シャニマス×ノクチル×ポケモン   作:malco

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ポケモンSVやってました。ストーリーが本当に良かったです。

最初、男の子だと思ってたボタンちゃんが女の子だと分かると、一気に自分の中で押しのキャラになりました。


通学路

福丸家での臨時家族会議に参加した翌日、俺は何時ものように朝のトレーニングの為に近所の公園まで来ていた。

 

「バシャ、バシャ!」

「まだだ!最後まで力を抜かずに打ち込んで来い!」

 

両手にミットを付けた俺に向かってバシャーモは休むことなく連続で拳をぶつけてくる。左右の拳をそれぞれ左右のミットで受け止めるが、威力が強く体が後ろ下がりそうになるが何とか踏ん張る。

 

「ラストだ!回し蹴りで決めろ!」

「バシャ!」

 

バシャーモは体の外側から弧を描くように蹴り上げ、俺は両手のミットを前に出し、受け止める。流石にジャブの時の様に踏ん張ることは出来ず、体ごと数歩分後方へと下がってしまった。

 

「よし!いい感じだな」

「バシャ」

 

バシャーモの調子も良さそうだ。これなら次の大会は相手のタイプ次第ではあるけどバシャーモを中心に編成してもいいかもしれない。

 

「…ふぅ」

 

しかし、ミット越しとはいえ手が痛いな。一つ一つのジャブが強力だし、最後の回し蹴りの威力は強く、本気で吹き飛ばされるかと思ったぞ。受ける側はたまったものじゃないだろうな。

 

「…そろそろ、いい時間だな。朝のトレーニングはここまでにするか。一旦ボールに戻ってくれ」

「バシャ!」

 

そう言って、バシャーモをボールに戻す。

 

それにしても

 

「…珍しく、いい時間に終われたな」

 

いつもなら、トレーニングし過ぎで学校開始の時間ギリギリになったりすることが多いのに、今日は切りのいいタイミングでしかも割りと余裕のある時間にトレーニングを終えることができた。

 

「まぁ、いいか」

 

あんまり遅刻しすぎても問題だし、偶にはちょっと早くゆとりをもって学校に行くのも悪くないか。

 

 

 

***

 

 

 

トレーニング後にシャワーを浴びて汗を流し朝食を終えて今は学校に向かっている。

 

いつもなら、家から学校までも遅刻ギリギリでランニングみたいになるけど、今日は違う!

時間に余裕を持ち通学路の景色をのんびり楽しみながらここまで来れた。

 

……余裕を持つ事も大切だな。見慣れたはずの景色なのにのんびり歩いていると走っているときには見えない物が見えてきそうだ。

 

それにこの時間に行けば遅刻もしないから、俺の内申点的にも助かる。いい事ずくめだ。

 

「あ!丈くん!おはよう」

 

おっと!更にいい事が連続で起きたな

 

「小糸、おはよう」

「えへへ♪」

 

小糸は笑顔を浮かべながら俺の隣に並んで来る。

…いつもより、若干距離が近い気がするけど気のせいか?

 

「ご機嫌だね~何か良いことでもあった?」

「だって、朝から丈くんに会えたから!」

 

…え?なにこの子かわいいんですけど

 

「……………」

「…?………………ぴぇ!」

 

俺が無言で見ていると小糸が自分の発言を思い返したのかいつもの特徴的な悲鳴を上げる。

 

「ほ、ほら!丈くんって朝はバトルの練習とかで会えない事の方が多いから!そ、それに何だか昨日の今日だし、改めてお礼が言いたいなって思ってたら普段通学路じゃ会えない丈くんがいてびっくりみたいな感じがして、だ、だから」

「あー小糸、一旦落ち着いて」

「…………うぅ」

 

俺はそっと、小糸の頭に手を置き優しく撫でる。

 

「俺も朝から小糸に会えて嬉しかったよ。小糸も同じってことでいいかな?」

「…………う、うん」

 

小糸は少しだけ顔を赤くしながらも頷く。

何だか今日の小糸は、いつも以上に可愛く感じる。それにいつもなら、外で頭を撫でたりしたら恥ずかしがることはあっても、こんな風に喜んだりはしない筈なんだけどな…

 

アイドルを親公認で正式に続けて行くことが決まって何か心境の変化でもあったのかな?

