俺が目を覚ますと、そこに見えたのはあの森ではなく、いつもの見慣れた部屋だった。
「ここは俺の部屋か…そうか俺はあいつに勝って生きて帰ってこれたのか。」
俺は起き上がろうとするが体に痛みがはしり悶絶してしまった。
「イッテー…うん?」
俺は今更ながら、自分のベットに俺の他にも重みがあることに気づいた。そこに居たのはあのセイレーンの女の子だった。俺がその子をみていると視線を感じたのか起きてしまった。
「ん…うぅん?」
その子はまだ眠いのか寝ぼけた様子でこちらをみた。すると、俺をみた瞬間、泣きながら抱きついてきた。
「良かったです…なかなか目覚めなかったので本当に心配しました。」
「ありがとう。心配してくれたんだな。」
俺は抱きつかれて体が痛むが、笑顔を浮かべそう言った。その子も俺の様子に気づいたのか申し訳なさそうな顔になった。
「あっ!ごめんなさい!」
「大丈夫だ。そう言えばまだ自己紹介をしてなかったな。」
俺はまだ自己紹介を行っていないことに気づき答えた。
「俺は秋月優人だ、よろしくな。俺のことは優人と呼んでくれ。」
「分かりました優人さん。私はセレナ マーキュリーと言います。こちらこそよろしくお願いします。あと私のこともセレナと呼んでください。」
「さん付けは止めてくれセレナ。」
「はい…、では、せめて君付けで読んでもいいですか?」
「ああ、かまわないよ。」
俺達は互いに自己紹介を行った。俺はセレナの母親が悪魔達に殺されたのを思い出した。
「セレナ、母親を助けれなくてすまなかった。俺がもう少し早く来ていれば…。」
「優人君は悪くないですよ…。私は優人君に助けてもらったんですから。それに母は、ここの教会の人たちが埋葬してくれるそうですから。」
セレナはそう言うが、本当はまだ辛いのか顔をうつむかせてしまった。俺は、それを見て頭を撫でた。
「すみません…優人君。」
「気にするな辛かったらおもいっきり泣けばいいさ。」
「ありがとうございます…。」
そういったあと、セレナは俺に抱きつき今までで溜め込んでいたのか疲れて眠ってしまうまで泣いていた。セレナが寝たあと頭を撫でていると。クリが入ってきた。
「あらら~私は来ない方が良かったかな?」
「うるせーよ、馬鹿。」
俺とクリスは軽口を叩きあった。すると此方にクリスがよってきた。そして俺は、頬を叩かれた。
「何すんだ…よ…」
「馬鹿、貴方が死んだら皆悲しむのよ…余り無理はしないで。」
俺は頬を叩かれたので頭にきて、文句を言おうとするが言えなかった。何故なら、クリスが泣いていたからだった。
「セレナを助けたのは偉いわよ… でも、もう少し考えてから行動しなさい。今回は運が良かったから助かったけど、次はどうなるか分からないのよ?」
「悪い…でも、俺は反省はしているが、後悔はしてないぜクリス。セレナを助けることができたからな。」
「馬鹿…まぁ優人らしいかな。」
そういってクリスは微笑んだ。そして、今思い出したように言った。
「あっ! そう言えば今回の件、上級悪魔を倒したことで、優人貴方の実力が教会側で正式に認められたそうよ~。暫くは簡単な任務だけだけど、そのうち上級の任務にも参加して貰うんだって。エクソシストとしてもっと強くなってもらうために、神器の修行もすることにするからしっかり体を休めなさいね~。」
「本当か?これでもっとクリスや子供達に借りを返せるな。それとクリス、体術も一緒に教えてくれないか? 格上の相手には俺の槍術は通じなかった。だから、俺は自分だけの技を作りたい。そして、俺だけの槍術を作りたい。」
俺は今の自分に限界を感じていたのでクリスにダメ元で聞いてみた。
「ありがとう~。そうね~格上相手には優人の技は槍術の基礎だけだから、やはり何度も経験してるでしょうね。貴方の槍術は私が教えたんだけど、なかなかだと思うし、そこら辺の相手には有効でしょう。今回はたまたま格上に当たっただけと思いなさい、といいたいところだけど私もそろそろ優人は槍術をもっと専門的に習う方がいいと思っていたのよ。だから、紹介しとくわね知り合いに。」
