ソードアート・オンライン 《Another Hero》   作:YASUT

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※注意
初めてオリキャラなるものを作ってみた。
今回は彼らの説明回。

寒気がすると思うので、耐性無い人はバック推奨。

設定は後書き欄参照。



ギルド

「すぅ……はぁ~」

 

 覚悟を決め、深呼吸。

 目の前には、通常の家より一回り大きな建物。

 俺が所属しているギルド《グレイトフル・デッド》の拠点である。

 元々はそれなりのギルドホームがあったのだが、76層より下に戻れなくなってしまったため、急遽購入した家だ。

 いざという時にさっとお金(コル)を出せる辺り、我らがマスターがどれだけ用意周到かよく分かる。

 

「さて……行くか」

 

 ギルドの皆には、本当に迷惑をかけた。

 無数に送信されていたメールからも、それは明らかだ。

 怒っているか、心配しているかの二択だと思う。

 

 ……まずは、謝ろう。

 

 意を決して、扉を開け―――

 

 

「フッ―――ようやく帰還したか。

 我が《グレイトフル・デッド》の最終兵器―――《ラスト・アルカ」

 

 

 ―――たが全力で閉めた。

 この一瞬だけ音速に達していた自信がある。

 

「……ふぅ。」

 

 さて。

 今、凄く痛々しく、それでいて聞き覚えのあるアホ声が聞こえたよーな気がするが、気のせいだろう。

 怒っているわけでもなく、心配されているわけでもなく、いつも通りだった気がするが、きっと気のせいさ。

 

 ―――まずは、土下座しよう。

 

 意を決して、扉を開ける……!

 

 

「フッ―――ようやく帰還したか。

 我が《グレイトフル・デッド》の最終兵器―――《最終奥義(ラスト・アルカナム)》よ……!!」

 

 

「………………お、おう。ただいま」

 

 そこにいたのは、腕を組んでカッコつけた厨二病剣士……《アーテル》だった。

 《Ater》。“黒”という意味のラテン語だ。

 意識しているのか、装備は黒のジャケット、黒のズボン、そして髪も黒。

 全身見事に真っ黒のコーディネートである。

 一つだけ違うのは、眼が赤いという点。カラーコンタクト。

 ご丁寧に模様が書いてあるせいか、まるで写〇眼のようだ。

 

「全く、貴様には少々自覚が足りないようだな。

 その身は我がギルドの突起戦力にして、人類最強の盾。勝手に死んでもらっては困るというもの。

 《最終奥義(ラスト・アルカナム)》よ。貴様、我らの目の届かぬ場所で、一体何をしていた?」

「……あのさ。貴様とかその……《最終奥義(ラスト・アルカナム)》とか、いい加減やめてくれない?」

 

 確かに名前の由来はそれだけど、もう止めてほしい。

 ……もう俺は、目が覚めたんだよ。

 

「ハッ、何を言う。血盟騎士団最強の騎士・ヒースクリフは、あの生意気な黒剣士が葬り去った。

 つまり現段階で貴様は、全プレイヤー最強クラスのタンクプレイヤーなのだぞ。

 クク……我が宿敵(とも)アルカナムよ。貴様こそ最強の騎士の証、《最終奥義(ラスト・アルカナム)》の名を冠するに相応しい」

「何で騎士が奥義なんだよ」

 

 奥義って普通、攻撃技じゃないのか?

 仮に《最終奥義(ラスト・アルカナム)》という二つ名が本当にあったとしても、それは俺よりも二刀流のキリトとか、刀使いのコイツみたいな攻撃役(アタッカー)の方が断然合ってる。

 

「何?

 貴様、正気で言ってるのか……?」

「まあな。」

 

「――――この愚か者が!!」

 

 ビシィ、と。

 鋭い効果音のように声が響き渡った。

 わけがわからないよ。

 

「タンクでありながらタンクの重要性を全く理解してないだと……恥を知れ!!

