春秋の恥さらしネタ帳 作:春秋
憑依転生系でライザーはちょくちょく見かけた事はありますが、眷属が影も形もないものばかりなので、そのままのメンバーで魔改造したくて書きました。
続くかどうかは微妙……
そこは学校の一室、駒王学園の学園長室だ。
いや、その説明は正確ではない。
正しくは、そのレプリカ――偽物である。
学園を丸ごと再現したその一室に、計十六の人影がある。
その部屋の主が座るべき高級椅子に、内の一人が腰掛けている。
その金髪の男は派手なスーツの胸元をさらけ出し、如何にも遊び人といった風情を漂わせている。
他の人影は全てが女性のもの。
衣装は様々――怪しげなドレスローブ、西洋風の鎧、南国的な踊り子衣装、十二単、ブルマ、メイド服、他にも顔の右半分だけ覆った仮面や、胸元と太ももをさらけ出した独特の服まで、それぞれが異なった出で立ちをしている。
彼らはそれぞれの理由を持ち、ひとつの目的のためにこの場にいる。
脚を組み肘を付いた男に彼女ら十四人が跪き、内の一人は室内のソファーに腰掛ける。
それは長い金髪を二つに括り、クルクルとカールさせた幼げな少女。
彼女は出自を感じさせる優雅さで、クスリと笑みを零した。
「我ら全員、準備は整いました」
波打った紫の長髪を持つドレスローブの女が、代表して主人たる男へ報告した。
聞いて見渡した男は、ひとつ頷く。
ソファーに座る金髪の少女を見ると、彼女も頷きを返す。
「ではアナタたち、打ち合わせの通りになさいな」
ソファーの少女が発すると、伏せていた十人の女性が素早くその場を後にする。
すると残った内の二人、メイド服を着たの女性は室内の設備を利用し、他の者に茶を汲み始めた。
長いストレートの金髪を持つ方は男に、少し癖っ毛に見える茶髪の方はソファーの少女に。
男がありがとうと礼を言うと、人形めいた顔立ちのメイドは表情を崩した。
もうひとりの少女も受け取ると、仕事が早くなったと茶髪のメイドを褒めた。
二人のメイドは仕事を終えると部屋の両端に待機し、ドレスローブの女性は主の背後に控える。
上半身と下半身の一部しか隠さない、水着を思わせる踊り子衣装を纏った褐色肌の女性はソファーに、既に座っていた少女の向かいに腰を落ち着けた。
そうした頃に、それだけで美しさを感じさせる女性の声が鳴り響く。
『開始のお時間となりました。なお、このゲームの制限時間は人間界の夜明けまで。それでは、ゲームスタートです』
それを聞いて口元を歪めた男は――ライザー・フェニックスは宣言した。
「さぁ、ゲームを始めようか」
此処に、ライザー・フェニックス対リアス・グレモリーのゲームが始まった。
ライザー・フェニックスがはじめの眷属を手に入れたのは、彼がまだ十五歳の誕生日を迎えた時の事だ。
いや、その眷属が
仮にも貴族という身の上であるため、三男とは言え盛大な誕生パーティーが開かれた。
煌びやかな広間の中心には、主役たるライザーがスーツを着て堂々と立つ。
祝福に訪れた来賓たちが途絶えると、まだ幼い四歳の妹が近づいて来る。
ライザーは周りを気にせず膝を折り、愛くるしい妹を優しく迎えた。
そしたら彼女はこう宣ったのだ。
「たんじょうびのプレゼントに、レイヴェルをさしあげますわ!」
彼は幼い妹のその発言を聞き、思わず苦笑したことを今でも覚えている。
パーティー会場全体に響き渡るような大声で、来賓たちにクスクスと笑われて恥をかいた事も。
けれども彼は周囲を無視し、当時しっかりと頷いた。
「ああ、いいぞ。大きくなったらお前を俺の
挑発的な笑みを浮かべた彼に対し、レイヴェルは花が咲くかのような満面の笑みを返す。
「もちろんですわ、おにいさま!」
思わず伸ばした右手に残る柔な頭髪の感触を、彼は未だに覚えている。
その時の事を、彼女に『
「それが、今やこの様か……」
「何か仰りましたか、お兄様?」
溜め息と共に顔を見つめるライザーを、ソファーに座る妹はジト目で迎え撃つ。
本当に、あの可愛らしい娘が何故こうも冷たくなったのか。
ツンデレという概念は理解しているしその破壊力も認めるが、実妹にはもっと正面から甘えて欲しいというのがライザーの意見である。
たまに甘えてくる姿がとてつもない破壊力を持つのは、痛烈に理解しているのだが。
「何でもないさレイヴェル、お前は相変わらず可愛いな」
「当然ですわ、お兄様の妹ですもの」
澄まし顔で紅茶を啜るレイヴェル。
胸を張るその姿は本当に愛らしい。
これが創作ならばブラコン気味のツンデレ実妹とかどストライクなのだが、そう心から残念がるリア充焼き鳥野郎であった。
「ライザー様、どうやらミラのグループがリアス様の眷属と接触したようですわ」
右斜め後ろから戦況を報告してくるのは、『
常にライザーの不備を補う優秀な秘書である。
今もレイヴェルとのじゃれあいにゲームの存在を忘却していたライザーを、現実に叩き戻してくれた頼れる女性だ。
彼女は魔法陣から身の丈を越える魔法の杖を取り出し、柄尻で床を二度叩く。
杖の頭に付いた宝玉から光が溢れ、部屋の天井に陽炎の如く景色が浮かぶ。
映し出されたのは、話題に昇った体育館の場景である。
「ミラたちが押されているようだな。あの赤龍帝の小僧、この間から随分と成長している」
赤龍帝たる兵藤一誠は淡い翠色の髪をしたブルマの双子――
「リアス様が合宿で鍛えられたそうですので、元が一般人の彼にしては急成長と言えます」
「身のこなしは未熟ですけれど、『
その動きを見てユーベルーナとレイヴェルがそれぞれ評価する。
元が素人だっただけに、これは大きな進歩と言えるだろう。
「コイツはなかなか、番狂わせになりそうだな」
感心したような口調だが、しかし本心は違う。
強面ながら整った顔に嗜虐的な笑みを浮かべて、続ける。
「相手が俺たちでなければな――」
ライザー・フェニックスに、慢心はない。
これは純然たる事実である。
ライザー本人に大きな違いはありません。
原作通りの種まき焼き鳥です。
違うとすれば既に挫折経験があり、妹萌えの素養があることですねw