ゴジラの存在しない世界でゴジラオタクがゴジラ小説を書きます。   作:怪獣馬鹿

3 / 21
作風の違いによる衝突です。 
皆さんはどちらを支持します?


柊VS円谷 ゴジラ対ゴジラ

あれから田中さんと話し合いをしてコミカライズ版は円谷さんが担当することになった。

因みに流れとしては僕が田中さんに円谷さんにしたいと言って僕の作風との相乗効果的なのを言った。

具体的に云うと円谷さんの作風は余韻を大事にししているので台詞が無いコマが多い。

だから絵の説得力が凄く、色々と恐怖を感じられる。

田中さんもそう思っていたのか円谷さんとコンタクトを取ると言った。

そして後日、仕事の席で初めて円谷さんと対面した。

僕と円谷さんはなんと同じ大学だった。

というか僕は実を云うとプライバシーを守るために自分の事を世に出してはいない。

だから円谷さんがどうやって僕の身元を特定したのか分からなかったんだ。けどどうやら大学でブツブツと僕がゴジラの構想をやってるのを聴いてたらしくって大学内で僕はただのゴジラオタクと云うか変人扱いだが彼女は何かあると思って僕がブツブツと言ってた独り言を覚えてそれで来たらしい。

なんでもダガーラの名前が覚えやすかったとか。

ダガーラ・・・生物兵器である君がこんな出会いを生んでくれるなんて・・・君は絶対にスピンオフをやるからね!!

 

話を戻してこうして円谷さんはゴジラのコミカライズ版の作者になった。後で実は円谷さんが僕の所に着て直談判していた事を田中さんに行ったら円谷さんの行動力にビックリしつつ、僕はそう云うのをブツブツ言うのを止めなさいと注意された。身元がバレるから。

確かにそうだ。

 

 

 

 

〇〇〇

で、ゴジラのコミカライズは今どうなってるかと云うとかなり不味いことになってる。

 

「柊さんのゴジラの造形を変えてまでやりたくない!!」

 

「だからゴジラは多種多様なんだから良いって言ってますよね!?」

 

こんな感じで僕と彼女は今、大喧嘩をしている。

原因は彼女の作風というかキャラクターデザインだ。

如何せん、漫画なので彼女の描いたキャラの中に僕のゴジラをそのまま入れると凄くゴジラが浮いた。

田中さんも見た瞬間に「改善!」と一言言って改善する事になった。

僕は今まで自分の挿絵で描いていた昭和チックなゴジラではなく、ゴジラ2000のゴジラを見せて試しに漫画1枚だけ彼女のキャラクターと並べたら凄くマッチして僕はこれで行こうと言ったが彼女がそれに対してブチ切れた。

 

「だから私のキャラクターデザインを変えるって言ってるじゃないですか!」

 

「そうなると君の作風の躍動感が無くなる!僕はその躍動感が生命としてのゴジラを描くのに相応しいと思って君に頼んだんだ!絶対に君のキャラクターデザインは変更させない!」

 

「いいえ!躍動感の為にゴジラの怒りが損なわれたら本末転倒です!それに小説の挿絵と違うデザインにされると人が見ない可能性があります!なので絶対にゴジラの造形は変えません!」

 

「駄目だ!本来の作風を押し込めてまで描いてほしくない。そんなの小説の添え物になる!それは漫画としてどうなんだよ!」

 

「添え物になんかなりません!私の漫画の本質である躍動感は絶対に損なわせません。私の腕を信じてるんじゃないんですか?」

 

「信じてるから魅力を最大限に出して世に出てほしいんだよ!君はゴジラを全力で描く気がないのか!?」

 

そう怒鳴った。

すると彼女は目尻に涙を浮かべて部屋から出た。

不味い、言い過ぎたかな?

