問題児たちと胡散臭い化物が異世界から来るそうですよ? 作:焼き魚
「…何ですかねぇ?この手紙?」
朝の礼拝が終わった教会で、とある青年は手紙を手に取り呟いていた。
「宛名は有りませんし、やっぱりイタズラでしょうかね…でも私の名前が書いて有りますし…」
その青年は困ったような笑みを浮かべ、
「まあイタズラにしても開けてみないとわかりませんね…えぇとなになに」
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの〝箱庭〟に来られたし』
「………え?」
次の瞬間には空に放り出されていた。
「ええぇぇぇぇぇぇ!?」
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「……と、慌てていても仕方ありませんかねぇ」
現在高度4,000m
このままの速度で落下していけば、確実に死んでしまうであろうこの状況で彼は笑っていた。
「いやぁ…いい景色ですねぇ♪」
…………それどころか景色を楽しんでいた。
「おや?あれはもしかして…人間ですか?」
いまだに落ち続けている彼の目に写り混んだのは、自分と同じように落ちていく三人と一匹の姿だった。
(おやおや、私以外にもあの手紙が届いた人がいたのですか…驚きですねぇ)
彼がそんなことを思っていると、大きな水柱をあげ四人と一匹は湖に落ちていった。
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四人が岸にあがると、
「し、信じられないわ! まさか問答無用で引き摺り込んだ挙句、空に放り出すなんて!」
「クソッ…場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。まだ石の中に呼び出された方が親切だ」
「………。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」
軽口を叩いているヘッドホンの少年と気丈そうな少女。そして最後に無口なショートカットの少女は猫を抱き抱えながら無言で濡れた服を絞っていた。
彼がニコニコしていると、三人は自己紹介を始めたようだ。
「まず確認しておくが、もしかしてお前らも変な手紙が?」
「そうだけど、まずはオマエって呼び方を訂正して。
私は久遠 飛鳥よ。以後は気をつけて。
それで、そこの猫を抱えている貴女は?」
「……春日部 耀。以下同文」
「そう、よろしく春日部さん。で、そこの野蛮で凶暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう、取り扱い説明書を作ってくれたらそうするわ」
「マジかよ。今度作っとくわ」
「で、そこでニコニコとこっちをみている貴方の名前は?」
「おや、私ですか?私はナイルと言います。以後お見知りおきを、お嬢様」
………こんなんでいいんでしょうかねぇ?