まぁ、こんな落書き小説呼んでる人なんていな…え、評価バーに色ついてる!
「…おーい…」
…誰かが…呼んでる?
「…おーい…丈一郎ー」
…なんだよ、うるさいな
「・・・・・・・・」
「丈一郎!」
「…うん?あれ、寝てた?」
「ああ、ぐっすりだったよ」
…ああ、色々思い出してきた。プロデューサーに車で目的地まで送ってもらってたけど、車に長時間乗ってたら何か眠くなって、そのまま寝たんだった。
「ごめん、ごめん。なんか用だった?」
「いや、もうすぐ到着するって伝えたかっただけだよ」
プロデューサーに言われ、車の外の景色を見ると横浜スタジアム、通称「ハマスタ」が見えてきた。
「あーもう着いたんだ」
「ああ、あそこが目的地だ。…丈一郎のプロデビュー戦が行われる場所だよ」
現在、俺たちは神奈川県横浜市にある横浜スタジアム、通称「ハマスタ」まで来ていた。
先ほど、プロデューサーが言っていたように、ここで俺のプロになって初の大会に参加するためだ。
***
遡ること数日前、俺はプロデューサーに呼ばれ、皆と一緒に283プロに来ていた。
「…えっと、呼んだのは丈一郎だけなんだけど?」
「まぁ、いいじゃん。大事な話って言ってたけど、どうせ後で皆にも伝えるんだし」
「それとも、私たちに伝えられたら困る内容なんですか?」
「いや、そういうわけじゃないけど」
「だったら、いいじゃん。ねー」
「ねー」
「ね~」
「ご、ごめんなさい。…駄目でした?」
「い、いや問題ないよ」
小糸の涙目によってプロデューサーの攻撃と特攻が一段下がったな。
まぁ、仕方ない。俺も含めて、この場に小糸の涙目に勝てるやつは一人もいないし
「…じゃあ、改めて、丈一郎に大会からの招待状が届いたんだ」
「招待状?どこからの?」
「神奈川県の横浜スタジアムで開かれる大会からだよ。この大会は年に一度だけ開かれるもので神奈川県ではポケモンリーグの予選に次ぐ大きい大会だ」
「おぉ、何か凄そうだ」
「実際、凄いんだよ。…デビュー戦に相応しい舞台を探していたんだけど、まさか向こうから誘いが来るなんてな」
「それって、珍しいの?」
「俺も詳しくないけど、過去にその大会で優勝経験とかがない限りは珍しいらしいよ。…ただ、丈一郎がプロになったっていう宣伝はしてあったから、興味を持ってもらえてのかもな」
「じゃ、じゃあ、プロデューサーさんのお陰ですね」
「…恩着せがましいですね」
「い、いや、そんなつもりじゃあ…」
うーん、円香の中でプロデューサーの好感度はまだまだ低そうだな。…いや、好感度が上がっても態度は変わんないかもな
「はいはい、分かってるから大丈夫だよ」
「そ、そうか、それでどうする?参加するか?」
「もちろん。面白そうだ」
「いいね。応援しに行こっか?」
「雛菜も応援に行く~」
「じゃ、じゃあ皆で行こう!」
「…まぁ、いいけど」
「おぉ!皆の応援があれば優勝間違いなしだな!」
「…ごめん。四人はその日レッスンだ」
「「「「「えー」」」」」
「こんな時だけ綺麗にハモるんじゃない!」
えー、何か一気にテンション下がってきたなぁ
***
そんな訳で今回はプロデューサーと二人でこの横浜まで来ている。
まぁ、俺の為にレッスンサボらすわけにはいかないから、いいんだけどさー
「…丈一郎、まだ拗ねてるのか?」
「別に拗ねてはないけど…ちょっとテンションがね」
「じゃあ、テンションが上がるかもしれない情報を教えておくよ」
テンションが上がるかもしれない情報?
