ゴジラの存在しない世界でゴジラオタクがゴジラ小説を書きます。   作:怪獣馬鹿

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皆様、おまたせしました!
それではゴジラVSデストロイア(全ゴジラシリーズを無理矢理繋げる為に魔改造が施されてる)をどうぞ!


ゴジラ、死す!

僕と薫さん、英二は今病院にいる。

田中さんが倒れたと聞いて僕ら夫婦は飛んできた。

病院に飛んできて田中さんの弟さんとあって僕は初めてそこで癌だと知った。

 

専門的な事は分からない。

けど、負けないで生きてほしいと思いながら僕達家族は病院の廊下で待ってる。弟さんが田中さんと話し合って許可が出たら面会だ。

 

頼みます僕の話を聞いてくれ。僕はまだ貴方にゴジラの事を全部伝えて無いんだ。

 

「柊先生、兄が会っても良いと」

 

「ありがとうございます。薫さんも・・・」

 

「えぇ」

 

僕達は病室に入った。

そこで愕然としたほぼ1年ぶりという田中さんは治療の副反応で痩せてて髪の毛も抜けて帽子を被っていた。

 

「柊先生、こんな所までわざわざすみません」

 

「いえ、急に押し掛けて申し訳ありません」

 

田中さんから話を聞くと副反応が辛いのもあるが起きてると辛くて寝ても回復していかないのが中々キツいってだから最近は寝てる時間が長くなってると言ってた。

そして僕と薫さんに対して田中さんはグチグチとこんな所に来るなら早くゴジラを書いてくれと説教された。

 

新作が読みたいと言った。

それから田中さんはそれをもう読めなくなるのが悔しいとだから僕は新作のゴジラVSデストロイアのプロットを言ってその後のゴジラの計画を言った。

いずれキングコングと激突するゴジラを描いて全怪獣総出演のファイナルウォーズ計画もあると。

田中さんはそれを聞くともう少しだけ頑張ってみると笑ってくれた。

 

僕達は面会を終えて家に帰るために車に乗った。

何も会話はない。

息子の英二は無邪気に車の外を見ていた。信号で車が止まると僕は胸にあった言葉を薫さんに伝えた。

 

「薫さん、僕は帰ったらすぐにゴジラを書き始めて田中さんに見せたい。最低かも知れないけど英二の事を暫く頼んでも良いかな?」

 

薫さんが仕事に復帰すると当然、英二を見てたのは僕だ。全力で1歳の子供と付き合ってきた。僕は家が作業場だし薫さんは仕事場が家じゃないから。

だから僕は最低だけど育休中もこまめに一人だけでも漫画を描くほどの薫さんに漫画を止めて休んでほしいと間接的に言った。

 

最低だと本気で思ってるよ。けどどうしてもこの新作だけは間に合わせたいんだ。

 

「猪士郎さん、ちょっと前に倒れて」

 

??僕は言われた通りに少しだけ前に倒れると思いっきり背中を叩かれた。

ビターン!!って音が凄いなって超痛い!

マジで勢いのままハンドルに体をつけてクラクションを鳴らしてしまう所だった。

 

「任せて!!だから頑張ってね」

 

凄いまぁ痛い激励だけど、応援してくれるんだ・・・絶対に間に合わせる!!

因みにクラクションは鳴らさなかったが叩いた音が大きくて英二がビックリしてしまい泣いた。

英二・・・ごめん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

田中さんが長くないと言われて猪士郎さんはあれから鬼気迫る状態で新作のゴジラを書いてる。

あまりに集中しすぎて1日の睡眠時間が少ないと分かる。それどころかご飯を食べる時間も惜しいのか最近は家族で一緒に食べずに猪士郎さんは部屋でおにぎりだけだ。

 

元々、猪士郎さんは書くのがだいぶ早い。

クオリティの心配は?と思われるかも知れないけどそれは問題ない純粋に書くのが早い。普通の人の3倍は早いと思う。

けどそれでも本を出すたびに長くなっていって今ではもう絶対に半年掛かる。昔は3ヶ月で1冊っていう程に早かったのに・・・

 

そんな時間がかかる状態になってるのに一番最速だった時に無理矢理戻ろうとしている。だから時間が足りなくて寝る間も惜しんでやってるけど・・・

 

凄く不安だなぁ・・・

 

それで体を壊したら元も子もない・・・

 

私は正直に言うと今みたいな猪士郎さんは怖い・・・

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

本当に疲れた。

僕は本を出すたびに長くなっていってるせいでゴジラの新作であるゴジラVSデストロイアも予想よりも長くなってしまった。けど後1ヶ月もあれば確実に完成する!!

田中さんに読んでもらえる!

