幼馴染系恋人を寝取られた主人公が取り返すだけの話。

 この作品は、以下の成分を含みます
・駄文
・ロマンス(?)初めて
・文章力?あぁ、いいやつだったよ
 それでもいい人は、どうぞ。

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前書き?あぁ、美味しかったよ。


俺は幸せ者だ。

 俺は幸せ者だ。俺をそう感じさせるのは、俺の恋人、春島奈緒(はるしまなお)がいてくれるからだ。彼女は所謂幼馴染で、付き合い自体は幼稚園の時、詰まり今から大凡十数年前からあるが、この間の放課後に告白して、晴れて恋人となった。

 彼女はお淑やかな、品のある、面倒見がいいやつで、俺なんかとは不釣り合いなくらい素晴らしい女性だ。

 一体いつから彼女に恋心を抱いていたか覚えていないが、この際そんなことはどうでもいい。何せ今では俺の彼女なのだから。

 一方で、彼女には申し訳ないことをしたかもしれない、とも少しだけ思っている。

 俺と彼女は付き合い自体長いものの、彼女はあまりにも優秀だ。彼女はお淑やかで、文武両道で、美人で、面倒見が良くて、優しい。俺はというと、無頓着で、成績は中くらい、体力は良いし、ガタイも悪くないと思うが、特段活躍しているわけではない。顔がいいかというと、さてどうだろうか。感情表現だって苦手で、よく無表情だから何を考えているかわからないと言われる(俺としては微笑んでいたつもりだった)。

 そんな俺と付き合ってくれたのだ。嬉しいが、もっといい相手がいたかもしれない、とも思う。もっと幸せになれる相手がいたかもしれない。彼女なら引く手数多だろう。それでも俺と付き合ってくれた。罪悪感がないわけではない。

 それでも俺は幸せだ。何せ、彼女が隣にいるのだ。幸せでしかない。丸で夢でも見ているのではないかと思うほどに。

 俺は今までのことを振り返って、これが夢ではないと確認する。食卓でコーヒーを啜りながら自分が幸せであると感じる。顔が完全に緩んでいる自信があるが、この顔を彼女が見たら一体どう思うのだろうか。確かなことは、俺は恥じらいを覚えるだろう。

 そういえば、今朝何やら怪しげな封筒がポストに入っていた。封筒の中身は一つのUSBメモリーのみ。封筒には何も書いてなく、メモリーも特徴がない。一体なんだろうかと悩みながらも、メモリーの中身を見ようとはしなかった。若しこれが誤った、ミスによるものであれば申し訳ない。それに、何故だか知らないが、不気味なのだ。どこか不気味で、不穏な空気が滲み出ているのだ。見てしまったら、何かが壊れそうな、後戻りできない、そんな空気が。

 俺は別にそういう第六感があるわけではない。しかし、何かが俺に警告している。そう思わせるほどに、不気味だった。

 そういうことを思っていると、携帯から振動がなる。メールだと思い確認すると、春島からだ。俺は彼女からのメールに未だ動悸を覚える。情けないと思うかもしれないが、仕方がないではないか。俺は走る心臓を抱えたまま、内容を確認した。

 

「『USBメモリー、見てみてね♡』、か」

 

 どうやらこのメモリーを俺に差し出したのは彼女らしい。そう考えると、不思議にメモリーの不気味さが減る。

 なるほど、これは彼女が俺に送ってきたものなのか。しかし、一体何故だ。メモリーで遣り取りしないといけないものがあっただろうか。いや、ない。では何故。

 俺は苦悩した。そして俺なりの結論に至る。

 

 「若しやこれは、バースデーサプライズ…!」

 

 俺は来週に誕生日を控える。当日には彼女とデートをする予定で、色々期待している。そして、確信している。ヤるのだ、と。恥ずかしい話、いや、別に恥ずかしい訳ではないのだが、初経験はまだだ。口付けまではしたが、それ以上は機会がない。そんな中来週のバースデーデートの場所はなんと彼女のお家。これは期待せざるを得ない。俺とて思春期の男の子だ。色々な考えを抱いたりする。今回もそういうことだ。

 少し話が逸れたが、取り敢えずこのメモリーは春島が送ったものだということがわかった。ここ最近彼女と会えていないが、これが原因かと考察する。

 しかし、ここでも疑問が残る。何故今なのだ。俺の誕生日は今日ではない。来週だ。サプライズするなら当日でも良いではないだろうか。当日ではダメなものなのか、と思うもその内訳が想像できない