「何?優勝賞金のこと?」
「いや、違うけど…優勝賞金狙ってるのか?」
当然ではあるが大会で優勝すれば賞金が貰える、しかも年に一度の大会という事もあり、結構な金額だ。
さらに今回は招待選手という事で参加するだけでそこそこのお金も貰える。これもプロの特権だな。優勝できなくても、俺の財布は大分潤うことは決定している。
「もちろん賞金は欲しいよ。今後もポケモンたちや幼馴染たちと楽しい生活を送るためにもお金があって困ることはないからね」
「そ、そうか」
ちゃんと稼げるところではしっかり稼いでおかないとな。
「それで、テンション上がるかもしれない情報ってなに?」
「ああ、この大会には毎年、あるトレーナーが参加しているんだけどそのトレーナーはプロになってから20年以上のベテランで、しかもプロリーグの県大会で優勝したこともある実力者なんだ」
おぉ!県大会での優勝経験ありか。ならかなりの強さだ。
「へーなんて人?」
「確か、谷阿坤って名前の人だよ」
「…そっか」
谷阿坤…知らない名前だな。
まぁ、俺自身そんなにプロ選手に詳しいわけじゃない。それこそ四天王やチャンピオンクラスじゃないと名前聞いてもさっぱりだ。
「あれ?興味なかったか?」
「いや、そんなことはないよ」
俺は全く知らない選手だけど、プロでそれなりに活躍しているなら今の俺の実力がプロで通用するのか試すにはちょうどいい相手かもしれない。
「丈一郎、そろそろ到着だ」
「うーい」
プロデューサーと話している内に目的地に到着していた。谷阿坤選手について軽くネットで調べようと思っていたけど、後にするか。
「ちょっと早く着いたな」
「だったら、ちょっと散歩してきてもいい?」
ずっと座っていたというか寝ていたせいで体がちょっとだるい。少し、歩いてスッキリしておきたいな。
「うーん…じゃあ、30分だけならいいよ」
「りょーかい。いってきまーす」
30分となるとあんまり、遠くまではいけないな。スタジアム周りをぐるっとゆっくり一周してみるかな
***
「真田選手!サインください!」
「僕にもお願いします!」
散歩に出て10分程で俺は俺のファンだと言う人たちに囲まれていた。
あ、あれ?おかしいな?何でこうなってるんだっけ?
遡ること10分程前のこと
俺はプロデューサーと分かれて散歩に出たんだが、食べ物のいい香りに誘われてそれに従ってスタジアムの正面ゲート付近まで来ていた。
「いらっしゃい!オクタン焼きいかがですかー!」
「トサキントすくいやってますよー!」
「はーい!チルット綿あめどうぞ!」
「ソルロック饅頭いかがですかー!」
おお!賑やかだな!
さすが、県で年に一度のポケモンバトルの大会だ。結構な数の出店が出てる、地元の人たちにとってはこの大会はお祭りの一種なのかもな。
「すいません。オクタン焼き一つ下さい」
「毎度ありがとうございます!」
そんな訳で、俺も一つ買ってみた。散歩のつもりだったけど、あのいい匂いには勝てなかったので近くにあったベンチで早速食べてみる…うん、おいしい。具材もいいし、焼き加減も絶妙だな!
※オクタン焼きとはオクタンの形をした食べ物で中に入っているのは普通のタコです。
「あ、あの?」
「うん?」
ベンチでオクタン焼きを堪能していると、目の前に小さい子供が立っていた。オクタン焼きに夢中になっていて気付かなかったな。
「どうしたの?迷子になっちゃった?」
「あ…そうじゃなくて…え、えっと」
何だろう様子が変だな?
「大丈夫だよ。ゆっくり話してみて」
「は、はい!真田選手ですよね?さ、サイン下さい!」
そう言うと、その子はペンと色紙を俺に差し出してくる。
え?サイン?俺の?
「・・・・・・」
「だ、ダメですか?」
驚いて言葉が出なかった俺の反応を見て、不安に思ったのか目の前の子はそんなことを行ってくる。
「ああ、ごめんごめん。サインね。大丈夫だよ」
「あ、ありがとうございます!」
あら、可愛らしい笑顔だ。本気で喜んでるなこの子
ペンと色紙を受け取ると、俺は慣れた手つきで自分のサインを色紙に書く
「はい、どうぞ」
「ありがとうございました!大切にします!」
「それ、俺が初めて書いたサインだから俺が活躍したらプレミア価値つくかもしれないし、お金に困ったら売ってもいいよ」
「う、売りませんよ!大事にしますから!」
「ははは、そっか。じゃあ、大事に取っておいてね。プレミア価値が付くように頑張るから」
「だから、売りませんってば!」
いい子だな~俺ならこっそり売るかもしれないのに…俺が汚れてるだけかな?
「あ、あの?」
「うん?」
サインを書いてあげた子の後ろにさらに別の少年たちが色紙を持って話しかけてきた。ひょっとして、またかな?