 そもそもMMOというものは、一人では成り立たん! 当然、これはSAOに限った話ではない。

 どのMMOにおいても、攻撃役(アタッカー)防御役(ディフェンダー)回復役(ヒーラー)の三つは必要不可欠なのだぞ!」

「へーそ-なんだー」

 

 ……まずい、なんか語りだした。

 そういえばコイツ、SAOに来る前にもMMO経験してたな。

 めんどくさいロールプレイするから、常に色んな意味でフルボッコされてたらしいけど。

 

「―――そうだ。忌々しいことにこのMMOというゲームは、どれか一つでも欠ければ極端に難易度が上がる。

 それだけシビアな世界、ということだ。このオレ様ですら苦戦するほどなのだからな。

 だがそれは、あくまでもソロに限った話。三位一体の攻防を実現出来れば、あらゆる強敵をも撃破しうる最強のチームが―――」

「キ・リ・ト」

「っ―――――」

 

 第三者の声にアーテルの演説が止まる。

 氷のように冷めた一声。

 言葉にこそしていないが、うるさいと訴えているようにも聞こえた。

 

「貴方の言う生意気な黒剣士様は、ソロでもしっかりやってますけど?」

「……マリアさん。ただいま」

「はい、お帰りなさい」

 

 実にそっけなく、少女は挨拶を返す。

 《Maria》。キリスト教圏における、ポピュラーな女性名。

 金髪ショートとパーカー、白のミニスカート……か。

 パーカーを脱いで各部に鎧を展開すれば、彼女の防具《ヴァルキリーアーマー》の出来上がりだ。

 平静を装っているが防具と普段着をごっちゃにしてるあたり、かなり動揺していたと推測できる。

 

「チッ……どいつもこいつもキリト、キリト、キリト。

 あいつのどこが凄いというのだ。

 まさか……《王女騎士(プリンセス・ヴァルキリー)》!

 貴様、奴らのスパイだったのか―――!?」

 

 ギン!と赤い眼でマリアさんを睨む。

 いきなり“万華鏡写〇眼!”とか言い出しても全く驚かない。

 しかし当人は、その視線を鬱陶しそうに受け流す。

 

「はぁ…………もう。

 ……キリトの凄いところは、私達と違ってソロでも前線に立ててることでしょ。

 おまけに二刀流のスキルもあるし。誰がどうみても最強プレイヤーよ、あの子は」

「ヤツが最強だと……フン、オレは認めんぞ。

 そもそも、MMOでソロプレイということ自体、認められん。

 何のための協力プレイだ。MMOは、会話があってこそだろう」

「まともに会話できないアンタが言ってもね」

「ッ、何だと貴様―――!」

「それよりもアル。先に私達に言うべきことはない?」

「え……」

 

 言うべき……こと。

 

「むっ……うむ、そうだな。」

「…………」

 

「―――――えっと」

 

 怒鳴っていたアーテルも黙り、二人は俺を見つめる。

 何かを待つように、じっと。

 

「…………」

 

 ……そうだった。

 余りにもいつも通りで、すっかり忘れてしまっていた。

 

「……すいません、心配かけました。マリアさん、アーテル、それから―――」

 

 もう一人。

 どこかに隠れているであろう暗殺者に、謝罪する。

 

「ハシーシュさん」

 

 ざっ、という足音の後、その女性は物陰から姿を現した。

 フード付きの黒衣装と、紫に染めた髪。

 《Hashish》。綴りは少し違うが、『ハシーシュ』は『アサシン』の語源となっていることで有名である。

 大量のメールの送り主は彼女。

 つまり、《グレイトフル・デッド》のギルドマスター。

 

「ハシーシュさん、本当にすいま―――」

 

 そこまで言いかけて、彼女は消えた。

 

「ふっ―――!」

「ごふぉっ―――!!?」

 

 ―――気づいたときには、鳩尾にいいクリティカルが入ってた。

 体がくの字に曲がり、蹲る。

 流石、暗殺者を名乗るだけあって、速……い。

 痛みもダメージもないが、よほどの威力で殴ったらしい。

 

「次からは、ちゃんとメールを確認すること」

「……はい。すいません」

 