 疑問は残るものの、俺は走る心臓を抑えられないまま、俺の部屋へと走り、パソコンを起動する。起動するまでの十数秒が、これ程にも憎たらしく長かっただろうか。遂にパソコンが起動する。

 俺はメモリーをパソコンに挿した。中身を見るとどうやら一つの動画があるようだ。一体どんな内容なのかウキウキしながらも、このままではいかんと深呼吸をする。

 ある程度落ち着いた後、俺は動画の画面を最大にし、再生ボタンを押した。

 

 『道寿(みちひさ)くん…ッ!』

 

 動画の中で、どこか暗い、寝室のようなところで、春島が俺の名前を呼んでいた。

 

 『ごめん…ね…ッ』

 

 彼女は謝っていた。

 

 『私…勝てなかったの…♡』

 

 大事な部分を隠さない下着のようなものを着けた、淫らな格好の彼女がそう言った。

 

 『ほぉら、ナオちゃん?宣言しな?』

 

 恐らくカメラの内側にいるであろう男の人がそういう。

 

 『…はい』

 

 彼女がそう答えた。

 

 『私…春島奈緒は…』

 

 彼女はそう言った。

 

 『…私の初めてをぉ…』

 

 彼女はそう言い続けた。

 

 『…先輩に…捧げます…♡』

 

 彼女がそう言うと、彼女は涙を流した。惚けた顔に笑みを浮かべながら、見せたことのない顔で、一筋の涙だけを流した。

 

 『よくできました』

 

 男がそういうと、後に続く動画の内容は、淫らな声を上げながら突かれる春島と、口が裂けたような笑みを浮かべる男が春島を突くものだった。この男は恐らく、三年生の槍田(やりた)先輩だと思うが、この際そんなことはどうだっていい。

 いつの間にか三時間ばかりの動画は終わっていたが、気づくことはなかった。俺は今一体どんな顔をしているのであろうか。よくわからない。俺は今一体どんなことを思っているのであろうか。よくわからない。整理がつかない。よくわからない。頬を伝う涙は一体どこからきたのだろうか。よくわからない。この感情は悔いか、悲しみか、違う。よくわからない。

 

 「なんだよ、これ」

 

 力なくそう呟く。どこから出た言葉だろうか。よくわからない。気がつくと、俺は力一杯に立っていた。俺は震えていた。俺は、どうするべきであろうか。この感情は一体なんなのであろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今に崩れそうなアパートの一室で、男―槍田勇男(やりたいさお)―は、女ー春島奈緒(はるしまなお)―に忙しく腰を打ち付けていた。部屋中に響くはしたない反復的な音。布団は既に何で濡れているのかわからない。

 

 「いいのぉー!もっとッ、もっと来てッ!」

 

 春島は両目を大きく見開きながら、獣のようにそう叫ぶ。顔はよだれ、鼻水、涙、そしてよくわからない液体で塗れていた。

 

 「ホラッ!これが!欲しいんだろ!このブタが!」

 

 槍田もそれに応えるように、そう言いながら腰をさらに強く打ち付ける。槍田は徐々に速度を上げ、春島はもう耐えられないと言わんばかりと、体を反らせ、両手で髪を乱しながら頭を抱える。

 

 「キちゃう!またキちゃうのぉ!」

 

 春島はまたそう叫ぶ。そして、二人の営みがクライマックスを向かおうとしていた。

 

 瞬間、部屋に耳が痛くなるような打撃音が振動する。扉からだ。槍田は一度腰を止めるも、春島の切なさそうな顔を見て再開しようとした。

 しかし、再び扉が叩かれる。いい加減扉が壊れそうに叩かれ、槍田は仕方なしに服を着る。

 

 「ったく、誰だよ」

 

 槍田はそう言いながら扉に向かう。その最中にも、春島は切ない故か、自身に触れていた。

 

 「はいはい、どちら様で?…ッ!」

 

 楽しみを妨害されて怒りを覚えた槍田は、その感情も隠そうとせず、そう言いながら扉を開く。そして、そこに立っていた男を見て驚愕する。

 

 「…お久しぶりです、先輩」

 

 その声に、今度は春島が動きをぴたりととめ、震えながら扉の方へと、ゆっくりと目線を移す。

 

 「武山…!」

 

 「道寿くん…!」

 

 二人は驚いた声でそう言う。

 そこに立っていたのは、武山道寿(たけやまみちひさ)だ。奥にいる、春島の元の恋人にして、槍田の後輩。

 

 

 

 

 