 

「…えっと丈くん?どうかしたの?……そ、そんなに見つめられたら、ちょっと恥ずかしいよ……」

 

…やばい…上手く言えないけど何かやばい……小糸の可愛さもやばいけど……俺の理性が変な気を起こしそうになってきてる。

 

「…小糸、本当に何もなかった?小糸はいつも可愛いけど何か今日はいつも以上に可愛い気がするんだけど?」

「ぴぇ!な、なんにもないってば!」

「いや、でもな…」

「ほ、ほら!そんな事より早く学校行こう!折角、早く出たのに遅刻しちゃうよ!」

 

そんな大袈裟な…まだ、時間にかなり余裕があるのに

 

「大丈夫だよ。いざとなったら、先生たちにバレない程度の場所までボーマンダでそっとんで行けば余裕余裕」

「あれは!二度と!しないから!」

「はははは」

「本気だからね!今度やったら本当に怒るよ!」

 

うーん…仕方ないな。小糸の悲鳴とか面白かったんだけどなぁ。

 

きっと何度か繰り返して行けば、小糸の特徴的な悲鳴を聞いた人々によって、この近隣に『空飛ぶピィの伝説』として語られていくんじゃないかと微かに期待してたんだけど

 

「分かった分かった。もうやらないよ…………………多分ね」

「絶対だから!」

 

やっぱり、小糸は怒っても可愛いだけで怖くないんだよな

 

「2人して、朝から何騒いでるの?」

「ふふ…めっちゃ注目されてるよ」

 

小糸と戯れていると後ろから声をかけら、振り返るといつの間にか透と円香が来ていた。

本当、偶には早く出るのもいいもんだなぁ。朝からこうやって皆に会えるなら今後は遅刻しない様に注意するのも悪くないかもしれない。

 

「あ、透ちゃん!円香ちゃん!」

「うっす」

「おっはー」

「おはよう」

 

ていうか、そんなに注目されてたのか?

それとなく、周りに目を向けると何人かの人と目が合ったが直ぐに逸らされてしまった。本当だ。結構色んな人に見られてたみたい。

 

「何だ?いつの間にか俺の知名度上がってたのか?」

 

ここが地元ってこともあるだろうけど、プロになって横浜の大会以降も何度か大会に出て優勝して将来有望なアマチュアのトレーナーから連続勝利記録を更新する期待の新人として名も売れてきている。その影響かな?

 

「いや、単純に騒がしかっただけだと思うよ」

「あんまり、調子に乗らない方がいいんじゃい?ミスター自意識過剰」

 

…一瞬で夢から覚めて現実に戻された気がする。俺の幼馴染み容赦ねぇな

 

「と、ところで雛菜は見なかった?」

「わたしは見なかったよ」

「うーん、私も見てないかな?樋口は?」

「見てない」

 

ありゃりゃ、こりゃ雛菜だけ遅刻みたいだな。

うーん、特に約束したわけじゃないけど何か一人だけ裏切ってしまったような妙な気分だ。

 

「そうか…折角なら、全員で登校したかったけど難しそうだな」

「…まだ、分からないでしょう?」

「え?」

 

こりゃ珍しい、円香が雛菜の弁護をするなんて、滅多にない事だぞ。

 

「遅刻魔コンビの片割れが珍しくここにいるんだから、案外雛菜も近くにいるかもしれないでしょう?」

 

遅刻魔コンビの片割れってひょっとしなくても俺の事かな?雛菜が遅刻していないかもと弁護をしているようで俺達2人へのダメ出しをされているような変な感覚だ。

 

「それじゃあ、電話してみるか」

「い、いいのかな?通学時間だけどまだ、朝早いよ?」

「学校に向かってれば電話に出るだろうし、まだ寝てるならモーニングコールの代わりになるから問題ないだろう」

「そう……かな?」

 

小糸も一応納得したような反応を示す。

うーん、どうせなら少し面白くしたいな……そうだ!

 

「折角だし、雛菜が遅刻するかしないか賭けてみないか?負けた方は勝った方に昼飯おごりってことで」

 

まぁ、ちょっとしたゲームだ。負けたところで大して痛くもない。

そんな俺の提案に対しての3人の反応だけど

 

「いいね」

「望むところ」

 

透と円香は乗り気みたいだな。となると

 

「だ、ダメだよ!賭けなんて!」

 

はは、やっぱりか

 

「硬い事言うなって、昼飯代を賭けるなんてこと学生なら大抵はやってると思うぞ」

「そ、そうかもしれないけど、賭けの対象になる雛菜ちゃんにも悪いし…」

「それじゃあ、雛菜には結果にかかわらず、俺が昼飯を奢るって条件ならどう?」

「え?」

 

これなら、雛菜が遅刻していようといなからろうと無条件で今日の昼飯代が出る。彼女には損が一つも発生しない、おいしい話だ。

 

「どうかな?雛菜には損もないし、そもそも賭けの対象にされたくらいでどうこう思うタイプでもないと思うよ」

「……そ、そうだね」

 

よし!小糸陥落!

