遊戯王GX─DDS.デジタル_デュエル_ストーリー.女神転生─   作:五月アメフラシ

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第二話 いざ、デュエルアカデミアへ

「くらえ! 『スカイスクレイパー・シュート』!!」

 

 夜の摩天楼を上空高く飛び上がり、空中で静止した十代の《E・HERO(エレメンタルヒーロー) フレイム・ウイングマン》が全身を熱く燃え上がらせる。そのままクロノスの《古代の機械巨人(アンティークギアゴーレム)》に突撃し、激しくぶつかり合う両者。激突した瞬間、目を瞑らんばかりの閃光とともに大爆発が起きる。無傷で十代の横に舞い降りる《フレイム・ウイングマン》とは対照的に、クロノス教諭の《古代の機械巨人》は至る所が焼け焦げてボロボロになっている。更に《フレイム・ウイングマン》の効果による追加ダメージが発生し、クロノス教諭のLPが0になる。結果、最後の試験試合は受験生である十代が見事勝利を収めた。

 

第二話 いざ、デュエルアカデミアへ

 

「いいぞー!110番ー!」

 

 先ほど十代と一緒に居た眼鏡の少年が歓声を上げる。横に座っている三沢も戦ってみたくてウズウズしている様だった。だが、焔は心配そうな顔で十代を見つめている。

 

「どうしたんだ?なんだか暗い顔をしているが。」

「……うん、十代君、勝っちゃったなって。」

「君は110番が勝たなければよかったって言うの?」

 

 焔の発言に眉を顰める眼鏡の少年。三沢も険しい顔で焔を見つめている。

 

「いや、そうじゃなくて、ええと。」

「大丈夫。ちゃんと聞くから、ゆっくり話してほしい。」

 

 三沢に促され、深呼吸をする焔。

 

「うん、もう大丈夫。あのさ、クロノス教諭って実技の最高責任者って言ってたよね。で、十代君は筆記の成績が110番。言っては何だけど成績がいい方ではないよね。」

 

 眼鏡の少年が「まぁ、119番の僕はもっと悪いんだけどね……」と小声で呟く。

 

「でさ、その悪い成績の受験生が、学園で一番デュエルが強い先生に勝っちゃった。しかも恐らくは試験用でない自分のデッキを使って……どうなると思う?」

「どうって……そんなすごいデュエルをしたんだから合格になるんじゃないの?」

「うん。合格はすると思う。でも、僕が言いたいのはその後。」

 

 焔の言葉を聞いて三沢がハッとした表情を浮かべる。

 

「焔はクロノス教諭による報復が起きる……と言いたいのか?」

「そこまでは言わないけど、良くも悪くも注目はされるな……って。」

「それはそうだろうな。だが……ほら、見てみろ。」

 

 三沢が促した先では、周りの観客に向けて勝利をアピールする十代の姿があった。随分とテンションが高そうだ。

 

「あの様子なら、心配はいらないんじゃないか?」

「あんなに注目されても全然動じてなくて……羨ましいなぁ~。」

 

 十代の様子を見て二人が心配は要らないという。だが、焔にはまだ心配事がある。

 

「あと、もう一つ心配事があるんだけど、今度は十代君じゃなくてクロノス教諭の方なんだよね。」

 

 意外な名前が出たとばかりに三沢と眼鏡の少年が顔を見合わせる。

 

「クロノス教諭が十代君に負けちゃったって事はさ、つまり『自分でもいけるんじゃないか?』って考える人や『アカデミアも大したことはない。』って思う人も出てくるんじゃないかなって。」

「だが、クロノス教諭は強い。先ほどのデュエルでもそれはわかると思うが。」

「うん。でもね、自分に変なプライドや根拠のない自信を持ってる人って、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだよ。」

 

 思い当たる記憶があるのだろう。二人とも渋い顔をしている。

 

「そう考えると、これからの実技が不安になってくるな。」

「何かあるたびに授業が中断しそうっす。」

「うん。『でも十代君に負けたんですよね。』とか、『受験生に負けた奴に教わることなんてない!』とか。勿論十代君が勝ってくれたのは同じ受験生として嬉しいんだけど……。」

