春秋の恥さらしネタ帳   作:春秋

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天翔ける月にかわって

新海(ルナ)

翔と天の下に生まれた三兄妹の末っ子。天とは双子の妹で、ヴィジュアルは髪下してジト目気味のダウナーな天。翔を「おにぃ」、天を「おねぇ」と呼ぶ。

 

 

 

 

「ん……? うん? んんん???」

 

 末の妹はこれも血の成せる業か、何かを察知した様子である。うんうんと唸りながらせわしなく体を揺らし、兄と姉の間で視線を行ったり来たりさせる。終いにはニヤァ、と底意地の悪そうな笑みを浮かべる始末。

 

「ふーん。そっかそっか、そうなったか~。よかったねおねぇ~、おにぃはご愁傷様ぁ~」

 

 その一言で(かける)(そら)も、もはやどうにも誤魔化せないと観念した。

 同じ兄妹とはいえ同性と異性とではやはり関係性が違うからか、もうダメだとその場に蹲って顔を覆う恋人(いもうと)を尻目に、翔はばつが悪そうに切り出す。

 

「なんつーか、その……気持ち悪いとか思わないわけ?」

「ん? なんで?」

 

 間髪入れず返される疑問。

 変わらぬ口調、変わらぬ態度。常と変わらぬ寝ぼけまなこに物怖じする翔だが、(ルナ)からすれば本当に分からないのだ。長兄の鈍感っぷり――と言い切るのは些か不憫な面もあるにせよ――を知る末妹も、天の秘めた恋心に気付いたのがまさかこの数年のことであるなど慮外だったから。

 そしてしばらく思考を巡らせ、本当に気付いていなかったのだと思い至って溜息をつく。

 

「あのさ~。おにぃってほんと~に鈍感野郎だね~」

「いや急になんだよ」

「急じゃないんだよな~。いやホントさ、急でもなんでもないんだよな~、色んな意味で……」

 

 新海翔という男が鈍感であることは今更の話であった。

 同じく、新海天という少女が“女”であることも、どうしようもなく今更の話。

 

「ねえ、おにぃ」

 

 愚かな愚かな愛する家族に、微笑ましくも残酷な真実を告げましょう。

 

「実の兄に心奪われた新海天(しょうじょ)が人生で最初に意識する恋のライバルはどんな人だと思う?」

 

 愛する人の、愛を囁くかもしれない相手。

 接する時間の多い同級生だろうか?

 会う機会が乏しいからこそ心に残る年上の美人だろうか?

 

――違う。

 もっと、もっと、強烈に意識する対象がいた。

 

「答えは簡単、“()()()()()()()()()()”だよ」

 

 にっこり、と。

 髪を括り、普段は使わない表情筋を動かして少女は謡う。

 

「こんにちわ、私の名前は新海月(あなたのいもうと)です。自己紹介が必要ですかしら、()()()?」

 

 新海天の人生最初の恋のライバルは、少女と瓜二つの悪戯っ子な笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

新海(ルナ)

翔と天の下に生まれた三兄妹の末っ子。天とは双子の妹で、当然ユーザーである。ヴィジュアルは髪下してジト目気味のダウナーな天。翔を「おにぃ」、天を「おねぇ」と呼び、後にレナ(ゴースト)の事を「妹ちゃん」「レナ」と呼称するようになる。

 

アーティファクトは幻体。スティグマは左太ももから腰に掛けて。

物語冒頭、階段を上っている途中で地震が来て転落、左足の骨折で入院している時にアーティファクトと出会い、幻体を駆使して町を出歩くようになる。選ばれただけあって幻体の扱いは翔や与一と比べ物にならず、まったくの別人として幻体を形成して非日常を楽しんでいたが、それをイーリスではないかと誤認する者が現れ・・・的な設定。

 

構想自体は以前からあったが、アニメを見て上記のシーンと締めのセリフが降ってきたので投稿。

 

誰か!!!

このネタで書いて!!!

 

 




ラストは新海兄妹あてに海外から封筒が届き、差出人は新海月。
中身は写真が一枚、見覚えのある少年の後ろ姿だけが写っている。

という形で旅立った与一と一緒に海外にいるENDとかも面白いと思ったり。
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