こんにちは。
今週から8月中盤まで、あまり作品を制作する時間が取りずらいので、投稿が途絶えるかもしれませんので、出来てるやつだけ先にあげときます。
人混みを掻き分けて進むこと10分程度、パレードの進路上から外れた脇道に入ると、先に到着していたバンとアミと合流する。
近くに宇崎がいないとなると、基準はゲーム版か。それなら近場のビルに複数のアサシンが居るくらいで、そこまで捜索範囲は広くないはず。
「で、大凡検討がついてるってこと?」
「うん。宇崎さんがこれを」
アミがCCMを見せると、地図に示された大まかな印がいくつかあり、その中で青のレ点が振られた建物が二つ存在していた。
「これは?」
「狙撃ポイントよ。この大通りだけでも数十箇所あるわ」
「こんなにか!?」
カズがたじろぐ。
気持ちもわかる。だってテスト当日に課題範囲を教えられて絶望するようなものだ。これで失敗したら、事前に情報開示しない宇崎が悪い。
「えぇ、でもこの殆どは警察が事前に立ち入り調査をしてたらしいの」
総理大臣や元総理に限らず、権力者や影響力を持った人間が演説をするに当たっては。事前に現地警察や警視庁のSPの調査が必ず入る。
ビル一軒、空き家一軒も見逃さず、怪しい場所には必ず警察の目が入るか、目星をつけられ付近に監視をつけるなどがある。
「で、これが何かしら理由をつけて調査されなかった、或いは見逃された建物よ」
赤印が消え、残った青いレ点の建物が残る。
方や神谷重工が所有する営業所、方やパレード直前に内部の改装工事が入った、所有者不明の事務所。怪しいといえば怪しいが、一般人が気にするほどの事ではないのは確かだ。
「この二つよ。他にも高層ビルはあるけど、殆ど警察か警備員が配置されてるから、まず間違い無いわ」
「で、二手に分かれるって事か」
人数が足りてるから選択肢が増えたのか、アニメでもゲームでも取れない選択をする事になった。
ただ、どっちに囮が居るかと言われれば、間違いなくカズが行く方に居るはず。ましてや、今回の敵はプログラムじゃ無くて生身の人間だ。
バン達に協力してることが知られてるなら、向こうも何らかの対策はしてくるはず。バンもだがカズがやられる可能性は極力減らしたい。
「じゃあ、カズと一緒に事務所に行くよ」
「俺はアミ達と一緒に神谷の方に行ってみるよ」
これでどっちにいても一気に片付ける事ができる。これならまず問題はないはず、それでも問題があるならその時はその時だ。頭でもかいて誤魔化す。
「気を付けて?」
「うん。三影もね」
歩道橋を目指して走るバン達が群衆に帰るのを確認して、カズと一緒に路地の奥へと進んでいく。
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程なくしてカズと一緒に改装中の事務所へと侵入する。
道中、警備メタモが数体居たけど、誰かに破壊された後でバチバチとショート音を鳴らすだけだった。
裏口らしい鍵も無理やり破壊され、まるで入って来てくださいと言わんばかりに開いていた。
中は中で荒れていた。デクーの破片や弾痕に、外より外見がゴツめのメタモが幾つも煙を蒸していた。
元がメタモとは言え、外の警備用のものより格段に性能が良いタイプだ。移動速度も暴徒への対処能力は人間の警官と遜色ない。最近は要人警護の人員補填や、手が回らない区域で使われたりしていて、防弾性能や対鈍器、刃物、投擲物への耐性向上で従来品より性能が上がっている。
それをどうやったらこうなるのか。カンプピストルでも撃たれたのかな。
「……なぁ悟。これって…」
「こっちが当たりだったりする?」
自分が選んだ時に限って嫌な事が重なるってのはあると思うけど、ここまで酷いとは思わなんだ。
自分達以外の第三者による介入なのか、もしくはただの愉快犯なのか、あるいはこっちを油断させるためのものなのか。
兎に角進まないことには始まらない。絶対何かいるけど、止まっててなにか起こる訳じゃないし、まず時間が少ないから進まなきゃいけない。
「3階? 3階に何かあるのか?」
階段手前の見取り図に、態とらしく付けられた印があった。
3階奥。資料室になっている部屋にバツと、示されていていかにもと言う感じである。
「アサシンがいる場所か?」
「いや、これ絶対こう言う風にした犯人でしょ」
「……あれだろ、示威行為って奴だろ?」
相当自信があるらしい。と言うか、ここに来るまででその実力を見せつけられたけど。
LBXだろうが武器だろうが、間違いなくこっちを殺せるくらいには腕が立つ。
行くしかないよなぁ……
「…行くか」
「うん、何かあったら逃げよう」
相変わらずそこら中に戦闘の爪痕が残る中を駆け上がり、3階まで足を進める。
階段から出て不気味に思った。1階と2階と違い、3階だけは綺麗な空間で、以上は見当たらなかった。
もう一々気にしていられないと、3階最奥の資料室に駆け込む。
ドアノブに手をかけ、鍵がかかってない為そのまま強引に扉を押し開ける。ただ、そこにはアサシンも何もいない。ただの資料室だった。
荒らされた痕跡もなく、窓も空いてない。部屋の中央に空間があるごくごく普通の、ただの資料室だった。
「こっちが囮?」
「……いや、そうでもないかも」
背中に違和感を感じて、振り返れば扉の場所に深いフードジャケットを被る人物が立っていた。
背丈は三影と同じくらい、性別は服装と顔が見えないから解らないが、かなり着痩せすると考えれば多分女だ。
……いや、でもイノベイターに女キャラなんていたっけ?
