戦姫絶唱シンフォギア〜錬金術師と新たなるコアメダル〜   作:ゆきリア

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3年半も放置した愚か者がいるらしいですよ。
……頑張って書きます。申し訳ありません。


2話 メダルと欲望と未知の敵

 自らの欲望のために人々を襲うグリードというメダルの怪人。

 そんな彼らの欲望を食い止めるために戦ったものがいた。

 仮面ライダーオーズ。

 その変身者である火野映司。かつては協力関係で、現在は雇い主である鴻上ファウンデーション会長・鴻上光生に呼び出されていた。

 

「お久しぶりです鴻上さん。俺に用があるって、何かあったんですか?」

「よく来てくれたね火野くん! 早速で悪いが、これを見てほしい」

 

 そう言って鴻上は自身のデスクに、セルメダルと呼ばれている二枚のメダルを置いた。

 火野は1枚を手に取って尋ねる。

 

「これ、どうしたんですか? まさかまたグリードが?!」

「残念ながらグリードは出ていないよ。まぁ落ち着いてよく見たまえ、君の今持ってるメダルと、机のメダルを」

 

 鴻上に促されてまじまじと二つを見比べると、あることに気づいた。

 

「──あ、色が若干違う?」

「その通り!!! 今火野くんが持ってる方が、かつてグリードが生み出したヤミーから取れたものだ。君も馴染み深いだろう?」

 

 そう言うと鴻上は机の下に置いてある箱へ手を伸ばす。

 その中に詰められている大量のセルメダルを鷲掴みにして机の上へ無造作に置いていった。

 さながら投げるように置かれていくそれは、みるみるうちにひとかたまりの小さな山となった。

 

「そして問題はこっちだ。君の言う通り、若干ではあるが色が異なっている。これらの方が色が薄く、中に秘められた力もやや弱いことが分かった」

 

 まあ、弱いと言っても素晴らしいエネルギーだがね、と付け加える。

 

「どうしたんですか、これ。研究所で新しく作ったんですか?」

「そうだったらどれだけよかったことか。残念ながらあのドクター真木でもそんな事はできなかったよ。……これを見たまえ」

 

 元から机の隅に置かれていたタブレット端末を操作し、火野の方へ向ける。

 向けられた画面にはある動画が流れていた。

 

「これは──っ!?」

「この謎の生命体を倒した結果、出てきたのが『コレ』だ。実に面白いだろう?」

 

 その動画は、形も大きさも様々でカラフルな色をしたナニカが空から湧いて出てきている様子を映したものだった。動画は3分ほどと短くはあるが、咄嗟に回したというよりこの映像のために構えられていることが構図から見て取れる。

 会長が揃えている戦力であるベンダー部隊の攻撃で倒せるあたり、そう強い相手ではないことが窺えるが、敵の量が膨大である。この短い動画だけでも尽きることなく湧いてきているので、実際にはどれほど出てきているか考えたくもない。

 

「ヤミーとは違うけど、放ってはおけないです」

「君ならそう言ってくれると思っていたよ! これを持っていきたまえ!」

 

 鴻上会長はデスクからとあるものを取り出した。

 取り出したものは硬貨よりも一回りほど大きいメダルだった。かつて多くのメダルを取り込んだドクター真木を打ち破った際に失われたはずのメダル。

 先ほどまで取り出していたセルメダルとは異なり鮮やかな色をしたソレを3枚、火野へ渡す。

 

「コアメダルじゃないですか。もしかしてこれも?」

「その通り。やつらの中でも飛び切りの敵を倒した中から回収したものだよ」

「やっぱりこれもなんとなく色が薄いですね……あの時のものじゃないか」

 

 メダルを透かすように天井の明かりにかざして見て言う。

 そう話しながら火野は、懐に入れた袋の中身に思いを馳せていた。

 

「メダルはクワガタ、クジャク、チーターだ。残念ながらコンボにはならなかったが、君を呼んだ理由は分かってもらえたかね」

「──これを使って変身しろ、ってことですよね。分かりました、被害が増える前に俺も戦います」

「さすがは火野くんだ! だが、君にやってほしいことはそれじゃあない」

 

 鴻上は端末を手に取り、別の動画を表示させた。画面はどこかの空をメインで映しており、距離があるため不明瞭だが黒い穴のようなものを捉えたものだとわかる。

 画面には『LIVE』と表示されており、リアルタイムの映像のようだ。

 

「見たまえ、この上空に浮かんでいる不思議な穴を」

 

