知を致すは物に格るに在り   作:チュータツ

25 / 28
イベント

クリスマスイベント

各地に現れる【サンタクロース】を倒して、プレゼントアイテムをゲットしよう。

 

□【賢聖】アリシア・ノイモント

 

(・・・聖人を倒してプレゼントを強奪するとか、イベントとしてそれで良いのだろうか)

 

目の前の【赤服聖人の宝櫃】を拾いながら、若干疑問を感じる。

もっともそういうイベントだと割り切って、すでに多数の【サンタクロース】を倒しているのだが。

クリスマスイベントでは各地にボスモンスターとして【サンタクロース】が現れる。それらを倒すと【宝櫃】からイベント限定アイテムをゲットできるようだ。

クリスマスイブを母と過ごした翌日。

デンドロにログインしたアリシアはクレーミルよりもさらに北西の高レベル帯のモンスターが現れる地域へと赴き、早速イベントに参加していた。

サービス開始当初から始めているものにはすでに500レベルカンストまで到達したものも現れ始めているがまだまだその人数は多くはなく、高レベル帯のモンスターが現れる地域ではモンスターの取り合いになることは少なかった。

すでに超級職についており、特典武具も保有しているアリシアは順調に【サンタクロース】を倒してアイテムを獲得していっていた。

 

(ときどき手に入る小袋状のアイテムボックスがありがたいな)

 

入手できるアイテムは大抵はクリスマス衣装を模した装備品やアクセサリなのだが、ときどきプレゼント袋を模したアイテムボックスが手に入った。

流石にサンタクロースの持つものほど大きくはなく、携帯しやすいように小さくしてくれていたが。

アイテムボックスは購入可能なものとは言え、通常の装備品と比べて高価になりがちだ。

また、水を入れたり、空気を入れて置いたりとアイテムを入れる以外にも何かと使い道があったりする。

このイベントで手に入るプレゼントボックスは容量がそこまで大きいわけではなかったが、それでも安易な使い方のできるこれらはいくつあっても困らない便利なものだった。

 

そうやってゲーム内において数日をアイテム集めに費やしていると、あるとき装備品でもアイテムボックスでもないひとつの紙切れが現れた。

 

【<トレジャーハンティング>参加権】:

運営主催特別イベント、<トレジャーハンティング>への参加権。

この参加権を所有している者がログインしていた場合、十二月三十日午後九時(日本時間)に専用のイベントエリアへと転送される。

この参加権は『アリシア・ノイモント』のみ使用可能。

 

こうしてアリシアはクリスマスイベントとは別の特別イベントへの参加権を入手した

 

 

参加権方式の特別イベント。

季節イベントとは別に用意された運営主催のイベントについてアリシアは知らなかったが、過去にも開かれたことがあるらしい。

前回はバトルロイヤルだったようだ。

<トレジャーハンティング>の名前からして今回は宝探しだろう。

だとすれば、アリシアにとって圧倒的に優位なゲームになると思われる。

 

「という<マスター>専用のイベントがあるみたいです」

 

「なるほどのぉ。今まで何度か<マスター>相手しか襲わない特殊なモンスターが現れることはあったが、そういうこともあるのかの」

 

「そちらから見ると奇怪ですよね。

まあ折角の機会なので転送時にどう見えるのか一応記録を取って貰えたらと思いまして」

 

「構わんよ。こちらも興味があるしの」

 

そうしてイベントの開始時間になったとき、別の空間へと転送された。

 

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

転送先は白い空間だった。

多少の時間の前後はあるが、ほぼ同時に転送されて来たようで結構な人数がいる。

ざっと数えてみると約100名の<マスター>が集まっているようだ。

アルター王国のみならず、天地やグランバロアを含めた各地から集まっているようだが......

 

(まあ、私以外にもいるよね)

 

アリシアの他にも超級職に就いている<マスター>も存在した。

その他にもすでに第六形態に到達している<マスター>もいるようだ。

適当に歩き回りながら、他の<マスター>の能力を調べておく。

そうして警戒しておくべき<マスター>を何人かチェックしておいた。

そうしている間にイベント開始の時間が訪れた。

 

『ログイン中の参加者の転送が完了したよ~』

 

『現時刻を持ってイベントの参加を締め切りとする』

 

案内は双子の管理AIのようだ。

緩い喋り方をする女の子と堅い喋り方をする男の子だ。

 

『今回のイベントは<トレジャーハンティング~>、宝探しだよ~』

 

『諸君にはこれから絶海の孤島へと移動してもらう』

 

『島の上空500メテル、周囲20メテルの海から出ようとすると失格になるから気を付けてね~』

 

『島には多数の宝箱を準備した』

 

『同時に島には多数のモンスターも現れるよ~』

 

『モンスターを倒すと1~5個の範囲でイベント用消費アイテムがドロップする』

 

『アイテムを使う一番近くにあるお宝の方向がわかるよ~。

それを上手く使ってお宝を探していってね~』

 

その後も説明が続く。

まとめると<トレジャーハンティング>のルールとしては以下の通りのようだ。

 

・島には多数の宝箱が容易されており、中には様々なアイテムが入っているが正確な数は不明。

 

・島にはイベントモンスターが現れ、それを倒すとイベント用アイテムをドロップする。

 

・イベント用アイテムは使い捨て。

使用すると一番近くにあるお宝の方向のみがわかる。

距離はわからない。

 

・お宝を手に入れると、イベントから退出するか、イベント続行するかの選択ができる。

 

・イベント中に死亡すると普通のアイテムドロップは無いが、このイベントで手に入れたお宝は全てドロップする。

 

・全てのお宝が取られたらその時点でイベント終了。

全員強制的に島から退去転送される。

 

・デンドロ内部時間で12時間経過したところでイベント終了。

お宝が残っていたとしても全員強制的に島から退去転送される。

 

・強制退出の場合所持していたお宝は失う。

 

『以上だ』

 

『5分後に転送するから、心の準備して待っててね~』

 

そうして、イベントが開始した。




【サンタクロース】は【宝櫃】をドロップするボスモンスターとした。
亜竜級から純竜級までいろいろな相手が出てくる。
同じ名前でも強さもタイプもまちまちなので、同じ種類の敵だと思って油断すると痛い目を見る。

<トレジャーハンティング>
お宝を手に入れること自体はそこまで難しくないが、ひとりで探すにはどうしても数に限界がある。
あまり欲張ってギリギリまで頑張ろうとすると、他の<マスター>に襲われて全部奪われたり、強制退去ですべてを失う可能性もある。
無事お宝を持ち帰りたいのなら、どれだけお宝を手に入れた段階でイベントを退出するのかが肝になってくる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。