俺の名前はピーター・ペティグリュー。   作:八重歯

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02 俺は肉体改造を開始した。

1973.12.15

 

ホグワーツに来て大体2週間くらいたった。

記憶が無くなった(ピーター)を同じグリフィンドール生ですら授業についていけるのか?って嘲笑ってたな。

優秀な3人に囲まれて、お前は誇らしくて妬ましかったんだなぁ、何となくわかったよ。

それに3人はめちゃくちゃ顔も良いしな。廊下で女の子とすれ違ったらみんなが俺以外を見てたよ。

 

(ピーター)はチビで、デブで、勉強も魔法も劣ってる。

 

ピーター、お前成長期だからってお菓子の食べ過ぎだ!リーマスから聞いたぞ?夕食後は必ず自室で菓子を爆食いしてたらしいな?

 

そのせいで腹はポニョだし指は浮腫んでる!目も腫れぼったい!

鏡を見て思ったが、お前そこそこ可愛い顔してるんだから、せめてダイエットくらいしろよ!

 

どうみてもこの体体脂肪率30%はあるだろ!俺は30歳になっても体脂肪率1桁代を維持してたのが唯一の自慢だったのに…こんな身体耐えられない!

 

 

…というわけで、いつかピーターが目覚めた時の為と、俺の心の平穏のためにダイエットと筋トレをしている。

食事は高タンパク低カロリーなサラダチキンや野菜を食べ、夜は炭水化物は取らない。

それを見てリーマス達は「ピーターが野菜を食べてる!」なんて驚いてたな。

入院生活で胃が小さくなって食事の好みが変わったって言い訳したから。お前も戻ってきたらこれを続けるように!

体重が軽くなれば身長も伸びるかも知れないし、レッツ筋トレ!

 

 

放課後はホグワーツ城の外周を走ってる。

数日はめちゃくちゃしんどかったけど今はもう慣れたな。ってか若いって素晴らしい!筋肉痛になってもすぐに治るし、翌日には疲れが取れる!

運動や筋トレをしてる俺を見て「入院して狂ったか!」なんて笑う奴も居たけど気にするな。すでに体重は5キロは落ちてると思う、体重計が無いからなんとも言えないが、ズボンのベルトは1つ小さいところでとめられるようになったぞ。

 

お前が筋トレしないと気持ち悪くなるように徹底的に肉体改造してやる!覚悟しろよピーター!!

 

 

 

 

1973.12.26

 

流石に胸が痛む。

入院中もピーターの両親が見舞いに来たが…クリスマス休暇で家に帰らない方がよかったかもしれない。

 

記憶を無くした息子(ピーター)に、両親達はめちゃくちゃ悲しがってた…そりゃそうだよなぁ。

 

ホグワーツ入学前の話をアルバムを見ながら色々思い出話をしてくれた。

俺の知らない普通の少年、ピーター・ペティグリューの生きた証だ。

 

 

ピーター、なぁ、お前なんで裏切れたんだ。

訳がわからないかもしれないが、聞かせてくれ。

なんでこんな暖かい両親がいて、普通に育って、なんで…。

 

…いや、お前は、普通だから、死にたくなかったんだな、拷問もされたくなかった。痛いのは誰だって、嫌だよな。

お前は怖がりの、普通の男の子なんだな、ピーター。

 

 

そういや、痩せた俺をお前の母親は心配してたが運動してるって言ったらめちゃくちゃ驚いてた。

まじで運動嫌いなんだな、お前。

 

 

 

 

1974.1.20

 

魔法ってすげー!!

めちゃくちゃ面白い!お前なんで勉強嫌いなんだよ!?

一つ覚えたら確実に身につく、新しい魔法を覚える度にワクワクが止まらん!もっと色々学びたい!30歳にして勉強にこれ程のめり込んだのは初めてだ!

ジェームズとシリウスは「ピーターが勉強してるなんて!」とか言ってたけど知らん。

今日も図書館に篭ろう。お前が苦手な魔法薬学だったが、俺は好きみたいだ!元々お菓子作りが趣味だからな。

 

なんとか授業には追いつけるようになってきた、魔法もお前が使えたものは一回で出来たし、この体に魔法が染み付いているのか?

原理はわからないが、まぁ便利で良い事だ。お前が使えなかった魔法も使えるように練習するよ。

帰ってきた時に驚け!

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

俺はホグワーツの外周を走っていた。だんだんタイムは短くなるし、体の疲れも減ってきた。心地よい疲労感と、アドレナリンが出てテンションも上がる。運動は素晴らしい!

確実に身軽になり引き締まってきてるだろう。まだ腹筋はバキバキではないが、余計な脂肪はだいぶ減ってきた。よしよし、順調だ。

 

そんな事を考えながら禁じられた森の側を走っていると、突如茂みが揺れて傷だらけの人が慌てて飛び出してきた。

髪には葉っぱがついてるし、服は泥だらけ、露出している肌は細かい傷があり顔色は悪い。

 

あれ?禁じられた森って当時は入って良かったか?…うーん、ハリポタの小説、最後に読んだの10年前だからなぁ…流石に細かいところは覚えてないな。

 

 

俺は膝に手をつき、荒い呼吸をする少年に近付いた。少年とはいえ、背は俺より高い。見たことない子どもだが上級生かもしれない。…まあみんな俺より本当は年下だけど。

 

 

「大丈夫か?」

「ーーっ!…チッ…貴様か…」

「あ?…俺ら知り合いか?…ごめん、知ってると思うけど俺記憶なくって…」

 

 

話しかけたらめちゃくちゃ嫌そうな顔で睨まれた。歪んだネクタイはスリザリンカラーだった。ーーおお、かなりの美少年じゃん。

まぁ、グリフィンドール生とスリザリン生の仲が険悪なのはホグワーツの常識だ、話しかけない方がよかったかな?でもこんなボロボロな子どもを無視して放っておける大人なんていないだろ?