 

 視線は自然とコートのクロノスに向かう。其処ではクロノスが「何故な~ノ。」と自問自答している。

 

「僕らが心配するのもお門違いなのかもしれないけど、なんともないといいな。」

「うん、それを心配するのは実際に入学してからでいいだろう。」

「そうだね。」

 

 三人でうなずき──

 

「ところで君の名前は?」

 

 二人があっと声を上げる。

 

「そのまま会話になったからすっかり忘れていたな。」

「うん、そうなんだよね。とりあえず自己紹介。僕は神影 焔。」

「俺は三沢 大地。」

「えっと、丸藤(まるふじ) (しょう)です。」

 

 自己紹介を終えると同時にドーム内にアナウンスが流れる。

 

「本年度のデュエルアカデミア入学試験は全て終了いたしました。お忘れ物の無いようお帰りください。繰り返します。本年度のデュエルアカデミア入学試験は全て終了いたしました。お忘れ物の無いようお帰りください。」

 

 気が付けば残っている人も疎らで皆帰り支度をしている。

 

「もうこんな時間か……。」

「この後どうする?話足りないならどこかでお茶でもしながら話す?」

「僕は家に帰るよ。なんとか勝てたけど、受かってるかどうか心配だし。」

「俺も帰るよ。次に会うときはアカデミアだな。」

「じゃぁ、此処で解散しよっか。みんな受かってるといいね。」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「ただいま。」

 

 帰宅の挨拶をするが帰ってくる声はない。しかし、焔の声に応じるように黒電話が鳴り始める。受話器を取ると、聞こえてきたのは父親の声だ。

 

「もしもし、神影です。」

「やあ焔、父さんだ。そろそろ帰ってくる頃だと思ってね。試験はどうだった?」

「うん、たぶん大丈夫だと思う。後は合否の通知を受け取るだけだよ。」

「そうか。どうなるにせよしっかりと準備だけはしておくんだぞ?」

「わかってる。ご飯食べたらやるつもり。」

「ならいいんだ。……そうだ、話は変わるが、あの子達の様子はどうだ?」

「うん、皆元気にしてる。試験の最中ちょっと心配されちゃったけど、大丈夫だよ。」

「それは良かった。……おっと、そろそろ仕事に戻らなくては。じゃぁ、そろそろ切るよ。そっちも何かあったら電話してきなさい。」

「うん。バイバイ、お父さん。」

 

 受話器を置いて一息つくと、焔の周りに蒼白い光りと紫の光が浮かび上がる。光はそれぞれが複数に分かれてくるくると動いた後、ゆっくりと消えていった。

 

「励ましてくれてありがとう。アカデミアでもよろしくね。」

 

 見えない何者かに語り掛けた後、焔は決意を新たにした。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 時は流れて入学当日。新入生たちは海馬コーポレーションの所有する施設に集まっていた。

 

「アカデミア入学生の方はこちらに集まって、係員の指示があるまで此方のスペースでお待ちください。」

 

 通された部屋には他の新入生も集まっており、中には見知った顔もいる。入室した焔にあちらも気が付き声をかけてきた。

 

「あ、焔君。焔君もこの部屋なんだ。」

「久しぶり、丸藤君。」

「翔でいいよ。僕、アカデミアにお兄さんがいるから。」

「そっか。じゃぁ翔君。それに……1番君も。」

 

 翔の隣にいる十代にも声をかける。向こうも焔の事を思い出したようだ。

 

「ああ!試験会場で2番の隣にいた!」

「うん。神影 焔。よろしくね。」

「俺は遊城 十代。十代でいいぜ!こっちこそよろしくな!」

 

 自己紹介とともに差し出された手を握り返す。

 

「しっかし暇だなー。」

「結構スペースは空いてるし、暇つぶしに何かやる?」

「お!ならデュエルしようぜ!どっちがやる?」

「僕はいいや。二人に勝てる気がしないし。」

「じゃぁ十代君、勝負しようか。」

「おう!」

「ただ、周りの人に迷惑がかかるかもしれないから……3ターン経過するか、係の人に呼ばれたらそれまでってことで。」

「え~、最後までやろうぜ。」

「いや~、それで入学できなかったら嫌だし。どうする?」

「う~、分かったよ。」

 

