ありふれた和平で世界平定(ディストピア)   作:LW

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檜山強化/パーティー編成回です。


03 死亡フラグと呼ばれているのでは?

「早朝から毎朝トレーニング!

 檜山。お前がこんなに真面目なヤツだとは知らなかったぜ」

 

「だあぁぁっっ!!!

 付いて来るんじゃねぇっっ!!!」

 

背後から坂上が追走して来る。この脳筋がぁぁっっ!!!

どうしてこうなった!?

 

異世界トータスに召喚されて、

勇者とその仲間としての活動が始った。

まずは実戦前の訓練期間と言う事で、

メルドさんや騎士団に、色々と指導を受けている最中だ。

 

と言っても俺は二度目で、何故かステータスも前回より高いスタート。

何かと余裕は有る。其処で俺は、早朝に自主トレを追加した。

毎朝神山の神殿までのランニングコース。勿論ただのトレーニングじゃない。

ノイントとエンカウントする事を狙っての行動だった。

 

ノイントは聖教教会のシスターだ。

しかも神山の神殿から、殆ど出歩く事が無いらしい。

俺達は麓のハイリヒ王国に滞在しているのに、接点が無い。

 

神山は聖教教会の総本山で、一般解放何てしていない。

だが修行や巡礼目的なら、入山出来るらしい。

 

「是非ともエヒト様の御許で修行させて下さいっ!!」

 

勇者の仲間の修行!って事でゴリ押しした。

神様万歳の低姿勢で行けば、大抵何とかなる。

ノイントを口説く為なら、何て事無い。

 

だが早朝のトレーニングは、脳筋の坂上に気付かれた。

坂上も早朝からトレーニングをしていたのかもしれない。

くっ俺のステータスを舐めるなよ?

脳筋如き振り切って、俺はノイントに逢う!

 

「素晴らしい心掛けですな」

 

全力で脳筋を振り切って、神山を登りきる。

頂上の神殿で、御参りするのもいつものパターン。

しっかし今朝はハズレ!

上機嫌な面でニコニコと俺を出迎えたのは、イシュタルの爺さんだ。

 

爺は要らんから、ノイントを出せノイントを!

と言いたい処だが、この爺さんは聖教教会のトップ。

教会所属のノイントと仲良くなるのに、媚びを売って損が無いのは解っている。

 

「感心です。

 今朝も来ていたのですか?」

 

「修行だからな、当然だろう?」

 

今朝はハズレかと思ったが、爺さんの後ろから本命降臨☆

よっしゃあぁぁぁっっ!!!ノイントに逢えたっっ!!!

今朝はガチの、御参りが出来そうだ。

 

俺は神山への早朝ランニングが終ったら、

毎回神殿で御参りをしている。その内容は、

【ノイントと仲良くなれますように】

【五体満足で居られますように】【日本に帰れますように】とかだ。

特に最初のが叶うなら、

相手が神様だろうが悪魔だろうが、諸悪の根源だろうが構わない。

 

「フラグメント。

 もう実戦が近いのでしたね?」

 

「あぁ、オルクス大迷宮って処で魔物退治だ。

 冒険者の真似事をするらしい」

 

ノイントが口にする俺の渾名。

フラグメントと呼ばれる理由は、未だに解らないままだった。

だがノイントに渾名で呼ばれるのは俺だけ!

今はそれで良しとして置く事にした。

女が意味不明の渾名で呼ぶのは、日常風景である。

 

「教皇猊下。

 フラグメントに託そうと思います」

 

 

「これってレアモノじゃね?」

 

ノイントがイシュタルの爺さんと何か話を進めて、奥の部屋に案内される。

其処は見る限り武器庫だったが、

天之河の聖剣がサーガの如く鎮座していた武器庫とは違って、

博物館の骨董品でも眺めている気分になる。

 

だけどそれは違った。

絶対に只者じゃネェェェッッッ!!!!!!と解る代物!

 

「はい、聖遺物です。

 銘は【祈りの剣】」

 

それは一振りの剣だった。

ジャンル的には【処刑剣】と言うヤツだろう。

剣先が平たくて、突きが出来無い。

不良品でも模造刀でも無い。斬撃特化の剣!と言う事になる。

 

ひたすら斬撃で罪人の首を狩り続けた。

処刑剣とは、そう言う武器だ。

しかも聖遺物!どんだけ生き血を吸って来たんだよっ!?

もう魔剣だろ!?ヤヴいオーラを放ってる気がするしっっ!!?

 

「何でこんな(ヤヴァそうな)代物を?」

 

「餞別です。

 神官戦士のフラグメントなら、使い熟せるでしょう」

 

本気でこんなヤヴァそうな代物を?

