継続は力なり!!   作:花河相

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入学式で恥をかきました。

 入学式当日、俺らはじいちゃん、ばあちゃんと共に馬車に乗り学院に向かった。

 馬車の中ではばあちゃんから「もう言っても意味ないけど、人様に迷惑はかけるんじゃないよ」

 

 ばあちゃんは諦め気味に言ってきた。

 そしてそのあと、シンが昨日付与した制服について、「絶対に人に知られてはいけないよ、せめてこれだけは守るさね」って言われた。

 まー確かにそうだ。

《絶対魔法防御》《物理衝撃完全吸収》《自動治癒》《防汚》

 

 こんな着れば無敵になれる国宝級の魔道具を知られたら流石にまずい。

 シンはこのことに気付いていない。ほんと規格外で常識のない奴はこれだから困る。

 この話は後で指摘あると思うし、そろそろ準備を始めよう。

 俺とシンは昨日の内から馬車が学院に着いた時の行動を決めていたのだ。

 

「賢者様ー導師様」

「すてきーこっち見てー」

「サインお願いします」

 

 などなど、馬車から降りた瞬間人が押し寄せてきて、面倒臭いため、すぐに退散させてもらおう。

 開いた瞬間俺とシンは《ゲート》を発動

 

「ちょっとお待ち!」

 

 その場を離脱した。

 

 

 

 

 

 

 入学式はそれぞれ指定された席に座る。

 シンはSクラス、俺はAクラスでそれぞれの場所に移動した。 

 

 

 

 

 今頃シンは運命の再会してるところかな〜。

 そんなことを思っていると入学式が始まり、シンの見せ場である新入生代表挨拶が始まろうとしていた。

 

「それでは続きまして、新入生代表挨拶です。今年度入学試験首席合格者、シン=ウォルフォード君」

 

 瞬間会場が騒がしくなる。

 そして、シンの挨拶が始まった。

 

「御紹介に預かりました、新入生代表シン=ウォルフォードです。今日この良き日に、保護者、御来賓の方々に見守られ、教師、在校生の方々に迎えられ、このアールスハイド高等魔法学院に入学出来たことを大変嬉しく思います」

 

「私は幼い頃より、家族や知人から様々な事を学んで参りました。しかし、如何せん祖父が隠居していた森の奥で暮らしていた為、世間を知らずに育ってしまいました。そんな折、とある方にこう言われたのです。「学院に入って常識を学んで来い」と」

 

「王都に来てから私の環境は劇的に変わりました。既に何人かの友人も出来ました。学院に入学すれば更に多くの出会いがあるでしょう。私はそれが楽しみでなりません。勉強はどうした? と言われそうですが、私にとって人との出会いこそ大切で重要な事なのです。だから勉強しろと思われると思います。当然勉強も疎かにするつもりはありません。知り合った人々と、切磋琢磨しあえる関係が築けたらと思います」

 

「ですので皆さん、世間知らずだからと言って仲間外れにはしないで下さいね? そんな事をされると泣いてしまうかもしれません」

 

 

 ブッ!あはははははははは

 あいつ本当にやりやがった。

 今回の挨拶文、原作とほとんど変わらない。

 何が違うかというと、俺とオーグが意図的に言わせたという点だ。

 俺は新入生代表がシンに決まってからシンは文章にユーモアを入れた方がいいかどうか悩んでいた。そんなシンに俺は「主流らしいよ」と教えた。

 しかしシンは俺を信用せず、オーグに質問するも、シンの質問に肯定した。

 そうなんだ、と一人納得したシンはオーグの言葉を聞き、素直に信じて文章を考え始めた。

 ちなみにこの世界には文章にユーモアを入れるという風習がない。

 

 では何故オーグは肯定したのか?

 それは至って簡単、俺とオーグが仕組んだものだからだ。

 シンがオーグには聞く前にディスおじさんを通してオーグと連絡し合い実行した。

 ちなみにディスおじさんは最近毎日来ている為、やりとりは速やかに終わり、入学式の本番を迎えたのだ。

 

 俺は笑いに堪えるのが必死だった。

 ふと、もう一人の主犯者のオーグを確認するも俺と同じように笑いを堪えていた。

 周囲はざわめきを増した。

 シンも何かの異変に気がついたのだろう。周囲の反応、そして何より俺とオーグの反応。

 気づいた時には遅かった。シンは顔を赤くし下を向いた。

 そんな時、ふと何かを思いついたのか、シンは顔を上げ、笑いながら言った。

 

「皆さんもご存知の通り、私には双子の弟がいます。学院に入学する理由は私と一緒で常識を学ぶ為です。しかし、弟のジンは恥ずかしながら私よりも常識が欠けています。同じクラスとなるAクラスの皆さんにはご迷惑をお掛けしてしまうと思います。その際はジンの力となってあげてください。私からのささやかなお願いです」

 

 俺はその言葉を聞き、周囲を見渡し、クラスメイトとなる人たちから温かい目で見られ、クスクスと笑われた。約一名なんかすごい敵意のある視線が混じってるが。

 あの野郎ふざけやがって!

 自爆するなら一人でやってろ!俺を巻き込むな。

 クラスメイトに笑われ、俺は恥をかいたじゃないか!

 

 でも、ダメだ。

 我慢しろ。あいつに文句を言うのは式が終わってからだ。

 

 

 

「保護者、御来賓の皆様、私達を常に温かく、そして時々厳しく見守っていて下さい。教師、在校生の皆様、生意気な生徒、後輩であるかと思いますが、何卒苛めないで下さい。三年後、より大きく成長して羽ばたいて行けるよう、私達は頑張って行きますので、御指導御鞭撻のほど宜しく御願い致します。新入生代表、シン=ウォルフォード」

 

 そう言って言葉を終わらせた。

 壇上から降りてくるとき、目があった。

 ざまぁ。俺にはその視線の意味をそう捉えた。

 

 その後、ディスおじさんがシンのユーモアな挨拶を取り入れ挨拶し、入学式が終了した。

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