問題児たちと胡散臭い化物が異世界から来るそうですよ? 作:焼き魚
今のところ原作通りだからいいもの
誰か私に文才を下さい
「な、なんであの短時間に“フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?しかもゲームの日取りは明日!?それも敵のテリトリー内で戦うなんて!準備している時間もお金もありません!一体どういう心算があってのことです!」
「聞いているのですか三人とも!!」
「「「むしゃくしゃしてやった。今は反省している」」」
「黙らっしゃい!!!」
誰が言い出したのか、まるで口裏を合わせたかのような言い訳に激怒する黒ウサギ。
そんな様子をニコニコと笑って見ていたナイルが止めにはいる。
「別にいいではありませんか。見境なく喧嘩を売った訳ではないのですから許してあげましょうよ」
「し、しかしですねナイルさん。このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この“契約書類”を見てください」
黒ウサギの見せた“契約書類”は“主催者権限”を持たない者達が“主催者”となってゲームを開催するために必要なギフトである。
そこにはゲーム内容・ルール・チップ・賞品が書かれており“主催者”のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。黒ウサギの指す賞品の内容はこうだ。
“参加者が勝利した場合、主催者は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する”
「ええ、確かに自己満足ですね。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを背負ってまで短縮させるのですから」
ちなみに飛鳥達のチップは“罪を黙認する”というものだ。それは今回だけでなく、これ以降もずっと口を閉ざし続けるという意味である。
「でも時間さえかければ、彼らの罪は必ず暴かれます。だって肝心の子供達は………その、」
黒ウサギが言い淀む。彼女も“フォレス・ガロ”の悪評は聞いていたが、そこまで酷い状態になっているとは思っていなかったのだろう。
「そう。人質はもう既にこの世にいないわ。その点を責め立てれば確かに証拠は必ず出るでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの」
箱庭の法はあくまで箱庭都市内でのみ有効なものだ。外は無法地帯になっており、様々な種族のコミュニティがそれぞれ独自の法とルールの下で生活している。
そこに逃げ込まれては、箱庭の法で裁くのはもう不可能であろう。しかし“契約書類”による強制執行ならばどれだけ逃げようとも、強力な“契約”によってあの外道を追い詰められる。
「それにね、黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲内で野放しにされることが許せないの。ここで逃がせば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの」
「ま、まあ………逃がせば厄介かもしれませんけど」
「僕もガルドを逃がしたくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしてはいけない」
ジンも同調するような姿勢を見せ、黒ウサギは諦めたように頷いた。
「はぁ~………。仕方がない人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし、“フォレス・ガロ”程度ならナイルさんと十六夜さんがいれば楽勝でしょう」
それは黒ウサギの正当な評価のつもりだった。しかし十六夜と飛鳥、それにナイルまでもが怪訝な顔をして、
「何言ってんだよ。俺は参加しねえぞ?」
「ええ、私も参加はしません」
「当たり前よ。貴方達なんて参加させないわ」
フン、と鼻を鳴らす二人と微笑む一人。黒ウサギはあわてて三人に食ってかかる。
「だ、駄目ですよ!御三方ともコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」
「そういうことじゃねえよ黒ウサギ」
十六夜が真剣な顔をして黒ウサギを右手で制する。
「いいか?この喧嘩はコイツらが売って、ヤツらが買った。なのに俺らが手を出すのは無粋だって言ってるんだよ。なあ?ナイル」
「ええ、そのとおりですよ。十六夜さん」
「あら、分かってるじゃない」
「………。ああもう、好きにしてください」
丸一日振り回され続けて疲弊した黒ウサギはもう言い返す気力も残っていない。
どうせ失うものは無いゲーム、もうどうにでもなればいいと呟いて肩を落とすのであった。
白夜叉のところで多分ナイル君ははっちゃける。