少しでも書いて、修正して
納得のいくよう頑張ります
龍騎
私が
どのくらいが経っただろう
コンナモノにはなりたかったわけじゃない
転生したわけでも
選ばれたわけでもない
親父がそうだったからという余りにも
七光り過ぎるなり方だった
だが、その親父にはもう遭うことは出来ない
何故為ったかも聴くことは出来ない
私の名は
“管理部部長”をしていた
私は今、【宙船】*1に乗っている
窓から外を一瞥すると時計の様な物が
幾つも漂っていた
ここは
船の中に用意された部屋は管理者室の文字が
部屋の中にはリザという女性が居る
「またこんな仕事か」
自室のモニターに表示された依頼を見た瞬間
ため息をつく
慣れすぎてしまったのか消滅という文字にすら
驚かなくなっている
「貴方達なら簡単でしょう
ため息が不快だったのか
彼女は皮肉を込めて言った
「そう、我々ならば簡単だ
然し君には出来るのかね【監視者】*2よ」
スーツの部隊章を見て答える
“監視部部長”である
「無理よ、だから貴方が要るのでしょう?」
当たり前でしょという顔をして答える
「あぁ、そのために部門別になっている」
「貴方がそんなことを言うなんて違う人に
頼んだほうが好かったかしら?」
只の消滅では私も君も派遣されないだろう
「その方が良いだろうな「本気にしないで」
そう云う仕事なら」
話を遮りやがった
「で、ここに集まる理由は?」
二部門の部長が集まるなど
どれ程重要な要請なのか
「何時ものブリーフィングよ
此処は【違反】*3に犯した」
「あぁ、儀式か」
そんな事でここに集まりはしないが返してみる
「そう、此の世界は私達に縋っただから
「真実は?」消す……」
早く本題に入れと急かした
「……カバーストーリーは嫌い?」
「当たり前だ、その程度なら俺は使われない
それに上の隠したがる姿勢には
ウンザリしている」
隠すよう指示されたのだろう
だが、直ぐに事実が明らかとなった
「フッ、そうね……逃亡者が見つかった……」
鼻で笑った後、神妙な面持ちで語った
「絶か‼」ガタッ
椅子から不意に立ち上がると
久しぶりに聞いた【天界】*4の指名手配犯を
例える言葉に心が躍った
「えぇ、きっと匿っている」
「待っていた‼
今を逃がせばまた振り出しに戻る……
あとどれ程で着く!」
「20秒ほどで着くわ」
「了解」
身形を整えてドアに向かった
「少し下を確認してくる」
「すぐに終わらせて時間がない」
「私が奴なら情報が漏れた時点で逃げている
その前に居るであろう関係者を捜してくる」
ドアを開けて宙船の甲板に立つ
丁度着いたらしく下には
ビル群らしき小さなものが広がっている
これから消滅する世界に私は降下した
──────────────
おそらくここは有名なアーケード街
人混みの中には写真を撮る者や
ここについて説明する者もいた
殆どの者は生活の一部として居るのだろう
然しこの場所には
とても似つかわしくない男がいた
その男は朱に染まった袋を担いでいる
普通の人間であれば悲鳴を上げたり
逃げ回ったりするだろう
そんなことは誰もしない
何故なら男らの存在に誰も気付いていないから
(やはりこの男は知っていた)
服が血濡れなのは気にも留めず
確りした足取りでアーケード街を歩いていた
「あらっ、もしかして怪我したの?」
馬鹿にしたような声が聞こえる
「あり得んな、こんな奴らに
一発でも食らったら恥だ」
「力が取り柄の管理者だものね」
コイツの茶化す言葉にウンザリしてきた
「これから破壊する、早く船に戻れ。煩いぞ!」
「あなたが待たせているんでしょう?
その男を寄越して汚いけど……」
「オラよっ」ポイッ
「ハイよっとじゃ」ビシュ
行ったか……
もうこの世界には用がなくなったので
破壊へと進むとしよう
手に世界を破壊できるほどの魔力を溜める
こぶし大の魔力玉が出来たところで
それを垂直に投げ宙船に戻った……
──────────────
宙船に戻るともう次元管に戻っていた
先程の世界が有った場所は光に包まれていた
光が収縮すると同時に分岐点が消えた
「破壊して良かったのかしら?」
「世界の破壊はその世界に居てはいけない存在
いわゆる特異点は巻き込まれない
脱獄者は特異点の筈だ……あの男は?」
「治療室に入れた
結構ズタボロにしてくれたわね」
「恐怖を植え付けるためだ仕方ない」
「恐怖で手に入れた情報は信用ならないわ」
「どうせ、まともな情報は得られんだろう」
奴と接触した形跡はあるが
一体、何処まで知っているのか……
「ふぅん、そぉ」
リザは腕時計に目をやる
「後、2分で着くわ。撤収作業急いで」
「分かってる」
────────────────
次元管を通り、天界に着いた
搭乗口には管理部の隊長3人が集まっていた
「遅かったな、龍騎」
淡々と言うのはレン
「上手くいったぁ? いかなかったぁ?」
語尾が疑問形になるのはタウル
「おかえりっ、龍騎っ」
楽しそうに迎えてくるのはノート
「お前ら、仕事はどうした」
「「「預けてきた」」」
コイツらは部下を困らせるのが好きらしい
次々と監視部の隊員などが来る
「中に情報提供者が居る、運べ」
「了解しました」
「貴方はどうするの?」
「図書館に行ってくる、尋問は任せたぞ」
「はいはい」
どうせ、まともな情報は無いだろうがな
絶……お前の追跡はまた再スタートだ
────────────
「おはよう、龍騎」
「おはよう、レン」
管理部の机の前にレンがいた
何やら、部内は慌てている
「どうした?」
「てっきり、把握しているのかと
【天獄】*5で脱獄だ」
「なんだと!」
ありえない、天獄は鉄壁のはず
脱獄は2000年程されていない
「……現在調査中だと」
「誰が、何処に、どうやって」
「絶という男が、不明、不明」
肝心な事が抜けてる
「トラッカーは? 関係者は?」
「機能してない、全員死んだ」
「なに……天獄の看守がか!」
我々よりも鍛えられてるはず……
「あぁ、警報が鳴ったときには
手遅れだったと」
そうか……油断していたな
「タウルとノートは
先に検証している」
「了解」
「余り、無茶するなよ
ライバルに死なれては困る」
「しねぇよ、だが出来得る限りの事はする」
「そうか、なら」
「「頑張れよ」だろ」