ただのモブで終わる筈だった。   作:食べる辣油

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 2ヶ月前の約束を守りにさりげなく社会の地獄の底から蘇った男。

 スパイダーマッ!!(遅れてごめんなさい)

 真面目な話に入りますと引っ越ししてました。
 それに伴って就職先も変わって、新しい勤め先の研修中だったのもあってハーメルンに入る事自体を辞めていました。

 勿論ストックは有りません。悲しいねバナージ。
 ちなみに自分のスタイルも忘れていたので軽く読み直してました。それも悲しいねバナージ。

 取り敢えず、復帰後最初の話でございます。
 それでは、ご覧ください。どうぞ


#12

 

 

 

「……」

 

 授業が終わって放課後。

 今日は珍しくぼーっとしていたい気分だった。と言うのも、なんの脈絡もなく出てきた灰原ユウヤのジャッジ。

 

 それに、この体の主に面識があるらしいジャッジを扱う女。頭の中はその事ばかりだった。

 

 記憶は出てきて小学生、それも何年生か解らない虫食いの記憶で、ふとした日常や思い出の類は全く出てこない。

 

 いつからこの街にいるのか、そもそも自分は何処の生まれなのか。親以外の身内も知らないし、そもそもいるのかも解らない。

 謎が謎を呼ぶとはまさにこの事。でも今はミステリー小説みたいな謎じゃなくて、答えが欲しいんだ。

 

 三影との関係も解らないが事が多いのに、追加であの女との関係も考えなきゃ行けない。頭が痛いよ本当に。

 

 アルバムでも漁って手掛かりでも手に入ればいいなぁ……

 

「悟?」

 

 でもないよなぁ。

 多分PCかスマホとかのフォルダ内に一括だろうし、親父とは言え勝手にPC覗いて、変なの出てきたらそれはそれで顔合わせ辛くなるし。

 

 母さんだったら見せてくれるかな?

 あぁ、でも写真の管理とかは杜撰だったから、多分私生活のも出てきちゃうから見せてもらえないか。

 

 自分の奴は……まぁ、記憶が正しければ小5の誕生日にプレゼントしてもらった奴だ。どんなに遡っても2年前のやつしか出てこない。

 

 同年代に聞いたところで知ってる人間の方が少ないだろう。なんならこの時期って色んなことすぐ忘れるから、聞いたところで感はある。

 

「悟…?」

 

 灰原ユウヤは別に存在してて、アレは外伝とか漫画の方のキャラだったりしないかな?

 アニメとそれを基準にしたゲームが知識の源である身からしたらかなり困るけど。特に今後の展開で左右される様な人間がいるなら尚更。

 

 ただジャッジを扱うレベルにはイノベーター内では重要視されているはず。なら組織内の軋轢からくる抗争とか?

 海道義光で纏まってはいるけど、方向性の違いと利害バッティングしてるせいで居ないところでかなりギクシャクしてる様は正にザビ家そのもの。

 

 こんな最序盤から争うとなると、エジプトの件が引き摺られてるんだろう。白は確実として相手は青か、それとも黒か。

 

 黒以外は勝っても敵になるだけだから、面倒になる事には間違いない。

 

「ふんっ」

 

「イダッ⁉︎」

 

 いきなり顔に激痛が走ったと思ったら、頬を思いっ切りつねられて挙句引っ張られる。

 

 誰かと見れば、見慣れた服装と少し不機嫌そうにこっちを見る三影が居た。

 

「私、呼んでた」

 

 これはいつにもなく怒っている。

 声を上げる訳でもなく、手を上げる訳でもなく静かに一言。

 

「…うん。ごめん」

 

「……ん、私も ごめん」

 

 謝罪を受け入れて貰えたらしく、頬から三影の手が離れる。

 

 かなり強く抓られたせいで痛むけど、気付かなかった自分のせいだからね。仕方のないことだ。

 

「それで、どうしたの?」

 

「バン達が呼んでる」

 

 そう言って廊下を指差すと、扉の隅からこっちに手を振るバンの姿が目に入る。

 

「いつも通り教室?」

 

「ん 向こうで待ってる」

 