かなり頑張って本気で疲れたが何とか形になったので僕はここ暫く一緒にご飯も食べれなかったので一緒に食べた。

いやぁ、久しぶりにゆっくり食べて本当に美味しかった。

これなら続きもすぐに出来る!

そう思いながら僕はご飯を食べてると電話がなった。

薫さんが取ってくれて、そこで僕は・・・田中さんの容態が悪化したと言われた・・・

 

急いで僕は田中さんの所に書いてて途中までの原稿を持って飛んでいった。  

 

車をガンガンと飛ばして病院まで走らせた。

病院に着くともう面会時間も過ぎてるから親族以外面会謝絶と言われた。

・・・そりゃそうか・・・僕は田中さんの友人であっても親族ではない・・・ただ、読んで欲しかった・・・田中さんと共に作り上げた2代目ゴジラの最後の物語を僕は読んでほしかったんだ。

 

病院にいるのも迷惑がかかるので僕は車に戻ってまだ書き終えてないゴジラVSデストロイアの原稿をもう1度読んだ。

 

今作は山根博士の遺書から始まる。 

山根博士が作中で亡くなるのは1982年なので1975年が舞台のゴジラ対メカゴジラは経験している。その山根博士がメカゴジラの残骸を奪い合う人を見て嘆くシーンから始まる。

 

『ゴジラ出現から世界で多くの怪獣が出現し、人類は対抗しようとあらゆる兵器を作ってきた。そして今は宇宙から人類とは違う発展をした文明の残骸を持ってまで怪獣達に対抗しようとしてる。人類が滅亡しない為にやってるのはわかるとはいえ、まるで馬力の違う存在に人類は血反吐を吐きながら競走を挑み続けてる。もしもこのままこの競走を続けたら人類はゴジラを生み出した以上の罰を受けるかも知れない。老い先短い私はその時にはもうこの世に居ないだろう。願わくばその事に誰か早く気づいてほしい』

 

この衝撃的な批判から始まるのが僕の書いたゴジラVSデストロイアだ。

 

第一章は怪獣島の消滅から始まった。

怪獣達が住み着いていた怪獣島が突然消滅した。原因は地下に眠るウラン鉱脈が熱水噴射による自然核爆発を起こし、島にいたゴジラ、ミニラ、アンギラス、クモンガ、カマキラス、ラドンが行方不明になる。

1ヶ月後アンギラスはオーストラリア大陸の無人島で発見され、クモンガはアマゾンでカマキラスはアフリカ大陸、ラドンはカナダで発見された。しかし4体とも核爆発の影響か前よりも更に凶暴かつ強くなっていた。

ゴジラとミニラの姿はまだ見つかってなかった。

 

第二章は数日後にとある50代後半の記者の自伝が発売された。彼の名は真城伍郎。ゴジラの息子で世界で初めてミニラの写真を撮ったジャーナリストだ。彼にはサエコとの間に出来た一人娘美希と3人でゴジラとミニラの生命を脅かしてはいけないという活動を行っていた。

ゴジラの息子で出てきた人達がその後どうなったのかが描かれる。

そして同時頃、青海トンネルでは工業用パイプが溶解する事故が多発し、東京の品川の水族館で魚が一瞬で水に食われるという怪事件が発生。調査に乗り出す伊集院博士はそこでオキシジェンデストロイヤーによって先カンブリア紀の微小生命体が蘇り、更に進化した生命体デストロイアを発見する。

デストロイアはその後、進化と成長を続け人間大の大きさまでになり、青海トンネルで自衛隊と戦争を始めた。

 

第三章は2人の自衛隊員の視点で進められる。

1人はVSシリーズで幾度ともなくキラアク星人を追った新庄隊員。そしてもう一人は古川実隊員かれはゴジラの息子にて気象コントロール実験隊に所属していた古川の実の息子だ。

彼ら2人がその後、どうなったのかを書きつつ大量に放射能を浴びていつ核爆発を起こすか分からないゴジラに対してスーパーXⅢに乗って挑む。

 

第四章はそんな中、ゴジラと酷似した生物が東北近海で発見される。ゴジラはメルトダウン寸前で小笠原諸島付近でスーパーXⅢの冷凍兵器と交戦していた。この生物はミニラが放射能によって殆どゴジラと同等の存在になったと結論付けた。

混乱する状況下で自衛隊と全面戦争をしていたデストロイアが50メートル級にまで成長。東京の街を壊しまくるデストロイア。人類はデストロイアの特性を持ってゴジラを抹殺しようとミニラをデストロイアの所まで誘導し囮にする。

 