けど僕は本当に自分の作風を変えてまでやってほしくない。

そもそもゴジラ自体、オタクの僕がゴジラをこの世界に出したくてやってる2次創作だ。だから彼女には彼女のゴジラを描いてほしい。

それは誰でも同じだ。

僕は極論を言えば誰がやっても良い。

けど全力でやって欲しい。それが世界中でゴジラが愛された理由だと思ってる。

だから僕は彼女の作風を絶対に変えさせない。

 

 

 

 

 

〇〇〇

私、円谷薫は今居酒屋で田中さんと呑んでる。

 

「兎に角ここは俺が奢るから吐き出しちゃって良いよ」

 

流石、話の分かる人!私は本当に田中さんに言いたい事がある!

 

「田中さん!なんですかあの柊さんの頑固さは!!」

 

「まぁ確かにアイツは頑固だね」

 

「しかも私の漫画に合わせる為にKの造形を変えるって言うんですよ!」

 

ここでゴジラって言うと他のお客さんに聴かれたくない。Gってやるとバレるって思ってるから私はゴジラを怪獣のKって呼んでる。これは田中さんも一緒で分かってくれてるし絶対にへましない。

 

「アイツ、世界観は大事にする方だけど色々と変えるからな。まぁ違和感が無いくらいに調整してるし、実際に批判されたのは4巻の隕石だけだからなぁ」

 

「本当になんであんなに自分の世界を大事にしないのか理解できません!私が惚れた作品の人があんな尻軽だなんて最悪です!!」

 

「まぁまぁ、作品を良くする為だから」

 

田中さんは間を持ってる。そうだ。田中さんはあくまでも編集者。作品を世に出す為に頑張る人だ。作る人とは立場が違う。そして間を取り持つのも当然だ。実際、ゴジラの人気は凄い。ライトノベルという体裁であるが中身はハードSFから冒険小説、1954年から続く話になってるから歴史小説の側面もある。またポリティカルサスペンスのような政治的側面も書いていて根本は恐怖小説。その内容は最早、エンタメの見本市のような感じだ。

柊先生・・・だんだん先生って言うのが癪になってきた。バカ男でいいや。あのバカ男の作風は簡単に云えばカオスそのもの。

自由すぎる。おまけにゴジラ対ダガーラでは古代文明まで出してその自由すぎる発想と違和感が存在しないレベルまで世界観を調整する腕はもう凄すぎる。

 

・・・私がゴジラに出会ったのは高校2年の時だ。

当時、描いてた漫画が賞に選ばれずに落ち込んでいた所、たまたま弟が買って読んでたので勧められた。んで読んでみてビックリした。純粋に怖く、アンドロメダ病原体のような報告書のような部分を入れたり、最初は記者の記事のような感じにするなど凄い作風が自由だった。なんでこんなに作風がバラバラなのに違和感が無いのか不思議に思った。

そしてゴジラの挿絵を見て私は本当に怖かった。

けど最後の苦しむゴジラを読んで私は愕然とした。人にとっても悲劇だけどゴジラにとっても悲劇。

過去の人の負の側面に苦しむ今の生命達というこの悲劇の上に立つ命の尊さが堪らなく魅力的だった。

私はファンになった。

そしていつか本当にこの作品を漫画にしたいと思った。

だから必死に頑張ってきた。

少しでもゴジラの漫画を描く目標に近づくために賞にたくさん応募して落ちまくった。そして15作目の『古代蟻の驚異』が賞に選ばれた。ゴジラを初めて読んだときの恐怖感を漫画に描いた。実際に賞に選ばれた時は凄い嬉しかったし、ゴジラのコミカライズの話もやってきて嬉しかった。

 

そんな時、私はバカ男が作者なのだと分かった。ダガーラという名前が覚えやすくてそれが6巻で出てきて確信に変わった。バカ男は大学では良くも悪くも有名だ。講義には確り出てるから成績は良い、実際に大学側の奨学金で授業料が半分ほど免除されてる。

だけど話すことは基本的に映画の話が中心で最近の話題はどちらかというとあまり話してない。また酒嫌いが凄くて付き合いも悪い人なのが大学での彼・・・口が腐る!あのバカ男の大学の中での評価だ。

 

あのバカ男・・・何が全力で描く気がないのか?よ。

全力よ!誰よりも全力よ!

