試作品の幾つかの前に原点に戻りました。
お付き合い頂ければ幸いです。
『天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者のことだ』
―――フローレンス・ナイチンゲール より
【いつも助けてくれるあの人は誰?】
1:相談者
あの人は一体誰?
解決する為に力を貸して欲しい
2:名無しの人間
知らんがな
ワイらが聞きたい
3:名無しの人間
どういうことなの?
4:名無しの人間
とりあえず状況を説明せえ
5:相談者
何か困った時
見知らぬ人がいつも助けてくれるんや
お前らはそういうことないの?
6:名無しの人間
親か?
7:名無しの人間
近所のおじさんか?
8:名無しの人間
何を言ってるんだ?
困ってたら自分で解決するもんやろ
9:名無しの人間
なんかイッチと話が合ってないような気がする
10:相談者
親とか兄弟じゃないんや
例えばさ
朝起きて登校中に鞄を忘れるとするやん
そしたらいきなり現れて鞄を渡してくれるんよ
「今日は大事なテストだろ?ほら、忘れてるぞ」
ってさ
11:名無しの人間
???
12:名無しの人間
イッチは執事とかメイドがおるってことか?
13:名無しの人間
そもそもどういう関係なの?
14:相談者
いつも自分が困った時に現れては
いつの間にか消えてしまうんや
話したことは無いけど
女性ってのは確かやな
昔から声変わってないし
15:名無しの人間
ホラーで草
昔っていつ頃よ
16:名無しの人間
ええな
女性の背後霊か……
17:相談者
生まれた頃からずっとやな
背後霊ではないで
両親も会ったことあるらしいから
最初に出会ったのが生まれた時らしい
両親曰くワイが産まれた時に
「生まれてくれてありがとう、坊や…」
って突然現れて消えたらしい
18:名無しの人間
??????
余計に訳分からないの草
19:名無しの人間
行動が不審者過ぎる
20:名無しの人間
守り神か?
21:名無しの人間
その線はありそうやな
22:名無しの人間
信じたくは無いけど
精霊みたいなもんか
イッチは前世で善行を積んだんやろうなぁ
23:相談者
普段は全く存在すら分からないから
余計になんで助けてくれるのか分からんのよ
喧嘩して家出した小学生の時も
「さあ、両親が待ってるよ。一緒に帰ろう」
って道に迷った俺を送ってくれたり
中学生で虐められた時も
「悔しいかい?じゃあ私が鍛えてあげるよ」
ってイジメに負けないトレーニングもしてくれたな
24:名無しの人間
やってることがヒーローの行動で草
25:名無しの人間
背後霊がやることじゃない定期
26:名無しの人間
誰か分からないけど
人生を手伝ってくれるならいいんじゃない?
俺もそんな存在欲しいわ
27:名無しの人間
それもそうやな
28:相談者
それが困ることがあるんだ
逆に恋愛面に関しては全く助けてくれないのよ
ラブレター渡す為に時間を掛けても
次の朝絶対見つからないし
相手に告白しようと近づいただけで
別の用事に阻まれて行動が起こせなくなっちゃうのよ
29:名無しの人間
なんで?
30:名無しの人間
運が悪いのとおっちょこちょいが
合わさってるだけな気がする。
31:名無しの人間
そもそも恋愛面まで
サポートする必要ないからやろ
32:名無しの人間
まあスーパーマンが
恋愛を助けてくれたらおかしいわな
33:名無しの人間
案外嫉妬されてたり?
34:名無しの人間
そんなことないやろ
35:名無しの人間
イッチって陰キャっぽいから
モテることもなさそうやし
ヒーローさんも流石にNGやろ
36:相談者
勝手に陰キャ扱いするのやめーや
まあその通り
陰キャでブサイクです
はぁ……
いつ童貞卒業できるんかな
もう高校卒業間近やぞ
このまま魔法使いになってまうんか?
37:名無しの人間
諦めんな
30才まで期限は長い
38:名無しの人間
安心しろ
ワイらがおる
39:名無しの人間
せやせや
まあ挑戦し続けたらええんや
40:相談者
ありがとう
結局正体は分からないけど
付き合っていくことにするわ
【そろそろ救済の期限なんだが教えてくれないか】
1:名無しの守護天使
救済したいのだが
どのようにすればいい?
2:名無しの天使
まあ、救済されるのですね
私達に教えられることはありますか?
3:名無しの天使
話してください
お力になれるかもしれません
4:名無しの天使
守護天使さんですね
ということは
ずっと見守っておられたのですか?
5:名無しの天使
まあまあ!
6:名無しの天使
羨ましいですね
7:名無しの天使
素直に嫉妬してしまいます
8:名無しの守護天使
ああ、そうだ
生まれた頃から彼の両親に祈られてな
「どうか我が子をよろしくお願いします」とな
選ばれた時は秘所を何回も濡らしてしまったものだ
9:名無しの天使
まあ…
なんて羨ましい
10:名無しの天使
人間さんがお産まれになるまえに
祝福を願われたのですね
11:名無しの天使
ですがどうして困っているのですか?
