俺の名前はピーター・ペティグリュー。   作:八重歯

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ピーター・ペティグリューの日記
01 俺は日記を読んだ。


1971.9.1

 

ホグワーツ魔法学校に入学した。組分け帽子は五分以上悩んでいたけど、なんとかグリフィンドールに組分けされた!スリザリンと悩んでいたけど…スリザリンはなんとなく怖いし嫌だったから、グリフィンドールで嬉しい!!

 

ルームメイトは、髪の毛がくしゃくしゃで何だかすごく元気なジェームズ・ポッターと、緊張してるのかな?元気がなさそうなリーマス・ルーピン。…そして、なんと、シリウス・ブラックだった。

ブラック家の人がグリフィンドールだなんて!凄くびっくりした!めちゃくちゃハンサムな人だけど…うーん、ちょっと怖い。

ジェームズとはすぐに仲良くなったみたい、僕は…リーマスと仲良くなれるかなぁ。

 

明日から、ホグワーツで頑張るぞ!…せめて留年しないようにしないと。

 

 

 

 

1971.10.20

 

ジェームズとシリウスは凄く仲がいいし、2人ともめちゃくちゃ賢い。

凄いなぁ、どうやったらあんなに簡単に魔法が使えるんだろう?僕も頑張らなきゃ…。2人と仲良くなりたいけど、…中々話しかけられないや。

 

リーマスはまたお母さんが倒れたらしい。大変そうで心配。

リーマスはのろまで愚図な僕にも、優しくしてくれる。

 

 

 

1971.11.12

 

今日は凄くいい事があった!シリウスとジェームズがフィルチから逃げてて、たまたま僕が見つけた抜け道を教えたらーーすっごく褒めてくれた!嬉しい!賢くて、注目の的の2人からそんな事を言ってもらえるなんて…!

もっと2人と話したい、仲良くなりたい!他にも抜け道とか隠し通路がないか探そう!

 

 

 

1972.1.5

 

ジェームズ達と一緒にいると陰口を言われる。

どうせ、僕に嫉妬してるんだろう。

僕はジェームズ達に認められたんだ!

 

 

 

1972.5.13

 

リーマスは、毎月いなくなる。

ジェームズとシリウスは最近よく2人で何かを相談している。

僕に教えてくれたらいいのに…友達なのに…。

 

 

 

1972.10.3

 

どうしよう。

リーマスが人狼だなんて!

ジェームズとシリウスは全然怖くないみたいだった、だけど…怖いよ、噛まれたらどうするの?人狼だよ?

 

リーマスは友達だ、ドジばかりする僕にも優しい。…だけど。

怖いのものは怖い…。

 

 

 

1972.11.16

 

明日の満月の日、リーマスに全てを知ってるって言いに行く。怖い。

ジェームズとシリウスが、ピーターも行くだろ、って言うから、頷いちゃった…言い逃れが出来ないように、暴れ柳の側で待つみたい。

人狼も怖いけど、暴れ柳も怖い。

 

どうして2人は…人狼が怖くないんだろう。…どうすれば、2人みたいに…なれるんだろう…。

 

 

 

1972.11.17

 

リーマスはやっぱり人狼だった。

リーマス、泣いてたな…。そりゃあ、バレたく無かったよね…。

僕たちは秘密を共有する事になった。

…他の人たちは知らない秘密だ!ホグワーツで1番人気で、注目されているジェームズとシリウスと一緒の秘密だなんて…。

ちょっと、嬉しいな!

 

 

 

1973.2.18

 

ジェームズとシリウスとリーマスの三人は凄く賢い、先生達も一目置いてるみたい。

僕は…僕にはなんの取り柄もない…。魔法はうまく使えないし、いつも三人の足を引っ張ってしまう。僕を馬鹿にして笑う人もいる。

三人は気にするなって言ってくれるけど…僕に良いところなんてないのは、僕が1番よく知ってる。

…でも、いいんだ!尊敬する三人が、僕の事を友達だと言ってくれるんだ!これ以上嬉しい事はないよ!