だから愛してるゴジラの造形を変えたくないのよ。

しかもそれが自分の作風に合わせる為なんてもう屈辱そのものよ。

 

「バカ・・・あのクソ野郎・・・車に轢かれろ・・・」

 

「落ち着いた?」

 

「ごめんない。もう腹が立って・・・」

 

「あいつの言い分を言っていいか?」

 

「聞きたくないです!」

 

「良いから聞きなさい。アイツにコミカライズの話をやった時にKの造形は変わるけど良いか聞いたんだ。そしたら変えていいって言われてな。大事なのはKのもつ精神性を伝えること。それが出来れば造形は関係ないってな。アイツがその造形をやって君の作風に合わせたのは君の作品に合うのはそれだとアイツが判断したからだ。君の言い分は最もだが、アイツはもっとKの普遍性を信じてほしいと思ってるよ」

 

「分かってます、それは」

 

「ま、後は二人で相談して決める事ですから」

 

私と田中さんはそういって呑むのをお開きにした。

勿論、田中さんは居酒屋を奢ってくれたよ!

後、夜道を女性が歩くのは危ないからって言ってタクシーも呼んでくれた。

 

 

 

〇〇〇

僕は彼女と喧嘩した後、家に戻った。因みに喧嘩したのは彼女の仕事場兼家のアパートだ。

家にいて、僕はお酒で死んでしまったので酒ではなくミルクを飲んでいた。

そうしてるとチャイムがなったので玄関のドアを開けると酔っ払ってる彼女がいた。

 

「大丈夫ですか円谷さん」

 

「大丈夫れす・・・」

 

大丈夫じゃないな。

 

「私、言いたいことがあってきました!!」

 

「はい!」

 

「もっと作風を大事にしてください!!どうして自分の作風を貫かないですか!?このミーハー男!!」

 

「貫いてるよ・・・僕」

 

「ふぇ?」

 

「僕が貫いてるのはゴジラに対する愛情だけだよ。だから信じてるゴジラを。どんな人がどんな作風で描こうともそれがゴジラならゴジラになりうるって信じてる。だから円谷さんも信じてほしい。ゴジラを」

 

「先生・・・私・・・私・・・オウェェェェェ!!!」

 

酔いすぎだったのか彼女は吐いた。僕の顔面に向かって。感動の場面が台無しだよ。

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

あれから2日後。 

昨日は円谷さんが二日酔いでダウンしてたので今日になり、2人でどうするか話し合った。

 

「先生、私あのゴジラにします。けど最初からあのゴジラには出来ないので2代目からにさせて下さい」

 

「分かりました。お願いします」

 

こうしてゴジラのコミカライズは始まった。

結果として第一巻がやっぱり大ヒットした。

円谷さんの情熱なのか月刊なのにわずか3ヶ月で1巻が発売された。

そしてオリジナル展開で1巻のラストにゴジラ2000の造形の2代目が出た。

 

批判もそれなりにあったが好評な意見が多かった。

ゴジラパワー恐るべし!

それから僕の方はゴジラシリーズのスピンオフとしてラドンを出した。

舞台を東京ではなく九州にして現地で取材もやった。

鉱山の歴史は本当に色々とキツかったが好評だった。

因みに好評な意見でアンギラスのスピンオフが読みたいと言われた。

 

・・・どうしよう?

 




今作のゴジラ作品時系列

ゴジラ

ゴジラの逆襲

モスラ対ゴジラ

ゴジラ対ヘドラ

三大怪獣 地球最大の決戦

ゴジラ対ダガーラ

ゴジラシリーズ・ラドン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。