 

「それじゃあ、どっちに賭けるかだけど「「「遅刻の方で」」」はや!」

 

早すぎるよ!まだ、聞いてる途中だったのに3人とも一切の躊躇いもなく雛菜が遅刻してる方を選びやがった。

 

「……小糸」

 

さっきまで、雛菜に悪いとか言ってたのに

 

「あ、あはは」

 

可愛いから許すけど!

 

「てか、円香もそっちなの?」

「私は、まだ分からないって言っただけ。確率の高い方に賭けるのは当たり前でしょう?」

 

ぐぅ正論だな。そりゃ、雛菜の普段の生活態度から考えれば、そうなるよな。

 

「じゃあ、遅刻してない方は丈一郎一人だけってことで」

「………おぅ」

 

いつの間にか透に締め切られてしまったので、一応これで賭けが成立した。

元から雛菜が遅刻してないっていう大穴に賭けるつもりだったからいいけど、なんか釈然としない。

 

「それじゃあ、私が電話かけるから」

 

色々と考えてる間に円香が雛菜に電話をかけ始めていた。俺がかけようと思ってたけど、まぁ、どっちでもいいか。

 

『う~~~~ん……なぁ~に~円香せんぱ~い』

 

電話をかけ始めてから数十秒後、スピーカーにしたスマホから雛菜の眠たそうな声が聞こえてくる。

うん、これは完全に今、起きたな。

 

「雛菜、今どこ?」

『ベット~』

 

でしょうね

 

「雛菜、ありがとう」

「え~?なにが~?』

「あんたのお陰で今日の昼食代が浮いたってこと」

『???』

 

ははは、雛菜混乱してるな。

 

「詳しくは本人から聞いて」

 

円香はそう言うと、俺にスマホを渡してくる。

 

おぅ、ぶん投げられたな。

 

「えっと、雛菜おはよう~」

『え?丈先輩?え~~~~何で丈先輩が円香先輩と一緒なの~?』

「何でって、学校行く途中で会ったから。後、透と小糸もいるけど」

『透先輩も!…じゃなくて、どうして丈先輩がこんな早い時間に登校してるのって聞いてるの~」

「ああ、今日は特訓がいい時間に切りのいいとこまでやれたから、いつもより少し早く出れたんだよ」

『そんなの聞いてない!言ったでしょう~雛菜と丈先輩の遅刻同盟は永遠不滅だって~!」

 

おい、いつ作ったんだ。そんな同盟、初めて聞いたぞ。

 

「真田が遅刻しなくなったら、同盟を抜けて雛菜一人だけが遅刻することになるんだ」

 

だからそんな同盟入ってないって

 

『え~?』

「そしたら、私たちはこれから毎日4人で登校していくから、雛菜はこの先も一人で頑張ってね」

 

いや、今日は珍しく早く終わったけど、流石に毎日この時間に来れるかは俺としては少し怪しい。

そうすれば、この間みたいに雛菜とのんびりコンビニとかによりながら登校するのも全然ありかなって思うんだけど

 

『円香先輩と丈先輩のいじわる~~~~~』

 

俺がその事を雛菜に伝える前に雛菜は電話を切ってしまった。

てか、俺もなの?フォローするつもりはあったんだけど

 

「……円香、こうなるって分かってた?」

「まぁ、なんとなくはね。何年の付き合いだと思ってるの?」

「御見それしました」

 

やっぱり、円香は敵に回したくないな。

それはそうと雛菜の遅刻は確定か…ということは

 

「やれやれ、俺の一人負けか」

「いぇーい」

「ま、当然の結果でしょう?」

「ご、ごめんね!」

 

まぁ、仕方ないか。

ほぼほぼ負ける予感のしていた賭けだったし、そこそこ楽しめたから良しとしよう。

 

「それじゃあ、4限が終わったら購買に買いに行くけど皆、何が欲しいんだ?」

 