 ハシーシュさんは仁王立ちして俺を見下ろす。

 ちらりと上を確認すると、眼が笑ってなかった。

 フードで出来た影と相俟って、余計怖く見える。

 

「……ほ、ほう。さ、流石は《影暗殺者(シャドウ・アサシン)》、中々鋭い打撃だ。それでこそ、我々を率いるマスターに相応しい」

 

 その威力にビビったらしく、アーテルは震えながら厨二を披露する。

 むしろビビりながらも厨二でいられる辺り、返って凄いのかもしれない。

 

「じゃあ、話」

「……ぅえ?」

「ぅえ、じゃなくて、話し合い。

 アル。貴方がどこにいたのか、じっくり聞かせてもらうから。あと、二人も参加して」

 

 そう言って、ハシーシュさんはホームの奥の部屋へと入って行った。

 

「はーいっと。じゃあアル、回復次第来てね」

「フム、いいだろう。学級裁判ならぬ、ギルド裁判だ!

 アルカナムよ。貴様が一体どこで何をしていたのか、その一部始終を聞かせてもらうぞ。

 ククク―――フハハハハハ!!!」

 

 二人は暗殺者に続き……何故か一人は高笑いしながら……部屋に入って行った。

 

「―――そっか。そうだよな」

 

 丸一日位置情報が消えていた間、俺が何をしていたか。

 ……《ホロウ・エリア》でのことを、言わねばなるまい。

 

「あ、そうだ」

「?」

 

 何かを思い出したように、ひょこり、とハシーシュさんが顔を出す。

 彼女はメニューを開いてから一つ袋を取り出し、俺のところに抛った。

 

「アル、そのお金でなんか買ってきて。美味しいモノ。」

「えぇ……」

「何か奢るって言ったでしょ?」

「それはそうですけど……」

「じゃあ、よろしく」

 

 そう言って、ハシーシュさんはまた部屋に入って行った。

 ……しかし、これは困った。

 

「……俺が“奢る”んだから、お金なんかいらないんだけどな。」

 

 




《Ater》
アーテル。ラテン語で“黒色”。
武器は《刀》。アタッカー。
アルが元厨二病なのに対し、こっちは現厨二病。
仲間と認めた相手には、「漢字4文字×カタカナのルビ」の二つ名を一方的につけてくる。

仲良くなったきっかけは「感性が気に入ったから。」
アルを気に入って半ばストーカーのようになり、いつの間にかタッグになってた。
防具は黒系の現代服か、ブリ〇チの死覇装みたいな黒の着物。
基本的には前者。本人曰く、「ミスマッチ感がなんかカッコイイ」
時々、思い出したように後者に戻る。

色が盛大に被るため、キリトを一方的に敵視している。
何度かデュエルを申し込んだことがあるが、ことごとく敗北。
基本かませである。

しかし、精神面においてはゾンビ級のしぶとさ。
彼はいい意味でも悪い意味でも、常に厨二で在り続ける。
どんなに絶望的な状況でも、彼は厨二というロールプレイで場を“いつもの空気”に戻す。
―――彼が厨二を止め、素に戻る時。
それは、仲間が死の危機に瀕した時である。


《Hashish》短剣
《Maria》片手剣・盾
この二人は実際にゲームで登場するモブ。
ハシーシュはお互い同じレベルで同じ装備なら、実はステータスがキリトより少し上。
マリアはほぼ互角。DEX(命中率に影響)が一段階劣るけど、VIT(防御、体力等に影響)が一段階上回る。

口調、性格はどちらも捏造。
というより、あんまり考えてない。
完全オリジナルはアーテルのみ。

男×2、女×2が出会い、最初は敵対していた。
(というか、マリアがアーテルを一方的にうざがってた)
が、なんやかんやでギルド結成。

ギルドマスター(リーダー?)は年功序列で決定。

年齢はデスゲーム開始時で
ハシーシュ 高2
マリア   高2
アーテル  高1
アルカナム 高1
という設定。
※ハシーシュ、マリアは投稿時の設定と年齢が違います。

なお、これ以降三人が登場するかはまだ決まってない。
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