 渋々提案に乗る十代。しかし、いざディスクを構えれば先ほどの不満顔が嘘のように真剣そのものだ。

 

「じゃぁいこうか。」

 

「「デュエル!」」

 

「先攻は僕だ。手札から魔法カード《手札抹殺》を発動。手札があるプレイヤーはその手札を全て捨て、同じ枚数分ドローする。僕は4枚捨てて4枚ドロー。」

「いきなり手札交換かよ。俺は5枚捨てて5枚ドローだ。」

 

 手札交換を行う焔を見て、観戦している翔から十代にアドバイスが飛ぶ。

 

「気を付けて!焔君は墓地を利用するタイプのモンスターを使ってくるよ!」

「まじかよ!って事は……。」

「うん。墓地の《インフェルノイド・アシュメダイ》を除外して手札から《インフェルノイド・ベルゼブル》を守備表示で特殊召喚。」

 

 焔のフィールドに羽の生えた6本足の機械悪魔が現れる。悪魔はそのまま地面に降り立ち、焔を守るように身を固めた。

 

《インフェルノイド・ベルゼブル》

星2/炎属性/悪魔族/攻0/守2000

 

「永続魔法《猛毒の風》を発動。このカードがフィールド上に存在する限り、お互いに風属性モンスターの特殊召喚は出来ない。更に、フィールド上に表側表示で存在する風属性モンスターは攻撃力が500ポイントダウンする。」

 

 辺り一面に紫色の風が漂う。如何にも気分が悪くなりそうだ。

 

「風属性モンスターってことは……。」

「君のエース、《フレイム・ウイングマン》は封じさせてもらったよ。僕はカードを2枚伏せてターンエンド。」

 

  十代

  LP4000/デッキ30/手札5/墓地5/除外0

 

    □□□□□

    □□□□□□

     □ □

   □□□■□□

    □■■■□

 

  LP4000/デッキ31/手札0/墓地4/除外1

  焔

 

「俺の番だな。ドロー!。」

「相手スタンバイフェイズに罠発動、《遡洸(そこう)する煉獄》。相手スタンバイフェイズ毎に、自分の墓地の「インフェルノイド」モンスター1体を対象としてこの効果を発動して、そのモンスターを手札に加える事が出来る。僕は《インフェルノイド・ルキフグス》を手札に。」

 

 焔の手元に火の玉が現れ、一枚のカードに代わる。

 

「一枚は補助用のカードか。ならここは臆せず攻めるぜ!手札から、《E・HERO スパークマン》を召喚!」

 

 激しい雷が降り注ぐと、光の中から青い体に黄金の鎧を身に着けたヒーローが現れる。

 

《E・HERO スパークマン》

星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400

 

「更に手札から装備魔法《スパークガン》を《スパークマン》に装備!自分のターンのメインフェイズ時に表側表示モンスター1体の表示形式を変更する事が出来るぜ!ただし、《スパークガン》の弾丸は3発!弾切れになった瞬間、こいつは破壊される!」

 

 《スパークマン》の右腕に雷が収束すると、専用の銃が現れる。《スパークマン》はマガジンに3発の弾が入っている事を確認すると、《ベルゼブル》に銃口を向けた。

 

「《スパークガン》の効果発動!《ベルゼブル》を攻撃表示に変更するぜ!」

 

 《スパークガン》が《ベルゼブル》の足元に打ち込まれる。驚いて飛び上がった《ベルゼブル》は守備態勢を解いてしまった。

 

「行くぜバトルだ。《スパークマン》で《ベルゼブル》を攻撃!『スパークフラッシュ』!」

「《ベルゼブル》の効果発動!自身を生贄に、十代君の墓地の《融合》を除外!」

 

 《スパークマン》の左手から雷が迸り《ベルゼブル》を貫く瞬間、炎に姿を変えた《ベルゼブル》が十代の墓地を燃え上がらせる。墓地からは《融合》のカードが浮かび上がり燃え尽きた。

 

