目を覚ますと、そこは少しボロボロな部屋だった。
「ここは何処?私はアヘン……?」
「こいつ、記憶を失ってやがる!!」
「いや、どう見ても失ってないでしょう」
俺のボケた呟きにゴールドシップ先輩が慄き、御令嬢っぽい雰囲気のウマ娘が静かにツッコミを入れた。
「やめろジョッカー!!ぶっ飛ばすぞ!!」
「ジョッカーってなんなんですの……」
俺はそちらのお嬢様っぽいウマ娘、メジロマックイーンに叫ぶと、メジロマックイーンは頭が痛そうに俯いた。
「お、目が覚めたようだな」
「あ、変質者怪人飴男」
扉を開いて入ってきた見覚えのある茶髪の男を指差して言うと、ゴールドシップ先輩とメジロマックイーンが吹き出した。
「……変質者怪人じゃねぇっ!!人聞きの悪いことを言うなよ!!というか飴男ってなんだよ……」
「はぁ……」とため息を吐く怪人飴男。疲れてるのかな?
「……それで、チームスピカの面々が俺に何かようですか?」
「……見た目清楚系美少女でオレっ娘か」
「なんでいきなり冷静になっておりますの!?」
「「ノリ」」
声を揃えて言う俺とゴールドシップにメジロマックイーンは「まさかゴールドシップさんと同類だったとは……」とため息を吐く。
「あー……。話を戻すぞ」
頭を掻きながら飴男が口を開く。
「ダイナプラズマ。お前、ウチのチーム……チームスピカに入らねぇか?」
「嫌です」
飴男の勧誘に俺は即答する。すると、チームスピカの面々が色々な勧誘をしてきた。
「どうしても無理なの?(ダイワスカーレット)」
「ハイ無理です」
「俺たちと一緒にかっこいいウマ娘を目指そうぜ!!(ウォッカ)」
「目指しません」
「今なら私のお母ちゃんが送ってくれた人参もいっぱい付いてきますよ!(スペシャルウィーク)」
「十分足りてます」
「それでしたら、私おすすめのパフェはいかがでしょうか!(メジロマックイーン)」
「遠慮します」
「いっぱい走れる……よ?(サイレンススズカ)」
「間に合っています」
「はちみーもあるよ!(トウカイテイオー)」
「大丈夫です」
「ゴルシちゃん特製の焼きそばあるぜ!(ゴールドシップ)」
「入りますっ!!!!」
ゴールドシップから焼きそばを受け取りながら食い気味に返答する。すると、ほかのウマ娘たちがガックリと膝をついた。
「私のおすすめのパフェが焼きそばに負けましたわ……」
「お母ちゃんの人参、すっごい美味しいのに……」ポリポリ
「はちみーはね、舐めるととっても幸せな気分になれるんだよ……」ペロペロ
「かっこいいウマ娘って良いよな……良いはずだよな……」
「……なんか、一区画がどんより重いんだけど……」
落ち込むウマ娘たちを見つめながら呆れたように呟くダイワスカーレット。と、俺が入る発言をした瞬間部屋を飛び出した飴男が部屋へと戻ってきた。
「これ、申請書。これからよろしくな!ダイナプラズマ!」
「りょ」
敬礼して返事をすると、俺はササッと申請書に色々と必要事項を記入すると、トレーナーに返却した。
「んじゃあ、改めまして自己紹介を」
俺はそう言うと、少し部屋の中で開けた方へ向かい、バッと香ばしいポージングを取る。
「我が名はダイナプラズマ!!ウマ娘にして奇人と呼ばれるもの!やがては皇帝を打倒し、世界一のウマ娘となる者!」
そう名乗ると、その場にいた他のウマ娘たちが獰猛な笑みを浮かべる。それを見て、俺も同じく獰猛な笑みを浮かべた。
「なので先輩方。ちゃちゃっと抜いていきますね?」
「「「「「「「望むところだ(よ)(ですわ)!!」」」」」」」