ノイントが言っているのは、神官戦士の【信仰】の技能の事だろう。

信仰の技能は、神官系の天職の基礎技能。

信仰心を集めて、ステータスに自己ブーストする技能だ。

 

オタクの南雲が愛読しているだろうラノベなら、

中盤辺りで敵に回った神官系のキャラが、

信者の信仰心を集めて中ボス化するアレである。

そんなに強いなら、勇者何て要らないだろ!?自分で戦えよ!ってヤツ。

 

ノイントが言うには、この剣自体が聖遺物!信仰の対象となる。

詰り、後ろにゾロゾロと生贄用の信者を連れ歩く必要は無い!と言う事だ。

 

「確かにステータスが、ブーストしてる感じだ」

 

「問題は無いようですね?」

 

ステータスは確かにブーストしている。

俺が知っているオルクスの魔物相手なら、遅れは取らないだろう。

 

と言っても、文字通り俺が知っている範囲の話だ。

オルクスの攻略者。魔王南雲の情報では、

上層100層。下層100層の、全200層で構成されているらしい。

特に南雲が墜ちた下層からが本番!ナイトメアルート☆

奈落の捕食者共に、俺の力が通用する保証は無い。

それにそもそも!この程度の力で、

あの魔王に届く事は絶対に無い。絶対にだ。

 

「なぁノイント。

 オルクスから戻ったら、出られ無いか?」

 

例え魔王に届かなくても、大幅な生存率UPには違い無い。

気付いた頃には調子に乗って、ノイントにデートのお誘いを実行!

凄い微妙な顔をされた。まだデートのお誘いは早かったか!?

それともシスターはデート禁止!とか言うパターンか!?

 

「宜しいのですか?

 フラグメントの故郷では、死亡フラグと呼ばれているのでは?」

 

 

「今まで済まない。ワビを入れさせてくれるか?

 南雲は、俺が護るっっ!!!」

 

「檜山君っっ!!!」

 

オタクな南雲は、やはりチョロかった。チョロインレベルである。

俺が今までのイジメの件で謝ると、あっさり謝罪を受け入れた。

報復も無い。実に平和的だった。

これが魔王なら、確実にチート武装の報復が来るだろう。

 

現代無駄知識の武装をしていたノイントの誤解も解いて、

無事!デートの約束をした後日。遂に実戦訓練が始った。

前回同様ホルアドへ向かう。其処にオルクス大迷宮が在る。

大きなターニングポイント!俺に取っても、南雲に取ってもだ。

 

ホルアドに着いたら、パーティーを組む事になる。

まだ初見だから、天職を意識した構成の指示は無い。

まずは自分達で考えて、自分達で苦労しろ!って言う騎士団の方針らしい。

 

と言う訳で俺は南雲に謝罪して、パーティーを組む事にした。

辺りではクラスメイトが、

香織や八重樫辺りが、俺の謝罪を聞いて特に驚いている。

と言うか驚いているのは、クラスメイトの殆ど全員だった。

 

勿論この謝罪は、純粋な代物じゃない。

これは、魔王南雲の誕生を阻止する策略だ。

魔王南雲が生まれたのは、俺が南雲をオルクスの奈落に墜とした事が原因!

なら俺が、南雲を奈落に墜とさなければ済む話だが?

代わりに何か、アクシデントが起きる可能性も有るだろう。

 

だから俺は、直ぐ近くで南雲を護る事にした。

オタクの南雲はチョロイから、上手く行くと思った。

問題無く南雲とパーティーを組む事に成功する。

 

「僕も、混ぜて貰えるかな?」

 

「清水君!

 勿論構わないよ?檜山君は ――― 」

 

「あぁ、俺も構わない」

 

計画通りの好スタート!

だが此処でどう言う訳か、清水がパーティーに名乗り出て来る。

清水は南雲と仲が良かったか?

清水は南雲と同じくボッチ系だったが、特に仲が良かった印象は無い。

 

前回清水は、魔王南雲に殺されている。

銃殺。魔王自慢の銃でズドン!

魔王南雲相手に、全力で逆らった結果だ。

魔物に生きたまま喰い殺された俺より、まだ楽な死に様である。

 

「あら、それなら私達も行くわ。

 構わないでしょう?」

 

「どうして俺に訊く?」

 

清水の参戦を聞いて園部と、取り巻きの菅原と宮崎も名乗りを上げる。

これで六人!パーティーメンバーは揃った。

今のは明らかに清水狙い。

園部は清水と、何か接点が有ったか?

確か高校で席が隣りだった気はするが、それだけだ。

やはり仲が良かった印象は無い。

 

前回の話なら、一応接点は有る。

確か清水と園部は、パーティーを組んでいた筈だ。

だが前回の話を出しても、やはり意味は無い。

 

それに重要なのは、南雲の護衛だ。

清水が誰と仲が良くても、別にどうでも良い。

 

 

補足&解説枠。

檜山強化回。現地Lvの強化です。

 

神山の修行

神山には例のエレベーターが有りますが、

アレは王国の高官と、緊急用!と言う本作設定。

勇者は王国のVIPです。

 

祈りの剣

形状の採用で迷った一品。

大型の魔物相手なら、貫通効果の有る槍にしようかと迷いましたが?

檜山は元軽戦士なので、使用経験の有る剣に決定。

因みに槍の名前は【裁きの槍】と言う予定でした。

 

死亡フラグ

帰ったら○○しよう!と言うお約束。

ノイントが死亡フラグを知っていたのは、

使徒として、地球(日本)にも降臨した経験が有るから。と言う設定。




次回は清水の回想回。
ルーザーコンビ始動です☆
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