「サイン?」
「は、はい!」
「よっしゃ、いいよ」
283プロに幼馴染全員が所属するようになってから、透の提案でこっそり皆でサインの練習したかいがあったかもしれないな。
しかし、実際に書いてみてわかったけどサインって人の個性が出るよな。
透のサインはそのまんまだったし、雛菜のサインはあれは間違いなくユアクマちゃんをイメージしてたな。…著作権とか大丈夫だったかな?後でプロデューサーに聞いてみよう。
小糸のサインは透と同じで漢字だったけど、ウサギも書かれていて可愛かったな。円香のサインだけど、あれは何というか如何にもアイドルっぽいサインだった。何というか「こうしておけばいいでしょう?」みたいな感じを前面に出していた。なんせ本人が『サインなんてこんな感じでしょう?』って言ってたしね。
…予想通りすぎる返答に思わず笑いそうになったのは内緒だよ。
少年たちのサインを書き終え移動しようとすると
「真田選手ですよね」
あ、野生のファンがとびだしてきた!
って、野生のファンって何だよ。そんな馬鹿なことを考えているといつの間にそれなりの数の人間が俺を取り囲んでいた。
そして、現在に戻る
ああ、思い出した。俺が調子に乗ってサインなんか書き出すからこんなことになってるんだった。
しかし、何か俺のファンの人多くない?ツイスタでこの大会に出ること書いて投稿したからか?思ってたより効果あったみたいだ。
「おーーい!丈一郎!」
あ、プロデューサーだ。プロデューサーはファンの人たちの後方から、大声で俺を呼んでくる。おっと、約束の時間すぎてたか。
「すいません。もう時間なんで行きますね」
俺は、そう言ってファンの人たちの間を通り、プロデューサーと合流する。
「丈一郎、ファンサービスも程ほどにな」
「ごめんごめん。まさか横浜にあんなにファンがいるとは思わなかったよ。…どうなってるんだ?」
「まぁ、ツイスタでもこの大会に出ること投稿したんだろう?それに大会の公式サイトでも丈一郎がデビュー戦として参加するって発表もしてるからな、ファンなら見に来ると思うよ」
大会のサイトね、俺は基本的にそういうの見てないけど、案外客を呼ぶのに必要なのかもしれないな。
「さてと、そろそろ大会の主催者に挨拶しに行こうか」
「分かった」
挨拶とかそういう面倒くさそうなやつはさっさと終わらせて集中したいしね
***
その後、挨拶を済ませた俺たちは大会のスタッフさんに案内された控え室に移動し着替えを行う。アマチュアリーグでは服装は自由だが、プロになると所属する企業や事務所オリジナルのユニフォームを着るのもプロの特徴だ。
「試着したときにも思ったがよく似合ってるな」
「そう?ありがとう」
283プロのユニフォームは、全体的に白と青を基調とし右から左にかけて白地に青の波のようにすることで海を連想させる作りになっている。なんでも幼馴染み達の衣装と似たものをオーダーしてくれたそうだ。ナイスだね、プロデューサー!俺の好感度結構上がってるよ。
「丈一郎そろそろ時間だ」
さて、そろそろ開会式か。移動しないとな
ピコーン
うん?チェインか?
『やは~♡丈先輩がんばってー』
『丈くん頑張って!!」
『がんばれー』
『ファイト』
はは、うん元気100倍出た!頑張るぞ!
ピコーン
『丈先輩お土産もよろしく~♡』
そっちが本命か!…仕方ないな
「『何か甘いものでも買って帰るよ!」と」
結局、甘やかしちゃうんだよなぁ。
***
「…であるからして…本日…このように…」
…あれ?雛菜の返事に甘いもの買っていくって返したけど、横浜の名物ってなんだっけ?雛菜って神奈川出身だったな。後で何か希望ないか聞いてみよう。
あ、そうだまだ会ってないけど他の事務所の人たちにも何か買っていった方がいいのかな?確か冷蔵庫にご自由にどうぞみたいな事書いて入れとけばいいんだった筈だ。日持ちするやつにしよう。
「それでは、これより横浜カップの開催を宣言致します!」
あ、挨拶終わった。開会式の挨拶って何度も聞いてるけど皆、同じようなことしか言ってないからなんか真面目に聞いてると眠くなるんだよ。校長先生の話しみたい。…そういえば、この間校長先生の話し中に居眠りして怒られたな…透が
「今回の大会のルールは1回戦から3回戦までは使用ポケモン1体、そしてそれ以降は使用ポケモンを3体に増やしてバトルをしていただきます」
「そしてこちらが本大会のトーナメント表となります」
司会が合図すると電光掲示板にトーナメントが写り出す。って、俺第一試合じゃん。…谷阿坤選手は反対側か、戦うためには決戦まで行かないと
「それでは、皆様、選手たちの熱いバトルをどうかお楽しみください!」
***
フィールドにて開会式を終えると、他の選手がフィールドから控え室に戻る中、俺は一人選手入場口でスタンバイする。ちなみにプロデューサーは関係者席から見守ってくれている。
『皆様、長らくお待たせいたしました!これより年に一度の催し、ポケモンバトル横浜カップが始まります。それでは記念すべき1回戦の選手の入場です』
「それでは、真田選手フィールドまでお願いします」
スタッフさんからの指示に従い、バトルフィールドへと進む。
『中学、高校ポケモンリーグチャンピオンの真田丈一郎選手の登場だ!真田選手は本日がプロとしてのデビュー戦となります。ポケモンリーグで見せてくれた素晴らしいバトルを本日も期待したいところです!』
ワーーーーー!
