ただのモブで終わる筈だった。   作:食べる辣油

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一日でこうも増えるとは思わず急遽作成しました(恐怖)



#3

 誕生日にプレゼントを貰った。

 中身は勿論の事、今みんなが夢中になっているLBXである。

 

 コアスケルトンとセットでフレームを数種類拵えてくれて、武器と防具も複数用意してくれた。

 

 ただ、フレームや武器を複数用意してきたのは、また別の意図があった。その日のうちに親父に連れられて、親父の知り合いが経営している一般で使える製作場所みたいな所へ連れて行かれた。

 

 対応してくれた店員に連れられて、親父と同い年かそれより上の人間が多い環境を進み、誰も居ない工作台へ案内される。

 

「じゃ、作るか」

 

「……組み立てなら家でも出来るよ?」

 

 そう。組み立てならニッパーとヤスリがあれは別に家でも出来る。

 

 俺の問いに、親父はニコニコしながら答える。

 

「悟。作るだけだったら、誰でも出来るんだ」

 

「そうなの?」

 

「そうだ。だからこれから、色々教え込む」

 

「え?」

 

 そう言って店員から工具箱を受け取り、工作台の上に広げる。

 

 工具箱なんてこの方触った事もないし、工具も使ったこともない。だけど親父はウキウキしながら工具を取り出して、何かの準備をしている。

 

「悟、たまに思わないか? 自分で色々作れたらって」

 

「あ、うん。しょっちゅう思う」

 

 工具のチェックを終えて、袋から持ち込んだフレームを開封してランナーを置いていく。

 

「父さんが子供の頃も、親父に良く教わってたんだ。無いものを工夫して、それこそなんでも使って自分の理想の形に漕ぎ着けるのが楽しくてね」

 

 思い出話に耽りながら、箱を解体して袋に入れる。

 

「いいか? 自分の作りたいものを作るのに特別な施設は要らない。ここにある物だけで作れるものなんだ」

 

 これから使用する工具を取り出し、机に並べる。

 準備は整ったらしい。親父のテンションが見るだけで分かるくらい上がっている。

 

 親父がニッパーを取って、俺を見遣る。

 

「出来るだけ手伝ってやる。お前が好きなものを”造ってみろ”」

 

 

 

 

 

@ _________@ _________@

 

 

 

 

 

「おまたせ」

 

「ん」

 

 今週は図書委員の仕事がない。

 お陰で学校に残る必要がなく、平日でも門限までは時間がある。

 

 俺は一度自宅に寄って、三影と一緒に商店街に向かう。

 

 親父と一緒に造ったLBX。完成したはいいもの、戦い方が全く分からなかった。武器まで造ったのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。

 

 それを今日、教室で友人に相談していた。

 それを聞きつけたのか三影がやってきて、放課後になってから商店街にあるゲームセンターで、戦闘に関して教えてくれる事になった。

 

 いつもLBXを持ち歩いている訳じゃない俺は、その際一度家に寄る事になった。いつもは家まで1人だったせいか、三影が居る事がちょっと新鮮だった。

 

 そこから歩いて数十分。長くもない道のりを歩いてゲームセンターに辿り着く。

 

 平日だが学校が終わった生徒や、休日なのか大人の姿もちょくちょく存在している。たまに怒号が聞こえたりするが、色んな意味で店の中は賑やかだ。

 

「あそこ」

 

「オッケー」

 

 三影が指差す方向に無人の台があり、そこを占拠する。

 

 近くにあった椅子を拝借して物置台にし、その上にバックから荷物を取り出す。

 

「これ 悟の?」

 

「あ、うん。先週、親父が誕生日プレゼントで作らしてくれたんだ」

 

 バックの箱から取り出した機体を見て、三影が興味を示す。

 

 三影がLBXをやってる時間は、俺の友人の中でもトップクラスに多い。もっと言えば、最近まで人間関係に使う時間を殆どLBXと過ごしていたのだ。

 

 だからLBXのことに関しては、かなりの物知りである。

 

「コアパーツ 組んでる?」

 

「いや、あんまり動かしてないし、あんまり組み方が分かんない」

 

 コアパーツに関してはパズルゲームだ。

 限られた容量で機体の性能をどう変えていくのか。この手のものに関しては、自分で言うのもなんだけどあまり得意ではない。

 

「動かして 確認しよ?」

 

「うん、そうする」

 

 取り敢えず、今日は三影から基礎的な事を教えてもらう。

 

 コアパーツは……苦手意識があるが、これから覚えていく事にする。

 

 

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