その日の放課後、俺はシン、マリア、シシリーの3人と合流し、帰路についた。
その日の昼にシンがシシリーに「一緒にいろ」とか恥ずかしいセリフを言っていたことをマリアから聞いて、爆笑した。
シンは一瞬イラッとした雰囲気をしたが、護衛に気を抜いてはいけないから、何もなく終わった。
しばらく歩き、屋敷についた。
帰るとばあちゃんが客間でくつろいでおり、俺たち4人が帰ると
「おかえり。今日は愚孫の粗相はなかったかい?」
「「はい。何も起きませんでした」」
何故かマリアとシシリーが反応した。
「「いや、その質問おかしくない?」」
俺とシンが親友同士のハモリに続き質問する。
「なんだい?あんたたちの粗相以外何か気にすることあるさね?」
「いや、昨日の件。カート件だよ」
「ボケるにしては早すぎだよ。ばあちゃんも歳d「バシンッ!」……」
ばあちゃんが答えた後、シン、俺と言葉を続けた。
しかし俺の言葉は最後まで言う事ができず、ハリセンで叩かれた。
「イテーな!!なんで急に叩くんだよ?酷いよ。俺が何したって言うんだ!」
「……これは常識以前の問題さね。いいかいジン。今回はこれだけで許したげる。もう二度と女性の歳、そして秘密とか用事、それらに関わる事はを聞いちゃダメだよ。わかったね?」
ばあちゃん………多分今までで一番こえーよ。
女性に年齢を聞いてはだめ、それに類似していることはしてはダメ。
俺はその場で正座、土下座をした。
「申し訳ありませんでしたーーーーー」
頭を床に擦り付け、これでもかと言うくらいに謝った。
本能の生命危機。
それほどまでに今日のばあちゃんの笑みは怖すぎた。
今までの何倍、何十倍もの威圧を放ち、その場にいる全員を奮い立たされた。そして誓う。もうこんな事は二度としないと。
それはシンも同じだった。
それからしばらく時間が経ち、ばあちゃんのお怒りも冷めた。
そしたらばあちゃんはため息を吐いてから俺とシンの質問に答える。
「そういえばさっきの件だったね。あまり心配はしてないよ。あんたら二人は護衛に対する安心感は優れているからね、護衛に対する安心感は」
「ばあちゃん……何で2回言ったの?」
ばあちゃんが答え、シンが質問する。
「何でって、アンタら二人だよ?一人は一国を簡単に滅ぼせる人間兵器、もう一人は全人類全てで攻めても破れない鉄壁の人間要塞。人格的安定感はないが、護衛を任せられる安心感は違うさね。国が攻め込むならいざ知らず、たった一個人がやったところで返り討ちに遭うのは根に見えてるさね」
やばい、意味がわからない。
普通に俺とシンを罵倒したと思ったら褒めてきた?
ほんと俺とシンの扱いが人間扱いされてないような。
人間扱いされても子供をあやす感じ?
意味が分からず、俺もシンも黙ってばあちゃんを見続ける。
そしたらばあちゃんは
「褒めてるんだよ!」
「「そっか!!」」
なんか誤魔化されたような?でもいいか!ばあちゃんが言う事は絶対だ。
俺とシンは久々に褒められたことを嬉しく思った。
洗脳されてる?
そんなやりとりがあり、俺、ばあちゃん、シン、シシリー、マリアは学院であったことを話し始めた。
今日あったこと、カートの処遇についてさまざまな話をした。
そんな中、マリアから
「……噂なんだけど、ジンは女性経験豊富とか、他国に恋人いるって本当なの?」
と少々緊張しているような、不安なのか表情が暗い。
冗談で、はーいその通りです的なことを言えるような雰囲気じゃなかったため、
「何その噂?初めて聞いたんだけど、経験豊富ってどこから来たの?上も下も新品だよ!」
ただ、答えるのもつまらないかーっと思い、若干下ネタを混じえて答えた。
そしたらマリアは俺の発言を理解してか、さっきまでの緊張した雰囲気は一瞬で吹き飛び、そして、顔を赤くした。
あ、かわいい!
パシンッ!
瞬間ばあちゃんからハリセンで叩かれた。
「デリカシーのないアンタは少々話が必要だね」
怒りながら俺は首根っこ掴まれて客間から退場。
「いいかい。ああ言った話は異性のいる前で絶対にすんじゃないよ。わかったね?」
「はい」
そのあと、ハリセンでボコボコにされ、意識が途切れてしまった。
なんでぇー!
