巫女なボクと化身使いなオレ   作:支倉貢

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第12話 サッカー部の崩壊

神童side

「ん……」

「神童‼︎ 気がついたのか」

「霧野……」

 

いつの間にか、俺は保健室のベッドの上で横たわっていた。すぐそばには霧野が心配そうに俺を見ていた。

あれ? 俺は確か……。

 

「何があった?」

「覚えてないのか?」

「あいつがここのとこ掴んだのは覚えてるけど……それから後は……」

 

あの時の感覚を思い出しながら、俺は胸のあたりを掴んだ。

 

「お前化身出したんだぞ」

「俺が⁉︎」

「あんな顔したお前、初めてだよ。よほど剣城って奴が許せなかったんだろうな」

「……みんなは?」

「旧部室の後片づけ。壊されただろ」

 

俺も行かなきゃ。そう思って、体を起こしたが、霧野に止められた。

 

「まだ無理するな、休んでろ」

「キャプテンだぞ、俺は。みんなを集めてくれ、すぐにだ‼︎」

「分かった」

 

 

 

 

 

 

 

Sideなし

ーーー一方その頃、紅葉はクラスの前で自己紹介をしていた。

 

「え、えーっと、お、於野紅葉です‼︎ よ、よろしくお願いしましゅ……………あああああああああっっっ‼︎」

 

緊張のあまり、クラスの前で盛大に噛んでしまった。紅葉の顔が、りんごのように真っ赤になっていく。

 

「ぅぅぅぅぁぁぁぁ……………は、恥ずかしいぃぃぃ…………」

「だ、大丈夫? 於野さん……」

「は、はいぃ……」

「じゃ、於野さんの席は、神童くんの隣ね………ってあれ? 神童くんは?」

「あ……」

 

紅葉はハッとして、俯いた。神童はあの時、自分が運んだ。あの後、彼の親友だという霧野に任せたが……。紅葉は一人、神童の心配をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

紅葉side

結局、神童くんに会わなかったなぁ……。大丈夫かな?

 

「あ、紅葉‼︎」

「うわっ‼︎ って、天馬くん⁉︎」

 

後ろから、天馬くんが手を振りながら駆け寄ってきた。天馬くんの他に、水色のバンダナをした男の子と、青い髪の女の子がいた。

 

「えっと、貴方達は……」

「あ、紅葉はまだ知らないよね。紹介するよ、葵と信助!」

「僕、西園信助!」

「空野葵。よろしくね」

 

男の子が信助くん。女の子が葵ちゃん。

 

「ボクは於野紅葉。よろしくお願いします」

「ねぇ紅葉、紅葉は何組? ていうかクラス分けのプリントに紅葉の名前なかったんだけど……」

「え? そうなんですか?」

「うん。ま、いっか。早くサッカー部に行こう!」

 

新しい友達出来たし! 今日は何だかいい事ありそ…………って、あ。朝のは全然いい事じゃないか……。

ボクは天馬くん達と一緒に、サッカー棟に向かった。

 

 

 

 

部室では、沢山の人達がサッカー部を辞めていっていた。

神童くん達が、次々と辞めていく選手達を呆然と見ていた。

どうして辞めてしまうのだろう。みんな、サッカーが好きなんじゃないの……? ボクも神童くん達と同じように、ただ見ていることしか出来なかった。

でも、天馬くんは違った。みんなを引き止めようとした。こんなのサッカーが泣いてるって……。

みんなは、そんな天馬くんを嘲笑った。バカな奴だって。その言葉を聞いたとき、ボクの中で何かが切れた。

 

「てめえら……今の言葉、取り消せよ」

 

久しぶりに、こんな声を出したような気がする。周りを見ると、みんな驚いた顔をしていた。恐らくかなり怖い顔をしているんだろう。でも、そんな事どうでもよかった。

 

「天馬は、てめえらの代わりに体を張ってサッカー部を守ろうとしたんだぞ。いわば天馬はてめえらの恩人だろうが‼︎ それが恩人に対しての礼儀かよ、ざっけんな‼︎」

 

ボクの言い分に、みんな言葉を詰まらせる。でも、みんなサッカー部を辞めていった。

残ったのは、朝一緒に戦った人達。

しばらくして、神童くんが口を開いた。

 

「……これが今のサッカー部だ。それでも、入部するのか?」

「…………はい」

 

天馬くんの言葉に同調するように、ボクも頷く。

だが神童くんが怪訝そうな顔をして、ボクを見た。

 

「お前も入部するのか?」

「え? ダメなんですか?」

「でもお前……女……」

「女じゃダメなんですか?」

「……」

「あ、そういえば……神童くん、あの……今さらですが、もう大丈夫ですか? クラスに戻ってなかったみたいなので、心配しましたよ」

「え……………?」

 

神童くんが黙るのと同時に、みんなが黙る。天馬くん達も黙っている。

 

「何で俺がクラスに戻ってないって知ってるんだ……?」

「何でってそりゃ、席隣になったんで……」

「え…………まさか…………」

 

天馬くん達の顔が、サーッと青ざめる。え? どうしたんだろう。

ポカンとしていると、突然天馬くん達が頭をバッと下げた。

 

「すみませんでしたッ‼︎ お、俺今まで同い年だと……先輩だったんですね……」

「わ、私もそう思った……」

「実は僕も……」

 

え……。それって、ボクが子どもっぽいってこと⁉︎

 

「ボク、そんなに子どもっぽいんですね……」

「え、あ、そ、そのっ‼︎ 背が低いので……」

「背、かぁ……。そっかぁ……」

 

ちょっと……いや、かなり凹んだ。やっと14歳の年になったのに……。ちょっとは大人っぽくなったと思ったのに……。

 

 

 

後に聞くと、この時のボクは絶望のオーラを出していたんだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、座右の銘です。
……最後ギャグっぽくなってしまったのは気にしないで下さい。
皆様、紅葉ちゃんがこの年で14歳=中学2年生だということをお忘れなく。
まぁ確かに彼女も気づいてなかったけど。
あ、みんなが気づかなかった理由は、彼女の背が低いのと、童顔だからです。背の低さは、倉間の目の高さぐらい……。
倉間「えっ‼︎ 俺より低いの⁉︎ っしゃ‼︎」←すごく喜んでる
紅葉「なっ⁉︎ ボクより高いの⁉︎ くっそ‼︎」←すごく悔しがってる
なんか似たものどうしだな。
倉間、紅葉「「う、うるさい‼︎」」
はいはい分かったよ。
紅葉「よし、てめえ後で表出ろ」
は、はい……………。(汗
倉間「フン。俺は出てないけど……活動報告で行っているアンケートもよろしくな……。べ、別に答えて欲しいとか、思ってないんだからな‼︎」
ツンデレ発動……でも、そこは答えて欲しいって言ってくれっ‼︎(泣
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