ただのモブで終わる筈だった。   作:食べる辣油

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アスタロスがあるなら、杉をこの世から抹消させたいですね。


それはそうと
誤字報告を下さる方、ありがとうございます。

極力自分で修正する様に頑張っていますが、自分で気づけない箇所もあるので、とても助かっています。



#10

 

 中学が始まってから数週間。

 三影のひっつき虫レベルも徐々に緩和されつつあり、特に問題も起こらずに始まったばかりの中学生を満喫していた。

 

 授業もついていけない訳じゃないし、三影の一件からクラスにも馴染めつつあった。

 

 女子からは色々聞き出され(尋問)、男子からはネタで目の敵にされたりするが、それでも楽しい事には変わりなかった。

 

 もちろんそれ以外で変わったこともある。

 先の一件で、三影を教室へ連行した際に川村アミと知り合った。

 

 最初は三影の事を頼むとか、ちょっと気にかけてやってくれとか、三影ってそっちのクラスに馴染めてる?とか、情報交換程度の交流だった。

 

 それが何処で仕入れた情報なのか、俺が物珍しいLBXを使っていると山野バンが知り、三影を通して俺に接触してきた。

 

 まだアキレスどころかAX-00すら持っていない。

 使っていると言えばキタジマで貸し出しているグラディエーターで、ストーリーの性質上、今はLBXを持つことを母親に禁じられている。

 

 それに、LBX自体は彼の父親である山野淳一郎(テロリスト)が作ったもので、今のところは事故で死んだ事になっている父親の形見でもある。

 

 だからか、LBXへの興味と関心は人一倍ある。

 

 日が暮れるまで根掘り葉掘り話倒され、キタジマから出ることを許されなかった。

 

 それからは、流れる様にバン達のコミュ力の高さに飲み込まれ、放課後暇な時はキタジマに寄るのが日課の様になっている。

 

 そして今日の放課後も、バン達とキタジマに居て

 

「あぁ!」

 

 今日も店内に響くカズの嘆きの声を聴いていた。

 

「また カズが負けた」

 

「え、そうなの?」

 

 コアパーツを弄っていたアミと三影が作業台から振り向く。

 さしも興味無さそうな反応に、流石にカズが可哀想と思えてくる。

 

「借り物でこれかぁ」

 

「だろ? バンが自分のLBX持ったら、もう手がつけられ無くなるかもな」

 

 ここ数日、バンとカズ、アミの実力を間近でよく見ていた。

 やはりと言うか、流石開発者を父親に持つだけはある。センスも実力も折り紙付きだ。

 

 バンは言わずもがな。

 アミの腕前に関しては、最初からストライダーフレームが板についてるか、納得の実力だった。

 

 ただ、カズは普通だ。

 やはりカズがカズとしての能力を開花させるのは、ウォーリアーと死に別れ、ハンターと出会ってからだ。

 

 エジプトの時を含めるなら割と強かったが、アレはどう言う訳か催眠を受けた人間ではなく、催眠をかけたプログラムの実力みたいなものなのでカウントはしない。

 

「バンも早く自分のLBX持ったりしないのか?」

 

「どうだろう。母さんが許してくれるかどうか…」

 

 そう言ってバンは頭に手を当てる。

 

 彼の母親である山野真理絵は、直接の原因ではないものの、自分の夫がいなくなった原因の一つであるLBXを避けていた。

 

 理由はちゃんとある。

 息子を父親の様に危険に晒して失いたくないが、それを直接言ってもバンは納得しないと知っていて、半ば強制的にLBXを禁じていた。

 

 ある日、自宅にかかってきた電話と戦闘でボロボロになったリビングとLBXを持っているバンの姿を見て、バンがLBXをする事を許した。

 

 今起きている事を間近に見せられ、これから起こる事に備えさせる為に、その日を境に息子を応援し発破をかける様になる。

 

 何処か父親に影響されている面もあるが、いい母親である事は間違いではない。

 

「まぁ、いつか許してくれるよ」

 

「そうかな……」

 

「あんまり暗く考えんなバン。そう言う時は気楽にいた方が楽だぜ?」

 

 遠くない未来に、色々と納得して持たせてくれるとは言う訳にもいかない。

 近いとか遠いとかは言わないでおく。

 

「んじゃあ、いい時間だしお開きにすっか」

 

「そうね。また明日集まりましょ」

 

 時間は4時。

 まだ明るい時間帯、俺の門限は問題ないが、バン達に課せられた門限はすぐそこまで迫ってきているらしい。

 

「じゃ、またな!」

 

 バン達とキタジマで別れる。

 夕方で買い物客が増えてきた表通りの人混みに、3人は消えて行った。

 

「じゃ、行くか」

 

「ん」

 

 バン達を見送った後、俺達もキタジマを後にする。

 暫く歩いていると、三影が近寄ってくる。

 

 人混みでただでさえ普段より近づいてるのに、更に距離を詰めてくる。

 

「三影…?」

 

「何?」

 

「……いや、うん。何でもない」

 

 肩と肩がくっ付きそうな距離で歩くから、妙に意識してしまって耳と顔が若干熱くなる。

 

 そんな俺を他所に、三影は涼しい顔で隣を歩く。

 家に入るまでの間、周りからの視線が妙に気になって仕方なかった。

 




原作前と原作後の話を章で区切りたいと思います。
サブタイトルを考えればいいだけの話なんですけど、話制作してる時間よりタイトル考える時間の方が長かったのでね……
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