ありふれた和平で世界平定(ディストピア)   作:LW

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今回は30階層ゲート解放戦。レイド戦です。


07 トータスの平和と、日本に帰還する第一歩だ!

「結局、メタリアだけだったか」

 

「残念だよね?」

 

「空気が重いわ。無駄に探索時間も使ったから」

 

清水は例のメタリックカラーを仲間にした事で、調子に乗った。

調子に乗って、メタル狩りとやらを提案して来た。

要はレベリングだ。メタル専門の。

清水に南雲が同調!仕方無いからメタル狩りを始める。

 

だが例のメタリックカラーは現れ無かった。

流石は噂のレア・モンスターである。清水の悔しがり様が、半端では無い。

時折今でも「くっ最低3体揃えばフル装備が!」とか呟いている。

 

「来たか。道中問題無かったようだな?」

 

「おぉ檜山!お疲れさん」

 

「あぁ、こんな低層で遅れを取るかよ」

 

その後は大迷宮の探索も順調に進んで、30層の合流地点に到着した。

オルクス大迷宮上層30階層。

其処に一つ目のゲートが在る。此処のゲートを解放すれば、

入口近くのゲートポイントから、ショートカットが可能になる。

オルクス大迷宮の、第一攻略目標だ。

 

「南雲君!怪我は無い?」

 

「大丈夫だよ、白崎さん。

 檜山君も清水君も、凄かったから」

 

「あら、それは是非拝見したかったわね?」

 

30層のゲートの手前まで、最初に到達したのは天之河の勇者パーティーだ。

俺達のパーティーは、メタル狩りで時間を浪費して二番手だった。

 

「あれ?え~と、その子はナニ!?」

 

「スライムだ。はぐれなメタルっぽいスライム。

 名前はメタリア」

 

「あっそれ私も知ってる!

 でも、余り可愛くない?本当にその子が!?」

 

「確かに」

 

「リアルスライムに、可愛さを求められても」

 

まぁ勇者様より早いと、天之河が煩かったかもしれない。

俺達のパーティーに、順位を気にするヤツは居ない。どうでも良い事だ。

 

「あれ、出遅れたかな?」

 

暫くして、他のクラスメイトのパーティーも到着する。

俺達のパーティーの直ぐ後に来たのが、中村のパーティーだ。

中村と仲の良い女子ばかりの仲良しパーティー。

魔術師ばかりで良く此処まで、と感心してしまう。

 

「天之河と檜山か、待たせたか?」

 

次に到着したのは、永山のパーティーだ。

中村のパーティーとは真逆の、体育会系脳筋漢パーティー。

やはり永山と仲の良い、部活仲間でパーティーを組んで居るらしい。

言うまでも無く、こっちは戦士ばかり。割と本気で暑苦しい。

 

「ふぅ、やっと到着かよ」

 

最後に到着したのは、寄せ集め臭い近藤パーティーだ。

俺が南雲イジメを止めてから、グループは崩壊した。

だがイジメを止めても、イジメグループが快くクラスに受け入れられる事は無かった。

グループは孤立して、行き場の無いボッチ系が集まってパーティーになった。

それが近藤パーティー。寄せ集めパーティーの所以だった。

 

「皆!無事に合流出来て何よりだ。

 事前情報では、この先にゲートポイントが在る。

 オルクス大迷宮の攻略には欠かせない、重要な攻略ポイントになる。

 だがその事前情報によるとゲートポイントの前に、

【ガーディアン】と呼ばれる大型の魔物が、居座っているらしい」

 

要は此処にも中ボスが居るって事だろう。

そのガーディアンとやらは、コボルトロードより強いのか?

 

「けれど必ず乗り越えられると信じている。

 行くぞ!これがトータスの平和と、日本へ帰還する第一歩だ!!」

 

 

「居たね?ロボットが、ゴーレムだけど」

 

「ゴーレムは別腹だろう」

 

天之河の号令で、30階層レイド戦が始った。

合流地点に鎮座する如何にもと言った大扉の先に、それは居た。

30階層のガーディアン。ジャイアント・ゴーレムのギガンテスだ。

 

ギガンテスは一応人型だが、足が無い。

釣鐘に腕と頭が生えた、浮遊する鎧のゴーレム。それがギガンテスの武威。

 

「スタートサポート!

 【信仰】→【祝福】!!」

 

如何にも硬く、如何にも重そうな豪腕。

ギガンテスの豪腕を警戒して、開幕からスタートサポートを掛ける。

信仰で得た恩恵を【祝福】の効果で共有する。

全体に恩恵を分け与える【祝福】は、大人数のレイド戦でこそ真価を発揮する。

 

「これは、良し!

 恵理は援護を!永山は続けっ!!」

 

天之河Pが永山Pを率いて、ギガンテスに突撃した。

中村Pは後詰の援護だ。

バカ正直過ぎる!如何にも堅牢なギガンテスの装甲が見えないのか?