 槍田は、自身の後輩、武山に劣等感を覚えていた。中肉中背で、顔もイマイチ、成績は下から数えた方が早い。そんな自分と比べ、武山は一八七センチ以上の身長に、服を着ても浮かび出る筋肉、成績は普通だが地頭がいい。顔だって整えればモテる。

 槍田からすると、「俺がどう足掻いても無理」な部分だった。コンプレックスだった。しかし武山は、自身のコンプレックスとは真逆だった。あと少し、もう少し努力すれば、武山は一躍人気になれるはずだ。しかし、そうしない。槍田は、屈辱を覚えた。舐められていると感じた。

 そんな槍田に一つの噂話が耳に入る。

 

 『武山が春島と付き合い始めた』

 

 武山と春島が幼馴染なのは知っていたが、まさか付き合うとは想像しなかった。しかし、確かに武山が春島といる時だけは、少しだけ顔が緩むように感じだ。

 これはチャンスだ、槍田は確信した。ここで春島を寝取ってしまえば、さぞ絶望するだろう。武山はあの図体と顔とは裏腹に、心は弱いように感じた。春島と付き合い始めて幸せを感じている武山が泣き崩れるその姿を想像するだけで、笑みが深まった。

 春島も案外コロッと堕ちた。全てが上手く行った。絶望の引き金たる“宣言動画”も送った。後は反応を楽しみにしながら、目の前のデザートを貪るだけだ。そう、そのはずだった。

 しかし、今目の前に立っている男を見て、槍田は絶望染みた困惑を覚える。

 武山が、前に立っている。絶望しながら泣き崩れ、惨めな姿をしているはずの武山が、立っていた。

 表情は、太陽の逆光で殆ど見えないが、少なくとも絶望や、悲しみの類の表情ではない。顔を見ずとも、その雰囲気からわかる。これは、怒り。憤怒。そしてその矛先もわかる。槍田自身だ。

 まだあの動画を送って一日も経っていない。この様子から、恐らくは動画を見たのであろう。しかし、何故。何故これ程に早い。何がそう動かしている。その答えは明白だった。槍田は後ろの女に目を向ける。あれだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 春島は、自身の幼馴染、武山に恋を抱いていた。全てを守り抜きそうなあの大きな体、力強い腕、しかしそれとは裏腹に蟻一匹殺せない優しい性格。堂々とした風貌とは真逆で、感情表現は上手くできない、そんな武山が好きだった。

 初めての出会いは幼稚園の時だった。物静かだった春島はいじめられていた。天真爛漫な子供達はそれをいじめとは認知していなかった。そのため、限度を知らなかった。日に日に事は加速していった。

 そんな中、武山が自身の前に立ちはだかってくれた。彼はただ無表情に「いじめはだめだ」と言った。それで漸く彼らはこの行為がいじめだと認識し、泣きながら謝った。

 春島は武山に問うた。「何故私を助けたのか」と。武山は答えた、「いじめられていい人はどこにもいない」と。その瞳は愚直で、無表情な顔でも、強い意志が見えた。その時以降、春島は武山に恋を抱いた。

 そして遂に、恋人になった。武山が先に告白した。両思いだった。春島は嬉しかった。幼い頃からの想い人と繋がれた。嬉しくないはずがない。しかし、一体どこからずれ始めたのだろうか。

 

 初めは側にいるだけでも嬉しかった。武山の暖かさに触れるだけでも幸せだった。しかし、時が経つにつれ、段々それが慣れて行き、視野が広くなる。そして寂しくなった。感情表現が拙い彼だ。劇的で浪漫チックなことはないだろうと、知っていた。しかし、いくら清楚な春島とはいえ、彼女も年頃の女の子だった。大事にされていると言う確証が欲しかった。特別な扱いもされてみたかった。しかし、そういうことはなかった。春島は知らず知らずの内に不満が溜まっていったのだ。

 その時現れたのが槍田だった。槍田は春島に縋りよった。最初は拒絶した。下心を隠そうともしない、そんな男を好きなわけがないし、何より、春島には武山がいた。故に最初は強固に断った。

 しかし、槍田は春島を大事にした、特別に扱った、耳元で凡ゆる言葉を囁いた。無表情で、感情表現が拙い武山としか付き合ったことがない春島には、衝撃的なものだった。そして遂に、一線を超えた。

 春島に罪悪感がないわけではない。寧ろ日に日に罪悪感は幾何級数的に増えていった。しかし、それをも勝る快楽に、春島は身を委ねた。考えることすら難しくなるほどの快楽に、春島は堕ちた。