昼休みの購買は、それは学生たちの戦場だ。いかにして早く辿り着き、相手を出し抜き、目的の物を手に入れるのかフィジカルの強さと戦略が試される。

 

1年と数か月通ったことで購買のどの位置に何が置かれるのかは既に把握している。だからこそ、何を手に入れるのかを確認しておく必要があるのだ。それによってたてる戦略が大いに変化してくる。

 

「じゃあ、メロンパンで」

「クリームパンお願い」

「えっと、チョココロネがいいかな?」

 

全部、菓子パンか。どのパンもほぼ同じ場所に置かれているから、戦略も立てやすいな。

 

しかし、毎度思うけど、女子って本当にそれだけで足りるのかな?俺だったら絶対持たないぞ

 

「了解。雛菜の分は後で確認するとして、俺もその時に2~3個パンでも買っていくか」

 

やっぱり、男子的にはそれくらいないとね。

さて、俺は何を買おうかな?多分、雛菜も甘い菓子パンを欲しがるだろうから、甘いパンのエリアから一つ選ぶとして、その後メインの総菜パンのコーナーに行って適当に何かを買えればいいんだけど、あのエリアは直ぐに人が一杯になるからな。さて、どうするか?

 

「じょ、丈くん!」

 

購買戦場での戦略を頭で練っていると小糸が声をかけてくる。

でも、何だろう?さっきより少し顔が赤いし、緊張してる様子にも見える。

 

「じょ、丈くんの為にお弁当作ってきたの……食べてくれる?」

 

小糸はそう言うと、カバンの中から弁当箱を出して、俺に渡してくる。

 

「お、マジで!ありがとう!勿論、もらうよ」

 

小糸から弁当箱を受け取り、一旦、カバンにしまう。

というか、最初から弁当の事を言ってくれてたら、賭けなんてしなくても昼食代出したのに

 

「「……………」」

 

小糸から弁当箱を受け取る俺を透と円香が冷たい目線で眺めていた。

 

「あ、あれ?ひょっとして今日のは皆で作った奴じゃないの?」

 

てっきり、また、いつもみたいに4人で作ってくれたもんだと……あ、それだと、雛菜は遅刻してないか

 

「今日は、作る予定じゃなかった」

「小糸ちゃん抜け駆け?」

「ご、ごめんね!昨日の事もあったから、丈くんに何かお礼がしたくて、それで」

「昨日?」

「真田、昨日、私が帰った後に小糸の事、迎えに行ったんでしょう?その後、何かあったの?」

「あー……色々あって、一言では説明しずらい感じで」

「短く簡潔に」

 

有無を言わさぬって感じだな。しかも、嘘は許さないみたいなオーラが見え隠れしてる。

 

「「………………」」

 

うぅ、無言の圧力って嫌だなぁ

簡潔に簡潔にね。えーっと、小糸を家まで送って、俺が口を滑らせて、アイドルについて話し合って、何とか解決して、それで最後に……ああ、そうだ!

 

「色々話し合いして、おばさんから小糸の事をこれからもよろしくって頼まれた」

「ぴぃえっ!」

「「………………」」

 

あれ?く、空気が……俺、また何か口滑らせた?

 

「丈一郎、本当に小糸ちゃんに何したの?ちゃんと話して、具体的に詳しく」

「……私のお父さんにはシェアハウスの話し、いつまでも切り出さないくせに小糸のお母さんとはそういう話しするって事?へーそうなんだ」

「……こ、小糸?ちょっと一緒に説明を…」

 

一縷の望みをかけて小糸の方を見るが

 

「えへへ……もう、お母さんってばちょっと気が早いよ…でも、もう少ししたら一緒に暮らし始めるんだし、そう考えたら…うん」

 

あ、駄目だ。なんか自分の世界に入ってるっぽい。現状じゃあ、戦力にならなそう。

 

「ねぇ、早く話して」

「逃げようとしても無駄だから」

 

この後、透と円香の尋問が始まり、俺達4人とそして、この場にはいなかったけど雛菜も含めて全員仲良く遅刻しました。

 

 

 




これが今年、最後の投稿になります。

この小説を書き始めた当初、お気に入りが100人超えることを目標にしていました。現在155人で見事に達成できました。

皆様、本当にありがとうございます。来年のいつになるかまでは分かりませんが、出来上がり次第、随時投稿していくのでよろしくお願いいたします。
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