寝ぼけたせいで始まりの#2を消してしまい、再投稿しました。
新話投稿と思った方、申し訳ありません。
放課後直ぐにキタジマに場所を移した。
ここなら実質プライベートルームの様な場所で、知らない人間に話を聞かれる心配もない。
アミとカズが店長に頼んでバンのLBXを一応調べてもらっていた。
「AX-00……AX…」
店長がノーパソと睨めっこしている。
タイニーオービット社プロメテウス社、クリスターイングラム社、はたまた海外の企業のホームページや情報サイトまで調べていたが、結局AXと言う型番は出てこない。
「昨日のアキレスといい、何処にも載ってないな」
やはり何処を探しても情報は出てはこなかった。
諦めてノーパソを閉じて、カウンターの下に片付ける。
「ま、いいんじゃないか? バンも遂に自分のLBXを持てた訳だし、今はそっちが重要だ」
取り敢えず、バンがLBXを持てた事は良い事だ。これからどんどんヤバい事に首を突っ込んでいく事にはなるが。
態々お祝いムードをぶち壊す様な事を言う必要もない。
素直にバンに祝いの言葉でも送っておく。
「ま、おめでとうって所だな」
「でもよ。これカバーパットだろ? コレじゃカッコ付かなくないか?」
カズがそう言う。
AX-00がアキレスのフレーム装着を前提としたものだから、今のままだと見た目的にも性能的にもバンの実力を引き出せない。
そこでアキレスなんだが、ここにはない。
うちの中学校の裏、スラム化した未開発地区を根城にしている郷田ハンゾウ。所謂番長が回収して行った。
「そうだな。バンがLBXを手に入れた記念だ、昨日のアキレスをお前にやる!」
「本当!?」
「嘘は付かないさ。ちょっと待ってろ」
そう言って店裏に向かおうとした時、奥から言いにくそうな沙希さんが出てきて
「その……アキレス、売っちゃった」
綺麗なテヘペロを見せつけてきた。
それはもう、夫である小次郎店長ですら呆気に取られる程に。
「え⁉︎ いつ?!」
「今朝、開けた時に…ね?」
「…バン。すまん!」
手のひらを合わせて綺麗な動作でバンに頭を下げる。
「店長が謝る必要はないよ。元々売り物なんだし、売れちゃったなら仕方ない事だよ」
頭を下げる店長、少しシュンとしながらも店長のせいではないと言うバン。なんとも言えない空気の中、レジを漁る沙希さんが視界に入った。
そして一つのカードを手に取って見て、スーッと深く息を吐く。
「……ごめん」
「え? どうした沙希?」
「このクレジットカード……偽造品だった」
さっきの比にならないくらい見事なテヘペロ。
しかし今度ばかりは店長も黙ってはいなかった。流石に自分の店で窃盗事件が起きるとは思っても見なかったからだ。
「偽造!? 分からなかったのか!?」
「ごめん…寝ぼけてたかも。よく見たらICチップもないし、会社のロゴも見た事ないなだし…」
「そのカードを使った人、覚えてます?」
申し訳なさそうに頭を描く沙希さんに、アミが犯人の特徴を聞く。
顎に手を当てながら、しばらく唸っている。すると何か閃いたのか、ハッとして沙希さんが
「確か郷田! 郷田って呼ばれてた! しかもソイツ学ラン姿で高下駄履いてて、いかにもって奴だわ!!」
誰を指すわけでもないが、ビシッと指差す。
「郷田って…あの郷田!?」
「…ふ〜ん」
三影とカズが知っているそぶりを見せる。
カズはミソラニ中の有名な番長として、三影は言わずもがな。憧れはしていないが、尊敬している人間の1人として知っているからだ。
「うちの校舎の裏にスラムがあるだろ? そこを取り仕切ってる番長が郷田ハンゾウだ」
「盗みをする って言う感じじゃない。けど、こればかりは 会って話さないと 分からない」
「…じゃあ、学校に戻るか」
「うん。そうしよう」
スラムは中学校の裏側、だから一度学校に戻る事になる。
店を出て行く時、気をつけるんだぞと別れ際に店長に言われ、それに応えてキタジマを後にする。