巫女なボクと化身使いなオレ   作:支倉貢

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第43話 レジスタンス

やあ、みんな! 久しぶり! ボクは於野紅葉!

今ボクがどこにいるのかと言うと……。

 

「……何で帝国学園に呼ばれたんだろな」

「絶対何かあるんですよ〜……」

「そりゃ、何かあるだろうな」

 

楓が飄々と言う隣で、速水くんが楓の後ろに隠れている。そう、ボクらは今、帝国学園に来ています!

 

「………………にしてもすっげえな、帝国学園。設備ぱねぇ」

「ボク階段じゃないエスカレーター、初めて乗ったよ‼︎」

「スロープっつーんだよ」

 

楓とテキトーな会話をしながら奥に進むと、スロープが無くなった。ここからは歩きかな〜と思ってると、前に誰かが現れた。

 

「あれ? 佐久間さん‼︎ ……………………と……」

「み、雅野麗一だよ。帝国学園のGKの……」

「ああ、俺も知らなかった」

「ええ⁉︎」

 

あまりにもショックだったのか、雅野くんが半泣きになる。横で佐久間さんが雅野くんを慰めながら、ボクらを見渡して言った。

 

「ここから先は、普段は誰も入れない場所なんだ。でも今回、君たちには知ってほしいことがあって、呼んだんだ。だから、そこの君。撮影は禁止だよ」

「はーい……」

 

撮影禁止、と言われたのはもちろん、茜ちゃんだった。ちょっと残念そうな顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

そこから今度はエレベーターに乗って、地下へ降りる。一体何があるんだろう……。

 

「楓……」

 

不安になって、楓の裾を握る。楓はフッと笑いながら、ボクの頭を撫でてくれた。

 

「大丈夫だって。な?」

「うん……」

 

楓のなでなでは、いつもボクを安心させてくれる。とても優しい、大きな手。この手が無くなったら……。想像するだけで、怖かった。

ぎゅうっと、楓の背中に顔を埋める。楓は少し驚いてたけど、そのままにしてくれた。

 

 

 

 

 

「紅葉、着いたぞ」

 

楓の声で、ボクは楓にしがみつきながらも、ゆっくりと歩き出した。

 

「……っえ……⁉︎」

 

楓が驚きの声をあげるのと同時に、ボクも目を見張った。天馬くんも、拓人もみんな、驚きを隠せない。

そこに居たのは、円堂監督や音無先生だけでなかった。鬼道さんの他にも、3人後ろに座っていた。

 

「ひ……響木さん⁉︎ 雷門さんに、火来さん‼︎」

「おじいちゃんたち!」

「久しぶりだな。楓、紅葉」

 

かつて伝説のイナズマイレブンであり、円堂監督たちの恩師、響木正剛。元雷門中学校理事長、雷門総一郎。元雷門中学校校長、火来伸蔵。皆、円堂監督たちが学生時代にお世話になった人たちだ。

 

「わぁ〜っ‼︎ みんなどうしたの?」

「ここは、中学サッカー革命組織、レジスタンスだ」

 

鬼道さんがボクらに説明する。

 

「俺たちはここで、打倒フィフスセクターを掲げている。かつての自由なサッカーを取り戻すために。今日は、お前たちにこれを知ってほしくてここに呼んだ」

「俺たちに?」

 

天馬くんが、鬼道さんにどういう意味かと問う。

 

「さっきも言った通り、俺たちはフィフスセクターを倒すために活動している。だが、表立ってフィフスセクターに逆らうと言えば、すぐに潰されるだろう」

「だから、こうやって秘密裏にしていると?」

「ああ。それと、同じ志を持つお前たちに協力してほしい」

 

ボクはみんなが話してるのを聞きながら、頭に強い衝撃を食らった感覚にあった。そうか。円堂監督たちも、黙ってなかったんだ。こんなの間違ってるって。逆らいたかったんだ。でも、それを実現するには、賛同してくれるチームが必要だったんだ。