俺の姿を確認すると、観客から声援が聞こえてくる。
「真田ー、プロでも応援してるぞー!」、「頑張ってー!」、「負けないでー!」、「わざわざ、東京から来たんだ。いい試合見せてくれー!」
あれ全員俺のファンなのか?すげー人数いるな。あ、さっき最初にサインした子発見!プレミア価値つくように頑張るよ!
「これより一回戦第一試合真田選手VS小林選手の試合を始めます」
記念すべきプロとしての一戦目か、先陣はこの子にしようかな
「両者、同時にポケモンを出してください」
「行ってこい、バシャーモ!」
「頼んだ、レントラー!」
『真田選手はバシャーモ、小林選手はレントラーでのバトルです』
レントラーか、さてはゲッコウガ読みだったな。当てが外れたみたいな顔してる。でも、たしか特性は
「がぁぁぁぁぁ!」
『レントラーの特性、『いかく』が発動!これでバシャーモの攻撃が下がった模様です』
やっぱり、『いかく』か
「…バシャ!」
…あんまり効いてなさそうだな。まぁ、それでもバシャーモの攻撃が少し下がるな
「それでは、試合開始!」
「レントラー、『ワイルドボルト』だ!」
いきなり強力な技で来たな。初っ端からパワー勝負にこだわる必要もない。着々と準備をするだけだ。
「バシャーモ、『みきり』」
バシャーモは電気を纏い突撃してくるレントラーをぎりぎりの所で回避する。
『小林選手のレントラー開幕早々に強力な技で責めましたが、真田選手のバシャーモ華麗な『みきり』でそれを見事回避しています!』
大技は外れると隙ができやすくなる。そこを突けばいい。
「そのまま『おにび』だ」
バシャーモの両手から出た紫色の『おにび』がレントラーを襲う
「レントラー!」
『『ワイルドボルト』を外し体勢を整え切れていないレントラーを『おにび』が襲う!これは避けきれません』
これでレントラーは少しずつダメージ追い、攻撃も下がる。
「一気に攻めるぞ!バシャーモ、『ブレイズキック』だ」
「くっ!レントラー『かみなりのキバ』で受け止めろ!」
バシャーモの『ブレイズキック』をレントラーの『かみなりのキバ』で受け止めようとするが、こちらは『いかく』で攻撃が下がっている、だがレントラーもやけど状態で攻撃が下がっている。
元々のレベル差もあり、レントラーは攻撃を受け止めきれず、大ダメージを食らってしまう。
バシャーモの蹴りの威力をなめるなよ!俺がサンドバックを持つたびに何度吹き飛ばされてると思ってるんだ!
『『ブレイズキック』と『かみなりのキバ』の対決は『ブレイズキック』に軍配が上がりました!レントラー吹っ飛んだ!』
「レントラー!レントラー頑張れ!」
「…がぁ…がぁぁ!」
レントラーはトレーナーの声に答えるようにフラフラしながらも何とか立ち上がる
「よし!まだここからだ!」
「………」
そろそろ来るかな?
ゴォォォォ
「レントラー‼」
よろよろと立ち上がった瞬間にレントラーの体から炎が巻き起こり、レントラーを包み込む。
「がぁ・・・ぁぁ」
『おっと!大ダメージを負ったタイミングで火傷の効果が発動してしまった、レントラー苦しそうです!』
この隙は逃さない。
「決めるぞ!もう一度『ブレイズキック』だ」
フラフラになっているレントラーにブレイズキックが直撃し、レントラーはバトルフィールドの外まで飛ばされていく
「れ、レントラー!」
「レントラー戦闘不能!勝者真田選手!」
審判のコールとともに先ほど俺の応援をしてくれていた人たちから歓声が聞こえてくる。
『決まったーーーー!真田選手とバシャーモ相手に付け入る隙を与えないまま、見事に勝利を収めました!』
まずは、一回戦突破だ。折角、応援に来てくれたんだし、ふがいない姿を見せるのも悪いな、最後まで気を抜かずに行こうか。
次回もまた時間がかかってしまうかもしれませんがよかったら、また読んでください。
感想お待ちしてます。