「なら、《スパークマン》でダイレクトアタック!」

 

 《スパークマン》が今度こそと狙いを定め、再び雷を放つ。

 

「うわぁぁ!」

 

  焔

  LP4000 → LP2400

 

 直撃を受け、LPが大きく削られる。体中から煙が吹き上がり、傍目からはかなり痛そうだ。

 

「やるね。十代君。」

「お前もな。焔。」

 

 二人が分かり合う中、翔が一人首を傾げている。

 

「えぇ?なんでモンスターを生贄に?」

「《ベルゼブル》の攻撃力は0。そのままならただやられてダメージもダイレクトアタックと変わりがない。」

「でも、あそこで効果を使っていれば墓地のカードを除外できる。その方が相手のアドバンテージを削れるからね。」

「な、なるほどー。」

 

 二人の説明で納得する翔。周りからも「へー、そうなんだ。」と言った声が聞こえてくる。

 

「え?……うわぁ!?」

「クロノス教諭に勝った腕を見せてくれよー!」

「イケイケー!」

 

 声に気が付いて周りを見渡してみれば、結構な数のギャラリーが三人を囲っている。

 

「へへっ。盛り上がってきたぜ。もう一度《スパークガン》の効果を発動。《スパークマン》を守備表示に。さらにカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

  十代

  LP4000/デッキ29/手札2/墓地4/除外1

 

    □■■■□

    □□■□□□

     □ □

   □□□□□□

    □■■■□

 

  LP2400/デッキ31/手札1/墓地4/除外1

  焔

 

「観客がいるなら無様な真似は出来ないかな。僕のターン、ドロー!スタンバイフェイズに《遡洸する煉獄》第二の効果発動。除外されている自身の「インフェルノイド」モンスター一体を墓地に戻す。《アシュメダイ》を墓地に。」

 

 火の玉が現れ、焔の墓地に沈んでいく。その光景を見て、翔が考え込んでいる。

 

「えっと、「インフェルノイド」の特殊召喚で「インフェルノイド」が除外されて、相手のターンに《遡洸する煉獄》の効果で墓地の「インフェルノイド」が手札に。それでまた自分のターンに除外されている「インフェルノイド」が墓地に……って召喚し放題じゃないか!」

「そううまくはいかないけどね。さて、手札より速攻魔法《ツインツイスター》発動!手札を1枚捨て、伏せカード2枚を破壊する!」

 

 突如現れた二つの竜巻が十代のフィールドを襲う。竜巻は2枚のカードを巻き上げるが、消え去るのは片方だけ。

 

「破壊された《ヒーロー・メダル》の効果発動!相手がコントロールするカードの効果でセットされたこのカードが破壊され墓地に送られた時、このカードをデッキに加えてシャッフル!そして1枚ドロー!」

 

 十代の胸にメダルが輝くと、デッキトップもまた輝く。勢いよくドローしたカードを見て、十代が「よしっ!」と声を上げる。

 

「手札を増やされちゃったか……なら、墓地の《ベルゼブル》と《インフェルノイド・シャイターン》を除外して墓地から《アシュメダイ》を攻撃表示で特殊召喚!」

 

 炎と共に槍を持った機械悪魔が現れる。槍を回転させながら左右交互に振り回した後、槍先を相手に向ける。やる気満々のようだ。

 

《インフェルノイド・アシュメダイ》

星5/炎属性/悪魔族/攻2200/守0

 

「《アシュメダイ》でスパークマンを攻撃!」

 

 勢いよく槍を振り被り、《スパークマン》に投げ付ける。槍は吸い込まれるように《スパークマン》の胸に突き刺さった。

 

「うーん、何も出来ない。ターンエンドで。」

 

  十代

  LP4000/デッキ29/手札3/墓地7/除外1

 

    □□□□□

    □□□□□□

     □ □

   □□□□□□

    □■■■□

 

  LP2400/デッキ30/手札0/墓地4/除外2

  焔

 

「俺のターン!ドロー!」

「スタンバイフェイズに《遡行する煉獄》の効果発動。墓地の《インフェルノイド・アスタロス》を手札に。」

「いいぜ!よっしゃ、いっくぜー!手札から《融合》を発動!」

 

