継続は力なり!!   作:花河相

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黒幕と戦闘が起こったようです。

 シンはジンと別れたあとオーグ、マリア、シシリー、ユリウス、トール、トニー、マーク、オリビアの八人と共にビーン工房に向かった。

 行く道中では男子勢はシンの剣の話題で盛り上がり、マリアたち女性陣はシン達がビーン工房にいる間、石窯亭に行くというそれぞれの今後の予定で話をしていた。

 

「うぉ……でかい建物だな、何だここ?」

「ああ、ここは警備隊の詰所っすね。そこの建物が練兵場で奥に詰所があるっす」

「へぇ、そうなんだ」

 

 移動最中シンが見たことのない大きなコンクリートでできた建物について驚きの声をあげ、マークがその質問に答えた。

 

 ドゴーン!!

 

「なんだ!」

 

 穏やかな会話から突然の出来事。練兵場の反対側から大きな爆発音がした。シンは驚き、声を上げ周囲を確認し、これはまずいと思ったか、爆発が起きたところへ急行した。

 

 

 

 

 

 シン達が爆発した場所に着くと、壁がなくなり、土煙が舞っていた。

 無くなった壁のほぼ真下には兵士が二名倒れており、オーグはそれに気がつくと近寄り声をかける。

 

「何があった!!」

「殿下……危険です。お逃げください」

 

 オーグに話しかけられた兵士の男性がそう言い、すぐに気絶をした。おそらく最後の力を振り絞ってあったのだろう。

 

「おい、しっかりしろ!!」

 

 オーグは気を失った兵士に慌てて声をかけるも、反応はなかった。ただ、命に別状がないとわかり、息を吐く。

 

「おや?」

 

 ふと、オーグたちが安心したのも束の間、まるでこの場に似つかない緊張感のない声が聞こえ、シン達はその声の主に意識を向ける。

 そして、皆瞬間で警戒を高めた。

 そこには以前カートの事件が終わって次の日にクラスで話していた時に話題となった男がいた。

 

「両目に眼帯……あれがこの前言ってた……」

「ああ、間違いない。オリバー=シュトロームだ」

 

 シンの質問にオーグが答えたことでシンは確証した。全ての黒幕にして元凶の男、シュトロームのことを。

 

「おや?アウグスト殿下にシン=ウォルフォード君ではありませんか?……ジン=ウォルフォード君はいないのですね。これはよかった」

「お前何を言って!」

 

 シンはシュトロームが言ったことに驚き、疑問を感じた。

 自分たちのことを知っていたことにも驚きはしたが、何より眼帯で目が見えていないはずなのにまるで全て見えているかのように話したのだ。

 

「お逃げ下さい殿下!そいつが魔人騒動の首謀者です」

 

 誰が言ったかは今のシンにはわからなかったが、その言葉を聞きシンの怒りが増す。

 だが、ここで冷静さを欠いてはいけない。シンは吹き出しそうになる怒りを鎮めーー。

 

「全てお前がやったのか?カートを操っていたことも、全てお前が」

 

 そう質問する。

 シュトロームはシンの質問に対し、ため息を吐きながら返答をする。

 

「だから何というのですか?いやぁ、彼はとてもいい実験体でしたよ。しかし、魔人化したのにも関わらずあそこまで弱いとは、少しショックを受けましたがね」

 

 シンはその言葉を聞き確信した。

 こいつをこのままにしておいたらまずいと。

 

「この!」

 

 シンはシュトロームをこの場で倒すことを決断し、異空間収納からバイブレーションソードを右手に持ち、左手で青い炎の魔法を発動させ、シュトロームに向かって放つ。

 

 ドゴーン!

 

 爆風でシュトロームの視界を奪い、後ろへ回り込み斬りつけるが、シュトロームは危なげなく、斬撃を避ける。

 

「危ないですね。その剣。魔道具ですね?」

「さーね?」

 

 シュトロームはシンが使っている剣を魔道具と断定、そう質問を投げかけた。シンはシュトロームの言動を聞き、さらに警戒心を上げる。そして、シンは答えることなく体制を崩しているシュトロームに向かい追撃を行う。

 

「この!」

 

 使った魔法はシュトローム足元から尖った氷を出すもの。しかし、シュトロームはそれを「浮遊魔法」で空中に逃げ込んだ。

 

「空飛ぶとか反則かよ」

「戦闘においてそんなことは些細なものでは?」

「そうかよ!」

 

 シンは空を飛んでいるシュトロームに声をかけるも、また、青い炎の魔法を放ち、つづけて、ジェットブーツでシュトロームに接近する。

 

「何!!」

「空飛べるのはお前だけじゃないんだよ!!」

 

 シンはシュトロームの意表をつき接近、バイブレーションソードで斬りつける。

 しかし、これも眼帯にはあたりはしたものの、躱されてしまう。

 シンは即座に追撃のために青い炎をシュトロームに向けて放つ。

 

「調子に乗るな!!」

「ク!!」

 

 シュトロームは自分の周囲を爆散させ、シンを吹き飛ばした。

 シンは障壁で自分の身を守りながら地面へと着地し、シュトロームを見た。

 

「え!?」

 

 シュトロームの目を見たシンは驚く。

 

「意識を保ったままの魔人!」

 

 シュトロームの目は赤く染まっていた。それは魔人の特徴であった。

 

(こいつはこのままにしていたらまずい。こいつはここで倒す!)

 

 シンはシュトロームをこの場で仕留める決意し、攻撃力があり、街中で使っても問題ない魔法の準備をする。

 シンは青い炎の魔法シュトロームの頭上、天井に向けて放ち、穴を開けて魔法の構築を始める

 使う魔法は光線魔法。太陽の光を蓄積させ、放つ魔法だ。

 

  そんなシンにシュトロームはーー。

 

「賢者の孫と言ってもこの程度ですか、魔法を外すなんて大したことありませんね。……私だけに集中していて良いのですか?」

「え?」

 

 シンはシュトロームに問いかけられ一瞬理解できなかったが、周りを見て理解した。

 理解してからでは遅かった。

 

「やめろ!!」

 

 しかし、その叫びは届かない。

 シュトロームは周囲にいる兵士達、そしてオーグ達に向けて、火炎放射魔法を放った。

 この場にいる、オーグ、シシリー、マリア、トール、ユリウスの5人ならその魔法を受けても、問題ないだろう

 マリアはジンから貰った魔道具があり、他4人の制服には国宝級の付与がしてある。

 

 それ以外の人は助からない。

 シンは慌てて、障壁魔法を発動しようとするも間に合わない。

 シュトロームが放った魔法はオーグ達、そして兵士達に向かっていく。

 

ドカン!!

 

 魔法発射から数秒でシュトロームの魔法が直撃し、爆風が起こる。

 

 「そんな……」

 

 シンは後悔に駆られた。もう少し自分が強ければ……みんなを守る力が有ればこんなことには……。

 

「なに!?」

 

 しかし魔法は何かの見えない壁によってオーグ達、そして兵士達にも直撃することはなかった。

 シュトロームは目の前の光景に驚きの声をあげ、シンは魔力感知で自分が最も信頼を置いている者の魔力を感じ、安堵した。

 

「すまない。待たせて悪かった」

 

 この場にいる全員が声のした方向へ向く。

 そこには腕を組み、空中に立っているジンの姿があった。

 

「選手交代だ」

 

 その言葉を言ったジンはシュトロームの攻撃を難なく守り、全てを無力化したジンはまさに英雄であった。

 

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