メリダがジンをしばいて、戻った時、客間にはシンとシシリーの二人のみだった。
メリダは様子を伺っていると、お花摘みから帰ってきたマリアとたまたま居合わた。
「あぁ、マリア、さっきはジンが粗相をしたね。悪かったよ。もうあんなこと言わないように体に刻み込んでおいたから安心しな!」
「そんな!導師様がお気になさることでは!」
「いやいや、あ、その導師様って言うのはやめておくれ。メリダでいいさね。……ジンのやつはシン以上に知識はあっても、時々ズレた発言をしまくる。言える時に言わないとダメさね」
そう床で未だに倒れているジンを指差しながらマリアに言う。
その後、メリダはマリアに気になっていた質問をする。
「マリア、少々質問がある」
メリダは床に倒れてるジンを指差しながら
「お前さん、ジンの事を好いとるね?」
メリダの直球の質問。その場は緊張感に包まれでも、マリアはメリダの目を注視し、
「私はジンが好きです。この気持ちは誰にも負けません」
そう宣言した。そして自分が言ったことに対して恥ずかしさが増し、顔を赤くして俯いてしまった。
「はぁー。この子も罪作りなこさね?女にここまで言わせてるのに当の本人は全く気付いてない。マリア、ジンはシン以上に一筋縄じゃいかないさね。それでもいいんだね?」
値踏みされているかのような緊張感。
そんなメリダの言葉にマリアは、
「はい!!」
その返事を確認するや否や。
「ジンのこと、頼んだよ。お前さんしかこの子は頼めそうにない」
好きでいることを親公認になった。
そのことを自覚し、マリアはさらに顔を赤くする。
体の中から嬉しさが込み上げてきた。
「まー、ジンの一件はこのくらいにしておいて、次の質問さね」
そう言ってメリダはシンとシシリーの様子をみる。
メリダはマリアに今の二人の関係性を聞き、今のままではまずいと判断。
シンはシシリーに好意を持っているが、自分は好かれていない。
シシリーに限っては好意すら自覚していない。
焦るのは当然だ。
そしてこの現状を打破させるため、メリダはマリアに協力を仰いだ。
「マリア、シシリーの好意を自覚させるために明日シンと買い物いて欲しい。嫉妬心を煽げば流石のシシリーも自覚するさね」
「え……でも?」
マリアは未だ倒れているジンを見て反応する。
マリアはメリダの頼みを了承に戸惑う。
「……マリア以外頼めないんだよ。頼まれてはもらえんかね?」
「…………」
黙るマリア。悩む理由は好きな異性がいるのに他の異性と出かけることに抵抗感があるからだ。
メリダはマリアの態度を察して提案した。
「引き受けてくれるなら、アタシがジンとのデートを設置してあげるさね」
「…………わかりました。お引き受けします。…………ただ」
「ただ?」
マリアにとったメリダの提案はとても魅力的だった。
メリダに自然にデートを組んでもらえるのは今後のことを考えるといいからだ。
しかしマリアはメリダの提案を了承後、条件をつけた。
「ジンには全部話してください。ジンに……不埒な女だなんて思われたくないですから」
「まぁジンに限ってそんな事はないと思うけど。いっそのこと、ジンも引き込むさね。シシリーももちろん反論するだろうし、ジンにはその対応策を考えてもらおうかね」
「へ?何でですか?」
「何でって、ジンを引き込んじまえばお前さんが気にしていること全て解決できる。それにジンは相手との駆け引きが得意でね。人に誤解をさせるやり方とか考えるのが上手いんだよ。まぁ何故かシンと喧嘩する時は頭が悪くなるんだけどね」
「流石に言い過ぎ……ではありませんね」
「何か心当たりでもあるんかい?」
「はい……」
マリアはメリダの言葉に否定しようとするもの、初対面で一度やられてることがあった。そのことをメリダに話すと。
「はぁ。本当にどうしようもない子だね、全く」
「でも、状況が状況でしたし、しょうがないと思います」
「人を普通に騙す時点でダメさね」
「それは言えてますね」
マリアとメリダはお互いにため息をする。
その目線は未だ床で気絶しているジンに向ける。
「ま、とりあえずジンを起こそうかね?話が進まないし」
そういうとメリダは水魔法でジンに水をかける。
「?!冷た!!何すんだよ!」
「あんたが起きるの遅いのが悪いんだよ」
「いや、限度があるじゃん。下着びしょびしょじゃん」
「別にいいじゃないか?」
「よくないよ!!」
メリダとジンのやりとりを見てマリアは自然と笑みが溢れる。
(私もいつか)
そう思うマリアだった。