 動画を拡大して火野へ向ける。

 恐らくどこか高層の建物から望遠で映しているようだ。画面下に若干見えている地上では、黒い穴の下あたりに戦闘態勢を崩さない人々が構えていることがわずかに視認できた。

 

「不定期だが、先ほどの映像のようにヤミーではない何かが湧いて出てくる穴が開いていてね。いろいろと調査を進めてはいるがどうにも科学技術ではなさそうというのが現在の我々の結論だ」

 

 そこで、と鴻上は火野と向き合って言う。

 

「火野くん! 君にはあの穴に入って原因を突き止めてほしい!!! 幸いまだ被害者は出ていないが、いつ出るかも分からない」

「──はい、分かりました、確認してきます。ところで誰かあの先を見た人はいるんですか?」

「どうやら生身の人間では踏み入れられないようでね。だが安心したまえ! セルメダルの力を使ったバースシステムなら内部に侵入できることを確認済みだ。おそらくより上位の、コアメダルを使ったオーズならば同様の活動が可能なはずだ」

 

 鴻上は先ほど手元に用意したコアメダル3枚すべてを火野へ渡した。

 手渡された火野も無言で頷いてメダルを受け取る。

 

「バース、もう一回作ったんですね。伊達さんがいるんですか?」

「彼は今海外でね! 緊急につき声をかけてははいるのだがまだ来てくれてないよ。つまり──」

「──つまり、俺があの変なヤツらを倒していたというわけさ。久しぶりだな火野」

 

 いつの間にか部屋に入ってきていた男性、後藤が鴻上の話に割り込む。

 彼はかつて、火野や先ほど火野が挙げた伊達とともに、仮面ライダーバースとしてグリードやヤミーたちと戦った仲間である。

 

「後藤さん! お元気そうで何よりです!」

「まあ元気かは怪しいがな……」

 

 笑顔で火野と対面する後藤はしかし、やや疲れがあるのかそこまで覇気を感じられない。

 

「ナイスタイミングだ後藤くん! ちょうど説明が終わったところだ、これから例の穴へ案内してくれたまえ」

「はい、会長。火野への物資はどうなっていますか」

「既に手配済みだ。里中くん」

 

 後藤を連れてきてドア前に控えていた鴻上の秘書、里中は既に準備済みであることを伝える。

 火野と後藤は鴻上に会釈をして部屋を立った。

 里中の案内で火野と後藤は、準備した物資、すなわち仮面ライダーオーズが乗るバイクの元へ向かう。

 

「火野。食料のほかにライドベンダーに積めるだけカンドロイドやセルメダル、あとはメダジャリバーを入れておいた。穴の先がどうなっているか分からない以上、気をつけろよ」

「わざわざありがとうございます!」

「礼は全部終わってからだ。俺も行きたいが、ここで穴から出たヤミーもどきを処理しなきゃならないからな」

「こっちは任せましたよ。ちなみに穴の中は? さっきバースが確認したって聞きました」

「確かに俺が確認で中に入ったな。あのときは1面暗闇で、あまり進むと戻れなくなると思ったからすぐに引き返したんだ。だから詳しいことは分かってないっていうのが実情だ」

「えっ、じゃあ、中に入ったらどうしようかな……」

「大丈夫だ、道はある」

 

 

 

 

 

 里中が運転する車に先導されて火野と後藤はバイクで現地に到着した。

 

「さて、ここからどうやって向かうかだが」

「そういえば上空でしたね、道があるっていうのはどういうことだったんですか?」

「色々調べたところ、どうやら穴の先に空間があることが分かった。その方向にタカカンドロイドを先導させる。誘導に従ってくれ」

「わかりました!」

 

 

 バイクから降りた後藤は、車から降りて荷物を下ろす里中の元へ向かった。

 里中は気だるげな調子で大量に積まれたタコカンドロイドを一つずつ起動している。

 後藤も積まれたカンドロイドに手を伸ばして手伝い始めた。

 

 

 

 

「よし、これくらいあればいいだろう。火野、後は頼んだぞ」

「はい! ──変身っ」

 

【クワガタ! クジャク!! チーター!!!】

 

 オーズに変身した火野はバイクに乗り、空へ向けて伸びたタコカンドロイドの道へ走り出す。

 穴へ消えていくオーズを見送る後藤は火野の無事を祈っていた。

 里中は電話で鴻上に送り出した報告を入れている。

 

 

「さて、あいつが戻ってくるまでここを守らないとな」

 

 

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