詳しい部隊も存在するようだ。
佐藤宏もそんな部隊の隊員として働いているらしい。
「あんたこそ何やってんのよ。」
「俺は見回りだよ。自警団の仕事さ。」
「ふーん。大変ねぇ。」
「まぁな。最近は物騒だからな。」
「そういえば、この間、変な事件があったわよね。」
「ああ、殺人鬼のことか。俺もその話を聞いたぜ。なんでも犯人はまだ捕まってないそうだな。」
「そうなのよね。怖いわね。」
「全くだ。」
霊夢は空を見上げた。
「そろそろ時間かしら?」
「いや、まだ大丈夫だろう。このくらいの時間なら人通りも多いはずだ。」
「そうね。じゃあ私行くわね。」
「おう!また会えるといいな!」
霊夢は佐藤宏に手を振りながら、来夢を抱きかかえ、その場から飛び去っていった。
その様子を佐藤宏は微笑みながら見ていた。
(霊夢も子供ができたのか・・・)
霊夢の後ろ姿を見ながら、佐藤宏は感慨深い気持ちになった。
彼女の表情を見ると、とても幸せそうである。
おそらく良い旦那さんがいるのだろう。
彼は自分の変な勘違いに気付かないまま、持ち場に戻った。
そして、事件は起きた。