案の定【祝福】の効果が有った上で、ギガンテスに攻撃が届かない。

 

「硬そうな釣鐘野郎だ。関節を狙う!」

 

天之河Pと永山Pが正面からギガンテスと交戦する中、

俺達は戦場を迂回して、側面からギガンテスの関節部を狙う。

重装甲系を相手取る時の常套手段だ。

 

「ちっザコ共がっ!!」

 

だがそうはさせまいと、ギガンテスは取り巻きを解放する。

ボムゴーレムだ。通称自爆ゴーレム。

見た目はただのストーンゴーレムだが、ダメージが蓄積すると自爆する。

面倒なのがゾロゾロと出て来た。この自爆兵を突破して、仕掛けなければならない。

 

「ザコだな!オレ達に任せろっ!!」

 

しかし近藤Pが華麗に踊り出て、ボムゴーレムの取り巻き部隊に喰らい付く。

取り巻きとの戦いの方が、楽勝だと判断して参戦したのはバレバレだった。

だが助かる事には違いない。取り巻きは近藤Pに任せて、ギガンテスに攻撃を続行。

 

「釣鐘野郎は金属ロボっぽいからな、どうせ弱点は【雷撃】だろ!

 【洗礼】!【雷撃付与】っっ!!!」

 

【洗礼】は自身の武器に、闇を除いた五属性のどれかを任意で付与出来る。

今回は【雷撃付与】だ。祈りの剣に雷撃が宿る。

 

「喰らえっっ!!!」

 

何度も何度も、ギガンテスを雷迅剣で斬り捨てる。

だがギガンテスは沈まない。効いていない訳じゃない。しぶといだけだ。

何度雷迅剣で斬られても、ギガンテスは踏み留まる。

 

「ちっ釣鐘がぁぁっっ!!!」

 

雷迅剣の連撃を前に、ギガンテスは怯んだ。怯んだように見えた。

だがそれは誤りだった。ギガンテスは後退すると、胸の装甲を開いた。

装甲が開くと、中から無数の槍がその姿を現す。

 

「メタリア!メタルシールドッッ!!!」

 

「錬成→【アースウォール】」

 

悪寒がした。死の影を感じた。

俺を捕らえようとする、死神の鎌を幻視した。

無数の槍が、ミサイルの如く投擲される。認識が追い付く前に退避していた。

後方では清水がメタリアを大盾に変化させて、

南雲が土壁を錬成して、後衛陣を護る姿が視界に映る。

 

「うわぁぁぁっっっ!!!」

 

それより外周では、ボムゴーレム達が自爆を始めていた。

近藤Pが連鎖的な爆発を前に、陣形を崩して行く。思ったよりも早い。

 

「今だっ!天之河っっ!!!」

 

「行って!光輝っ!!」

 

永山Pと中村Pが正面からギガンテスを押さえる内に、

天之河Pが、遂にギガンテスの背後を取った。

 

「うおおぉぉぉっっっ!!!!!!」

 

ギガンテスの背後から、天之河Pが決死の攻撃を加える。

怯むギガンテス。だが再び胸の装甲を開いて、天之河Pを捉えた。

 

「やらせるかぁぁっっ!!!」

 

再び開いた胸の装甲部分に、雷迅剣を叩き込む!

何度も何度も、ギガンテスが沈黙するまで叩き込む。

 

「どうだ!釣鐘野郎がっっ!!!」

 

ギガンテスが崩れ墜ちた。

投擲する筈だった槍を真上に撃ち出して、

落下して来た槍に、自ら貫かれて串刺しになった。ギガンテスは沈黙した。

戦いは終った。30階層ゲート解放戦は、勇者Pの勝利で幕を閉じる。

 

 

補足&解説枠。

30階層のガーディアンとのレイド戦です。

 

メタル狩り

経験値獲得が高くレベリングに効率的な、

メタルモンスターを重点的に狙って狩る事。

またはメタルモンスターを、効率的に狩る手段の事。

 

合流地点

ゲームなら、確実にセーブポイントが在る場所。

ボス部屋前の謎の空き部屋。控え室なのかもしれない。

 

近藤P

お察しの通り、最弱のパーティー。

寄せ集め。自分より弱い魔物としか戦わない。←賢い選択。

 

祝福

自身に与えられた恩恵(バフ)を、仲間にも施す技能。

任意に与える恩恵を選択可能。

恩恵を与える人数。与える恩恵の項目数で、消耗するMPが激変。多用は厳禁。

ボムゴーレムの自爆攻撃を前に、近藤Pが生き残れたのはこの技能のおかげ。

 

洗礼

【地】【水】【火】【風】【光】の、

全六属性中、五属性を任意に一つ付与出来る。

しかし六属性中、闇属性だけは付与出来無い。

結果、光属性の相手には優位に立てない。

また作中の雷撃付与の雷属性は、風属性の派生属性となる。

 

メタルシールド

メタリアが武装化して、大盾に変化した姿。

他にも鎧や兜。武器にも変化出来る。高性能枠。

 

武装化した際にもメタリアがサポートしてくれるので、

清水が本来装備出来無い重装備でも、取り扱う事が可能。




そろそろノイントが描きたい気分ですが、まだ不在のシーン。
帝国イベントまで出番が無い予定。と言う訳で、園部さんの出番です☆

次回はホルアドの休日。
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