 

 

「君の名前は?よかったら教えてくれよ」

 

 

その子は嫌そうに眉間に皺を寄せたままローブについた汚れを払いつつ注意深く俺の周りを見ていたが、俺が1人だと分かると、暫く黙った後で呟いた。

 

 

「…セブルス・スネイプ」

「…え?」

「聞こえなかったか?見た目が変わっても愚図なのは変わらないようだ」

 

 

見下し、嘲笑われたけど俺は全然気にしなかった。

え?セブルス??

この少年が?なんか、めちゃくちゃ…可愛くない?普通に美少年じゃない??この後成長したら間違いなく美青年じゃん!いや、アラン・リックマンは美形だから不思議じゃない…のか?

 

そういやハリポタの映画を見た悪友が「一年生の時のセブルスまじ天使。二次の予想を上回るマジで天使。全俺が泣いた」とか言ってうるさかったな。アイツはセブルスマニアだったから大袈裟なんだとばかり思っていたが…いや、マジで天使。

その形のいい唇から吐かれてる言葉が侮辱だとしても、マジで天使じゃん。子猫ちゃんかよ…。

 

 

 

「あー…いや、聞こえてたよ。知ってると思うけど、俺はピーター。…で、セブルスはそんな泥だらけでどうしたんだ?森って行ってよかったっけ?記憶喪失だから覚えてないや」

 

 

俺がセブルスと呼ぶと、セブルスは嫌そうな顔をしたまま「まずい」とその表情にありありと浮かべていた。やっぱり森に入るのはこの時代でもダメだったらしい。そりゃあなぁ…人肉大好物の蜘蛛がうようよいるもんなぁ…。

 

 

「…僕に関わるな。失せろ」

 

 

あまりに酷い言い方と、心の底から俺を憎んでるその眼差しにちょっとたじろいだ。いや、可愛い子が睨んでも凄みも何にもないけど。

…そうか、俺が直接セブルスを虐めて居なかったとしても、俺は虐めてる奴(ジェームズ)と仲がいいし、(ピーター)は何度も虐めを煽っていたのだろう。そんな俺に話しかけられるなんて、…嫌だよなぁ。

 

 

「ごめんなセブルス」

「…なっ…」

「記憶が無くなったとはいえ、俺は虐めを止めなかったんだろ?…ごめんな許してくれなくていいよ、俺の自己満足だから。…俺とは話したく無いだろうし、もう行くよ。あ、医務室はちゃんと行けよ?傷だらけだぞ。…スコージファイ(清めよ)。ーーじゃあな!」

 

 

俺が杖を出すとセブルスは驚いて後ろに下がったが、咄嗟の事で杖を手にすることはなかった。ーー良かった、俺まだプロテゴ使えないし、攻撃魔法されるのは流石につらい。筋肉痛は好きだが、怪我は嫌いだ。

 

 

俺はセブルスの服についた汚れを一掃するとすぐにその場から走り去る。

いやーセブルス可愛かったなぁ、好きなキャラだし出来れば仲良くなりたいけど今はまだ無理そうだ。ギャルゲーなら、セブルスの難易度はMAXだろう、うん。ゆっくり攻略しよう。

 

 

さて、ランニングの続きを開始しよう。

セブルスが言ってたように、俺の外見はかなり変わったといえるだろう。もう少なくとも、デブではなくなった。ちょっと標準より…小太りくらいかな?あと少しで腹筋の線も出来るだろう。筋トレは魔法と同じで成果がわかりやすいのが良いよなぁ。

 

 

日課のランニングを終え、グリフィンドール寮に戻る。シャツを捲り汗を拭いながら肖像画をくぐり談話室へ入った。

 

 

「ピーター、またランニングかい?」

 

 

ソファに座りシリウスと魔法チェスをしていたジェームズはため息混じりに「毎日よく続くね」と呟いた。一度走ったらクセになるんだが、魔法族の人たちはあまり筋トレとか…しないのか?年頃の男子ならダンベルの一つや二つ持っていてもおかしくはなさそうなのに、誰も持っている様子は無い。

 

 

「お前、変わったよな」

「だろ?ズボンも大分緩くなったし…やっぱり運動は良い!」

「見た目も…だけど、性格が…明るくなったね」

 

 

しみじみとリーマスが言う。少し戸惑っているようにも見えたが、悪い変化ではないのだ、もっと喜んでほしい。…まぁリーマス達の知ってるピーターでは無いから、騙しているような気がしてちょっと申し訳ない気持ちもあるけれど。

 

 

「どっちの方がいい?」

 

 

悪戯っぽく聞けば、リーマス達は顔を見合わせて何とも複雑に笑った。

彼らは彼らで、友人の変化に戸惑っているのだろう。中身も全くの別人で、外見も変わりつつあるのだから、仕方ない。それでも友人だと言ってくれる3人は本当に、良いやつだ。

まあ、戸惑われようが、悲しまれようが、前のピーターが良いと言われようが、俺はピーターの軌跡を辿るつもりは無い。

 

 

「ま、女子ウケが良いのは今のピーターだろうね」

 

 

ジェームズは俺の頭の先から足先までを見て頷いた。

 

 

 

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