第五章はミニラは50メートル級のデストロイアを倒すも体に穴が空くほどの負傷。そんな時にメルトダウン寸前のゴジラが上陸し2体のゴジラは漸く再会した。だが更に進化したデストロイアによってミニラは殺された。怒り狂うゴジラと更に進化しようとするデストロイアの全面対決になった。

 

第六章はデストロイアを倒したものの遂に体に限界が来たゴジラ。人類は最後の悪あがきとしてゴジラに撃てる限りの冷却兵器をぶちこむ。そのせいでゴジラは内側から溶けていくという残酷な死に方を強制された。骨すらも残らなかったがその塵と放射能は死んだはずのミニラに吸収された・・・

 

まだ終わってない。

ここからゴジラに生まれ変わってしまったミニラが全てを破壊しようと暴れるが怪獣島で出会ったサエコと再会し、ミニラは忘れかけてた最初の記憶を思い出し、忽然と海に帰っていく所まで書いて終わるはずだったのに・・・

 

 

間に合わなかった・・・僕は世界で1番最初のゴジラファンを失い、車の中で間に合わなかった悔しさに打ちひしがれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1ヶ月後、ゴジラVSデストロイアは今までのゴジラの主要人物の殆どが集結またはその後の人生が書かれたという内容からゴジラの集大成として世間は受け入れて大ヒットした。

特にミニラファンは自分達が愛したミニラがゴジラになる瞬間を悲しみつつも受け入れてくれた。 

また2代目ゴジラ・・・即ち僕の作品の殆どで出現したゴジラが死んだ事はファンを騒然とさせた。

例の海外のホラー作家は「この作品はゴジラの最終回だ。そう思わずにはいられない。今までのゴジラに出てきた人間達の顛末と集結。そしてゴジラの最後。新たなゴジラの誕生。その全てが美しい」 

ありがたいほど絶賛をしてくれた。

 

薫さんはこれを最初に読んだときに泣いた。それは僕が必死こいて書いたのに田中さんに読ませられなかった事に対する物だけじゃなく、愛していたミニラが壮絶な死闘を持って第三のゴジラになった事に感動したらしい。

 

僕は本の後書きは基本的にその登場人物達のその後を示唆する物を書いてたが富山さんに言われて今回は田中さんとの思い出を書いた。

 

色々と助けてくれた事、僕を信じてくれた事、そして僕がゴジラを愛してるようにゴジラを愛してくれた事。

 

書きたい事が多すぎた。

感謝の気持ちが止まらなかった。

 

後日、田中さんの弟さんから連絡があり会った。

葬式は家族葬で僕達は出られなかった。僕達はこの時に漸く線香をあげさせて貰った。

僕達に会ってくれたのは田中さんが死ぬ前に手紙を書いてたのでそれを渡す為だった。

 

『柊先生、これを読んでる時は私はもうこの世には居ないでしょう。最近は起きてても辛いので寝てばかりです。ただ起きたらゴジラを読むようにはしています。この前、先生から新作のアイデアを聞かせて頂いた時にミニラがゴジラになると聞いてゴジラの息子をまた読みました。私はミニラのブサイクな面が嫌であまり好きではなくどうなるか少し心配です。けど先生はいつも良い話を持ってきてくれてるので良くなると信じてます。

心残りなのはゴジラVSスペースゴジラで新庄に撃たれたキラアク星人が最後に放った【地球人はいずれ自ら起こした罰によって破滅するだろう!】と最後に放った悪あがきの言葉がどういう顛末に繋がるのかわからないのが凄く心残りです。

 

先生、私は編集者として無念です!先生が書いた作品を最初に読むという特権が使えなくなって無念です!先生がどこまで行けるのか果てを共に出来ないのが無念です!

 

先生、お世話になりました。先生は体に気をつけて行ける所まで行ってください。あの世で先生から新作を楽しみに待ってます』

 

今の感情をどう言えば良いのか僕は分からない。

どんな気持ちで返せば良いのか分からない。

 

ただ田中さんに最後まで激励されたんだからこれからも行ける所まで行くつもりだ!

 

 

 

 

 

本の後書きには最後にこう書いた。

『ゴジラファン第一号にしてゴジラの親の一人、田中滋に愛を込めて』




猪士郎の作品

ゴジラシリーズ

ゴジラ

ゴジラの逆襲

モスラ対ゴジラ

ゴジラ対ヘドラ

三大怪獣 地球最大の決戦

ゴジラ対ダガーラ

ゴジラシリーズ・ラドン

怪獣大戦争

ゴジラシリーズ・キングコング

南海の大決闘

ゴジラシリーズ・キングコング対ゲゾラ

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ゴジラの息子

ゴジラ対ガイガン

ゴジラ対メガロ

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ゴジラVSビオランテ

ゴジラ1984

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古代蟻の驚異

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ゴジラVSモスラ
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