 

 

1973.4.20

 

来年は三年生だ。選択授業どうしよう…

なんでもよかったから、三人と同じのにしようと思ったけど、リーマスにはちゃんと考えた方が良いって言われちゃった。

…僕は三人と一緒なら本当になんでも良いんだ。

それより、また最近ジェームズとシリウスが何か相談したり図書室に篭ってる。また僕はのけものだ。

 

 

 

1973.9.11

 

ジェームズとシリウスが僕だけにこっそり教えてくれた!

満月の日に人狼になってしまうリーマスの為に何かしたいんだって。

リーマスは僕にとっても大切な友達だ。…だけど…そんなこと出来るのかなぁ…

でも、2人が僕に教えてくれたんだ、僕も何か方法を探そう!

 

 

 

 

1973.11.21

 

湖に巨大イカが居るらしい。

明日みんなで確かめに行く!うーん、ちょっと怖いけど、みんながいるなら大丈夫かな?

 

 

 

 

1973.11.26

 

やぁピーター・ペティグリュー。

君がいつか目覚めた時のために、俺も日記を記録として残しておくよ。

 

22日、お前はシリウス達と湖に巨大イカを見に行ったんだ。

それでどうやら足を滑らせて湖に落ちーーイカに足を掴まれて引き摺り込まれた。

すぐに助けられたけど、その時は呼吸も心臓も止まっていた。(これはさっきシリウスとジェームズ、リーマスから聞いた情報をもとに書いている。事実と異なるかもしれないから目覚めたら何があったか聞いてくれ。)

 

聖マンゴ病院に搬送される時に息を吹き返したが、昨日まで目覚めなかった。

 

昨日、ピーター、お前は目覚めた。

だけど、今お前の身体でこの日記を書いているのは、お前じゃない。

 

俺は橘花翔…日本人だ。ちなみに年齢は30だ。いい大人だったのになぁ…。

 

気が動転してるな?残念ながら俺もだ。今この日記を書きながら必死に冷静になれ夢なら醒めろって思ってるよ!

 

俺は2020年から来た。残念ながらタイムトラベラーではない。

信じられないかもしれないが、俺はお前達の言うマグルだ、だが、この世界の事は知っていた。それは何故かって?まだ今は書かない。いずれ書く事にはなるだろうけど。

 

まぁ、とりあえず俺は海に居たんだ。ツレと普通に海水浴をしていたら、めちゃくちゃ馬鹿でかいイカに足を引っ張られて溺れた。死を覚悟したね、苦しかったし目の前が真っ暗になった。

 

もうわかっただろ?

 

目覚めたら、俺はお前の体に入り込んでいた。もしかしたら、俺がピーター、お前に憑依してるだけなのかもしれない。

 

ごめんな、ちょっとお前の体を借りる事になりそうだ。

俺も、早く元の場所にーー元の世界に帰りたいんだよ!だから、早く戻ってきてくれピーター!

 

 

 

ーーーーーー

 

 

「ピーター、何か思い出したかい?」

 

 

病室の扉を開けて心配そうに入ってきたジェームズが開口一番俺に聞いた。後ろから続いて同じような表情をしたシリウスとリーマスが入ってくる。

 

ジェームズの視線の先にあるのは、俺が持つピーター・ペティグリューの日記。先日ジェームズがホグワーツから持ってきたものだ。どうやら魔法界の日記は他人が読めないような仕組みになっているらしい。秘密を保持するためにはかなり便利だと思う。

 

残念ながら何も思い出せない、いや、まぁちょっと思い出したというか。理解した事はある。ただの同姓同名かと思ったが間違いない。

 

 

俺はどうやら、ハリー・ポッターの世界に来てしまったようだ、それも、親世代。

しかも、数多くいるキャラクターの中でめちゃくちゃ嫌われている人物ーーピーター・ペティグリューの精神に入り込んでしまった。…成り代わっている、のだろうか。そんな小説が流行ってると聞いた事がある。

 

そんなの、夢物語だと思っていた。

いや、…もしかしてこれは俺が見ている夢なのかもしれない、たとえ匂いや感覚が鮮明だとしても!…だってピーターに成り代わるとか。誰が得するんだよ…。

 

 

黙り込んでしまった俺を見て、ジェームズは悲しげな目をしていた。ーーおっと、ジェームズ達が居るの忘れてた。

 

 