 

 快楽が止まると、罪悪感が倍になってやってくる。その度に吐き気がする。己の今を見て反吐が出る。その罪悪感を忘れる為にも、春島は槍田を求めた。この関係が長続きしないことくらいわかる。この快楽に終わりがあることくらいわかる。若し終わりが来た時、押し寄せる罪悪感から逃れる為に、自ら命を絶つであろうと、春島は思った。しかし今はそんなことどうだっていい。彼を忘れられるならそれでいい。それでいいのだ。

 しかし、あそこに立っている男は誰であろうか。熊のように大きな体、力強い腕、馬のような脚。太陽の逆光で顔はよく見えないが、確信して言えた。あれは武山なのだと。

 何故、彼がここにいるのであろうか。その疑問よりも先に、春島はこの疑問を抱いた。あの表情はなんだ、と。一度も見せたことのない表情。陰で隠れても尚、そこに表情があるように見えた。春島は瞬間理解した。これは怒りだ。憤怒だ。その雰囲気は丸で金剛力士像そのもの。恐怖を感じるには十分だった。いや、過剰だった。

 春島は震えた。怯えた。その怒りの矛先は、きっと自身を指しているのであろうと、そう感じた。故に畏れた。春島は震えるしかできなかった。

 

 

 

 

 

 「お久しぶりです、先輩」

 

 玄関を開けた先輩に、そう告げた。先輩の顔を見た時、俺は動画を見終わった時と同じ感情を抱いた。あぁ、俺は漸く理解した。これは怒りなのだ、と。

 先輩は開いた口をどうにか動かそうとしたが、思い通りにいかにようだ。しかし、今はそんなことどうだっていい。

 俺は部屋の奥を見る。するとそこには、裸姿の春島がいた。彼女も目を見開いて、小刻みに震えていた。俺の腕に力が入る。

 俺は徐に部屋の奥へと入る。そして彼女の直ぐ側に立つ。先輩は何を言うこともなく、動くこともなく、ただ頭を動かして俺を見るだけだった。

 

 「春島」

 

 俺がそういうと、彼女は肩を痙攣させた。その目には恐怖が伺えた。

 

 「服を着ろ」

 

 俺はそう言いながら部屋の中で散りばめられていた、少し湿っている彼女の服を拾い、彼女に投げる。

 彼女はその服を震える手で掴み、少しばかり眺めてから、ゆっくりと服を着た。何刻が過ぎたのであろうか。彼女は漸く着替え終えた。

 

 「来い」

 

 そういうと、彼女はどこを向いているかわからない顔のまま、震えながら立ち上がる。俺は彼女の手を掴み、玄関へと向かう。手は濡れ、冷たく、震えていたが、今はどうだっていい。

 俺は玄関先の、先輩の前に一度立ち止まって、彼の目を見る。

 

 「先輩」

 

 そう告げる。そして拳を上げ、力一杯に振るう。その衝撃に部屋中がひしめく。俺の拳は先輩の頭のすぐ隣に突き刺さる。砂壁には俺の拳の後が残る。

 

 「今後気をつけて」

 

 そう言うと、先輩はへこたれ、尻餅をついたまま、震えたまま、俺を下から見上げる。俺はそうとだけいい、彼女を連れてそこを後にした。

 

 俺は彼女を俺の家の居間に連れて座らせた。彼女は震えたまま、下を向いていた。テーブルに出したお茶にまで振動が来る。

 

 「春島」

 

 俺の一言に、彼女の肩がビクつく。

 

 「お前がここに来るのも久しぶりだな」

 

 彼女は震えたままだ。俺はそれに構わず言い続ける。

 

 「最後に来たのは小学六年生の時だったか」

 

 彼女は震えながらも顔を少しでけ上げる。目は合わない。

 

 「覚えているか、あの時」

 

 彼女は無言のままだ。

 

 「勝手に料理しようとして、フライパン焦がしたっけな」

 

 彼女の震えが、気持ち小さくなったように見えた。

 

 「それで、隠そうとして、でも結局バレて、内のお母さんにこっぴどく怒られたよな」

 

 彼女はそのまま耳をすませていた。

 

 「今思うと笑ってしまうよ」

 

 俺がそういうと、彼女は震える口を開いた。

 

 「…私が、始めたのに、道寿くんが庇ったよ、ね」

 

 「あぁ、そんなこともあったな」

 

 俺の強張った顔が少しだけ緩んだ。俺が言い出したんだ、春島は止めようとした、そんなことを言っていた気がする。

 そこから少し沈黙が流れ、居間の中では秒針の音だけが響き渡る。

 