突然、ボクらの背後にあった自動ドアが開く音がした。誰が来たんだろう? 振り返ろうとすると。

 

カチャリ

 

「っ⁉︎」

 

いつの間にか女の人が居て、天馬くんの後頭部に銃が突きつけられていた。

 

「天馬くんっ‼︎」

 

ボクの悲鳴に近い声が響く。拓人たちからも天馬くんを案ずる声が飛び交う。速水くんに至っては泣いてる。

 

「誰だてめえ。天馬クンから手ェ離してもらおうか」

 

楓が女の人の手首を掴む。楓の手に力が込もり、睨む金色の視線はナイフみたいに鋭かった。

女の人は楓を一瞥すると、楓の手を振り払い、胸ポケットからメモ帳とシャープペンシルを取り出し、何か書き始めた。その時銃も下ろしたため、天馬くんは女の人から離れる。

書き終わったのか、女の人は楓に破り取った紙を見せた。

 

『冗談だ』

「はぁ……?」

 

拍子抜けた楓に見向きもせず、今度は円堂監督にメモを見せた。

 

『お久しぶりです、円堂さん』

「え……? も、もしかして……」

「まさか……お前、青木か⁉︎」

 

鬼道さんの発した名に、また驚く。

 

「青木……⁉︎ 青木って、確か……」

「青木穂乃緒さんですか⁉︎」

 

天馬くんと信助くんが目を輝かせる。青木、と呼ばれた女の人は、また何か書き、ボクらに見せた。

 

『こんにちは。青木穂乃緒だ』

 

青木さんは、ニコリと微笑んだ。

 

 

 

 

 

「いや〜、久しぶりだな!」

「お前、今何やってるんだ?」

 

円堂監督も鬼道さんも、嬉しそうに話しかける。青木さんはまたメモを見せた。

 

『警察』

「警察⁉︎」

「ほう、お前らしいな」

『今回は、お前たちを逮捕しに来た』

「えっ⁉︎」

 

た、逮捕⁉︎ え、ボクら何かした⁉︎ まさか……ボクらがフィフスセクターを倒すなんて言ったから⁈

焦るボクらを見た青木さんは、ククッと笑った。そして、青木さんは楓に渡したメモを指さす。

 

「…………冗談、かよ‼︎」

 

苛立って、倉間くんが叫ぶ。その様子を青木さんはさらに楽しんでいた。

 

『本当の目的は、別だ。私は、レジスタンスに参加するためにここに来た』

「レジスタンスに? ってことは……」

『私は、お前たちに味方するためにここに来た』

 

青木さんはまた微笑む。こうやって笑ってたら美人なのにな〜……。

 

『警察の情報ルートを使えば、どうにでもなる。雷門の次の相手は海王学園だったな』

 

青木さんの問いに、拓人が答えるように頷く。

 

『海王は、選手全員がシードだと聞く。だが恐れるな。お前たちは円堂さんたちの意志を継ぐ雷門イレブンだ。お前たちは負けない。私は、そう信じる。頑張れよ』

 

この文を読んだみんなが、決意の表情を見せる。負けるつもりはない。誰もがそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りがけ、ボクは楓と話していた。

 

「楓、ボクちょっと晩ご飯の用意買ってくる!」

「は? 俺も行くよ」

「大丈夫! ボクだけでいいよ」

「そうか? 気を付けろよ」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、買う物は買ったし……早く帰ろっと」

 

荷物を両手にぶら下げ、歩く。ちょうどボクが歩いてるところは、工事をしている。

ふと、辺りが暗くなった。

 

「え?」

 

見上げると、そこには大きな鉄骨があった。

 




青き炎の世界とは繋がってる設定です。
大人になった青木さんを本編よりも早く出すのは多分ここだけだと思います。
もちろん、青き炎にも、紅葉ちゃんたちが出ます。
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