いろいろな魔法を技術的に覚えるために、それぞれ特化した上級職への転職とリセットを繰り返している設定。
あくまで魔法を覚えるためだけなので、カンストまではレベリングしていない。
□【暗闇術師】アリシア・ノイモント
「先日過去の【賢者】が使っていたという遺跡をあなたが発見したでしょう?」
「はい。ですが、先々期文明というわけではなくせいぜい1000年前のものですし、個人で使用していた
遺跡を発見したあのあと、アリシアはそのまま魔法で地面に穴を掘り遺跡を訪れた。
そうして朽ちかけの個人研究所を発見したのだった。
そこで見つけたほぼ損傷のないマジックアイテムについてはアリシア自身が入手し、朽ちかけの資料等は時間停止のアイテムボックスに入れて持って帰り、王都の【賢者】や学術院へと引き渡したのだった。
資料については触れてしまえば崩れ落ちそうな状態だったので、アリシアが<エンブリオ>で読み取り、少しずつ報告書としても挙げていっている。
「ですが、建築物自体は残っていますからそれを見てみたいのですよ。
それに運が良ければ他の物も何か見つかるかもしれませんし」
アリシアの<エンブリオ>で見つからなかった以上、その可能性はきわめて低いだろう。
だが、建物自体を見たいと言うのであれば案内すること自体はそれほど問題ではない。
ただ
「あの辺りはかなり高レベルのモンスターが出ます。
私も戦えますが、私一人でレイトさんを護衛するのは難しいかもしれませんよ。
私は誰かを護るという経験がないので、それを期待されても困りますし」
「ああ、それなら他の者に依頼するので問題ないです。
あくまであなたに依頼するのは案内です」
「そういうことならば」
【遺跡案内 【大考古学者】レイト・モンド 難易度:三】
◇
【賢聖】アリシア・ノイモント
「そういうことでよろしくお願いします」
「こちらこそお願いします」
ということで案内をすることになった。
クレーミルまでは馬車で移動し、そこから徒歩で案内する。
その間に護衛の者達とも自己紹介を行った。
「【賢聖】のアリシア・ノイモントです。
新しい超級職ということで騒動になったのでご存じかもしれませんが。
このジョブ自体は大別すると学者系統なので専門的な魔法職とは言えないのですが、私は魔法を使うことができます。
<エンブリオ>は【確知日進 アカシックレコード】で周辺把握に非常に優れています」
「ああ、君がそうか。いや、話は聞いているよ。
もう超級職についているなんて正直羨ましいね」
「へぇ。こんな女の子だったんだ」
「っと、ああ。こちらも紹介しないとだね。
僕はブレイド。一応パーティリーダーを努めている。
ジョブは【剣聖】で<エンブリオ>は【星辰一刀 チーシンジァン】。
能力を詳しく話すと長くなるが、非常に強い武器だと思ってくれたらいいよ」
「【大戦士】シーモア。
<エンブリオ>はステータス特化の【軼身胴帯 メギンギョルズ】になる」
「【
「【饒舌汰鞭 アビリディアブラダ】よ。よろしくね」
「と見ての通り自分で喋る鞭だ。
変な<エンブリオ>だがよろしく頼む」
「変とは失礼ね」
「事実だろう?」
「次は俺だな。【紅蓮術師】のエト・ラルダだ。
<エンブリオ>は【馴火拾套 コノハナサクヤ】で火炎操作に優れている」
「私は【
歌で周りにバフをかけたり、逆にデバフをかけたりするわ。
<エンブリオ>は【頭中歌奏 イヤーワーム】で頭の中に直接音楽を聞かせることができるわ」
「最後は私ですね。【司教】の斎藤恵子です。
<エンブリオ>は【捨嘆珠鳥 カラドリウス】。
状態異常を治すことができます」
名前を聞いたとき少しドキッとした。
本名ではないのだろうが、このような名前を使うのは日本人で間違いないだろう。
<エンブリオ>はガードナー系統の小鳥のようだ。
「実はあまり他の<マスター>に会ったことがなかったので、なんだか新鮮です。
よろしくお願いします」
「感じの良い子じゃない。だれよ。
自分だけ良い思いをするためには手段を問わない嫌な奴って噂流したのは」
そんな噂になっていたのか。
「あ、いえ。私は他人よりも自分の方が大事なので、あながちそれも間違いとは言い切れないのですが」
「そんなの誰だってそうよ」
「そうですね。所詮は噂です。
あまり気になされませんよう」
「まあ、これからよろしく頼むよ」
「はい。よろしくお願いします」
そのまま何事もなく馬車はクレーミルに到着する。
このまま街で一泊し、明日遺跡まで案内する予定だ。
◇
翌日。案内は順調に進んでいた。
パーティーの実力も高く、シーモアが相手を抑え、キティと恵子がバフ・支援を行い、ブレイドが斬りこむ。
ディカルドが漏れた相手を打ち倒し、エトの強力な魔法が相手を焼きつくす。
森林で炎は大丈夫かと思ったが、彼の<エンブリオ>で制御されるため、延焼することはないようだ。
それぞれが上手く役割を果たし、純竜級のモンスターであっても順調に倒せるほどの実力を示していた。
もちろんアリシアも
「《スネア》」
ある程度の支援は行っているが。
そうしてしばらく歩いたところで、少し開けた場所にたどり着いた。
「ここが?」
「はい。正確にはここから少し離れたところなのですが、真下に穴を掘ると移動が大変なのでここから斜めに掘っていきます」
落ち葉を風で吹き飛ばしたあと、斜めに穴を掘っていく。
「ほぅ。そんな風に落とし穴の魔法を使うのは初めてみた。
真下に掘るだけではないんだな」