 手札から魔法カードを掲げる十代。切り札の登場を予感して周囲にもざわめきが起きる。

 

「手札の《E・HERO ワイルドマン》と《E・HERO エッジマン》を融合!《E・HERO ワイルドジャギーマン》を攻撃表示で特殊召喚!」

 

《E・HERO ワイルドジャギーマン》

星8/地属性/戦士族/攻2600/守2300

 

 浅黒い肌の戦士と、黄金の鎧に身を包んだ戦士が上空で光となって混ざり合い、金色の兜を被った筋骨隆々な戦士が現れる。《ワイルドジャギーマン》が力強く着地しようとし──

 

「罠発動!《煉獄の落とし穴》!」

 

 そのまま穴に落ちていく。落下音がだんだんと小さくなっていき、穴から強大な火柱が上がった。

 

「攻撃力2000以上の効果モンスターが特殊召喚されたときに発動!その攻撃力2000以上のモンスター一体を選び、効果を無効にして破壊!」

 

 誰も居なくなったフィールドに寒々とした一陣の風が吹く。周囲が十代に「この空気どうすんだよ……。」と視線で訴えている。

 

「……あっはっは!全然使わないから行けると思ったんだけどなー!仕方ねぇや!俺はリバースカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

  十代

  LP4000/デッキ28/手札0/墓地11/除外1

 

    □□■□□

    □□□□□□

     □ □

   □□□□□□

    □■■□□

 

  LP2400/デッキ30/手札1/墓地3/除外2

  焔

 

「いくよ。ドロー!スタンバイフェイズに《遡行する煉獄》の効果で除外されている《シャイターン》を墓地に。墓地の《シャイターン》を除外して《アスタロス》攻撃表示で特殊召喚。」

 

 竜の様な顔をした機械悪魔が翼を広げて舞い降り、手にしたウォーピックを振りながら唸り声を上げる。

 

《インフェルノイド・アスタロス》

星4/炎属性/悪魔族/攻1800/守0

 

「《アスタロス》の効果発動。1ターンに一度、フィールドの魔法、罠を1枚破壊できる。十代君のセットカードを破壊。」

 

 《アスタロス》がウォーピックを振り下ろし、セットカードを破壊する。どうやらこのタイミングで発動できるカードではなかったようだ。

 

「これでがら空きだけど、破壊効果を使った《アスタロス》は攻撃が出来ない。僕は《アシュメダイ》でダイレクトアタック!」

 

 《アシュメダイ》が槍を振り下ろし、十代を切りつける。

 

「ぐあぁぁ!」

 

 大きなダメージに思わず膝をつく十代。だが、その口元は笑っている。

 

  十代

  LP4000 → LP1800

 

「一枚伏せてターンエンド。で、約束通りこれでお終い。」

「え~、もうちょっと、後1ターンだけやろうぜ~。」

「そうだそうだ!決着つけろ!」

「ここでお預けは無しだぜ!」

 

 十代とギャラリーが騒ぎ出す。ついにはデュエルコールまで上がり始め、翔はおろおろしだす。

 

「う~ん、じゃぁ仕方がない。」

「お!やる気になったか?」

「係員さん、彼等はデュエルで残るそうなので案内お願いします。」

「はい。では此方へどうぞ。」

 

 いつの間にか入り口に立っていた黒服の男性が焔だけを案内しようとする。

 

「げぇ~!待った待った!俺たちも行きまーす!」

 

 大慌てで荷物を纏めてついてくる十代達。

 

「ひっでぇなー。気が付いてたんなら言ってくれたらよかったのによー。」

「いやぁ、ああでも言わないと止まりそうになかったからつい。」

「焔君って顔に似合わず結構いい性格してるね。」

「うーん、初めて言われたなぁ。」

「ま、今回はお預けになっちまったけどアカデミアについたらまたやろうぜ!」

「うん、次を楽しみにしてるよ。」

 

 駆けだす十代を目で追いながら期待に胸を膨らませる焔。彼らのアカデミアでの生活はこれから始まるのだ。

 

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