12:名無しの天使
ええ問題ないはずです
あとは救済あるのみです
13:名無しの天使
両親公認なのですから
お生まれになったら
即、祝福ですよね?
14:名無しの守護天使
天界の
【祝福を願われた者は希望の年齢まで待たなければならない】
という条項を知っているか?
15:名無しの天使
はい知っていますよ
16:名無しの天使
勿論です
あの忌々………
淫らな者達との条約ですよね
17:名無しの天使
守る価値があるかは不明ですが
取り決めは大事ですからね
18:名無しの守護天使
そうだ
その条項によって
【成人まで】
待たなくてはならなくてな
ご両親が願われたのは
「この子が元気に成人するまでお守りください」
という願いだったのだ
19:名無しの天使
まあ……
それは長い苦行ですね
20:名無しの天使
同情します
7つの試練よりも辛いでしょうね
21:名無しの天使
私ならどうにかなってしまいそうです
22:名無しの天使
人間さんは過保護過ぎますね
子供になれば後は私達がお守りするというのに
23:名無しの天使
本当です
24:名無しの天使
どうして任せてはくれないのでしょうか?
25:名無しの天使
人間さんは自ら苦行を歩みたがりますからね
26:名無しの天使
そこがまた可愛いのですけれど
27:名無しの天使
ええ
守りたくなる母性を感じてしまいます
28:名無しの守護天使
よいだろうか?
29:名無しの天使
失礼しました
30:名無しの天使
構いませんよ
31:名無しの天使
守護天使さんは
苦行を歩んでこられたのですね?
32:名無しの守護天使
ああそうだ
だがどう救済すればよいのか分からなくてな……
33:名無しの天使
はい?
34:名無しの天使
何をおっしゃられているのか分かりません
35:名無しの天使
どういう意味でしょうか?
36:名無しの守護天使
産まれてずっと彼を守る為に動いてきたのだ
災厄、自然、淫らな者達、暴漢、彼に向けられる悪意……
だが彼を守ってばかりで
救済の方法を忘れてしまってな……
もうすぐ条項にある【成人】に彼がなってしまうのだ
どうすればよい?何をすればいいのだ?
37:名無しの天使
…………。
38:名無しの天使
……………………。
39:名無しの守護天使
どうしたのだ?
40:名無しの天使
彼が他の者に取られても良いのですか?
41:名無しの天使
あなたは腰抜けですか?
愚か者
42:名無しの守護天使
!!!!!
駄目だ!彼は私の者だ!待ったのだぞ!長い時を!
許さない!彼が誰かと一緒になるだと!?
そんなことになったら
黙示録のラッパ吹きならし!
第一から第七まで
全ての厄災を降らしてやる!!!
彼は私のだ。私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の……
43:名無しの天使
そうです守護天使よ
その心が大切なのです
44:名無しの天使
ようやく分かりましたね?
その心が救済なのです
45:名無しの天使
後は貴方の心が理解しているはずです
心のままに彼を救済しなさい
46:名無しの守護天使
ようやく目覚めた
ありがとう先輩方
成人の日
彼を【救済】する
もう絶対に何者にも触れさせない
47:名無しの天使
お分かりいただけて良かったです
48:名無しの天使
また一人同族が救われましたね
49:名無しの天使
ええ素晴らしいことです
50:名無しの天使
全ての人間と天使に神の加護があらんことを
【天使族】:
原作にも登場するヤバい種族。
【救済】【祝福】を名目に人間達に接触する上位種。
人間君きゅんとの初対面は
かの有名な【ゴルゴタの丘】である。
原書とは違い、
イエス・キリストが父である神に嘆きを説いた時
天空から多くの天使が降臨し救済を行ったとされる。
これがかの有名な
【天使降臨】であり、
淫魔達は天使と争うことになった。
人間きゅんが好き過ぎて思い込みにより
突っ走る種族ではあるが、数千年の時間が人間に歩み寄る姿勢を獲得させた。
だが強硬派が未だに多く、
たまに条項を破って人間を救済しているらしい。
【守護天使】:
本日登場した者はボーイッシュショートヘアの筋肉娘。
天使族の中では規律を重んじる性格である。
祝福された数だけ性格と外見があり、
その数は生まれる前の人間きゅんの好みによって変化する。
天使教を信仰する者が
教会にて子供に【宗教的祝福】を行った場合に降臨する。
普段は姿を見せないがその姿は
フェドーラ帽にコートという探偵のような姿を取ることが多い。
両親が願った誓約の日まで子供の守護を行う。
その誓約の後に代償として子供は天使に【救済】されるのだ。
多くの場合、
対象となる人間の多くは
【誓約の日】にて
天使が姿を現した時は抵抗しないとされている。
むしろ今までの感謝を述べ、
涙を浮かべて一緒になれることを心の底から喜ぶのだという。
天使族の多くは
守護天使の苦行を耐える精神に尊敬を抱いており、
一方で人間きゅんに産まれた時から好意を持たれるということで嫉妬もされている。