「ごめん、やっぱり思い出せない…何も…」

「そっか…。…ピーター、また休日に来るよ!君の記憶が無くなったとしても、君は僕らの友達だ!」

「何か困ってる事があったらなんでも言ってね?蛙チョコ、ここに置いとくね」

「ノートは取っとくからな、後で見せてやるよ」

「ありがとう、みんな」

 

 

三人とも、めちゃくちゃ良い子。

記憶が無いと嘘をつく俺を疑いもせず、すぐに心配してくれた。

まだ13歳か14歳の…中学生くらいだとは思えない。俺がこの年齢だった時なんて悪友と河原に落ちてるエロ本探しに夢中でいざ見つければどちらが先に読むか乱闘を起こしていたと言うのに…!なんて優しい子ども達なんだろう。

 

 

三人は俺が座るベッドの脇で何か記憶を思い出すきっかけになれたらいいと色々な話をしていた。まぁ半分は悪戯やセブルス・スネイプに対するちょっと苛めが入った、本人曰くからかいの日々だったが。

 

 

ジェームズ、シリウス、リーマス。

 

みんな、ーー死んでしまうんだ。

ピーター・ペティグリューの裏切りによって、続いていた命は消え、濡れ衣を着せられ、独りになる。運命は大きく変わってしまうんだ。

 

 

俺はハリポタの小説は7巻まで読んでいる。呪いの子は読んでない。映画はアズカバンまで見たがちょっと原作との違いにそれ以上見れなかった。

 

つまり。俺はおそらくこの先の未来を全て知っている。ここが俺の知っているハリー・ポッターの世界であるなら、の話だが。

かなり良く似た別世界の可能性も、あるだろう。ーーいやいや、これは俺が死ぬ前に見ている長い夢だという可能性も捨てきれない。ハリポタめちゃくちゃ好きだし。ちなみに1番好きなキャラはセブルスとドラコだ、蛇寮派なんだよ…シリウスとリーマスとジェームズも好きだけどさ…親世代を纏めた小説が出ないかなってひそかに期待してるくらいには親世代が好きだ。

 

親世代のキャラクターは、みんな死んでしまう。

小説を読んでいてかなり、悲しくなった。物語の都合上仕方がないとはいえ、初見の時はめちゃくちゃ凹んだ。

 

なんの因果か、俺の長い夢なのか、ハリポタの世界に来てしまったんだ。それならいっそーー

彼らを死なせないようにしてみようか。

どれだけ未来を変えられるのかわからないし、なにより、変えた事によって不幸な運命を辿る者もいるのかもしれない。

ピーター・ペティグリューが裏切らなければジェームズとリリーは死なず、ハリーは孤児にはならなかった。シリウスは投獄されず、リーマスも孤独にはならない。それにセブルスも叶わぬ初恋に胸を痛める事はあるかもしれないが、ハリーをめちゃくちゃに憎みながら何年も二重スパイの苦しみを背負わなくても済む。

 

 

俺が運命を変えることによって…他の誰かが苦しみ死ぬのかもしれない。

それでも、今目の前で笑うーーまだあどけなさが残る三人の悲惨な未来を、大好きなキャラクター達の悲惨な未来を変えられるのであれば。

 

 

俺はピーター・ペティグリューとして、(原作)に歯向かってみよう。

夢ならなんでもありだろう。ーーな?そうだよな。

 

 

 

 

ーーーー

 

 

1973.12.3

 

俺は退院してホグワーツに戻って来た。俺は、初めて来たけど、…とりあえずピーターは戻ってきた。

 

ちなみに記憶はない、で通している。じゃないと面倒だし、俺はピーターの性格なんて知らん。っていうか中身は30歳だ。13.4歳の子どものようにきゃっきゃ出来る年齢はとっくに過ぎている。

 

入院してる間にとりあえず一年生の教科書を読むことからはじめたが…そういやなんで英語(イギリス英語か?)が読めて、書けるんだろうか。この体には橘花翔としての俺と、ピーター・ペティグリューとしてのお前の知識があるのか?…それなら、いつかお前の意識が戻るかもしれないな。そうだといい。

 

まぁ言語の問題は無いようで、授業はまじで理解不能だったがとりあえず1日目は無事に終えた。

 

明日から図書館に篭ろうと思う。魔法の練習もしよう。

 

ピーター、帰ってくるなら早くしないと俺がお前の青春を謳歌しちゃうぜ?

 

 

 

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