「本当か? ありがとうクリス。」
俺は期待してなかった分、嬉しさが込み上げて来るのがわかった。クリスは微笑みながら答えた。
「気にしないで~。それと、その子にこれからどうするか聞いときなさいね~。」
「了解~。」
俺は頷きながら答えた。セレナはまだ疲れていて起きそうにないので、俺はセレナを撫で続けていた。セレナがくすぐったそうに頭を揺らしたときだった。今度はゼノヴィアが入ってきた。
「優人、目覚めたか… ん?私は邪魔だったか?」
俺は今、自分がしていたことをあらためて思い、頬を紅くしながら答えた。
「大丈夫だっ!! どうしたんだゼノヴィア?」
「すまない、私は役に立たなかった。そして、私はあのとき、一旦君を止めるべきだったのに止められなかった。今回、君の神器がなかったら私達は死んでいた…。優人助けてくれてありがとう」
ゼノヴィアはそういったあと涙を浮かべ微笑んだ。俺はそれを見てまた頬が紅くなり、深く自分のしでかしたことを思い直し、反省した。
「悪かった、ゼノヴィア。俺はあのとき、どうしても許せなかったんだ…
でも、これからはうかつな行動をとらないように心掛ける。」
「そうか…ならこれからも宜しく頼むぞ優人、私達は同じ年だしな。」
「ん?なんだって?」
俺は気になる単語があったので聞き直してしまった。
「聞こえなかったのか?私達は同じ年だから宜しく頼むぞ。と言ったのだがな…。」
「マジかよ…。絶対俺より年上と思ったのに…俺、女の子に身長が負けてるよ…。」
「気にするなとは言えんが…まぁそう落ち込むなよ優人。私は女の子にしては成長が早いだけだからな。」
「嘘だろ…それにしても負けるなんて男子として俺にもプライドが…。」
俺が落ち込み独り言をいっていると、セレナが俺達の声がうるさかったの起きようとしていた。ゼノヴィアはそれを見て苦笑しながら一言残し帰っていった。
「ではな優人、私は帰るからまた同じ任務につくことがあったら宜しく頼むよ。」
「あいよ~」
俺が返事したあとセレナは、寝ぼけているのか目を擦っていた。
「ん~? 私どうしたんだろ、なんか優人君に話をしたら泣いちゃってそのあとは…。」
「起きたかセレナ?」
「え?あっ、優人君っっ?」
セレナは俺を見て、俺に撫でられながら抱きついて泣いてしまったことを思い出したのか頬を紅くしてうつむいた。それを見て俺は微笑みながら尋ねた。
「セレナこれからどうする?」
俺はクリスに言われたことを思い出したので聞いた。
「そう、ですね…私は母と二人で暮らしていたので住む場所があっても一人では辛いですね…。」
「なら、俺と一緒にくるか? 」
俺はセレナと話してみて彼女のことは好ましいと感じていたので、これからも一緒にいたいと思い尋ねた。
「いいんですか?私セイレーンだから狙われるかもしれませんよ?」
「黙っとけばいい。もしばれたら俺が守るからな。俺はセレナ、君と一緒にいたいと思うんだが駄目か?」
「まさか、そんなことありませんっ。でも、今日みたいなことになるかもしれませんよっ? 私は優人君に傷ついて欲しくありません。だから…」
俺はいてもたってもいられずセレナを抱き締めた。
「セレナ俺は大丈夫だ。これから守りたいものを守れるように力を付ける。俺はもうセレナや大切な人達が泣くのをみたくない。」
「本当にいいんですか?迷惑をかけますよ?」
「ああ。」
セレナは泣いていた。だが、何かを決心したように頷いた。
「分かりました。これから宜しくお願いしますね優人君。それと…。」
そう言ってセレナは起き上がり俺の前にたち、頬にキスをして言った。
「私も、優人君を支えれるように一緒に修行しますね。」
俺は今、セレナにされたことに頬を紅く染め、彼女はしたたかだ。と思い俺は頷いた。
どうだったでしょうか?次から新しい章に入ります。そして、またまた優人君強化です。感想や意見なんかありましたらお願いします。