心当たりがあるのは海道ジンの外伝コミックかなんかだったし、本編だとまだ居ないはず。
え? じゃ目の前の誰? ダンボール戦機ってサイレンみたいなホラーものだったっけ?
「あんた、誰だ?」
「………余分なのもいるけど、まぁいいや」
アミや三影と違い、ハッキリと透き通る声色がカズの問いを無視するかのように発言し、ジャケットの懐からLBXを出す。
ただしDキューブは無し、ルール無用でこっちを口封じしたいらしい。
出して来たのはジャッジ、勘違いでなければ灰原ユウヤの専用機だ。
「え、ジャッジ!?」
「へぇ、これのこと知ってるんだ!」
反射的にMk-Ⅱをジャッジの進路上に展開し、遅れ馳せながらカズのハンターも出てくる。
対面の女は何処か嬉しそうだけど、なんで今の時点でジャッジが出てくる訳? 万が一灰原ユウヤと同等の実力者なら、間違いなく負ける。
「なぁ、悟……」
「だよなぁ、やるしかないよなぁ……」
「だよね? だよね!? 早く始めようよ!」
戦端を開いたのはヤベー女、何も考えずに真正面から突入してくる。
カズは適正距離まで一旦離れるから、自分が壁汎として
「カズ、抑えるから頼む!」
「任された!」
初撃を受け流してカズが撃つ。当たるとは思わないがそれで十分、回避したらこっちがビームサーベルで切り掛かる。
しかし想定済みか、相手も切り掛かって
命中と言いたいけど、ジャッジソードで防がれた。
Dキューブ内では出力制限が掛かるから、破壊されないし武器の破壊もない。
ただここはキューブ外、制限値は弄ってなければほぼ100%。サーベルは防がれたが、こいつならLBXやそれらの武具程度の強度なら一撃で破壊できる。
「やるじゃん!」
しかしそれで怯む相手ではなかった。
もう要らないと言わんばかりに投げつけくる。
「流石に豪快すぎでしょ!」
拳でくると思ったけど、そのままシールドで殴りつけてくる。元が格闘よりの機体と言うのもあって、なかなかに一撃一撃が重い。
「悟!離れてろ!」
[アタックファンクション]
スティンガーミサイル
緊急回避でジャッジと距離を取り、ビームライフルで足止め。直後に面制圧が凄まじいハンターのスティンガーミサイルが着弾し、粉塵を舞い上げる。
「やったか!?」
煙からシールドが勢いよく飛び出して、そのままハンターに向かっていく。
流石に間に合わない、ただ、諦めきれない性分が功を奏して、ダメ元でライフルを向ける。
そうしたら、瞬時に偏差位置に照準が持っていかれ、反射的にボタンを押す。ビームは吸い寄せられるようにシールドに当たって、ハンターから逸れて、空を切ってジャッジの元へ返っていく。
あ、
「助かったぜ悟!」
親父は酸素が足りてたらしい。
これはいい、ギャンの格闘補助システムみたいな容量で十分にやり合える。
「もっと遊びたいけど……まぁ、今日はここまで!」
一瞬考え、ジャッジを自分の手元に戻してここを去ろうとする。
「またね 『悟』くん!」
「え? ちょっとまっ!?」
扉を蹴破って出ていけば、階段を飛び降りた。追いかけるも後の祭りで足音もなくなり一瞬で居なくなってしまった。
しかし妙な事になった。なんで向こうは自分の名前を? 会った事もない女子に、名前も顔を晒した覚えはないが何処かで知り合っていたか?
でも小学校は三影以外といた記憶が………いや、
……え、でも誰?
突拍子な事態に、暫く呆然としていた。
オリキャラじゃないよ!(男とは言ってない)
誰だろうね!(ヤケクソ)