ただのモブで終わる筈だった。   作:食べる辣油

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久々にダンボール戦機の単行本を見たので買って読んでます。



#5

 AX-00はアキレスのアーマーフレームを装着。

 正真正銘「アキレス」となった。

 

 それで終わればよかったが、郷田がバンにアキレスを渡したのは勝負する為。バンの作業が終わって、このままバトルが始まる。

 

 展開済みのDキューブに5体と1体のLBXが降り立つ。

 

 普通ならただのイジメだったが、郷田以外の3人はさっきの戦いで自分のLBXを失っている。

 

 だからバトルに参加できないというのと、単純に郷田。向こう側がハンデとして俺たち全員で挑んでこいと言った結果だ。

 

「ひよっこが幾ら束になろうが勝てるかよ!」

 

「何をぉ!!」

 

 バンのアキレスを先頭にカズ、俺と続いていく。

 

 アミと三影は俺たちが正面から仕掛けている間に、脚を生かして即背面に周り、そこから嫌がらせの如く攻撃する算段だ。

 

 バンが郷田の初撃を盾で受け流し、ランスで突く。

 

 ただ僅かに機体を捻られ、バンのランスは掠め突きの勢いがなくならずハカイオーの最後へ流れる。

 

「小癪な!?」

 

 アキレスでできた隙を埋める様にウォーリアーとガンダムで詰める。

 

 意表こそ突けたが、直ぐに破岩刃を横払いで対応。咄嗟にウォーリアーの前に出て盾で防ぐ。

 

 ハカイオーも咄嗟の行動故にそこまで速度とパワーは乗っていなかったが、それでも最新鋭機と言うだけあってパワーはブルドやタイタンの比ではない。

 

 前に進んでいたはずが、受け止めた瞬間横に強制移動させられる。

 

「悪い悟!」

 

「無理無理無理ッ!こんなんまともに食らった盾ごとイカれる!」

 

 踏ん張らなかったおかげで、機体に深刻な損傷はない。

 

 ただ盾が少し曲がった気がする。

 

 郷田は追撃を入れようとしたが、回り込んできたアミと三影に背面を攻撃され、また立ち止まる。

 

「クソッ うざってぇ!」

 

「まだまだ!」

 

 復活したバンがアキレスでハカイオーにタイマンを挑む。

 

 数度の攻撃はハカイオーを捕らえるが、それも最初だけで反撃を受け止めたアキレスがハカイオーのパワーに押される。

 

 攻撃力と破壊力で差がある以上、ダメージ交換は不利。攻撃を防ぐしかなく一度ハマると抜け出せないノックバックハメ状態になり、次第に攻守が逆転していく。

 

「さっきまでの威勢はどうした!?」

 

「クソッ…」

 

「くらいなぁ!」

 

 バンを執拗に攻めるハカイオー目掛け、ビームサーベルを振り下ろす。

 

 見慣れない武装に危機感を抱いたのか、郷田はアキレスへの攻撃をやめ鈍重な機体を精一杯動かす。

 

 そのお陰か、すんでの所で左肩を掠っただけに終わった。

 

 しかもコアスケルトンには届かず、綺麗にフレームの部分だけを削ぎ落とした。

 

「何ッ!?」

 

「それで当たらない?!」

 

 俺としては完璧に両断するつもりだったが、伊達に破壊神を名乗っているだけはある。反応速度も判断力も、数で劣っていながら比較的に冷静で居続けられる精神力。

 

 普通に只者じゃない。

 

 ただ流石に驚きを隠せなかったか、削ぎ落とされた部分をマジマジと見つめる。

 

 それを好機と思ったか、バンのアキレスがハカイオーに突進していく。

 

「ち! 仕方ねぇ、最後まで取っとくつもりだったが、遠慮なく使わせてもらうぜ!!」

 

「まてバン! 下がれ!」

 

「え!?」

 

 郷田が何かしようとしていることに気付いたカズがバンを呼び止める。

 

 ただ、今回の場合は悪手だった。

 

「ハッ!止まったな? 」

 

 

    [アタックファンクション]

         我王砲(ガオーキャノン)!!

 

 

 ハカイオーご自慢の我王砲。

 まともに食らえば大抵のLBXは死ぬ。ハカイオーの最大投射火力がアキレスに突き進んでいく。

 

「やらせはせん。やらせはせんぞぉぉ!!」

 

 

    [アタックファンクション]

       ショックカノン!!

 

 

 ビームライフルを3連射。

 やがて3発のビームは螺旋を描きながら一つ合体し、色を蒼く輝かせながら大きな光の槍になり突っ込んでいく。

 

 我王砲とショックカノン。

 両方の必殺技が激闘、膨大なエネルギーを爆発させ、あたり一面に爆煙と爆風を撒き散らす。

 

 攻撃自体は防げたが、視界不良な上ハカイオーを見失い、お互いの位置も把握できなくなった。

 

「何処にいる…」

 

 バンがそう言った直後

 

「もらったぁ!!」

 

 煙をかき分け現れたハカイオーが破岩刃を振り下ろす。

 

 ハカイオーの行動と煙が晴れた場所に、アキレスを確認できたが俺がいる位置からじゃ救援に行けない。

 

「バン!」

 

「駄目、間に合わない」

 

 三影とアミが向かうが間に合いそうにない。

 

「どけぇバン!」

 

 やられるまであと少しと言った時、アキレスをタックルで追い出し、盾を構えるカズのウォーリアーが現れ、身代わりになる。

 

「まずは一つ!」

 

 勢いを殺さずに放ったハカイオーの攻撃は防御体制のウォーリアーを空中へと打ち上げる。

 

「砕け散れぇッ!!」

 

 東部のスラスターを噴かし、打ち上げたウォーリアーへ向かい、破岩刃を振り下ろす。

 

 受け止められるはずもなく、空中から地上へと落下したウォーリアーは、落下の衝撃と受けたダメージの関係で爆発四散。

 

 カズのウォーリアーは言葉通り砕け散ったのだ。

 

「その目に刻め! これが地獄の破壊神。”ハカイオー”だ!」

 

 ウォーリアーだった残骸を背にし、ハカイオーはアキレスに破岩刃を突きつけた。

 

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