 「なん、で」

 

 春島が沈黙を破り、震えながらそういう。

 

 「なんで、来たの」

 

 春島はそう言い続ける。

 

 「私は、裏切ったのよ」

 

 彼女は震えながら、そう言う。俺は黙る。

 

 「道寿くんの愛を、蔑ろにして」

 

 彼女は震えた声で、途切れながらも言い続ける。

 

 「あんな、幻滅的な動画まで、送って」

 

 彼女は目頭を赤くしながら言い続ける。

 

 「傷までつけて、なのに」

 

 彼女の声に少しづつ力が篭る。

 

 「なんで、なんで来たの…?」

 

 彼女は涙を流しながら、俺の目を見る。

 

 「俺は、無頓着だ」

 

 俺はそう言い始める。

 

 「成績は中くらいだし」

 

 彼女の顔を無視するまま、言い続ける。

 

 「無表情だし」

 

 そう言い続ける。

 

 「感情表現だって拙い」

 

 彼女は俺の目を見続ける。

 

 「十数年もの付き合いの君なら、わかるはずだ」

 

 彼女は黙ったまま、俺を見る。

 

 「そんな俺に、君は不釣り合いだとも考えた」

 

 彼女は震えるまま、耳をすませる。

 

 「罪悪感だって、感じてしまっていた」

 

 俺は口を止めない。

 

 「あの動画を観た時、俺はこれ程にない怒りを感じた」

 

 彼女は震えた。

 

 「俺の愛する人を奪った人に、怒りを覚えた」

 

 彼女の震えが瞬間止まった。

 

 「そして俺は取り返した」

 

 彼女の瞳が深まる。

 

 「俺は、君のことを誰よりも愛している」

 

 俺はそう言う。

 

 「例え俺よりも上的な男が君を奪ったとしても」

 

 俺は言い続ける。

 

 「君の隣が最も相応しいのは俺だと思えるくらい、愛している」

 

 彼女の反応を無視する。

 

 「君の隣が最も暖かいと感じるのが俺だと思うほど、愛している」

 

 ただ言う。

 

 「愛する人を取り返して、側に置きたいと思うほどに」

 

 ただ言い続ける

 

 「君が何故かと理由を聞いても、明確な言葉を言うことができない。俺にだってわからない」

 

 俺は徐に彼女を抱く。

 

 「ただ、おかえりとだけ、言わせてくれ」

 

 彼女の耳元でそう囁く。彼女は、何かが崩れたように泣き始める。声を上げながら、泣く。胸を上下させながら、泣き続ける。

 

 「ごめんなさいッ…!」

 

 彼女は震えた声で、そう言った。何度も謝りながら、言い続ける。俺は泣き止むまで、彼女を抱き抱える。それが正解と感じた。

 ある程度して、彼女は泣き止んだ。しかし、彼女の顔は俺の胸に埋もれたままだ。

 

 「春島、顔を見せてくれ」

 

 彼女にそういうと、彼女は埋もれたまま口を動かす。

 

 「…ナオ」

 

 彼女は俺のシャツを握った手を強くさせながらそう言った。

 

 「昔みたいに、ナオって言って…?」

 

 俺は一瞬、豆鉄砲を撃たれた鳩の顔になったが、すぐに微笑んで見せた。

 

 「…ナオ、その顔を見せてくれ」

 

 俺がそう言うと、彼女は今度こそ顔を俺に上げた。赤く膨れた目元と崩れた口でも、彼女は綺麗だった。

 

 「…ただいま…!」

 

 彼女はそう言うと、俺は笑顔のまま答えた。

 

 「おかえり」

 

 すると、ナオは口を三日月にして、再び涙を流し始めた。俺はその顔を見て、空かさず口づけを交わす。

 そして、俺はナオを連れて、そのまま俺の部屋に連れて行った。

 




 ナオは武山の秘部をみて驚愕した。
 それは、秘部というには、あまりにも大きすぎた。
 大きく、ぶ厚く、硬く、そして立派すぎた。
 それは、正に、馬並み。

 槍田との快楽なんかは忘れるほどの快楽で上書き。
 幸せに暮らしたとさ。めでたし、めでたし。



 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。なんかこういう作品ないかなっと思って、で、まぁ作ってみただけです。二日クォリティーだぜ。
 誤字脱字の報告、感想等いただければすこぶる嬉しいです。

 第六巻→第六感 編集
 分構成及び改行等 編集

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