ただのモブで終わる筈だった。   作:食べる辣油

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春が怖い(花粉の脅威)



#4

「行くぞ!」

 

 三人衆とバトルを開始する。

 

 ルールは簡単。

 なんでもありのアンリミテッド。破壊されようが破損しようが、ルールを選んだ奴の自己責任。

 

 参加した時点で言い逃れはできない。

 決闘みたいなもんだな。

 

「三影。しばらく頼む」

 

「ん」

 

 ジャングルだったか、マヤ遺跡だったか、とにかく鬱蒼としている場所だ。

 

 クイーン、ナズー、マッドドッグ。

 それぞれの特性を活かせる場所で非常に厄介だ。

 

「カバーパットで勝てるとでも?!」

 

「やってみるさ!」

 

 バンとリコが、カズとテツオが、ギンジにアミと三影が、それぞれ相手している。

 

 バン達が三人衆と戦う中、小柄でもない図体を茂みに隠れてた。

 

 クイーンは移動手段がホバーなだけで特別強いと言うわけではない。

 

 ナズーも潜水能力があるだけだ。

 

 ただしマッドドッグ、こいつはダメだ。

 

 アタックファンクション枠か何かに、自機を視覚やレーダーからも透明にするステルス技術があった。

 

 だから真っ先に潰す。

 

 茂みから姿を出してマッドドッグに狙いを定める。

 

 このビームライフル、燃費は最悪だが1発だけなら相手を一撃で破壊できる物を撃つことができる。

 

 初めから数で有利なだけに、イレギュラーで数を減らされるのは痛い。だから、外す事はできない。

 

「三影、アミ。射線注意」

 

「ん」

 

「嘘でしょ?!」

 

「何!?」

 

 俺の注意と共に、ライフルの先から閃光が特徴的な発射音(デュジューン)と共に1つの矢になって飛び出していく。

 

 クノイチは不意の出来事ですぐに離れたが、アマゾネスはギリギリまでマッドドッグに纏わり付き、ビームライフルの射線にマッドドッグを蹴り飛ばし、飛んできたビーム(光束)に貫かれる。

 

 コアスケルトンごとコアパーツをグチャグチャにされたマッドドッグはそのまま爆散、破片を撒き散らして脱落する。

 

 マッドドッグは始末した。

 次にバンとカズの援護をと思ったが

 

「そこぉ!」

 

 鋼鉄棍を投げ槍の様に投げつけ、クイーンのホバー機能がある下半身に命中させる。

 

「んな馬鹿な?!」

 

「もらったぁ!」

 

 機体の姿勢が急に崩れたせいで、脱線した列車の様に地面を掘って倒れる。そこにAX-00が引き抜いた鋼鉄棍を振り下ろし、クイーンを破壊していた。

 

 カズはと言えば、もはや残党狩りの様相で、手の空いたアミと三影がナズーを処理していた。

 

 

 

 

 

 

@_________@_________@

 

 

 

 

 

 

 あの後、Dキューブを回収した三人衆はスラムの奥へと消えていった。

 

 なんとか……と言うわけでもなく勝てた。まぁ人数から考えて、楽勝できないとおかしい戦いではあったけど。

 

「幾ら不意打ちって言っても事前に耳打ちくらいしても良いんじゃない?!」

 

「…スミマセン」

 

 正座させられ、しばしの間アミに説教を食らった。

 

 その後に三影に慰められて、ちょっと心に来た。

 

 別に三影の行為が悪かったわけじゃない。

 単純に、異性の同級生に親の様に怒られて、また異性の同級生に親の様に慰められて、自尊心というものが無くなりかけていた。

 

「おっかねぇだろ、アミ?」

 

「うん、あれ将来尻に敷くタイプだ」

 

 しばらくして落ち着きを取り戻し、逃げた三人衆の追いかけた。

 

 進んだ方向しか分からなかったが、答えはすぐ見つかった。

 

 階段を上がって右に曲がったところに、大きな隔壁扉があり大きく赤いペンキで「我道(我が道)」と書かれていた。

 

 扉の周りは妙に小綺麗だし、荷物の詰まった木箱やバックが整頓されている。埃臭かく薄暗かったが、ここは日当たりもいいし空気も少しばかり綺麗で、吸っていられないレベルの臭いではない。

 

 扉の前にバンが立ち、一呼吸置き

 

「…行こう」

 

 そのまま扉へと進んでいく。

 

 センサーが生きているのか、バンを認識して閉じていた隔壁が開き、バンを先頭にして建物内に入る。

 

 壁は破壊したのか朽ちたのか、壁に大穴が空いていた。

 

 その手前、部屋の中央に展開されたDキューブに、ソファに座る半裸の学ランの男。その後ろに、打ち負かした郷田四天王の三人衆が立っていた。

 

「あんたが、郷田先輩?」

 

「あぁ、俺が郷田だ!!」

 

 俺の問いに親指を立て、自分の胸に突き立てる。

 

 何が起こっているか、とっくに検討がついているらしい。こっちを一人一人見定め、もう一度バンを見て笑う。

 

「お前らの目的……はまぁ、ここまで来るってこたぁ、コイツ以外の事じゃないだろ?」

 

 テツオが取り出してきたアキレスの箱を郷田に手渡し、それを見せつける。

 

「キタジマから盗んだアキレスを返せ!」

 

「あぁ、ほらよ」

 

「「え?」」

 

 カズとアミの腑抜けた声が聞こえるが、それを気にせず郷田さバンにアキレスを投げる。

 

 急に投げられたのもあって、少しの間手の上で遊ばせた後、しっかりと箱を掴む。

 

「そいつのフレームは俺のLBXに合わなくてな。お前に使わせてやる、そのかわり……」

 

 そう言って、郷田は懐からLBXを取り出す。

 

 ブロウラーフレームの中でゴツメのデザインに、相手を抉り取りそうな破岩刃、そして悪人ツラと胸の我王砲を備えた、プロメテウス社の新型LBX。

 

「俺と戦え。俺の”ハカイオー”とな!」

 

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