「分かった。すぐ行く」

 

 付けっぱなしだった端末の電源を落として、荷物をまとめてバン達の教室に向かう。

 

 放課後でいつもより広くなっていた教室に、一同がアミの机に集まっていた。

 

「で、どうしたの?」

 

「悟、エンジェルスターって知ってる?」

 

 珍しく眼鏡を掛けたアミに問われた。

 昨日の今日でもう潜入まで行くのかと口に出そうだったのをなんとか心の内に留めておく。

 エンジェルスターがどんな所で裏でなにをしているのか、山野淳一郎は既にそこには居ないと言うことも含めて知っているけど、まぁ直接は言えないよね。

 

 物語に関わる以前に、それが原因で危険イベントが増えるのは困る。

 

 もう変わってるって? ……気のせいでしょ。

 

「あぁ、うん。一応」

 

「本当か!?」

 

「それで?」

 

「ちょっと端末借りるよ」

 

 昔はタイピングは苦手だったけど、今じゃもう慣れてスラスラ打ち込む事ができる。

 複数の検索を挟んで目当てのサイトに辿り着く。

 

 神谷重工のホームページ、その中にあるロボットアーム専門の施設。ページを開いて出てきたのは、ミソラ町から遠くもない場所に存在する工廠が紹介されている。

 

「エンジェルスターって、神谷重工の施設名だったのね」

 

「うん。学校の拡張工事でここの建機が搬入されるってリュウが話してたんだ。エンジェルスターのロボットアーム建機が云々って」

 

「……飽きないの?」

 

 アミのさりげないリュウへのディスりに哀れみを感じたが、正直自分も個人的には重機はあまり興味はない。殆ど専門外だ。

 

 辛くはないけど、リュウが勝手にどんどん喋っていって、酷い時はこっちの呼びかけにも応じなくなる(女子は例外)から、あとはこっちに気づかないリュウを置いて立ち去るだけ。

 扱い的にはメタモと変わらないのが哀愁を感じさせる。

 

「まぁ、途中でこっち放置だし」

 

「アレ、良くないわよねぇ」

 

「俺もちょっとな〜って思う」

 

「まぁ……しょうがないよな」

 

「……ああ言う所 嫌い」

 

 アミは当然として、バンが苦笑いで擁護せずカズは最早普通と受け止め、三影はもう隠す気もないくらいドストレートだった。

 

 あの三影にここまで言わせるって何したんだよって思うけど、本題はリュウじゃなくてエンジェルスター。このままじゃいつまで経っても話が進まない。

 

「まぁリュウに関しては一旦置いて、結局エンジェルスターがどうしたの?」

 

「そこにバンの親父さんが捕まってるらしいんだ」

 

「コレを見て」

 

 CCMを学校の端末に繋いで映像を流す。

 換気扇か何処かからか撮影されていたのは檜山と宇崎の2人で話し込んでいる。

 

 集音装置が働き始め、微かに聞こえていた2人の声は徐々の大きく聞こえるようになる。

 

「これは?」

 

「悟と三影は先に帰ったちゃったからの知らないかもだけど、この少し前にバンがお父さんの話をしたの。その時、宇崎さんがあからさまにはぐらかすから……」

 

「クノイチを使って盗聴したと?」

 

「そう!」

 

 犯罪ですねぇ。

 と言うかクノイチってサイバーランス社だったっけ? あの会社なんであんなに犯罪に使えそうな機能ばっかり搭載したLBX発売できてるんだろう。

 

 マットドッグに使っている光学迷彩の技術もどこから手に入れたのやら。ミラージュコロイドがアクティブ・カモでも搭載してるのかな?

 

「で、場所は解ったけどこれからどうするの?」

 

「行ってみる」

 

「右に同じ」

 

「勿論行くでしょ?」

 

「悟が行くなら 行くよ」

 

 バン一同は準備万端。

 となると、あとは自分次第か。

 

 ……まぁ、その前にみんなで言うのはズルくない?とは思うけどね。こんなのもう(行くしか)ないじゃん。

 

「よし、じゃあ行こう」

 

 

 

 









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