そうエトが尋ねてくる。
さすがに魔術師系統だけあって、魔法が気になるらしい。
「はい。こういう魔法の応用は【賢者】の人たちが得意とするところなのですが、私もそれに倣っています」
「【賢聖】のジョブにも関係が?」
「まあ、無関係ではないです。
このジョブはむしろこういう応用を“考える”ものです。
何故か強力な魔法を覚えるジョブみたいに思われていますが、実際には魔法スキル自体はまったく覚えませんし。
・・・さて、では進みましょうか」
護衛のパーティーには入口の見張りをお願いして、レイトと中へ進むことにする。
そうして斜めに下って行くと、数百メテルほど進んだところで遺跡にたどり着いた。
「一応説明しておきますが、1000年ほど前の建物なのでそれなりにボロくなっています。
一応周辺の土については魔法で固めましたが、それでもむやみに触るのはやめておいた方が無難です」
「わかりました。ご案内ありがとうございます」
そう言って中に入ったレイトは【魔法カメラ】を取り出していろいろと撮影したり、計測機器を取り出して調べたりしていた。
そうして調べ終わったところで
「ありがとうございます。
いろいろと面白い情報が得られそうですよ」
「それは良かったです。
まあ、以前見つけた資料についてもいずれ報告書には挙げますので、そちらも参考にしてください」
そうして調査は終了し、空けた穴については魔法で埋めなおしてからその場をあとにした。
◇
順調に進んだ調査の帰り道。
護衛パーティーもアリシアも油断していたわけではない。
アリシアも《パーセプション》で周囲の把握は行っていた。
しかし、パルス状にして使用するということは当然使用していない切れ間の時間が存在する。
そこに超音速で接近するものがあればどうなるか。
160メテルの感知範囲の外からスキルの切れ間の一瞬で、唐突に近くに現れたモンスターがいた。
【死視迫兎 カトブレプス】
AGIに優れた伝説級の<UBM>である。
一見不意打ちに見えるが、実は相手にとっても偶然の遭遇。
そのため《危険察知》や《殺気感知》も効かなかった。
捏造設定
《スネア》
某TRPGで有名な魔法。
突進してくる相手の足元にタイミングよく小さな穴やでっぱりを作ることで、転倒させる地属性魔法。
把握や予測が得意なアリシアにとっては省エネで使える効果の高い魔法でもある。
【鞭聖】
鞭士系統上級職。
優れた技術が求められる。
【大歌手】
歌手系統上級職
歌を聞いた相手にバフ・デバフを与える支援職。
通常歌が聞こえる相手には敵味方関係なく無差別に影響を及ぼすが、キティは<エンブリオ>の能力で相手を選択して影響する相手を制御することができる。
【星辰一刀 チーシンジァン】
TYPE:エルダーアームズ
到達形態:Ⅴ
スキル:
《天枢》《天璇》《天璣》《天権》《玉衡》(《開陽》《揺光》)
7つスロットがあり、それぞれのスロットに武器を吸収させることができる。
収められた武器の攻撃力を強化した値の合計値が、七星剣としての攻撃力になる。
武器の強化度合いは一律ではなく、後半になるほど高い。
攻撃力のみではなく装備スキルも同様に強化され、七星剣を装備していれば吸収したどの装備スキルも使用できる。
エンブリオとしての攻撃力はほとんどなく、武器を吸収強化統合することで初めて強力な武器になる。
現在使えるスロットは5つ目まで。
《
各装備の強化率を一時的に跳ね上げる。
装備スキルも同時に強化されるため、強力な武器を入手するほど強くなる。
備考:ブレイドの<エンブリオ>。
モチーフは七星剣。
武器の強化統合という特性により、攻撃力はパーティー随一の性能を持っている。
【馴火拾套 コノハナサクヤ】
TYPE:テリトリー・アームズ
到達形態:Ⅴ
スキル:
《
火炎の強さを強化する。
火炎は別に自分のスキルで無くてもよい。
《
火炎の範囲を広げる
火炎は別に自分のスキルで無くてもよい
《
火炎を消し去る
火炎は別に自分のスキルで無くてもよい
基本的に延焼が広がりすぎて環境破壊されるのを防ぐために使う
一応敵の炎熱攻撃を消すこともできるが、出力勝負になる
備考:エト・ラルダの<エンブリオ>
モチーフは火中出産の木花之佐久夜毘売。
四季の花が描かれた羽織。
火炎を自在に操るため自身の魔法を強化したり、森等の延焼を防ぐことに使う。
【頭中歌奏 イヤーワーム】
TYPE:アドバンス・テリトリー
到達形態:Ⅴ
スキル:
《セレクト・リスナー》
歌の聞こえる相手を選択できるスキル。
《ホーンティング・メロディ》
演奏が終了した後も対象者の頭の中で音楽が繰り返し流れ続ける。
演奏にバフを載せている場合はバフが、デバフを載せている場合はデバフがこのスキルを解除するまで継続し続ける。
《マッシュアップ》
頭の中で流れる複数の曲を同調させる。
相乗効果でそれぞれのバフが強化される。
コード進行が同じ曲でなければ同調できないため、上手く作曲を考える必要がある
《ディスコーダンス》
頭の中で複数のバラバラな曲を流して気持ち悪くさせる。
相乗効果でデバフが強化される。
流す曲のコード進行を特に考える必要はない。
備考:キティ・シャリアンの<エンブリオ>
脳内に直接音楽を聞かせることができる。
歌の聞こえる相手を自在に選択でき、演奏終了後も継続して聞こえるようにすることができる。
さらに複数の演奏を掛け合わせることで効果を増幅する。
他の<エンブリオ>の紹介は次回。